以前の記事でも触れたと思いますが、Paperwhite など Kindle の電子書籍端末でストア購入以外のドキュメントを読む場合には Kindle 形式(mobi/AZW3)に変換した方が快適に読むことができます。
PDF のように Kindle 端末が対応しているファイル形式でも、PDF そのままと Kindle形式 mobi ファイル化したものを端末で読み比べると明らかに mobi ファイルに変換したものの方がキレイに表示されます。
これはもうわざと PDF そのままだと汚くしてるだろ…というくらい mobi ファイルに変換した方が良く、自炊した電子書籍ファイルも同じです。
自炊電子書籍ファイルは通常 cbz 形式(JPEGファイルを zip で圧縮したもの)で保存している場合が多いと思いますが、Kindle Paperwhite で読む場合にはそれを PDF化するのではなく、適当に処理しつつ Kindle 形式(mobi)に変換して転送すべきです。
ということは、以前からの Kindle 使いには常識だと思われますが、Paperwhite から Kindle 端末を使い始めた人、興味持ってこれから使うだろう人の参考に、以下 PDF と mobi の画質差と、簡単な変換方法を記しておきます。
いずれも画像クリックで等倍表示できますが、一目瞭然だと思います。元々は mobi 形式で取り込んだものと同じくらいの画質で表示できるはずなのに、PDF だと細かい部分がやたら汚くなるので、テキストものはかなり読みづらくなります。
実際に Kindle Paperwhite 端末で読む場合には、PDF では文字の判別はつくが、とてもじゃないけど読む気にならないレベル、mobi では快適とは言いがたいが読書できなくもないレベルですね。
元の自炊取り込みファイルから余白をきっちり詰め、コントラストも調整しながら mobi ファイルに変換すると、自炊した小説ものでも Kindle Paperwhite のような電子書籍端末でもまずまず読めるようになります。が、そこまで手間暇かける必要があるかどうかは…その人次第ですかね。
こちらも画像クリックで等倍表示できます。コミックなので文字部分が少ないだけ、前項の小説ものよりは差は小さいように見えますが、PDF と mobi での差は歴然です。
PDF では若干表示サイズが小さくなることもありますが、いずれにしても PDF 中の画像縮小処理がかなり乱雑で、文字が掠れたり潰れたりするだけでなく、絵の部分も含めた全体の見やすさが全く違うことが判ると思います。
コミックの場合、小さな文字の注釈やルビは難しいですが、概ね Kindle Paperwhite レベルの電子書籍端末なら問題なく読むことは可能です。ただ、ストアで購入したテキスト物と違って、1ページめくるごとに画面が書き換えフラッシュしますので、目への負担も含めて液晶端末で読むのとどちらが良いかは微妙な気がします。
私個人はページめくりの書き換えフラッシュに慣れてしまっているので、重量の軽い電子書籍端末で読むのは嫌いじゃないですが。
この例も画像クリックで等倍表示できます。こちらは元々 PDF で提供されていて、解像度も Kindle Paperwhite の画面解像度より低いものですので、PDF と mobi の差はかなり小さくなっています。
ただ、セリフ部分の文字の読みやすさ、髪の毛などの細かい部分の線を見ると、確実に PDF より mobi の方が見やすいことが判ります。
また上記の PDF/mobi ファイル例は、元々提供されている PDF から若干ですが余白を少しトリミングしています。トリミング方法は以下の過去記事で触れています。
■ Tedious Days More×3 : MacOS X のプレビューアプリで PDF 全ページを一括トリミングして余白を削る方法
余白トリミング前のオリジナル PDF をそのまま Kindle Paperwhite に読み込んだ場合は、以下のようになります。
元ファイルだと更に文字が潰れ気味になっています。元々の画像解像度が高くないので、余白をトリミングしても、PDF を mobi 化しても、差は大きくありませんが、やはり多少なりとも処理した方が読みやすくなります。
どこまで手間隙かけるかはその人次第ですし、自炊書籍、コミックの場合はこんな手間暇かけるより、液晶タブレット端末で読んだ方が手っ取り早くて快適ですので、自己満足の世界とも言えますが…
