空港毎のフライト発着情報を、まるで空港にある発着案内板のようなデザインで見せてくれるアプリ「Flightboard」が、Appleの「今週のApp」に取り上げられて期間限定で無料化されています。
■ FlightBoard – リアルタイムなフライト発着情報 (AppStore URL)
ちなみに Android 版もあります。
■ FlightBoard - Google Play の Android アプリ
元々 FlighTrack というアプリのアドオンに絡んだ機能ですが、独立したアプリとしても提供され、ヒコーキ大好きな私は FlightTrack Pro に高い金を払い、アドオンにお金を払い、さらに「やっぱり単独アプリの方が使いよいに決まってるわ」と、いっぱい寄付したアプリです(^^;;
とまぁ、そんなことはどうでもよくて、「今週のApp」に取り上げられ無料化されたせいか、多くの iPhone/Apple 系サイトがこのアプリを取り上げていますが、誤解される可能性のある書き方をしているサイトが幾つか見受けられたので、お節介ながら少し書いておきたいと思います。
端的に言いますと、以下のとおり。
Flightboard がどうやって発着情報を得ているかを知っている方には自明のことですが、一見正確な情報が表示されているように見えるし、そういう場合も多いけれど、常に正確な情報が表示されているとは限らないので、使う方も紹介する方もその点は留意されたほうが良いと思います。
(Flightboard の発着情報を得る仕組みは面倒くさいので説明は略しますが、ネットで調べるだけで把握できると思いますし、リアルタイムの発着情報がとれないものがある原因も判ると思います)
私自身、Flightboard アプリを飛行機撮影時の発着情報の参考として使う場合もありますが、あくまで趣味の中での参考程度です(普段行かない空港でキチンと撮る時は航空無線を聞きますし)。
それっぽい情報をそれっぽいデザインで眺めるだけのアプリ、とまでは言いませんが、少なくとも
ということであります。少なくとも「搭乗送迎の時に便利」と紹介するアプリではありません。
一応、以下に一部事例を挙げておきます。
■ FlightBoard – リアルタイムなフライト発着情報 (AppStore URL)
ちなみに Android 版もあります。
■ FlightBoard - Google Play の Android アプリ
元々 FlighTrack というアプリのアドオンに絡んだ機能ですが、独立したアプリとしても提供され、ヒコーキ大好きな私は FlightTrack Pro に高い金を払い、アドオンにお金を払い、さらに「やっぱり単独アプリの方が使いよいに決まってるわ」と、いっぱい寄付したアプリです(^^;;
とまぁ、そんなことはどうでもよくて、「今週のApp」に取り上げられ無料化されたせいか、多くの iPhone/Apple 系サイトがこのアプリを取り上げていますが、誤解される可能性のある書き方をしているサイトが幾つか見受けられたので、お節介ながら少し書いておきたいと思います。
端的に言いますと、以下のとおり。
- 空港の発着案内板のようなデザインで、同じような情報が表示されますが、空港にある実際の発着案内板と同じ情報ではありません。
- 本当の発着情報が表示されない航空会社も少なくないし、通常は本当の発着情報が表示される航空会社でも便によっては表示されないこともある。
- よって、Flightboard に表示される情報は正確ではないこともあるので、搭乗や送迎の参考に使うのは危険ですし、そういう用途に勧めるのは間違っています。
Flightboard がどうやって発着情報を得ているかを知っている方には自明のことですが、一見正確な情報が表示されているように見えるし、そういう場合も多いけれど、常に正確な情報が表示されているとは限らないので、使う方も紹介する方もその点は留意されたほうが良いと思います。
(Flightboard の発着情報を得る仕組みは面倒くさいので説明は略しますが、ネットで調べるだけで把握できると思いますし、リアルタイムの発着情報がとれないものがある原因も判ると思います)
私自身、Flightboard アプリを飛行機撮影時の発着情報の参考として使う場合もありますが、あくまで趣味の中での参考程度です(普段行かない空港でキチンと撮る時は航空無線を聞きますし)。
それっぽい情報をそれっぽいデザインで眺めるだけのアプリ、とまでは言いませんが、少なくとも
搭乗送迎その他で正確な発着情報が欲しい場合は
Flightboard ではなく空港または航空会社のウェブサイトを見るべし
Flightboard ではなく空港または航空会社のウェブサイトを見るべし
ということであります。少なくとも「搭乗送迎の時に便利」と紹介するアプリではありません。
一応、以下に一部事例を挙げておきます。
国内での事例ばかりですが、まず ANA や JAL のような大手航空会社の便は、基本的に航空会社から出ている発着情報が表示されることが多いので通常はアテになります(後述するように全ての便が正確ではありません)。

