DSC-RX100 が手元に来て1ヶ月以上経ち、使い始めの高いテンションもなくなって、ごく普通に使っています。NEX とも PowerShot S100 とも使い分けていくなか、

「お、やっぱりビシッと解像するし、良いねぇ」
「この画質&ズームをこのサイズなのは現状代えがたいねぇ」

と思うこともあれば、

「ん〜、意外と大したことない画質になってるなぁ」
「日常持ち歩きコンパクトとしては少々重すぎ、厚すぎだなぁ」

と思うことが、未だに交互です。

どっちが本当ということもなく、どっちも本当なので、友人知人から「どう?」と聞かれても、なかなか答えに難しいカメラです。良いカメラなのは間違いないのですが…(このあたりの葛藤?は以前の PowerShot S100 との比較記事を読んでもらえれば判るかと)。

DSC-RX100vsNEX7_01


さて、先日の EOS M 発表に関する感想記事でも述べたように、ミラーレス機は(愛憎ともにありつつも)当面 NEX-7 を使い続けるのは間違いなく、そして同じソニーのハイエンド・コンパクトデジカメ DSC-RX100 とも併用することになりまあす。

一眼レフのαシリーズとは別の NEX というシリーズ名を与えられているものの、一応 α カテゴリーの中にある NEX。
従来のコンパクトデジカメとは一線を画すハイエンド機とはいえ、CyberShot シリーズに属する DSC-RX100。

NEX と RX100 は本来別のカテゴリーのカメラでありますが、RX100 は機能的にも性能的にも NEX と変わらない、似通ったカメラと言えます。ユーザーインターフェースも RX100 は他の CyberShot よりは NEX に近しい部分があると言っても良いでしょう(というか、NEX の方が CyberShot に近い部分があるような)。

両方を使っていると

NEX をレンズ一体型にして極限にコンパクトにしたのが RX100


という感じを強く受けます。もちろん、撮像素子サイズが APS-C サイズと1インチでかなり違うのですが、使っているとそういう印象です。

RX100 の画像エンジンが 2012年モデル NEX の流用ということもあってか、センサーサイズが違っても絵作りは似ていますし、クリエイティブ・スタイル、ピクチャーエフェクトといった機能もほぼ同じで、全体の使い勝手が似ている、同じような追い込み方になるので、そう思うのでしょう。

背面の操作部分も

DSC-RX100vsNEX7_09
(手前:RX100、奥:NEX-7)


こんな感じで似通っています。というか、最近はどこも似てますし、むしろ PowerShot S シリーズの方にそっくりですけどね。

ところが、

細かいけど、よく使うところで NEX と RX100 では操作方法が違う


点がありまして、まぁハッキリ言えば

NEX と RX100 を併用していると、つい間違えることが多い


わけです。

以前、DSC-RX100 と PowerShot S100 の比較記事でも「ボタン配置がそっくりだけど、操作はアレコレ違う」点を書き連ねましたが、あちらはメーカーが違うのですから当然といえば当然、文句をいう筋合いはありません。

けれど、RX100 と NEX は同じメーカー。NEX の開発部隊と CyberShot の開発部隊は違うとはいえ、RX100 のようなハイエンド機なら併用する層も多いはず。

というか、一般向けの CyberShot だって将来 NEX へのステップアップを誘導するなら、操作はできるだけ共通にすべきでしょう。これはソニーだけではない課題だと思いますが、いつも疑問に思います。

この点は DSC-RX100 発売前イベントで開発者氏とお話させていただいた時にも、今後の検討課題と認識されておられましたので、将来は改善されることと信じたいですが、ひとまず私自身が NEX-7 と RX100 を併用していて、これは何とかして欲しいなぁ…と思う点など、気づいたところを列挙していきたいと思います。



(1)同じ位置にあるボタンが全く違う機能で、カスタム不可


前述のとおり、同メーカーに限らず、コンパクトデジカメやミラーレス機の背面は

「右端に操作ユーザーインターフェース類、残りの部分を大きな液晶画面が占有」
「背面操作部は上下左右ボタン+小型ホイールと、その周囲にボタン設置」

という機種が一般的です。そういう意味では機種を変えても、操作感が大きく異なることはないのですが、ボタン毎の機能割り当てが違います。

たとえば、再生ボタンの位置だったり、メニューボタンの位置だったり…メーカー間で差があるのは仕方ないのですが、同一メーカーならできるだけ統一する方向で考えてほしいものです。

  • 背面ダイアル周囲のボタン数が違うので止むを得ない部分があるとはいえ、背面ダイアル+周囲のボタンという似た UI でメニューボタンの位置が違う(NEX:左上、RX100:右上)。正直紛らわしいし、間違える。

  • フォーカスエリア任意選択時のフォーカスエリア移動モードボタンが異なる(NEX:左下、RX100:中央)。
    RX100 は左下ボタンが再生ボタン固定だし、NEXの中ボタン(ソフトキーC)にカスタム→オートフォーカスエリアを設定することで似たようなことはできなくもないが、2アクションも増えて迅速なフォーカスエリア移動ができなくなる。ということで、どちらかに合わせることは不可能。