ただ、以前も書きましたが、自炊書籍のような解像度高めの画像大量な PDF を読んでいると
このようなメモリ不足エラーが頻発することもあるので、どちらにしても解像度を Kindle Paperwhite レベルまで落とすなりしないと快適に読めないので、自炊物を電子書籍端末で読む場合には最適化処理が必要になりますね。
PDF や CBZ(自炊取り込みした JPEG ファイルを ZIP で固めたもの)形式のファイルを Kindle 形式(mobi)に変換する方法は幾つかありますが、定番は Calibre です。
■ calibre - E-book management
公式では Windows / Mac / Linux 用が提供されていますが、オープンソースですので他環境でも動作している場合があります。
奥が深すぎるソフトでありますので細かな使い方は他に譲りますが、単純に PDF や CBZ を mobi 化するだけなら、
といった手順になります(Calibre から Kindle Paperwhite へ直接ファイル転送する場合は最後の項目は不要)。
なお、拡張子 .zip のままの CBZ形式ファイルを Calibre に取り込んだ場合、CBZ形式と認識されない場合がありますので、その場合は拡張子を .zip から .cbz へ変更してから Calibre に取り込みます。
また、多くの書籍を変換するのにいちいち設定しているのは面倒臭いので、通常は Calibre 全体の設定を行なっておき、複数のファイルをまとめて変換します。
Calibre のメニューの「設定」→「設定」を選んで、設定ダイアログを開き、
「共通オプション」→「ページ設定」タブの出力プロファイルを Kindle PaperWhite を選択
「入力オプション」→「コミック入力」タブの「縦横比を固定する」にチェック
の2項目は最低限行なっておきます(先ほどの1書籍ずつ変換する場合の設定と同じ)。
なお、「コミック入力」タブの「縦横比を固定する」にチェックしないと、余白をトリミングした後に端末解像度に合わせて画像変換されてしまい、ページによっては
こんなことになってしまいますので、必ずチェックしておきます。トリミングされるのも嫌な場合は「トリミングを無効にする」とすれば、自動トリミングは行われません。
デフォルトでこういった設定をしておけば、あとは複数のファイルを Calibre に取り込んでから、「本を変換」ボタンの右端にある▼ボタンをクリックして「まとめて変換」を選んで、一気に変換すれば良いかと思います。
CBZ 入力から最適化処理しながらの MOBI 出力は結構な時間がかかりますが、勝手にパソコンでやらせておけばできる類いなので、問題ないでしょう。
また、まとめて変換した後のファイル保存は「ディスクに保存する」ボタンの右端の▼ボタンから「指定したフォーマットで保存する」を選んで MOBI フォーマットのファイルをまとめて保存します。
Calibre で変換したファイルはファイル名が英数字になっていますので、必要があればファイル名を自分で変更しておきます。
以上 Kindle Paperwhite では PDF をそのまま取り込まず、必ず Kindle 形式にして取り込んで読む方が良いよ、という事例と変換方法の簡単な紹介でした。
まぁ、自炊書籍を Kindle に取り込んでいると、すぐメモリがいっぱいになるので、電子インク端末での自炊書籍リーダーは Kobo glo に限ると思います。Kobo glo はメモリカードスロットがあるだけでなく ePub も CBZ も直接読めますから。
ただ、Kobo glo で読む場合も最適化処理はした方が良いのは間違いないので、Calibre なり、Windows 環境なら ChainLP などの強力ツールで最適化しておくべきでしょう。
PDF のように Kindle 端末が対応しているファイル形式でも、PDF そのままと Kindle形式 mobi ファイル化したものを端末で読み比べると明らかに mobi ファイルに変換したものの方がキレイに表示されます。
これはもうわざと PDF そのままだと汚くしてるだろ…というくらい mobi ファイルに変換した方が良く、自炊した電子書籍ファイルも同じです。