(ANA 便の例)
しかし、航空会社によっては全く状況が異なります。
例えば、ピーチの例。以下は 12月7日午後7時頃のピーチ108便の発着情報を示しています。新千歳空港の出発も定刻通り、関西空港への到着予定時刻も定刻通り、となっています。

ところが、同時刻に関西国際空港のウェブサイトの発着情報でピーチの到着便を検索してみますと…

このように 30分以上遅れて到着するであろう予定になっています。Flightboard の方は元々の予定ダイヤをそのまま表示し、さらに「定刻通り」としているだけなのです。
実際にこの MM108便がこの時どこを飛んでいるかを FlightRadar24 Pro で確認すると

まだ秋田県能代市沖でした。19時ごろにこの位置では定刻の 20:10 にはまず到着することはできません(日本付近は元々気流の関係で西行きは時間がかかりますし、北海道から関空への便は通常、兵庫・岡山県境を南下して瀬戸内海や四国からぐるっと大回りコースですので)。
また、同じピーチの那覇→関西 MM216便を見てみると Flightboard では

こちらも 15:40→17:25 の定刻で出発・到着したことになっていますが、実際には

と1時間半以上の遅れで関西空港に着いているのです。これでは Flightboard をアテにしていては、えらく待ちぼうけを喰らいますね。
次に同じ LCC のジェットスター・ジャパンを見てみます。Flightboard の表示を航空会社別にソートして、12月7日夕方以降に関西空港へ到着する便をまとめて表示させてみたのが以下の画面写真です。

GK という2レターコードがジェットスター・ジャパンを示しています。これを見ると夕方以降の関西空港到着便は 19:06現在で
GK107便 成田空港発 22:30到着予定
GK160便 千歳空港発 17:10到着済み
GK162便 千歳空港発 20:05到着予定
GK182便 那覇空港発 23:50到着予定
となっています。が、関西空港のウェブサイトでジェットスター到着便の発着情報を検索してみると

となっていて、GK160便、GK162便についてはやはり Flightboard は定刻の時間を示しているだけ、というのが判ります。
ところが、GK107便については Flightboard では定刻 22:30 となっているのですが、関西空港ウェブサイトでは定刻 19:25着、実際の到着予定時刻は 20:03 となっていて、全然時刻が異なります。
さらに GK182便に至っては、Flightboard には表示されているのですが、関西空港ウェブサイトでは発着情報に掲載されていません。
もちろんこれは Flightboard が間違っています。
ジェットスター・ジャパンは先月、整備資格がない整備士を働かせていたのが発覚し、それによって関西空港発着便のうち数便が当面の間、運休減便することになり、他の便も運航時間が大幅変更になりました(俺が何回も乗っていた便も資格なし整備士が見ていたのかと思うと… -_-;)。
というわけで、GK182便は実のところ12月6日から運航されていませんし、GK107便は定刻 21:05-22:30 だったのが 18:00-19:25 に変更されて運航されているわけです。しかし、Flightboard はそのまま表示し、定刻に出発とか到着とか表示しちゃうわけです。
Flightboard で発着情報の詳細を見た時に、運航便情報の流れていく文字の最後に「予定」と書いてある便は基本的に運航情報が受け取れていないことを示すので、「予定」とある便の発着情報は当てになりません(出発前の便も同じ)。
国内航空会社では、スカイマーク、ソラシドエアー、ピーチ、ジェットスター・ジャパン、スターフライヤーは基本的に Flightboard に情報は反映されません。天草エアラインの天草空港のように最初から情報がない場合もあります。
ただし、スターフライヤーと ANA のように情報が得られる航空会社との共同運航便の場合は、共同運航している別便名を指定することで運行情報が得られる場合もあります。

(スターフライヤー便を選択すると本当の発着情報は得られない)

