なんか最近、デジカメの話題と言えば DSC-RX100 のことばかり書いていますが、他に買ってるわけでもなく、超金欠病で買えるわけでもないし、おまけに何かと文句言いつつも気に入って、この夏はずっと RX100 と過ごしてばかりでした。

同じく今年購入したソニーのデジカメ NEX-7 は愛機と言いたくなる良さと同時に、幾つかの点で地面に叩きつけたくなる欠点があり、放置されっぷりと並んで愛憎入り交じるカメラとして今後 Eマウントレンズは買い足すのを躊躇うくらいですが、それに比べれば RX100 は欠点はあっても優等生。

最近はようやく5万年を切ってくる店も増えてきて、このくらいまで落ちれば、随分と人にも勧めやすくなります。

SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100
SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100

(記事執筆現在、Amazon ではアマゾン自身も含めて5万円切りになりつつある)


センサーサイズは小さくても良質なレンズを搭載して(その分大柄ですが)高評判をとっているパナソニック DMC-LX7 も気になっていたりもしますが、

当分は DSC-RX100(と PowerShot S100 の組み合わせ)で十分だな


と思わせてくれています。

(それにしても、パナは家電屋と揶揄されていたのも今や昔、ミラーレス向けも含めて良質なレンズを作るメーカーになりましたねぇ)

さて、先日「DSC-RX100、2ヶ月使ってきて感じたこと」という記事を書いて、ダラダラと繰り言を書いているうちに長くなったので、繰り言だけで打ち切ってしまいましたが、今回は

DSC-RX100 購入時の目的がどれだけ実現されたか?


というのを自己検証してみたいと思います。PowerShot S100 でかなり満足していたところに敢えて購入した DSC-RX100。その費用対効果はどうだったか?ということです :)

購入当時の記事「台風で飛行機が飛ばなかったから DSC-RX100 を買ってみた」には、以下のような購入理由が7つ書いてありました。それを1つずつ検証してみると…



▽ 「このサイズで大型撮影素子搭載で従来のコンパクトデジカメを超える画質だけど、それでいてズームレンズ搭載なので、普通にコンパクトデジカメとして使える」

前回記事でも書いたように、コンパクトデジカメ感覚で使えるけれど RX100 の性能を活かすには気軽さよりしっかりと撮ること重要。
また、ワイド端以外では寄れないし、被写界深度も違うので、「普通にコンパクトデジカメとして使える」思惑とは異なっていた
PowerShot S100 が不要になるかと思ったが、全くそんなことはなく、補完役としてむしろ必要。


▽ 「今までソニーのコンパクトデジカメの操作性は全く良いと思ってなかったが、発売前イベントで使ってみて、コイツはまずまず操作性も良さそう、コンパクトとしては操作性最上位クラスの PowerShot S100 にも劣らなさそうと感じたから」

→ 以前の記事「DSC-RX100とPowerShot S100を比較してみる【中編】〜似ているけど逆多し操作性」で検証したように、S100 とは似て非なるけれど別メーカーだから気にならないし、DSC-RX100 の使い勝手はまずまず良い。100% 満足ではないけれど、ストレスが溜まるほどのことはない。
使い勝手という点では、むしろ NEX との違いが気になることの方が多い(後述)。


▽ 「当たり前ながら PowerShot S100 など従来のコンパクトデジカメより画質が良い(はず)、高感度にも強い(はず)」

→ これについては満足。細かい点で要望はあるものの、驚いたね。


▽ 「APS-C のようなボケはなくても、今までのコンパクトとは違った自然な遠近感のある写真が撮れそう」

→ これについては期待したほどじゃなかった。基本的に寄れないこともあって、あまりボケるという感じはない。割とパンフォーカス的な写真が得意なカメラと感じている。


▽ 「最近 NEX-7 を愛用しているので、機能的な部分は学習コストなしで使えそう」

→ 機能的な部分ではそうだったが、使い勝手の部分では微妙に違っていて、間違えることが多々ある。
もう少しだけ NEX との操作感の統一をお願いしたいと思ったりする DSC-RX100


▽ 「充電が microUSB による本体充電となって最初は嫌だと思ったが、発売前に eneloop mobile booster などのモバイルバッテリーで充電できると判ったので、むしろ短所じゃなく長所に感じたため」

初めて USB 充電のデジカメを買って不安もあったが、USB 充電方式については満足と言って良い。モバイルバッテリーでの充電も問題ないし、USB 充電だからと言って充電が遅いこともない。このあたりは、ソニーのバッテリー技術の素晴らしさ込みだと思える。
(ただし、バッテリーの残量が%表示できないのは残念)