自炊電子書籍ファイルは通常 cbz 形式(JPEGファイルを zip で圧縮したもの)で保存している場合が多いと思いますが、Kindle Paperwhite で読む場合にはそれを PDF化するのではなく、適当に処理しつつ Kindle 形式(mobi)に変換して転送すべきです。
ということは、以前からの Kindle 使いには常識だと思われますが、Paperwhite から Kindle 端末を使い始めた人、興味持ってこれから使うだろう人の参考に、以下 PDF と mobi の画質差と、簡単な変換方法を記しておきます。
(1)自炊した小説の場合
いずれも画像クリックで等倍表示できますが、一目瞭然だと思います。元々は mobi 形式で取り込んだものと同じくらいの画質で表示できるはずなのに、PDF だと細かい部分がやたら汚くなるので、テキストものはかなり読みづらくなります。
実際に Kindle Paperwhite 端末で読む場合には、PDF では文字の判別はつくが、とてもじゃないけど読む気にならないレベル、mobi では快適とは言いがたいが読書できなくもないレベルですね。
元の自炊取り込みファイルから余白をきっちり詰め、コントラストも調整しながら mobi ファイルに変換すると、自炊した小説ものでも Kindle Paperwhite のような電子書籍端末でもまずまず読めるようになります。が、そこまで手間暇かける必要があるかどうかは…その人次第ですかね。
(2)自炊したコミックの場合
こちらも画像クリックで等倍表示できます。コミックなので文字部分が少ないだけ、前項の小説ものよりは差は小さいように見えますが、PDF と mobi での差は歴然です。
PDF では若干表示サイズが小さくなることもありますが、いずれにしても PDF 中の画像縮小処理がかなり乱雑で、文字が掠れたり潰れたりするだけでなく、絵の部分も含めた全体の見やすさが全く違うことが判ると思います。
コミックの場合、小さな文字の注釈やルビは難しいですが、概ね Kindle Paperwhite レベルの電子書籍端末なら問題なく読むことは可能です。ただ、ストアで購入したテキスト物と違って、1ページめくるごとに画面が書き換えフラッシュしますので、目への負担も含めて液晶端末で読むのとどちらが良いかは微妙な気がします。
私個人はページめくりの書き換えフラッシュに慣れてしまっているので、重量の軽い電子書籍端末で読むのは嫌いじゃないですが。
(3)元が低解像度の PDF で提供されているコミックの場合
この例も画像クリックで等倍表示できます。こちらは元々 PDF で提供されていて、解像度も Kindle Paperwhite の画面解像度より低いものですので、PDF と mobi の差はかなり小さくなっています。
ただ、セリフ部分の文字の読みやすさ、髪の毛などの細かい部分の線を見ると、確実に PDF より mobi の方が見やすいことが判ります。
また上記の PDF/mobi ファイル例は、元々提供されている PDF から若干ですが余白を少しトリミングしています。トリミング方法は以下の過去記事で触れています。
■ Tedious Days More×3 : MacOS X のプレビューアプリで PDF 全ページを一括トリミングして余白を削る方法
余白トリミング前のオリジナル PDF をそのまま Kindle Paperwhite に読み込んだ場合は、以下のようになります。
元ファイルだと更に文字が潰れ気味になっています。元々の画像解像度が高くないので、余白をトリミングしても、PDF を mobi 化しても、差は大きくありませんが、やはり多少なりとも処理した方が読みやすくなります。
どこまで手間隙かけるかはその人次第ですし、自炊書籍、コミックの場合はこんな手間暇かけるより、液晶タブレット端末で読んだ方が手っ取り早くて快適ですので、自己満足の世界とも言えますが…
ただ、以前も書きましたが、自炊書籍のような解像度高めの画像大量な PDF を読んでいると
このようなメモリ不足エラーが頻発することもあるので、どちらにしても解像度を Kindle Paperwhite レベルまで落とすなりしないと快適に読めないので、自炊物を電子書籍端末で読む場合には最適化処理が必要になりますね。
PDF や CBZ(自炊取り込みした JPEG ファイルを ZIP で固めたもの)形式のファイルを Kindle 形式(mobi)に変換する方法は幾つかありますが、定番は Calibre です。