(もう一つの共同運航便の方を選択すると発着情報が得られている)
ともあれ、Flightboard はこういうアプリであり、航空会社によっては全く当てにならない場合もあることを留意して使うアプリですし、他にも留意すべき点があります。
前述のように航空会社によっては本当の情報が全く表示されない場合もあるわけですが、ANA や JAL の大手航空会社の便なら常に信用できるかというと、そうわけでもありません。
極端な例ですが、12月7日夕方に仙台空港を出発する ANA および JAL便を Flightboard で見てみます。

(仙台空港 17:30 出発の NH738便の表示)

(同じく仙台空港 17:30 出発の JL2210便の表示)
ANA, JAL の両社とも 17時30分に仙台空港を定刻に出発して、伊丹空港に到着したことになっています。が、運航便情報の一番上の行に「予定」とあるように、これは全く正確ではありません。
ご存知の通り、この日は 17時18分に東日本大震災の大きな余震があり津波警報も発令されたので、仙台空港は数時間のあいだクローズされ、上記の2便とも出発することはできませんでした。
以下、ANA および JAL ウェブサイトでの発着案内。


他にも臨時便は ANA/JAL でも本当の発着情報が表示されない場合が多いですし、子会社運航便など状況条件によって ANA/JAL でも正確な発着情報が表示されないことはあります。
Flightboard は時に有用で(ヒコーキ好きには特に)楽しいアプリですが、正確な情報が欲しい時に頼るアプリではありません。
航空会社のコードが IATA 表記(2レターコード)と ICAO 表記(3レターコード)が同じ航空会社で混在していて判りづらいこともあれば、発着情報が得られていない便に関しては搭乗ゲートだけでなくターミナルすら違うこともああります。
先ほど書いたように運航便情報に「予定」とある場合は正確な情報ではありません。そういうことを踏まえて、あくまで楽しむ感覚で使うようにした方が良いアプリだと私は思います。
もちろん、これは Flightboard が悪いわけではありませんし(そういう情報を元にしたアプリですから)、通り一遍のアプリ紹介を多数されているサイトや無料/値下げされたアプリを紹介するブログでは、こんなニッチなアプリをまともに使うこともないでしょうから細かいことが判らなくても仕方ないと思います。
ただ、アクセス数のある有名サイトさんが「空港の発着案内板と同じもの」的な紹介や「空港での送迎のに便利」的に書かれてあると、なんかちょっと誤解招きそうだよなー、と感じたので、場末サイトに使用上の注意点を残しておこうかと思った次第です、ハイ。

(ANA 便の例)
しかし、航空会社によっては全く状況が異なります。
例えば、ピーチの例。以下は 12月7日午後7時頃のピーチ108便の発着情報を示しています。新千歳空港の出発も定刻通り、関西空港への到着予定時刻も定刻通り、となっています。

ところが、同時刻に関西国際空港のウェブサイトの発着情報でピーチの到着便を検索してみますと…

このように 30分以上遅れて到着するであろう予定になっています。Flightboard の方は元々の予定ダイヤをそのまま表示し、さらに「定刻通り」としているだけなのです。
実際にこの MM108便がこの時どこを飛んでいるかを FlightRadar24 Pro で確認すると

まだ秋田県能代市沖でした。19時ごろにこの位置では定刻の 20:10 にはまず到着することはできません(日本付近は元々気流の関係で西行きは時間がかかりますし、北海道から関空への便は通常、兵庫・岡山県境を南下して瀬戸内海や四国からぐるっと大回りコースですので)。
また、同じピーチの那覇→関西 MM216便を見てみると Flightboard では

こちらも 15:40→17:25 の定刻で出発・到着したことになっていますが、実際には

と1時間半以上の遅れで関西空港に着いているのです。これでは Flightboard をアテにしていては、えらく待ちぼうけを喰らいますね。
次に同じ LCC のジェットスター・ジャパンを見てみます。Flightboard の表示を航空会社別にソートして、12月7日夕方以降に関西空港へ到着する便をまとめて表示させてみたのが以下の画面写真です。

GK という2レターコードがジェットスター・ジャパンを示しています。これを見ると夕方以降の関西空港到着便は 19:06現在で
GK107便 成田空港発 22:30到着予定
GK160便 千歳空港発 17:10到着済み
GK162便 千歳空港発 20:05到着予定
GK182便 那覇空港発 23:50到着予定
となっています。が、関西空港のウェブサイトでジェットスター到着便の発着情報を検索してみると

