リンク先の記事や、いまブラウザで見ているページを「あとで読む」としてマークしてリスト化してくれるサービスは、Twitter や Facebook、RSS リーダーをモバイルで使う時には非常に便利なものです。

Pocket(旧 Read It Later、未だ馴染まない ^^;)、Instapaper、Readability あたりが代表格でしょうか。iOS/Mac の Safari に搭載されている Reading List みたいな機能もその一種と言えるかもしれません。

Twitter や RSS リーダーでザッとニュースを追って、ちゃんと読みたい記事は「あとで読む」サービスへ送り、時間のある時に「あとで読む」に送った記事をちゃんと読む。

そういう流れになると思うのですが、ややもすると、

あとで読む に送ってばかりで、あとで読むヒマがない、読むのを忘れる


ということが少なくありません。

そんな状況を解決するのに少しでも役立つかもしれないのが、あとで読むサービスの一つ、

「Instapaper に送った記事を毎日まとめて Kindle へ自動送信してくれる機能」

です。Kindle 端末へ送るだけじゃなく、iOS / Android の Kindle アプリにも送ることができるので、Kindle 端末を持ってない人でも利用可能です(むしろ、そちらの方が良いことも)。

この機能は以前からあって、私自身 Kindle 3 を買った時に「あとで読む」サービスの利用を Read It Later(現 Pocket)から Instapaper へ移して利用していました。

具体的にどのようなものかというと、

Instapaper2Kindle01


↑こんな感じで並んでいる Instapaper の記事を、毎日10記事(無料の場合。有料ユーザーは50記事まで)まとめて Kindle へ送ってくれて、Kindle で開くと

Instapaper2Kindle02


こんな目次を見つつ、見たい記事をタップすると…

Instapaper2Kindle03


こんな形で本文を中心に抽出して読めるようになっています。本などと同じ扱いですから、受信できていれば内容はオフラインで読むことが可能ですから Wi-Fi 版の Kindle Paperwhite などでも出先で読むことが可能です。なので

自宅で毎朝受信しておけば、通信機能のない Kindle でも通勤途中に読める

というサービスなわけです。

もっとも Palm などの PDA 時代や、それ以前のパソコン通信の時代からよくあった形であり、正直言って

スマートフォンが普及した今では化石とも言えるやり方


ですし、後述するように色々と難点がいっぱいあるわけですが、

あとで読むに放り込みっぱなしの記事を読むキッカケにはなる


のではないかと思います。私自身 Instapaper へ“あとで読む”で放り込んで忘れてる記事を思い出すために使っているようなものです。

ぶっちゃけ、使い物になるかどうかは微妙なところもあるのですけれど、

無料で使えるので、使ってみてから自分で判断できる


ので、興味ある方のために以下、設定方法を紹介しておきます。



(1) Instapaper のページにログインして、右上への「Account」をクリック

Instapaper2Kindle04



(2)Account Settings ページの「Manage my Kindle settings」をクリック

Instapaper2Kindle05



(3)この「Manage your Kindle」ページと Amazon の My Kindle ページの2つで設定を行う

Instapaper2Kindle06


この「Manage your Kindle」ページで設定するのは、上記の4箇所。1つ目は設定じゃなく、このメールアドレスが必要になるので、コピーまたはメモをする。

以下、順を追って説明していく。


(4)Instapaper から Kindle へ送る時の送信元メールアドレスをコピーまたはメモする

Instapaper2Kindle07


この「kindle.なんたら@instapaper.com」というメールアドレスをコピーするなり、メモをしておく。


(5)ブラウザの別タブ・別ウィンドウを開いて Amazon へ行ってログインして、Kindle → My Kindle と辿って「パーソナル・ドキュメント設定」を開く

