発売当初から問題視されていた NEX-7 の動画ボタン配置。とにかく誤操作しまくりで、これほど酷いボタン配置のカメラは経験したことがないレベル。

NEX-7 は基本的に良いカメラだと思って使い続けているけれど、この動画ボタンのお陰で何度、窓から投げ捨ててやろうかと思ったし、この10ヶ月どれだけストレスを溜めたことか。色々なカメラを使ってきて良し悪し、好き嫌いはあったけれど、カメラにかぎらず、UI開発者は頭がオカシイ、と貶せる唯一である。

当初、私や周囲の NEX-7 ユーザーだけでなく、ネット上でも誤操作に関する意見を見ていたので、

「さすがに、そのうちファームウェア・アップデートで直すだろう。NEX-5D の時は次々とファームウェア・アップデートで改善されまくったソニーだからね」

と思っていたのに、待てど暮らせど音沙汰なし。

そのうち、NEX-5R やら NEX-6 といった新機種も出てきて、すっかり NEX-7 は放置状態。こりゃもう「ソニー的にはあのボタン配置で問題ないから直さん」ということなんだな、と理解してました。こんな屑UIを平気で放置するメーカーだということも。

しかし今頃になって、本日 NEX-7 のファームウェア・アップデートがリリースされ、動画ボタンの無効化設定が可能になりました。

NEX-7 ファームウェアアップデート - 本体アップデート情報 | デジタル一眼カメラ“α”(アルファ) | ソニー

NEX-7_FWUpdate04
(ファームウェア・アップデート前。Ver.1.00)

NEX-7_FWUpdate06
(ファームウェア・アップデート後。Ver.1.01)

NEX-7_FWUpdate07
(多くの項目数が整理されずに並んでる、大変使いづらいセットアップメニューに
新たに追加された「MOVIE(動画)ボタン」の項目)

NEX-7_FWUpdate08
(10ヶ月の怒りとともに「切」へ変更!)


とにかく「ホント良かった〜」とか「ソニー素晴らしい!」とか「NEX開発者を褒め讃えたい」とか、そんな言葉では言い尽くせないですね。言い尽くせなすぎるので、ソニー信者・ファンの方々はここでブラウザの戻るボタンをクリックして帰って頂きたいですね X-)


いやーしかし、ボタン一つ無効化するのに 10ヶ月ですか。さぞかし難作業だったのでしょう。想像もつきませんが :-P

おまけに「MOVIE(動画)ボタン」を切にし、動画ボタンを無効化した状態でボタンを押すと、ご丁寧に以下のようなアラート画面が表示されます

NEX-7_FWUpdate09
(動画ボタン無効化時にボタンを押してしまった場合に表示される注意画面)


まったく、誤操作しまくりのボタン配置をしておいて 10ヶ月も直さなかったと思ったら、今度は誤操作するたびにアラート画面を見せられるわけですか…

まぁ、

知らないうちに勝手に動画撮影が始まってるよりはマシ


ですし、すぐに気付くことができて、シャッター半押しで撮影体制に入れるから問題はないですけどね。根本が腐ってるものを取り繕おうのですから止むを得ないかもしれません(諦め)。

NEX-7 Photo - Mt.Asahidake
(NEX-7 + E 50mm F1.8 OSS @旭岳)


しかし、10ヶ月後にファームウェア・アップデートというからには多少の機能強化アップデートも合わせてやってくるのかな〜?なんて思ったのですが、考えが甘々、超甘ちゃんでした。

アップデート内容は

  • MOVIE(動画)ボタン有効/無効設定機能の追加

  • 連続ブラケットモード設定の段数追加(1.0EV、2.0EV、3.0EV

  • オートレビューが表示されるまでのレスポンス向上

  • 広角レンズ使用時の画質改善

  • フレキシブルスポット設定の表示改善


というもので、機能面では最初の2項目だけでした。モッサリが直るのは有り難いのですが、モッサリはオートレビューだけじゃないんですけど。

それにブラケット撮影に ±1.0〜3.0EV を追加したのは良いんですが、なんか取ってつけたような機能追加という感じです。いわゆる中級機なら3枚ブラケットだけじゃなくて5枚ブラケットもあって良いでしょうし、改善するなら DSC-RX100 にある WBブラケットも追加されるのかとも思いましたが…

