先週からドイツで開催されている IFA で発表されたソニーの Android タブレットの新モデル「XPERIA Tablet S」。先代モデルの Sony Tablet は

「折りたたみ&デュアル画面って、ソニーらしいキワモノだけどアプリの対応が…」なP
「今さらこんなの出しても買うのはソニー信者だけ」というくらい凡庸なS

でしたが、今回は後者 9.4インチ液晶採用のタブレットSの後継機で

大幅に薄く
少し軽く
より速く
バッテリーも長持ちに
そして防滴仕様


と一新され、名称も「Sony Tablet」から「XPERIA Tablet」と変更されました。

既にネットメディアでは実機レビュー記事も多く掲載されていますが、内容については悪くなったところはなく、改善改良点ばかりのようです。

強いて言えば 3G モデルがなくなり、全て Wi-Fi モデルだけになったことでしょうか。それでも売れ筋を考えれば、発売モデルを限定して集中することを思えば、悪いことではありません。

ただ、ぶっちゃけ言えば先代が微妙すぎただけで、大幅な改良を施されたとはいえ、ハードウェア・スペック的には海外最新タブレット端末と比べて抜きん出ているわけではありません(スペック的には十分ですし、独自ソフトウェアや防滴という点はありますが)。

しかし、発表された国内価格を見ると

どのモデルも iPad よりとにかく安く!


という意思が現れています。まず価格ありきという戦略を感じます。

 XPERIA Tablet SiPad 3rd Wi-Fi
16GB39,800円42,800円
32GB47,800円50,800円
64GB55,800円58,800円


上記の価格比較表を見ても判るように、16/32/64GB モデル全てにおいて iPad の3千円安の価格設定。iPad は 16GB モデルから 64GB モデルまで8千円おきの価格になっていますが、XPERIA Tablet S では、それも合わせています。

前モデルでは(iPad 2 の半年後に)iPad と同程度の価格で売り出し、16/32GB のみだったのが、今回は iPad より安く、また 64GB モデルも追加しています。

今回の XPERIA Tablet S の価格が、ソニーにとってギリギリの勝負価格である証左として、量販店のポイント還元率が軒並みゼロになっています。



昨日国内発表された新型 SONY Reader 「PRS-T2」も 9,980円という戦略価格(Kobo touch 対抗価格)を打ち出し、販売価格を見てみると、通常 10% 付与される量販店のポイントが 1% で予約受付中となっています。

XPERIA_Tablet_S_Release2


ところが、今日発表の XPERIA Tablet S に至っては、ポイント還元なしで予約受付中となっています。

XPERIA_Tablet_S_Release1

XPERIA_Tablet_S_Release3

XPERIA_Tablet_S_Release4


元々ポイント還元が 5% と渋い Apple でも、iPad は今年モデルからポイント還元なしになっていましたから、ソニーも同じようなレベルの販売側極薄利益率に落としてでも、とにかく iPad と真っ向勝負する気になったのでしょう。



先代モデルはさほど話題にものぼらず、売れもしなかったので、あまり比べても仕方ないと思いますが、スペックを比較してみると

  • 防滴仕様

  • 液晶サイズ(9.4インチ IPS)、解像度(1280✕800 pixels)、メモリ(1GB)は同じ

  • CPU が Tegra 2 (1.0GHz) → Tegra 3 (1.3GHz)

  • 無線LAN は 802.11a にも対応、Bluetooth は 2.1+EDR → 3.0(4.0 は非対応)

  • カメラ画素数は、前面側が 30万→100万画素、背面側が 511万→800万画素

  • HDMI 出力可能なマルチポートを搭載し、USB はオプション対応に

  • バッテリー容量は 5000 → 6000mAh と増加し、バッテリー駆動時間も公称値では2倍前後になった

  • サイズの縦横は同程度だが、厚さは最薄部で 1.3mm、最厚部は 40% 以上薄くなった


といった改善点はあります。特に防滴というのは重宝されますし、iPad にはない(今後もあまり有りそうにない)確実な優位点です。

(防水仕様ではなく防滴仕様なので、風呂パッド的な使い方はできないので念のため)

ソフトウェア的に、ソニー独自のサービスやアプリケーションにどこまで訴求力があるのかは何とも言えませんが(所有機器をソニーで固めてる人ならともかく)、ゲストモードの搭載は便利そうですし、

純正アクセサリーの充実


はソニーの本気度を感じます。

普通のカバーだけでなくキーボードカバーを用意し、角度調整可能なクレードル、ドッキングスタンド、タブレットスタンドもなかなか興味深く、タブレットスタンドは iPad にも使えないかな?なんて思ったりしています。

いずれにせよ、今回一番のポイントは価格戦略であり、16GB モデルが3万円台というのは大きなアピールポイント、

Android スマートフォンを使っている人の、タブレットも使ってみようかな?に最適


なのは間違いないところ。スペック的には申し分ないですし。

スマートフォンは Android だけど、タブレットは iPad。という人を何人も知ってますが、そこは共通化した方が便利なこともありますからね(iOS みたいにスマートフォン・タブレット両用アプリは少ないですけど)。

この価格なら売れるのでは?と思いますし、私自身はこのサイズの Android タブレットを必要としてませんが、Android スマートフォンユーザー向けタブレットとしては(価格も含め)薦めやすい良デバイスが出てきたと思います。



ともあれ、従来の「ソニーだから、ソニーならではの付加価値があるから」という値段設定、時代遅れの自社ブランド優越的な考えを捨てて

iPad と真っ向勝負するには、iPad より安くしなきゃ始まらない


という現実を見据えた価格設定、昨日の新型 SONY Reader の値付けもそうですが、ここ最近のソニーの商品戦略を見ていると

ソニーは変わったかな?


と思うことの多い昨今です。

ソニーってだけでは(信者以外)誰も買わない現状を見据えて、本気のソニーがここから始まるとしたら今後も楽しみだな、と思います。

信者でもソニヲタでもない私も一時期、パソコンは 505 から VAIO を買い換えていき、デジカメは CyberShot、ビデオは Handycam、音楽プレイヤーは Network Walkman、PDA(今のスマートフォンの前身?)は CLIE、ヘッドホンもディスプレイも SONY…なんてこともあったんですけどね(^^;)

もしかすると、また「ソニヲタなんですか?」とか言われちゃうほどソニー製品を買うようなことが将来あったら、それはそれで面白いな、と思うし、期待したいところです(今は一眼以外のカメラだけですけどね)。

まぁ、XPERIA Tablet に関してはどうしても「ソニー製といっても結局は Android だからなぁ」と思うところはありますけどね(^_^;)

(Android が嫌いというわけじゃなく、他社製品との根本的な違いがあるわけではないという意味で)

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Sony Xperia Tablet Sシリーズ [Androidタブレット] SGPT123JP/S (2012年秋モデル・ブラック/シルバー)
Sony Xperia Tablet Sシリーズ SGPT123JP/S (2012年秋モデル・ブラック/シルバー)

(持ちだして色々使うなら絶対 64GB。大は小を兼ねる)