月額490円という激安価格のデーター通信サービス DTI「ServersMan SIM 3G 100」。今月1日から microSIM 版のサービス受付も始まったので早速申し込み、到着次第使い始めています。昨日は、490円の月額料金のみで使える最大速度 100Kbps の制限下で利用してみた感想および速度テスト結果について書いてみました。

遅いと評判の月額490円データー通信「ServersMan SIM 3G 100」microSIM版 始めてみた【前編】

まぁひと言で言えば

「評判通り、廉価データー通信サービスの中でも遅かった」

であり、「安かろう遅かろう」なのは事実でした。これを日々常用する人ならば、倍の月額料金(といっても千円弱)を払っても IIJmio 高速モバイル/D や日本通信のサービスにした方が良いと断言できるレベルです。

とはいえ、値段なりというのは決して否定的な意味だけではなく、判って使えば実用になる場合もあるわけで、自分の利用スタイルを鑑みて、「超低速だけど月額固定料金が半額」の道を選ぶ手もあるわけです。

遅くても Wi-Fi 機器をモバイル時に安く常時接続しておける


わけで、月額490円ならその役割だけでも悪くないかもしれません(これは本当に本人の使い方次第)。

昨日今日と、この SIM を入れたモバイルルーターを持ちだして iPad mini や Nexus 7 で使っているわけですが、速度制限を解除しなくてもメールやプッシュが自動的に受信されているし、ちょっとした同期くらいならタブレットを鞄の中に入ってる間に行われている便利さはあるわけです。

Camera Upload のような画像、動画、音楽関係は難しいですし、Android の地図を使うのもキャッシュ済みでなければ厳しいですが、超遅いといってもメールや Twitter を見るくらいなら速度制限解除なしの低速でも何とかこなせています。

昨日の記事でも書いたようにウェブ閲覧はかなり苦行です。が、Readability や Google mobilizer、Instapaper といったモバイル用フィルターを通してなら使えなくもないですね。もちろん、音楽や動画は論外ですが)

また、DTI「ServersMan SIM 3G 100」の良さは月額基本料が他社廉価データー通信サービスの半額というだけでなく、

最大 100Kbps の速度制限を解除する料金も他社の半額 100MB あたり 263円


というのも有難いところ。

それに、事前に速度制限用のチャージをしておけば、

自由に速度制限解除をオン・オフできるので、必要な時だけ通常速度にできる


のは便利です(日本通信と同じタイプ。IIJmio は廉価データー通信サービスの中では品質が素晴らしく良いのだけれども、速度制限解除が自由にスイッチできないのが難点)。

これなら

  • 殆どモバイル(出先)では使わないけれど、たまに出かける時だけ少しだけ使いたい

  • 普段はメールやメッセージ関連、Twitter くらいなので超低速でも構わない。でも、時々ウェブを見る時には快適にしたい

  • 普段の携帯回線は au やソフトバンクだけど、念のためのドコモ回線も持っておきたい


という場合には

月額基本料 490円+必要な時の速度制限解除料


というのはリーズナブルと言えるかもしれません(くれぐれも本人の使い方次第)。一度チャージすれば有効期間は6ヶ月ですから、しばらく使わずとも保険として置いておけますしね。

ただ、評判によれば「ServersMan SIM 3G 100 は速度制限を解除しても遅い」という話も聞いていました。速度制限解除しての遅さへの文句も何度も見たことがあります。

というわけで、今回は「ServersMan SIM 3G 100」の速度制限解除にスポットを当てて紹介および2日間の速度測定テスト結果について記します。


まず、速度制限解除のためには予め 100MB 263円の“チャージ”が必要です。チャージされた速度制限解除時の転送量チャージ残があると、最大 100Kbps の速度制限を解除できます。

この速度制限解除のためのチャージも、速度制限解除のオンオフも、Android の専用アプリないし DTI サービス会員用ウェブサイトから行うことができます(iPhone/iPad/iPod touch 向けアプリは準備中)。