Instapaper2Kindle32



(6)パーソナル・ドキュメント設定ページの下の方、承認済みEメールアドレス一覧の下にある「Eメールアドレスを追加」をクリックする

Instapaper2Kindle08



(7)表示されたウィンドウの Eメールアドレス欄に(4)でメモしたメールアドレスを入力する

Instapaper2Kindle09

Instapaper2Kindle10


入力が終わったら「追加」ボタンをクリックする。


(8)承認済みEメールアドレス一覧に(4)でメモしたメールアドレスが追加されていることを確認する

Instapaper2Kindle11


さきほどの(4)でコピーまたはメモした kindle.なんたら@instapaper.com というメールアドレスが承認済みEメールアドレスとなっているのを確認する。


(9)承認済みEメールアドレス欄の上にある「Send-to-Kindle Eメールアドレスの設定」の一覧にある Kindle 端末用の送信先メールアドレスをメモする

Instapaper2Kindle12


なんたら@kindle.com という形式になっているはずなので、@kindle.com より前の部分をメモしておく。

また、Kindle 端末じゃなく iPhone/iPad や Android の Kindle アプリに送りたい時は、その端末名の行の右にある送信先メールアドレスをメモしておく。

(Kindle 端末の送信先メールアドレスについては、端末内でも知ることができます。以前の記事「クラウドサービスを利用して Kindle へ ePub ファイルを自動変換して送り込む方法」で説明しています)


(10)Instapaper の「Manage your Kindle」ページに戻って「My Kindle's email address」欄に、今メモした Kindle の送信先メールアドレスを入力する

Instapaper2Kindle13


前項(9)でメモした なんたら@kindle.com の @kindle.com より前の部分だけを入力する。


(11)入力したメールアドレスの後ろの部分が「@kindle.com」になっているのを「@free.kindle.com」に変更する

Instapaper2Kindle14


Wi-Fi版 Kindle だと変更してもしなくても同じだが、3G版だと有料課金される場合があるので、無料でやるなら変更しておく。


(12)My Kindle's email address 欄の下にある「Send my Unread articles to my Kindle automatically」にチェックを入れる

Instapaper2Kindle15



(13)Send my Unread articles to my Kindle automatically 欄内にある自動送信タイミングの設定を行う

Instapaper2Kindle16


設定は3箇所。

  • Every 「week」となっているのを Every 「day」に変更
    (毎日配信ではなく毎週配信でよい場合は week のまま。その場合は米国時間で金曜日配信になる)

  • at around 「3 AM」となっているのを自分の好きな配信時間に設定する
    (上記例では「7 AM 」にしているが、遅延することもしばしばなので、それを見込んで設定した方がいいかも ^^;)

  • 下の行の Only if it will contain at least 「5 new articles」 となっているところは、前日からの未読記事が幾つあったら配信するか?という設定。初期値は 5記事だが、これも好きな設定で。


なお、配信されるドキュメントに含まれる記事数は無料ユーザーの場合、最大 10記事です。前日から追加した未読記事が 10以上あった場合は配信に含まれない記事があります。月 $1 の有料ユーザーは最大 50記事までの配信になります。

以上、3箇所の設定が終わったら、最後に「Save Changes」ボタンをクリックします。


(14)Account Settings ページに戻ってくるので、「Send a complilation of my articles to my Kindle」と書いてある右の「Send now」ボタンをクリックして、テスト送信させてみる

Instapaper2Kindle17


「Send now」ボタンをクリックすると、その時点でデフォルトの「Read Later」フォルダに入っている記事のうち最初から 10記事分がまとめられて Kindle へ送られます。

きちんと設定されていれば 10〜30分程度で処理される。処理が終わると

Instapaper2Kindle18


このようなメールが Amazon の登録メールアドレス宛に送られてくる。このメールが送られてきたら Kindle端末や Kindle アプリで Instapaper からの記事まとめを受信できる。


(15)Kindle 端末ないし Kindle アプリを起動する

Instapaper2Kindle19


Kindle 端末ないし Kindle アプリを起動すると、Instapaper からの記事まとめが自動的に受信されます。上記画面例では中央上にある、I という文字が書かれてるのがそうです。

以上の設定で、 先ほど(13)で設定したタイミングで Instapaper に送り込んだ記事のまとめが毎日 Kindle へ送られるようになります。


Kindle_accessary_store



では、Instapaper から送られてきたモノを実際に開いてみます。あまり期待しないように…(^^;

