【12/17 追記】ピーチは 2012年12月14日で自社ウェブサイトで発着情報を提供するようになりました。以下の記事は提供前の内容に基づいて書かれています(FlightRader24 の便利さの説明に本質的な影響はありませんが)。

FlightRader24 の前編記事では、FlightRader24 の概要と“見て楽しむ”的な視点について書きました。が、本気で見て楽しめるのはヒコーキヲタや乗り物大好き人間だけでしょう。

Flightrader24_01


ということで、後編では少し実用的な?使い方として、自分が搭乗する便が定刻に出そうか遅れそうかを推測する手段としての利用法を簡単に説明します。

頻繁に遅れがちな LCC の利用者、
特に発着情報を自社で発信しないピーチ、エアアジア利用者向け


の話です。私自身、ピーチやジェットスター・ジャパンを利用するにあたって FlightRader24 を活用している方法なんですけどね(^_^;)

そして、もう一つ「FlightRader24 で表示される飛行機はかなり限られている」理由や FlightRader24 の情報が有志に支えられているという重要な点についても、簡単に説明しておきます。国内線の飛行機で表示されているのは半分以下で、AppStore や Google Play のレビューでも文句や不満があがっていますが、止むを得ない理由があります。



さて、まず「自分が搭乗する便が定刻に出そうか遅れそうかを推測する手段」ですが、何も特殊なことをやるわけではなく

自分が搭乗予定の飛行機が、その前にどの路線を飛んでるかを時刻表から推測して
FlightRader24 でその便の現在位置を見て、定刻で飛びそうか遅れそうか


を判断するだけの話です。

具体的な例を、自社で発着情報を出さないピーチで示してみます(追記:ピーチは 2012年12月14日で自社ウェブサイトで発着情報を提供するようになりました)。

Flightrader24_09
(追記:本画面はピーチが自社サイトで発着情報を提供する以前の画面です)


ピーチは自社ウェブサイトで発着情報や延着情報を出しません。Twitter で運行情報を出していますが、早い段階で欠航や条件付き運航、よほどの延着が見込まれる時以外は情報を出しませんので、リアルタイムな運行情報を求めるのは無理です。

というか、ピーチの Twitter アカウントが「定刻通りを予定しています」としか呟かない時に、30分延着なんて何度も体験しています(LCC なんてそんなもんですけど)。

とにかく LCC が遅れるのは常ですので、精神安定上の自衛策として「乗る便が自分で遅れそうかどうかを判断する」ようにしています。FlightRader24 の活用に慣れたら状況把握には LCC の地上係員よりずっと当てになりますからね。


例えば、私がよく使う便の一つであるピーチの関空12:05→福岡13:20 MM155便を見てみます。

ピーチの時刻表 PDF は以下から取得できますので、時刻表を見て MM155便となる飛行機が、その前にどこを飛んでいるかを推測します。

時刻表 | Peach Aviation

推測のポイントは「LCC は概ね空港到着から出発まで 30分で折り返す」という点です。ピーチの場合は関空がベース空港であり、ほぼ関空→他空港→関空のルーティングで運行しており、飛行機は早朝から深夜までフル活動し

・関空でも他空港でも多くは 30分折り返し
・たまに関空で1時間前後の余裕がある場合あり

というダイヤになっています。

で、MM155便は定刻関空12:05→福岡13:20 ですから、その30〜40分くらい前に関空へ到着する便を見てみると、関空着 11:35 という便があります(2012/10/28〜12/14 の場合)。他に 11時台に関空へ着陸する便はありません。

この関空着 11:35 という便は、早朝7時に新千歳空港へ飛び立った便の折り返しということも時刻表から明らかです(実際にそうです)。

この MM155 便となる飛行機の1日の動きは、

関西07:00→(MM101便)→08:50千歳09:20→(MM102便)→11:35関西12:05→(MM155便)→13:20福岡13:50→(MM156便)→14:50関西15:35→(MM107便)→17:25千歳17:55→(MM108便)→20:10関西21:10→(MM067便)→00:35香港01:15→05:45関西


というルーティンになっています(2012/10/28〜12/14 の場合)。

推測だけではなく、FlightRader24 で関空7時発 MM101便の飛行機の機体番号(通称レジ番、ピーチだと JA801P、JA802P…という番号になっている)を見て、その飛行機の機体番号をその日時々 FlightRader24 で検索して、どこを飛んでいるかを見れば確認が取れます。

そこまでやるのはマニアックな部分もありますが、FlightRader24 というのはそういうことも簡単できるサイト、アプリということです(FlightRader24 で表示される飛行機に限られますけど)。


