昨晩「今週のAppで無料化されている iOS用フライト発着案内アプリ Flightboard の注意点」という記事を書いたわけですが、そこで飛行機の現在位置を示すアプリ「FlightRadar24 Pro」での一例を載せました。

この「FlightRadar24 Pro」というアプリは、リアルタイム(に近い)飛行機の現在位置を表示するアプリで、飛行機好きには有名なたまらないもの、眺めているだけで楽しいアプリです(あとで幾つか事例を示します)。

元々 Flightradar24.com というサイトがあり、ここのサイトの表示(かなり重い)をスマートフォン、タブレットでお手軽に表示できるようにしたアプリです。高機能版の Pro と無料版の Free の2種類があり、iOS版以外に Android版も今はリリースされています。

FlightRadar24 Pro (AppStore URL)
FlightRadar24 Free (AppStore URL)
Flightradar24 Pro - Google Play の Android アプリ
Flightradar24 Free - Google Play の Android アプリ

さて、この FlightRader24 なのですが、眺めて楽しいサイト、アプリというだけでなく、

運行情報を自社で出さない LCC、ピーチやエアアジア利用者には
助かる使い方のできるサイト、アプリ


でもありますが、反面

国内線で表示される飛行機はかなり限られている


ということに注意が必要です(理由は次回記事で)。

そして何よりも

国内の FlightRadar24 の情報は有志によって支えられている


ものです。日本国内の殆どを表示できるようになったのは割りと最近ですし、トラブルその他で表示されないエリアもたまにありますが、その点も判った上で使いたいものです(この理由も次回まとめて)。

眺めて楽しく、時には有用に使えますが、前回記事で書いた「Flightboard」同様に制約もあります。それをヒコーキヲタ以外が判るわけもなく AppStore や Google Play のレビューで不平不満が出るのも仕方ないのですが、なんかこう不幸だなぁ…と思っていたりします。

そんなこともあって、昨日書いた Flightboard の件のついでに、FlightRader24 についても利点や制限について少々書いてみます(主に国内利用に限った話です)。

まず、FlightRadar24 はリアルタイム飛行機位置情報表示アプリ(サイト)ですので、日本全体で表示するとザッと以下のような感じです。

Flightrader24_02


なかなか壮観で、また羽田・成田空港には飛行機が集中してるというのがよく判ると思います。瀬戸内海付近から名古屋付近に密集してるのも、多くは羽田と九州・山陽地区を結ぶ便です(国内線は羽田と他空港を結ぶ路線が多くを占め、利用者数では3分の2前後に達します)。

その羽田空港付近を見ると、いつも羽田空港へ着陸する便が行列を作っているのが見受けられます。特に朝晩のラッシュ時間帯にはズラズラっと並んでいます(そういう時は離陸も順番待ちが長くて、伊丹行き最終便では「当機の出発は12番目です」とか言われたりすることも珍しくなく…)。

Flightrader24_03


上画面例では、羽田空港への着陸は鴨川付近から房総半島を斜めに突っ切って、東京湾を旋回し、ディズニーシー沖からB滑走路へ着陸(Runaway 22)しようとして行列を作っていることが判ります。

大島から房総半島沖にいる飛行機は一部成田便も含まれますが、左下のスターフライヤー機(SFJ0074便)まで全て羽田行きで、こういう行列は管制官によって整理誘導され、順に着陸させるべく並べられています。

また飛行機のアイコンをタップすると、その飛行機の情報がポップアップ表示されるとともに、有料 Pro 版の場合は飛行経路の軌跡が表示されます(以下の例を参照)。

Flightrader24_04


有料版限定ですが、飛行経路の軌跡を眺めていると、この路線の飛行機はこういうところを通るんだ、ということが判ると思います。飛行機は自由に飛ぶわけではなく、基本的には決められた航路を分岐点ごとに渡り歩いていて、そのあたりは線路を走る鉄道と似ています。

もちろん、発着が同じ空港を結ぶ便でも方向によって通常から航路が違う場合がありますし、気象条件によって常に航路は変化しますが、こういう飛行経路をチェックすれば

今度○○空港へ行くけど、景色は右側が良いかな?左かな?というのが判る


わけです。

羽田伊丹便だとほぼ必ず富士山の南側を通りますから、羽田行きなら進行方向左手(A席)が富士山側ですし、伊丹行きなら進行方向右手(K席)から富士山が見えます。

しかし、これが羽田福岡便だと基本的に富士山の北側を通って行くことが多く富士山の見える席は伊丹便と逆になりますし、気象条件によっては富士山の南側を通って行くこともあるので、アテが外れる場合もあります。

また羽田那覇便は殆ど洋上で眺めがいいのは最初と最後だけですから、私みたいに窓席一択な人でも「まぁ通路側でもいいか」と思える路線ですが、同じ那覇便でも伊丹や関空、神戸からだと四国から宮崎、鹿児島、奄美諸島を眺めながらになるので窓席を取りたいと思うわけです。