Instapaper2Kindle20
(送られてきた“本”を開くと表紙はこんな感じ)

Instapaper2Kindle21
(タップして開くと記事が1つしか見えない状態になっていますが…)

Instapaper2Kindle22
(メニューを開いて赤丸で示したボタンをタップすると…)

Instapaper2Kindle23
(送られてきた中に入っている記事のタイトル一覧が表示されます)

Instapaper2Kindle24
(右下の↓矢印をタップすると、残りの5記事のタイトルも表示されます)

Instapaper2Kindle25
(記事タイトルをタップすると、“あとで読む”で送ったページ内容が表示されます)

Instapaper2Kindle31
(画面下部の「次の記事」部分をタップすると、次の記事内容へ移動します)

Instapaper2Kindle26
(以下に挙げる制限に引っかからなければ、ニュース記事まとめとしては良いのですが…)


と、ここまでは問題ないように見えるのですが、実は色々と制限やら問題やらはあります。

  • 記事中の画像は全て省略されて文字だけが抽出されるので、ページによっては意味をなさない場合もある。
    (ニュースサイトの文字だけの記事や日記・エッセイ的なページは問題ないが、レビュー記事や写真が多くあるページはまともに読めない)

  • 複数ページに分かれて掲載されている記事は1ページ目しか収録されていない
    (なので、パソコンやスマートフォン、タブレットで改めて読むしかないけど、こういう記事もマークしていたなぁ、と思い出すキッカケとして ^^;)

  • ログインが必要な有料ユーザー、登録ユーザー限定の記事は読めない
    (日経や朝日などのユーザー限定記事は冒頭部分のみになります)

  • ちょくちょく、配信が遅れることもある
    (来ない時は Instapaper の Account ページから「Send Now」ボタンをクリック ^^;)


特に

モバイル用に軽く、電子書籍専用端末向けに文字だけに加工される


ので、その点だけは要注意です。広告とかは入らないので記事によっては随分快適に読めますけど、正直言ってスマートフォンやタブレットで読む方が快適なことの方は多いです(^^;;

Instapaper2Kindle27
(例えば、この記事は全部で6ページ構成だが、あとで読むに送ったのは1ページ目…)

Instapaper2Kindle28
(すると1ページ目だけが収録されているが、2ページ目以降は入ってないので
記事全体の冒頭部分だけしか読めない)

Instapaper2Kindle30
(またこのレビュー記事では多くの写真が掲載されているのだが…)

Instapaper2Kindle29
(ごらんの通り、写真はバッサリ削られていてレビュー記事としては魅力半減以下に)


こんな感じなこともあるので、Instapaper へ “あとで読む” として送った記事を完全に読むようには使えません。ただ、定期的に送ったモノが知らされることで、

送りっぱなしで忘れることは防げるかも


しれません。

記事中のリンクは有効ですので、スマートフォンの Kindle アプリで読んでいる場合などはリンクをタップして、続きを読んだり、元記事を読むことができますから、まさに Instapaper へ送った記事を読むキッカケにはなるかと思います。

また、Kindle パーソナルドキュメントサービスを利用したものですから、

  • 送った Kindle端末、Kindleアプリ以外の端末・アプリでもクラウドからダウンロードして読むことができる

  • 複数のデバイスで読んでいる場合は、どこまで読んだかが同期される


という利点もあります。まぁこの利点の恩恵を受ける人もそう多くない気はしますが…

というわけで、Kindle Paperwhite 発売記念?として、あとで読むサービス Instapaper と Kindle の連携を今更ながらに紹介してみました。

先日の記事「クラウドサービスを利用して Kindle へ ePub ファイルを自動変換して送り込む方法」もそうですが、せっかく Kindle パーソナルドキュメントサービスという便利なものが用意されているので、必要なら活用したいものです。

それに前述のとおり、Kindle 端末がなくてもスマートフォン/タブレットの Kindle アプリさえあれば利用できますので、興味があれば一度お試しあれ。

クラウドサービスを利用して Kindle へ ePub ファイルを自動変換して送り込む方法


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