となっていて、GK160便、GK162便についてはやはり Flightboard は定刻の時間を示しているだけ、というのが判ります。
ところが、GK107便については Flightboard では定刻 22:30 となっているのですが、関西空港ウェブサイトでは定刻 19:25着、実際の到着予定時刻は 20:03 となっていて、全然時刻が異なります。
さらに GK182便に至っては、Flightboard には表示されているのですが、関西空港ウェブサイトでは発着情報に掲載されていません。
もちろんこれは Flightboard が間違っています。
ジェットスター・ジャパンは先月、整備資格がない整備士を働かせていたのが発覚し、それによって関西空港発着便のうち数便が当面の間、運休減便することになり、他の便も運航時間が大幅変更になりました(俺が何回も乗っていた便も資格なし整備士が見ていたのかと思うと… -_-;)。
というわけで、GK182便は実のところ12月6日から運航されていませんし、GK107便は定刻 21:05-22:30 だったのが 18:00-19:25 に変更されて運航されているわけです。しかし、Flightboard はそのまま表示し、定刻に出発とか到着とか表示しちゃうわけです。
Flightboard で発着情報の詳細を見た時に、運航便情報の流れていく文字の最後に「予定」と書いてある便は基本的に運航情報が受け取れていないことを示すので、「予定」とある便の発着情報は当てになりません(出発前の便も同じ)。
国内航空会社では、スカイマーク、ソラシドエアー、ピーチ、ジェットスター・ジャパン、スターフライヤーは基本的に Flightboard に情報は反映されません。天草エアラインの天草空港のように最初から情報がない場合もあります。
ただし、スターフライヤーと ANA のように情報が得られる航空会社との共同運航便の場合は、共同運航している別便名を指定することで運行情報が得られる場合もあります。

(スターフライヤー便を選択すると本当の発着情報は得られない)

(もう一つの共同運航便の方を選択すると発着情報が得られている)
ともあれ、Flightboard はこういうアプリであり、航空会社によっては全く当てにならない場合もあることを留意して使うアプリですし、他にも留意すべき点があります。
☆
前述のように航空会社によっては本当の情報が全く表示されない場合もあるわけですが、ANA や JAL の大手航空会社の便なら常に信用できるかというと、そうわけでもありません。
極端な例ですが、12月7日夕方に仙台空港を出発する ANA および JAL便を Flightboard で見てみます。

(仙台空港 17:30 出発の NH738便の表示)

(同じく仙台空港 17:30 出発の JL2210便の表示)
ANA, JAL の両社とも 17時30分に仙台空港を定刻に出発して、伊丹空港に到着したことになっています。が、運航便情報の一番上の行に「予定」とあるように、これは全く正確ではありません。
ご存知の通り、この日は 17時18分に東日本大震災の大きな余震があり津波警報も発令されたので、仙台空港は数時間のあいだクローズされ、上記の2便とも出発することはできませんでした。
以下、ANA および JAL ウェブサイトでの発着案内。


他にも臨時便は ANA/JAL でも本当の発着情報が表示されない場合が多いですし、子会社運航便など状況条件によって ANA/JAL でも正確な発着情報が表示されないことはあります。
Flightboard は時に有用で(ヒコーキ好きには特に)楽しいアプリですが、正確な情報が欲しい時に頼るアプリではありません。
航空会社のコードが IATA 表記(2レターコード)と ICAO 表記(3レターコード)が同じ航空会社で混在していて判りづらいこともあれば、発着情報が得られていない便に関しては搭乗ゲートだけでなくターミナルすら違うこともああります。
先ほど書いたように運航便情報に「予定」とある場合は正確な情報ではありません。そういうことを踏まえて、あくまで楽しむ感覚で使うようにした方が良いアプリだと私は思います。
もちろん、これは Flightboard が悪いわけではありませんし(そういう情報を元にしたアプリですから)、通り一遍のアプリ紹介を多数されているサイトや無料/値下げされたアプリを紹介するブログでは、こんなニッチなアプリをまともに使うこともないでしょうから細かいことが判らなくても仕方ないと思います。
ただ、アクセス数のある有名サイトさんが「空港の発着案内板と同じもの」的な紹介や「空港での送迎のに便利」的に書かれてあると、なんかちょっと誤解招きそうだよなー、と感じたので、場末サイトに使用上の注意点を残しておこうかと思った次第です、ハイ。
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