  • 背面ダイアル下キーから露出補正モードに入った際、キー操作による露出補正操作が NEX は上下ボタンだが RX100 は左右ボタン。
    (普通は背面ダイアルで変更するけど、1メモリだけ変更するのはボタン一発の方が確実かつ速いので使う)

  • NEX では左下ボタンが昔ヘルプ固定で散々文句を言われ、ファームウェアアップデートでカスタマイズ可能にしたのに、RX100 では右下ボタンがヘルプ固定という馬鹿仕様。


DSC-RX100vsNEX7_08


(2)フォーカスエリア移動時の操作性が RX100 では色々削られていて悪い


ソニーが DSC-RX100 は CyberShot だからフレキシブルスポットモード(任意フォーカスモード)を使う人なんて少ないだろ、と考えたせいなのかどうなのかは判りませんが、NEX に比べると任意フォーカスモードのフォーカスエリア移動の操作性が悪いです。

個人的に RX100 みたいなカメラは NEX よりも遥かにマニアックな層向けだと思うわけで、もっと色々なマニュアル操作時の操作性に力を入れても良いと思うんですけどねぇ。

  • 任意フォーカスモードのフォーカスエリア移動で、NEX は二つのダイヤルを使って使って素早く移動できるが、RXは上下左右ボタンだけで背面ホイールが使用できない。

  • フォーカスエリア移動モードで NEX にはフォーカスエリアを一発で中央に戻す機能(ボタン)があるが、RX にはない。前項と合わせて、エリアを遠くに移動させる時のボタン押し量が多すぎて素早さに欠ける。

  • NEX-7 ではフォーカスモードに入った時に入った時に任意指定のフォーカスエリアが表示されない問題があった(フォーカスエリアを移動させて初めて表示される)が、RX100 では移動モードに入った時から表示されるのは◯(というか当たり前)


DSC-RX100vsNEX7_06


(3)再生画面の操作性は NEX と RX100 の良いとこ取りが普通だろうよ…



  • 再生画面において、NEX では中央ボタン一発で大きく拡大ができるのに、RX100 ではズームレバーを操作しないと拡大できないし、ズームレバーを操作すると一発で大きく拡大になる。
    RX100 にも一発拡大ボタンはあっても良いはずだし、ズームレバーはズーム操作量に応じた拡大量で良いのでは?
    (といっても、NEX-7 も3つもホイールがあるのに、中央ボタンで拡大モードに入らないといずれのホイールも再生画面のズーミング操作ができない間抜け仕様だけど)

  • NEX-7 は3つもホイールがあるのに拡大再生時には再生する写真の前後移動ができない宝の持ち腐れ仕様だったが、RX100 は拡大再生時にも背面ダイヤルで再生写真を前後移動できる(当たり前だけどね)。




(4)そもそもメニュー構造が違いすぎる


細かな操作性の違いはあっても、通常の撮影画面では

DSC-RX100vsNEX7_05


こういった感じで見た目には似ている NEX と RX100 ですが、メニューボタンを押すと

DSC-RX100vsNEX7_04


まるで違いすぎる! というか、

どっちがコンパクトで、どっちがレンズ交換式のメニューなのか?


と疑問に思うくらい、NEX の方が初心者志向。というか、タッチパネルっぽい(この画面だけ)。

別にグラフィカルなアイコンがあるメニューがダメだとは思わないけれど、ぶっちゃけ NEX のメニュー構造は使いづらいと思っている。特にセットアップ画面に大量の項目が並んでいて選択するまでに時間がかかりすぎる。

それを思えば RX100 の方が質実剛健で使いやすいと感じている(ちょっと前の EOS とそっくりだしね)。ただ、

同じメーカーでここまで違うメニュー構造は、いかがなものか?


と感じざるを得ない。単にメニュー最上位の話だけでなく、メニュー構造自体が全く違うから、必要な項目へのユーザーインターフェースも違ってくる。同じメーカーで、これはどうかと思う。

他にも細かい点ですが

  • RX100 のファンクションメニューと NEX のソフトキーCのカスタムを比較すると、レイアウトが NEX と RX100 では上下・左右が逆だし、設定変更の動きも異なるので微妙。合わせても良かったように思うけど…

  • ピクチャーエフェクトでエフェクト毎の細かなバリエーション設定をオプションで更に深い階層にしている NEX、ファンクションメニューでは全部同列に並べて選択する RX100。RXも多すぎて選ぶのが(一周するのが)大変だが、オプションで階層化しているよりは素早く選べる気がするが…どっちが良いかはよく判らないけど、違うのはちょっと…