▽ 「実売価格が6万円を切る店が出てきたため」

夏のボーナス商戦のうちに5万円を切ってくるかと思ったが、最近ようやく5万円を切ってきた。値落ちが少ないことは既存ユーザー的に気分が悪いわけがない :-)


Superexpress "Nozomi" passing Shin-Yamaguchi Station
(DSC-RX100 + Snapseed App on iPad)


従来のコンパクトデジカメを置き換えることはなかったり、コンパクトデジカメとしては大型センサーを積んでいることでのボケは期待した程ではなかったものの、概ね満足していますし、そのことは過去記事でも散々述べてきました。

また、DSC-RX100 は「○○な時にあったら便利だろう、良くなるだろう」という目的で買ったわけですが、具体的にイメージしていたシーンは以下の3つ。

  1. 気軽な旅カメラ、特に機窓撮影

  2. 街角(日常)スナップ

  3. サッカー試合観戦時スナップ(特にナイタースナップ)


DSC-RX100 の購入目的には、これらの荷物軽量化または画質向上でした。

旅カメラ、街角スナップについてはここ数年、ミラーレス機(今なら NEX-7)や GXR を主に使いつつ、荷物を極力減らしたい時には PowerShot S100 が担ってきました。

機窓車窓撮影や気軽な旅スナップ、ドライブ中に景色の良い所で休憩しての風景スナップにおいては NEX-7 や GXR でも全然問題ないサイズと画質ではあったのですが、車内機内のような狭い場所では画質さえ許せば、小さいに越したことがないのも事実です。

特に最近は前席とのシート間隔が狭い LCC に乗ることも増えてきましたので、カメラを入れたバックを前席シート下に入れてしまうと上空でカメラを取り出すのも大変だったりします。

その点、コンパクトカメラサイズならシートポケットにも入れられるし、ベルトポーチで釣っていても問題ないサイズ。なおかつ、ズームレンズなら自分が動けないシーンでも構図を変化させられます。

ただ、コンパクトデジカメでの機窓車窓撮影は、やはり画質面で少々我慢が必要でした。今まで使っていた PowerShot S100 はコンパクトデジカメの中では良画質な方でしたが、やはり「元々多くは望めないけど、こんなもんだよね」というのはありました。

それが DSC-RX100 では随分と良くなりました。

コンパクトで解像感が高いのは、機窓撮影にピッタリ


という感じです。

まだ数回しか撮っていませんが、機窓スナップに関しては、ほぼ満足しています。NEX-7+単焦点レンズ or GXR と比べて劣らないとは言いませんが、シートベルトサインが消灯してから、それらをゴソゴソと取り出すことを思えば、十分納得レベル。

Tokushima City view from the airplane (2)


高感度はどうしても APS-C サイズの撮影素子を持つカメラに比べると劣りますが、飛行機の窓は二重ガラスなので機内照明が点いている限り、フードを多少工夫しても映り込みを除去する撮影は難しいですし、機内照明が消えるのは離着陸の時だけですから、あまり考えなくても良いかな、と。

車窓を撮るにしても、大きなカメラを出して撮ってると、いかにも鉄ちゃん的になってしまいますが、コンパクトデジカメを取り出してサッと撮ってしまうくらいなら大丈夫…かな?(^_^;)

いずれにしても、周りへの与える感じは小さくて済むので、気の弱い私には DSC-RX100 のサイズ感と画質の高いバランスは非常に助かっています。普段撮りは、もうこれで十分かな、と。

(本気で何か撮りたい時には、迷惑をかけない範囲で恥ずかしさを我慢して被写体と向きあえばいいわけですが、常にそういうわけではありませんからね)

ただ、DSC-RX100 で機窓を撮るのに画質的な部分は満足できるのですが、

アホ AF が合焦してくれないことが多い


のは困りモノです。雲や高高度からの地上を撮る時に合焦してくれないことがキヤノン機より断然多いです(フォーカスエリアのサイズも変えられないし)。

特に少し照度が落ちると合焦しなさ度合いは顕著です。これは NEX でも同じ。これがなければストレスなく使えるのですが、機上からの日没や残照は機窓のハイライトですから、そこで合わないとイライラ度は Max ですねぇ…

sunlight betweeen clouds


2つ目の街角スナップですが、これも今までは

「NEX-7 / GXR を持っていくか、それとも PowerShot S100 だけで軽く行くか…」

と、よく迷っていたところにドンピシャで入ってきました。

一眼レフで何kg にもなるものを持つことを思えば、NEX-7 に単焦点レンズ1〜2本持っていくくらいは何でもないのですが、そうなると大前提として“カメラが入る、それなりの鞄を持っていく”ということになるわけです。