で、搭乗する便の飛行機がその前にどこを飛んでいるかが判れば、定刻12:05関空発の MM155便が概ね定刻に飛びそうか、かなり遅れそうかを事前に推測することができますし、自分の乗る便が今どこにいるかが判ります

MM155便の場合、「冬の千歳往復の後だから天気によっては遅れることもあるなぁ」という懸念が出てくるので、できるだけ関空へ向かう前、向かう途中から状況を把握しておき、大幅に延着になるようなら新幹線に切り替えるとか対処が取ることも可能になります。

具体的には、MM155便は MM102便の折り返しですから、FlightRader24 で折り返しの前の便名 MM102 を検索します。

Flightrader24_08


これを検索表示したのは 11時21分。MM102便は定刻11:35関空着ですが、まだ豊岡上空にいます。ここから瀬戸内海へ南下してグルッと回って関空へ向かうのが経路です(前編で書いたように、FlightRader24 Pro版の現在位置より先の経路予測は当てになりません)。

ここから関空までどれくらいかかるかは慣れていないと判らないと思いますが、15分では到底つかないので、大幅遅れではないと思われるものの、定刻到着には厳しい状況です(実際の到着時刻は11:58)。

となれば、

「また遅れるんか〜」
「やっぱりこの時期の雪予報では札幌便は定刻通りに運行しないよなぁ…」
「雪の季節に千歳 30分折り返しとか無理ありすぎなんだよ!」

などと思いつつも、

ターミナル内のカフェで「もう少しゆっくりするか」とか
搭乗待合室横のレストランで「先に昼飯でも食っとくか」とか
「もう一仕事できるかな」とノートパソコンを開けるとか

そういう判断が可能です。この日(昨日)の福岡行き MM155便は結局 40分近く遅れて出発しました。



そしてもう一例。私がピーチで一番使っている便であろう福岡→関空最終便 MM160便。関空22:30着のこの便は、大幅延着すると自宅に帰ることができなくなります。

ピーチは関空第二ターミナルができて超不便に、さらに時間がかかるようになったので、30分遅れると公共交通機関での帰宅が難しくなります(平日は深夜バスがあるのでまだ何とかなりますけど…)。そんな便に乗るなよ、ということではあるのですが、貧乏人が経費節約するためには仕方ないということで、時々使っております。

ただ、さすがに 30分以上遅れる見込みだと翌日の予定によっては新幹線で帰阪することも考慮しなくてはならないですし、そこまで遅れない場合でも第二ターミナル発の梅田行き22時55分発のリムジンバスに乗れそうなのか、JRや南海の電車にはどうだろう?ダッシュしなきゃならないか…なんて考えます。

そこで、また同じように FlightRader24 で自分が乗る便の飛行機が今どこを飛んでいるか探して予測するわけですが、MM160便は最終便だけあってよく遅れるので、かなり早い段階から調べておきます。

MM160便となる飛行機ですが、一日の終わりに福岡へ往復する前に夕方、鹿児島を往復します(2012/10/28〜12/14 の場合)。

(前略)関西16:25→(MM197便)→17:40鹿児島18:10→(MM198便)→19:15関西19:45→(MM159便)→21:00福岡21:30→(MM160便)→22:30関西


なので、私の場合は作業の合間に夕方くらいから鹿児島往復の MM197便、MM198便の状況を追いかけます。

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関西→鹿児島 MM197便 17時23分時点の状況(鹿児島定刻 17:40着)

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鹿児島→関西 MM198便 19時時点の状況(関西定刻 19:15着)


これを見て「あー、今日も順調に遅れとるなぁ」と思うわけです。鹿児島行きの時点で「今日も結構遅れるわ」と覚悟して、鹿児島からの折り返し便の状況を見て、30分遅れでは効かないかもなぁ…と思うわけです。

そして 20時を過ぎてから FlightRader24 で MM159(定刻 19:45発)を検索しても出てこなくて(=関空を出発していない)、今日は梅田までしか電車で行けなくて、梅田からタクシーで帰るコースかな…となるわけです(^_^;)

実際にこの日(昨日)は

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(関空19:45→福岡21:00 が定刻なのに、20:36 でまだ淡路島上空)

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(福岡からの出発定刻間際 21:25 にはまだ着陸できていない)


という感じで、結局関空着は30分少々遅れて 23時過ぎに到着でした。

ピーチは到着するのが第二ターミナルなので、飛行機から第二ターミナルを抜けるまでの長い道のりと、そこから第一ターミナルへの移動時間を考えると、+15分はかかるので大阪駅へ辿り着くのが精一杯の時間になってしまいます…

(土日祝日のピーチ MM160便は概ね遅れまくりです。平日だとそうでもないのですが、観光客で満席近い状況のせいか、30分遅れは常と考えるべき感じです)