(ええ歳して子供みたい、と言われようが Window Seat へばりつきでいいのだ X-)

さて、この Pro版にある(ウェブサイトでも見られるが)飛行経路の軌跡は、現在位置までの実際の飛行経路だけでなく、現在位置から先、到着空港への予定航路も表示していますが、正直なところ

現在位置から到着空港への予定航路表示は当てにならない


ので注意が必要です。

たとえば

Flightrader24_05


先ほどの2例と同じ頃に羽田への着陸行列にいる飛行機をタップしてみたところですが、いきなり行列からはみ出て横浜から川崎の工場地帯を横切ってB滑走路へ逆進入する(Runaway 04)経路を示していますが、もちろんこんなことはありません(羽田空港の Runaway 04 は離陸時に使われることがあっても着陸用には通常使われません)。

途中までの大まかな予定航路表示はあっていても、着陸態勢に入ってからの経路はあまり当てになりません。

(なお、上記の画面例では伊豆半島を横切るまでは通常航路だったのですが、羽田空港への着陸順番待ち飛行機が多くて行列が長いために大きく迂回して、待ち行列の最後尾に並んでいます)

ということで、FlihtRader24 では

  • 飛行機の現在位置

  • 現在位置までの飛行経路(Pro版のみ)

  • 飛行機アイコンをタップして表示される便名、航空会社、発着空港や高度・速度情報


あたりがリアルタイムに近い正確な情報として受け取ることができます(情報が発信されてから表示されるまで多少のタイムラグがあります)。

そういうこともあって、飛行機好きには色々と見ていて楽しく、例えば着陸機の行列は羽田空港だけではなく新千歳空港も判りやすいです。

Flightrader24_06


また、冬場は除雪作業で閉鎖される空港も多いので、到着空港がクローズされているけれど除雪されて再開されるのを上空待機する便を飛行経路軌跡で見ると「パイロットも乗客も大変だなぁ…」と、ぬくぬくとした部屋にいながら想像したりしちゃうわけです(実体験として何度もありますけど)。

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上記例では、中国南方航空のハルビン→新潟便が雪のために新潟空港に降りられず、天候回復・除雪作業待ちで上空を旋回しながら待機しているところです。

この中国南方航空は結局、新潟空港の天候が着陸できる程度には回復しなかったようで、しばらくグルグルした後に成田空港へダイバード(目的地変更)したようです。

Flightrader24_10


こちらは女満別空港がクローズしているなか、天候回復・除雪作業終わりで着陸可能になるのを待っている ANA, JAL 両機の状態です。だいぶ待機グルグルしまくっています。1時間くらい上空待機していたようですが、私も冬の女満別空港で1時間以上の上空待機の経験があります。

千歳に戻されたり、ダイバードされると網走まで行くのにまた大変なことになるので、「遅れてもいいからとにかく着いてくれー」と願いながら待っていたのを思い出します。

このあと無事、燃料が切れる前に女満別空港が着陸可能になって JAL→ANA の順に着陸して行きました。1時間以上遅れても、着くのは何より。パイロットも乗客もご苦労さまです。


とまぁ、こういうことは冬場の雪国だけでなく、夏場の雷雨・台風・ゲリラ豪雨でも間々あることですし、羽田や伊丹の着陸機渋滞で、着陸機行列に並ぶ前に離れたところで旋回待機することもあります。羽田→伊丹最終便で桜井上空でグルグルとか何度体験したことか…(^_^;)

Flightrader24_15
(羽田→伊丹行き最終便でよくある着陸行列に並ぶ前の待機グルグル
この時点で 20時36分だから割りと門限21時前のギリギリ到着でした)


さて、ここまでは眺めて楽しいアプリという話でしたが、実用として有効活用できる場合もあります。最初に少し書いたように、

「運行情報を自社で提供しない LCC の運行情報を FlightRader24 で掴む」

ということです。まぁ何というか、サービスの悪い会社に乗るのだから自分が必要な情報は自分で取れ、と。

このあたりも説明するつもりでいたのですが、例によってダラダラと書いていたら記事が長くなりすぎましたので、記事を前後編に分けて、次回記事で紹介したいと思います。

また、FlightRader24 利用上の注意点として

国内線の飛行機で FlightRader24 に表示される便は限定的


であるということも重要です。

この理由も、情報提供が有志に支えられてる点も含めて、次回記事で簡単に説明します。レビュー欄で文句や苦情が多いのですが、仕方ないんですよね…

というわけで、相変わらず長々ダラダラと書いてきましたので、残りは後編で。

Tedious Days More×3 : リアルタイム飛行機位置表示アプリ「FlightRadar24」の楽しさ・利点と制限【後編】

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