■ calibre - E-book management
公式では Windows / Mac / Linux 用が提供されていますが、オープンソースですので他環境でも動作している場合があります。
奥が深すぎるソフトでありますので細かな使い方は他に譲りますが、単純に PDF や CBZ を mobi 化するだけなら、
- Calibre を起動し、ファイルをドラッグ&ドロップで Calibre に取り込む
- 「本を変換」ボタンをクリックして、変換設定画面が出てきたら右上の「出力フォーマット」を「MOBI」にする
- 「書誌情報」タブでタイトルと著者を入れておく
- 「ページ設定」タブで出力プロファイルを「Kindle Paperwhite」にする
- CBZ ファイルの場合は「コミック入力」タブで、「縦横比を固定する」にチェックする
- 右下の「OK」ボタンをクリックして変換
- 変換終了後、取り込み書籍一覧画面で該当書籍をクリックして、右側にあるフォーマットの「MOBI」を右クリックして「MOBI フォーマットでディスクに保存する」を選んで保存する
といった手順になります(Calibre から Kindle Paperwhite へ直接ファイル転送する場合は最後の項目は不要)。
なお、拡張子 .zip のままの CBZ形式ファイルを Calibre に取り込んだ場合、CBZ形式と認識されない場合がありますので、その場合は拡張子を .zip から .cbz へ変更してから Calibre に取り込みます。
また、多くの書籍を変換するのにいちいち設定しているのは面倒臭いので、通常は Calibre 全体の設定を行なっておき、複数のファイルをまとめて変換します。
Calibre のメニューの「設定」→「設定」を選んで、設定ダイアログを開き、
「共通オプション」→「ページ設定」タブの出力プロファイルを Kindle PaperWhite を選択
「入力オプション」→「コミック入力」タブの「縦横比を固定する」にチェック
の2項目は最低限行なっておきます(先ほどの1書籍ずつ変換する場合の設定と同じ)。
なお、「コミック入力」タブの「縦横比を固定する」にチェックしないと、余白をトリミングした後に端末解像度に合わせて画像変換されてしまい、ページによっては
こんなことになってしまいますので、必ずチェックしておきます。トリミングされるのも嫌な場合は「トリミングを無効にする」とすれば、自動トリミングは行われません。
デフォルトでこういった設定をしておけば、あとは複数のファイルを Calibre に取り込んでから、「本を変換」ボタンの右端にある▼ボタンをクリックして「まとめて変換」を選んで、一気に変換すれば良いかと思います。
CBZ 入力から最適化処理しながらの MOBI 出力は結構な時間がかかりますが、勝手にパソコンでやらせておけばできる類いなので、問題ないでしょう。
また、まとめて変換した後のファイル保存は「ディスクに保存する」ボタンの右端の▼ボタンから「指定したフォーマットで保存する」を選んで MOBI フォーマットのファイルをまとめて保存します。
Calibre で変換したファイルはファイル名が英数字になっていますので、必要があればファイル名を自分で変更しておきます。
以上 Kindle Paperwhite では PDF をそのまま取り込まず、必ず Kindle 形式にして取り込んで読む方が良いよ、という事例と変換方法の簡単な紹介でした。
まぁ、自炊書籍を Kindle に取り込んでいると、すぐメモリがいっぱいになるので、電子インク端末での自炊書籍リーダーは Kobo glo に限ると思います。Kobo glo はメモリカードスロットがあるだけでなく ePub も CBZ も直接読めますから。
ただ、Kobo glo で読む場合も最適化処理はした方が良いのは間違いないので、Calibre なり、Windows 環境なら ChainLP などの強力ツールで最適化しておくべきでしょう。
コメント
コメント一覧 (2)
Kindle Paperwhite機器で会社の5枚~10枚程度の会社でスキャンしたカラー又はモノクロの文字写真の混在したPDFの資料を機器で読み込んで見ることができますか、可能なら購入したいのですが、お教え下さいませ??