私の場合、初代 NEX-5 の時にファームウェア・アップデートで大きく改良を重ねていった時の記憶があって、どうも NEX はちゃんとアフターフォローがあるもんだという思い込みをしてしまうのですが、どうやら初代 NEX は例外中の例外だったようですね。

初代 NEX はポテンシャルはあるのにユーザーインターフェイスはダメダメ、機能的にも足りない部分があったのが改善されていった経緯を体験していて、それで NEX に好印象を持ち、NEX-7 を買った理由の一つにもなったのですが、正直言って NEX-7 では気持ちが引きました。

NEX-7 は基本的に良いカメラだと思ってるので今でもよく使っていますが、そう思っている分だけ動画ボタンの件は(改善されるまで 10ヶ月もかかったことを含めて)納得いかないですし、NEX-6 には惹かれるものがありつつも、もう NEX はいいかな…という気持ちとのせめぎ合いがあったりします(^_^;)


加えて、カメラをパソコンに繋がないとユーザー登録ができないソニーの糞仕様も大概ですが、

NEX-7_FWUpdate05
カメラのアップデートをパソコンに繋がないとできない時代遅れ仕様


もいい加減にして欲しいところ。ユーザー登録も含めて、なんなのでしょう。

ついでに言えば、こんな糞仕様だから

NEX-7_FWUpdate01
カメラのアップデート如きでパソコンのシステム改変許可を求める


なんていうことにもなるわけです。

最近のソニーのカメラは素晴らしい製品も多くなって魅力もあるメーカーなのですが、ユーザーインターフェース周りに残念な部分が散見されたり、カメラ本体に直接関係ない部分で「何だかなぁ…」と感じることがあって、非常にもどかしく感じます。

ユーザー登録は他社と同じように普通にシリアル入力方式でも問題ないであろうし、ファームウェア・アップデートだって、アップデートファイルをメモリーカードにダウンロードしてカメラに入れて行う方式なら、XPERIA や SONY Tablet を持っていれば可能なことです。

だいたい、てめーのところでスマートフォンやタブレットを積極的に売っていて、それらと組み合わせを宣伝する割には、特に強く連携するわけでもなく、またパソコンレスでデジタルカメラを使う人も多くなってくるであろう時代に、いつまで古臭いことをやってんだろう?と思います。

本来ならソニーこそが、率先してスマートフォンやタブレットとデジタルカメラの新しいユーザービリティ、便利さを示していくべきであり、それが一番できるであろう企業なのに…なんか上手くない印象のままです。

NEX-7 Photo - Rubber Duck
(NEX-7 + SIGMA 30mm F2.8 EX DN @名村造船所跡)


NEX-7 については過去にも色々言ってきたので、また喧しく言うのもなんですが、NEX-7 はなんだかんだ言っても気に入ってるだけに、この程度のことに 10ヶ月もかけやがって…というのが本音ですし(設定を追加したということはボタン配置のダメさ加減を認めたようなものですし)、

ハードウェアは良いのに…という残念カメラ


な気がして色々言いたくなっちゃうんですよねぇ。

モデルチェンジの激しい世界では NEX-7 は過去のカメラのようになってますが、まだ今年 2012年発売のカメラであり、10万円以上で売り始めた NEX のフラッグシップモデルなんですから、それ相応のものは求めたくなります。

DSC-RX100 も寄れないとか、ヘルプボタンがカスタマイズ不可とか、フレキシブルAfスポットの一発中央戻りがないとか、不満はあるんですけど、NEX-7 に比べれば随分と優等生でストレスなく使えます。

そしてその RX100 を使ってると

操作性が良いと思っていた NEX-7 もトライダイヤル以外は微妙だったわ…


という気がしています。

このあたりの評価の変化についてはまた機会があれば書きたいと思いつつも、もう NEX-7 について書くのは疲れたので、2回目のファームウェア・アップデートでもなければ、NEX-7 について触れるのは勘弁ですね。

SONY デジタル一眼カメラ α NEX-7 ボディ NEX-7
SONY デジタル一眼カメラ α NEX-7 ボディ NEX-7

(ボディ単体で8万程度まで下がっているが、これくらいが適正価格。
フォローするとカメラは良いです。安ズーム使わず低感度でしっかり撮れば◎)