専用の Android アプリは以下の Google Play ページから入手できます。

ServersMan SIM 3G Unlimited - Google Play の Android アプリ

Nexus 7 のような SIM を内蔵していない Android デバイスからも操作は可能です。が、回線は ServersMan SIM 3G 100 の回線を使用している必要があります。

ServermanSIM3G100_12
(少し待っての起動後、チャージ残量がないと中央の速度制限解除ボタンが赤く利用不可です)

ServermanSIM3G100_13
(速度制限解除のための追加チャージは DTI サービスの会員ログインが必要です)

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(ログインすると 100MB/500MB/1GB 単位でチャージが可能、単価は同じです)

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(とりあえず 100MB分のチャージ。確認画面が出ます)

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(サービスのためにクレジットカードは登録済みなので、すぐチャージ終了)

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(再びメイン画面に戻ると、中央の速度制限解除ボタンが赤くなく、ボタンタップ可能です)

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(速度制限解除ボタンを押すと、いったん回線が切れ、再接続されます)

ServermanSIM3G100_20
(速度制限解除状態。左右のモードボタンランプが右の Unlimited モードに点灯、
中央のボタンも青色になっています。再度中央ボタンを押すと制限モードに戻ります)


また、iPad / iPad mini / iPod touch を使っている場合は(iOS 用アプリが出てくるまでは)DTI のウェブサイトからチャージや速度制限解除のオンオフを行います(パソコンなどでも同じ)。

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(myDTI にログインして ServersMan SIM 3G 100 の項目にある右下のボタンをタップしていく)

ServermanSIM3G100_22
(二度ボタンで項目を開いていくと、チャージとモード切替のボタンが現れる)


Android ユーザーが大半でしょうし、SIM ロックフリーな iPad ユーザーで使う人は少ないと思いますが、モバイルルーター経由で iPod touch / iPad から使う人もいるでしょうから、iOS版の専用アプリも早くリリースして欲しいですね。



さて、問題の速度制限解除しての通信速度ですが、2日間で色々な時間帯、場所で計った中から幾つか抜き出してみますと…

ServermanSIM3G100_23ServermanSIM3G100_24


昼間でこんな感じ。下り 1Mbps を大きく超えることもありますが、だいたいは 500Kbps〜1Mbps 強くらい。相変わらず流れたり流れなかったりがありますが、さすがに速度制限を解除しているパケットの流れが止まって動かなくなる感じはありません。

ただ正直言って、速度制限解除時も確かに遅めです。同じ廉価データー通信サービスでも IIJmio は速度制限を解除していれば 1.5〜3Mbps は確実に行く場所、時間帯ですので、それに比べると半分以下かなぁ…と。

次に夕方のラッシュタイム(18〜19時くらい)での計測。

ServermanSIM3G100_25ServermanSIM3G100_26


左は大阪近郊の駅前、右はショッピングセンターの奥まった場所での計測です。かなり遅いですね。ややもすると

「速度制限解除の追加料金とって、この速度かよっ!」

という感じですが、実を言うと、同じタイミングで au iPhone 5 にて au の 3G速度を計測すると

ServermanSIM3G100_27iPhone5ServermanSIM3G100_28iPhone5
(こちらは上記 DTI 計測時と同時刻頃の au 3G 速度)


という感じで、

追加料金取った割には文句言いたい遅さだけど、au はもっと遅かったわ…


なフクザツな気分。

つーか、いわゆるパケ詰まり問題以前に

春以降 au の 3G は時間帯によってメチャクチャ遅い


ので、ホント文句言いたいところですが、これはまた別の件ですので、ここでは参考程度に。



以上のように、

追加料金を払って速度制限を解除しても速さはそれなりしか出ない


です。正直言って、混んでない昼間くらいは安定して 1Mbps を超えてくれないとなぁ…と思います。

が、しかし、当たり前ですが

追加料金を払えば、超低速環境とは大きくレスポンスは変わる


わけで、ウェブを見るのも実用的な速度になります。速いとは到底言えませんが、2日間使っていて動画や音楽といったものを除けば実用的に使える感じです。

それに

100MB 263円と他社の半額だから速度も半分(以下)と思えば…(^_^;)