それに何より夏場は少しでも荷物は軽い方が良い。別に写真を撮りに出かけるわけでもないのだから尚更。

真夏の糞暑い時に出かけるお供はコンパクト以外持ち出したくないけど
でも画質はそれなりのカメラにしておきたい…


そんな迷いに回答をくれたのが DSC-RX100。便利に使えるし、撮って出しで解像感が高そうに見えるのは都市風景スナップに良い感じ。

the sky in Umeda


正直なところ、DSC-RX100 もコンパクトデジカメとしては重く分厚い部類になりますので、持っていく鞄に多少制約はありますし(薄いビジネスブリーフなどは無理)、未だに PowerShot S100 を持って出ることも少なくありません。

それでもミラーレス機や GXR よりはずっと普通の鞄で持ち歩くことができますから、まだ日常スナップカメラとして便利に使えるかな、と感じています(DMC-LX7 や DP1/2 merrill などよりも薄く小さいですし)。

とはいえ、もう少し薄く軽く…とは思いますね。レンズ性能を落とすのは困りモノですが、普段持ち歩き用高画質機として考えると、RX100 の後継機には Wi-Fi や GPS を入れるよりは薄さと軽さをもう一声と思いたいですね。

Mayumaro - Kyoto's mascot charactor


3つ目はサッカー観戦時のスナップ。選手を本気で撮る時には EOS と超望遠レンズを持ち出しますが、客が多くいる時には周りの迷惑になるので撮影はしません。

ただ、そんな時でもコンパクトデジカメは持っていって、試合前、試合後に軽く記録スナップは撮るわけですが、PowerShot S100 だとナイター開催時のスナップは高感度になるため画質に不満がありました。

まぁ、ただの記録スナップなんですが、それでも「もうちょっと綺麗に撮りたいな」と。

結果、ISO 1600 くらいまでなら記録スナップとしては申し分なし、ISO 3200 でも記録スナップとしてはまずまず問題なし。低感度で撮影条件が良ければ、超解像ズームで 150mm 相当までなら(記録スナップとしては)見られなくもない。

こんなことだけのために5万円出したわけではありませんが、こんな他愛もない目的にも DSC-RX100 は応えてくれたのは事実であり、買ってよかったな、と思っています。

the victory of home stadium for the first time in three months (1)


とまぁ、購入当時に書いた7つの購入理由と、3つの「DSC-RX100 購入で改善を目論む点」を自己検証してきました。

購入時の思惑から若干外れた部分もありますが、RX100 購入で改善を目論んだ点については、ほぼパーフェクトにマッチしたと言えますし、それゆえ

DSC-RX100 は買って良かったわ…


と思っています。

ま、以前の記事でも書いたように、「これ一つで色々賄うコンパクトデジカメではなく、普通のコンパクトと併用し、補完されつつ使うカメラ」という思いは全く変わりませんが、肩肘張らずに便利に使えつつ、高画質な良いコンパクトデジカメです。

特に

旅の気軽なお供には最適なカメラ


という印象です。

私自身、この夏 DSC-RX100 とともに、長崎、伊勢、湖北、若狭、帝釈峡、門司港、天草〜薩摩と色々な場所を旅してきました。

ま、旅というより出張ついでだったり、軽くドライブの合間のスナップが多いのですが、そういう

「写真撮りを目的としないお出かけ」にピッタリ


というのが、夏の間 DSC-RX100 と過ごしてみての一番大きな印象ですね。

Amakusa Matsushima and bridges


そして、NEX などのミラーレス機や GXR などを使ってきた経験から

ミラーレス機には興味あるけれど、ちょっと仰々しすぎて…
という人にはピッタリのカメラ


と言ってもいいでしょう。ちょっと重くて大きめですが、ミラーレス機を持つよりは遥かにコンパクト。それでいて機能も変わらず、画質も迫るものがある。

まぁ、あまり褒めても何も出ませんけれど、このサイズ感と機能・画質のバランスは本当に愛用できます。不満もあるけど、お出かけには RX100 を選んでばかりの夏でした。

今週はまた、ソニーデジタルカメラの色々なボディと多くのレンズの発表が噂されていますが、カメラの方向性は違えど RX100 の満足度がそれらの発表に対して cool に待っていられるだけの余裕を与えてくれてるような気がします。

それにしても、Apple と SONY の発表がかぶっているとするなら、落ち着かない 9月12日になりそうです…(^_^;)

SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100
SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100

(迷っている人に、そろそろ背中を押せる値段になってきたかな… ;-)