いずれにせよ、LCC ですから度々遅れるのは仕方ありませんが、どれくらい遅れそうかという情報がキチンと得られることで

精神的余裕が少しでも生まれる


のはあります。

大手航空会社と違って情報発信をマトモにしない、地上係員も要領を得ない LCC の場合は自衛手段として使えます。LCC の場合は空港に着くまで何も判らないことも多いですが、これならば空港に着くまでにおおよその状況は把握できます

ただし、路線推測できるのは現在の国内線 LCC のような飛行機の数、路線数・便数が少ないエアラインであったり、単純折り返しであろう地方空港に限られます。ANA や JAL のような多数の飛行機を持ち、多くの路線に就航している航空会社で羽田発、伊丹発を推測するのは難しい場合もあります。

ただ、大手航空会社ならきちんと発着情報も出ていますから、こんなことをしなくても済むわけです。私も今年から LCC を使うようになって、こんなことをやっているわけですから(^_^;)



さて、FlightRader24 の話の最後に重要なことですが、

FlightRader24 で表示される飛行機は限られている


ということと、その理由です。

ザッと日本全国を表示すると、多くの飛行機のマークが並んでいて全部ありそうに見えますが、実際には半分もありません。

Flightrader24_02


プロペラ機は原則として表示されません
ジェット機も比較的新しい機体に限られます

地方路線で使われるプロペラ機が表示されないために、日本海側や四国など一部地域では寂しい映りになっていますが、飛んでいないわけではなく表示されていないだけです。

また、ジェット機も国内線の場合は Boeing 747-400(絶滅寸前のジャンボ)、B777(トリプル)、B787(就航したばかり最新鋭機)といった機体と、小型機では B737 の場合は B737NG (Next Generation) と呼ばれる新世代機 B737-700, B737-800 のみであり、エアバス A320 も新規就航した LCC を始めとする一部に限られています。

なので、現状は日本の国内線に限ると半分の便も表示されているかどうかだと思います(国際線は事情が異なります)。スターフライヤーやスカイマーク、ピーチ、ジェットスターなどの新興航空会社は概ね表示されるのですが、ANA/JAL の率が悪いですからね…

で、この「国内線で表示されない機体が多い」理由は

FlightRader24 で表示できる飛行機は ADS-B というシステムを搭載している機体に限られる


からです。

ADS-B というのは、航空機から常時、現在位置と高度・速度などの情報を発信するシステムです。これを地上で受けてインターネットへ流すことで FlightRader24 は成り立っています。

そして、日本では ADS-B 装備は義務ではありませんので、ADS-B を装備せず表示されない機体があるわけです。欧米では ADS-B 装備が義務化の方向で進んでいるようですので状況は違いますが、こと国内では「新しいジェット機には装備されている」という感じです。

そういった事情があるので FlightRader24 で「◯◯路線の飛行機が全然表示されません!」「B767 が表示されません」とか言ってもどうしようもないわけです。

FlightRader24 側はどうしようもないし、航空会社も義務でもないのに高い機材を追加で入れることはしませんからね。


そして、もう一つ大事なこと。

日本の FlightRader24 は有志のボランティアで支えられている


ということ。これを忘れてはなりません。

先ほど書いたように「航空機から常時発信されている ADS-B 情報を地上で受けてインターネットへ流すことで FlightRader24 に飛行機の現在位置が表示される」わけですが、日本で ADS-B 情報を地上で受けてインターネットへ流しているのは有志がやっているわけです。

実際のところ、ちょっと前の FlightRader24 は欧州ばかりで日本は表示されなかったのです。それが少しずつ日本の各地方の有志が ADS-B を受信してネットへ流す機材を自前で購入し、運用してくれることで、こうやって楽しく有用な状況になっているわけです(一箇所で ADB-S を受信しカバーできるエリアには限界があります)。

そういうこともあって、何かトラブルでもあると、たまに一定エリアの情報が表示されない状況が続くこともありますが、そのあたりは仕方ないことですし、使っている人は感謝を忘れてはならないと思っています。

FlightRader24 を紹介しているブログ、サイトも多いですが、できることならば「無料で面白いものが見られるー」というだけでなく、そういった事情を踏まえた上で紹介して頂きたいと思います。

FlightRadar24 Pro (AppStore URL)
FlightRadar24 Free (AppStore URL)
Flightradar24 Pro - Google Play の Android アプリ
Flightradar24 Free - Google Play の Android アプリ

今週のAppで無料化されている iOS用フライト発着案内アプリ Flightboard の注意点
リアルタイム飛行機位置表示アプリ「FlightRadar24」の楽しさ・利点と制限【前編】