  • 通常メニュー内でピクチャーエフェクトの選択方法が NEX と RX100 では若干異なる。
    NEX → 使うエフェクトを選択後に左下ボタンの OPTION からエフェクトの強さや影響位置、対象色を選択する。
    RX100 → 使うエフェクトを選択後、左右ボタンでエフェクトの強さや影響位置、対象色を選択する
    (RX100 のファンクションメニューではエフェクトの強弱、位置、対象色を含めた全項目が横並びになっていて、それらをダイアルで選択していく)


という感じで、違うカメラですからあまり細かいところまで色々言っても仕方ないのですが、なんかこう細々と変えるよりは統一していた方が良いんじゃないの?と思ってしまいます。併用する人のことをもうちょっと考えてよ、と。


(4)その他


他に両方を併用していて気づくのは

  • NEX はバッテリー残量が%数字で出るのに、RX100 は4段階のマークでしか表示されない。せっかくソニーの誇るバッテリー技術なのにケチケチしないで欲しい。

  • RX100 にリモートケーブルがないのは仕方ないと思うが、リモコンくらいはあっても良かったと思う。ミラーレス機にも匹敵するポテンシャルを持つカメラなら考慮されても良かった気がする。
    (限界までボディサイズを小さくするのに犠牲になったのなら仕方ないけどね)

  • 録画ボタンは NEX-7 も RX100 も似たような位置にあるが、NEX-7 と違って RX100 は誤操作しにくい。その点はグリップとボタンの形状で配慮されていて◯

  • 安心してホールドできる NEX-7、ツルペタボディでホールド感に難のある RX100。


といったところでしょうか。

NEX-7 と RX100 は違うカテゴリーのカメラですから、同じ土俵で比較しすぎても無意味ですが、ソフトウェア面ではもうちょっと揃えて欲しいなぁ…と感じる次第です。

DSC-RX100vsNEX7_03


というわけで、いささか重箱の隅をつつくような部分もあったとは思いますが、NEX と RX100 を比較していて感じたことを書いてみました。

「NEX-7 ユーザー限定ウェブマガジンとかどうでもいいから、NEX-7 のファームウェアアップデートで直せるところは直せよ。半年放置プレイで NEX-6 で改良して終わりとかだったらブチ切れるで」

といったような不満は募ってもコントローラブルな使い勝手は NEX-7 最大の利点ですし、それは RX100 を使っても改めて感じるところです。

それゆえに RX100 を使っていて思うのは、

RX100 も NEX-7 みたくモードダイアルをなくしても良かったんじゃないの?


と。

モードダイアルをなくすことには抵抗ある人が少なくないのも判っていますが、コンパクトデジカメやミラーレス機のような小さなボディの貴重なダイアル設置場所をもっと有意義に使えるように考えても良いのでは?と私は思っていますし、NEX-7 を評価するのはその点でした。

NEX シリーズでも NEX-7 は初心者向きじゃなく1クラス上の層をターゲットにしていましたが、RX100 もターゲットとしては同じような層になるのではないかと思います。それゆえにもう一歩踏み込んでも面白かったかな、と。

RX100 にはレンズ部分にコントロールホイールがありますが、モードダイアル部分もダイアルとして使えれば、それこそ NEX-7 のような“トライダイアルナビ”的にできたのに…と思ったりしています(これは RX100 だけじゃなく PowerShot S シリーズでも同じですが)。

DSC-RX100vsNEX7_07


また、モードダイアルをなくす云々は別にしても、使っていると AF/AE ロックボタンが足りないと感じます。RX100 くらいのポテンシャルがあれば AEロックも積極的に使っていきたいんですけど、現状のボタン割り当てでは、そこまで割り振れる余裕がありません。

RX100 のヘルプボタンをカスタマイズ可能にして
AE/AF ロックなどを割り当てられるようにしたい


つくづく、あのヘルプ固定のボタンが恨めしいですね。

ついでに RX100 の左下ボタンはフォーカス移動ボタンにして NEX と合わせたいんですけど、再生ボタンは動かせないでしょうねぇ(-_-)



いずれにせよ、RX100 は NEX ユーザーの極めて便利なサブカメラになり得るのは間違いありません。レンズ交換はできませんが、NEX を2台用意するのとはまた違って、NEX+RX100 はより機動的になる、撮影の柔軟性も増すとも感じています。

そういうことも含めて、

「NEX ユーザーが RX100 を買う、併用する」
「非ソニーユーザーが RX100 を買ったことで NEX にも興味を持って買う、併用する」

そういったことも有り得るとおもいますし、そうなった場合にもう少し NEX と操作体系や使い勝手が合わせられればなぁ…と思いますし、それが同じメーカーの別のカメラへの誘導にもなると考えます。

そしてまた、このことはソニーだけでなく他メーカーも同じで、

コンパクトとミラーレス機は操作性の共通性を意識して欲しい


と思う昨今です。

それぞれのカメラで様々な制約からボタン配置も異なると思いますが、せめてメニューボタンや再生ボタンといった基本的なボタンの位置関係、メニュー構造などはできるだけ合わせるようにして欲しいものです。

SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100
SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100

(Amazon では一時よりやや相場が上がってる DSC-RX100)