という感じですし、重要なのは、これならウェブ見て Facebook 見て…くらいは実用的と思えることで、たまに使うだけ用途で実用的な速度を求めるならコストパフォーマンス的にはさほど悪い気もしません。

docomo P-01D ホワイト スマホ 携帯電話 白ロム 新品
docomo P-01D ホワイト スマホ 携帯電話 白ロム 新品

(音声通話は無理だが、投げ売りの P-01D に入れるのも有りかも。テザリング可能だし ※1)


いずれにしても、

毎日、外出先でそれなり使う人には全く向かないサービス


ですし、DTI としてもそのような需要に応えるものとして作ったサービスではないでしょう。

しかし、最初に書いたような

たまの、ちょっとだけモバイル、には一番リーズナブル


です。月額 490円で超低速ながら使い放題、100MB 263円の速度制限解除で、高速とは言わないものの中速くらいには速度アップですからね。

速度制限を解除した時の速度も速くないですが、モバイルでスマートフォンやタブレットでウェブを見る程度なら実用的です。そして何より速度制限解除料金も含めて安い!のは魅力です。

1回チャージ分の 100MB もパソコンで使ったり、動画を見たりファイルのダウンロードをすれば、あっという間ですが、回線速度的にもそういった用途を想定していない、ウェブや SNS などをやる程度と思えば、そこそこ使い出があると思います。

私自身この SIM は来週以降、家族が使う SIM ロックフリー iPad 2 に挿して使うわけですが、家族が持ちだして使うのは週に1度程度、出先でちょっとウェブを見る程度で月にトータルで 30〜40MB も行くかどうかです。

それくらいなら追加料金で速度制限解除して使っても 100MB が 2〜3ヶ月保ちそうなので、月額 490円+α程度で賄えると思っているので他社廉価データー通信サービスより安く済む、という算段です(過去に毎月の使用量をきっちり把握してるので)。

ServermanSIM3G100_30
(SIM ロックフリー iPad 2 に挿して利用しているところ)

ServermanSIM3G100_31
(北米だけ LTE 対応の SIM ロックフリー第三世代に挿しても使えない ※2)


というわけで、

超低速だけど安い「ServersMan SIM 3G 100」
用途を鑑みて使えば、コストパフォーマンス良く利用可能


だと思います。“ちょっとだけモバイル需要”には、良い選択肢の一つだと思います。

ただ、

LTE (Xi) 対応デバイスには使えない


のが難点です。古めのスマートフォン、タブレット、モバイルルーターで使うのが吉ですかね。

docomo タブレット GALAXY Tab SC-01C ホワイト 白ロム Android スマートフォン 標準セット品
docomo GALAXY Tab SC-01C ホワイト 白ロム Android スマートフォン 標準セット品

(昔ゼロ円で買った、今も売られてる初代 Galaxy Tab に挿しとくのも有りかな…)


ま、余裕があれば、IIJmio 高速モバイル/D や日本通信スマート SIM を薦めておきますけどね(^_^;)。LTE 対応機器でも使えますから、色々と使いまわせるでしょうし。

これは、あくまで安さ重視の SIM です :-D

とりあえず2日間使ってきて、遅いのは遅いですが、要所で速度制限解除しつつのコストパフォーマンス的には悪くないと感じているので、もう少し使ってみて問題なければ、IIJmio 高速モバイル/D ファミリーシェア 1GB プランを解約し、自分用にもう1枚使っても置き換えてもいいかな…とか思っています。

なにせ、iPhone 5 でテザリング可能になってからファミリーシェアの 1GB のうち 100MB くらいしか消費してないので、経費削減しないと財政状態が… (^^;)

(※1) P-01D は標準ではドコモ契約以外でテザリングは不可ですが、APNスイッチアプリによって root を取らなくてもテザリングが可能です。
(※2) iOS 5 ですので使える場合は圏外表示になりません(iOS 6では使える場合でも圏外表示になることがあります)