一昨日になりますが、日本通信 b-mobile がまたまた新サービスを発表しました。

日本通信、高速と低速を使いわけできる新サービスを発表|日本通信株式会社

今回の新サービスは

普段は廉価な低速サービス利用でも
100MB 525円で権利を買えば、必要な時だけ高速通信できる


というもの。

ん?どこかで見たようなサービス…というのも当然で、IIJmio が提供する「高速モバイル/D ミニマムスタート128プラン」と同じコンセプトのサービスです。IIJmio のそのプランも普段は低速通信の廉価プランで、必要な時だけ 100MB 525円で高速通信が可能です。

日本通信は1ヶ月前に「PairGB SIM」というサービスで、“基本料金で提供される月間通信量を超えたら 100MB 525円で通信量を買える”というのを始めましたし、その「PairGB SIM」が IIJmio の「ファミリーシェア1GBプラン」に対抗するものだとしたら「ミニマムスタート128プラン」に対抗するサービスが出るのは当然だったと言えるでしょう。

SIM 2枚&月間 2GBで 2,970円、日本通信 b-mobile PairGB SIM はヨドバシとAmazonで 6/30 発売

この「Turbo Chage」サービスは8月下旬より提供開始ということで、まだ正式なプラン発表ではないのですが、IIJmio の「高速モバイル/D ミニマムスタート128プラン」同様、廉価にタブレット、スマートフォンを使うのには気になるサービスですので、両者を暫定的に比較しつつ、特徴をまとめておきます。


2月末からサービス提供されている IIJmio の「高速モバイル/D ミニマムスタート128プラン」は月額料金 945円、通常時の最大速度 128Kbps で高速通信が必要な時には 100MB 525円で購入して使えます。

今回の日本通信「Turbo Chage」サービスも同様に、高速通信が必要な時には 100MB 525円で購入して使えるのですが、プレスリリースを読んでみると

新サービス、Turbo Chargeは、U300利用者が、100MBを525円で購入することで、高速通信を使いたい「時にだけ」利用する仕組みとして提供します。


とあって、日本通信がモバイルユーザーに広く認知されたサービスとも言える「b-mobile SIM U300」のオプションサービス的存在であることが書かれています。

Twitter の公式アカウントでも

bmobile_TurboCharge1


という回答があります(データー通信の U300 だけで、音声サービスありの talking SIM U300 は対象外というのは、かなり残念な仕様と思いますが…)。

そして、IIJmio 高速モバイル/D ミニマムスタート128プランとの最も大きな差別化は、

高速通信の権利購入後も、必要な時だけ高速通信をオンにできる


というもの。

つまり 100MB 分の高速通信を買っておけば、あとは高速通信はいつでも使いたい時だけオンにして使えて、高速通信の権利を持っていても普段は低速通信を使う、ということが可能なわけです。

一見当たり前のようですが、この「高速通信の権利を買っておけば、必要な時だけ高速通信をオンにできる」というのが、IIJmio 高速モバイル/D ミニマムスタート128プランではできません。

高速モバイル/D - サービスQ&A 「クーポンの利用を途中で止めることはできますか?」

IIJmio のサービスでは、高速通信が必要になって 100MB 分を購入して 30MB 使ったところで一旦必要がなくなっても、100MB 全てを使い切るまでは高速通信状態になります。残った 70MB 分の高速通信権利を残しておいて、後日必要になった時に使うことはできません。

日本通信が今回発表した「Turbo Charge」は、それが可能になります。100MB 分の高速通信の権利を買っておいて、必要な時に 30MB、次に必要な時に 20MB、また後日 20MB…という使い方が可能になり、かなり融通が効きます。

この点が IIJmio と b-mobile のサービスの最も大きな差であり、プレスリリースにもその点が強調されています。

他社サービスには、高速通信を購入している間は高速通信しか使えず、使い終わると低速通信になるものがありますが、利用者が高速と低速を使いわけることはできません。Turbo Chargeは、これを可能とする画期的な新サービスです。


まぁ画期的というほどでもないと思いますし、購入した高速通信の権利に期限がないとも書いてないので、正直まだ何とも言えませんが、先日発売した「PairGB SIM」ともども

先行した IIJmio との違い、差別化が上手くできているサービス


だなぁ、という印象です。



現状、「Turbo Charge」は「b-mobile SIM U300」サービスのオプションということなので、

「b-mobile SIM U300 + Turbo Chage」 vs 「IIJmio 高速モバイル/D ミニマムスタート128プラン」

で比較してみると…

 日本通信
U300 + Turbo Charge
IIJmio 高速モバイル/D
ミニマムスタート128プラン
通信網ドコモ MVNO 3G/LTEドコモ MVNO 3G/LTE
音声通話
(talking SIMは対象外)
初期費用0円3,150円
月額基本料金 (*1)2,048〜2,980円945円
通常時最大通信速度300Kbps超128Kbps
高速通信時最大通信速度不明下り75Mbps、上り25Mbps
高速通信権利購入価格/単位525円/100MB同左
高速通信権利購入の制限不明
(PairGB SIMでは制限なし)
月間30回まで
高速通信モードの任意オンオフ
アクセラレータープロキシ
テザリング (*2)
速度抑制制限3日間で300万パケットまたは
1ヶ月で1000万パケット
3日間で300万パケット
(高速通信時はなし)
最低利用期間なし(購入パッケージに依る)課金開始日の翌月末まで
サービス開始まで購入後利用開始手続きで即利用可IIJmioウェブサイトで申込
SIM は郵送

(*1) b-mobile U300 の月額基本料金は Amazon のパッケージ実売価格を元にしています。
(*2) ドコモ端末ではテザリング APN が固定されているので両者とも利用不可

こういった感じでしょうか。直接比較してしまうと、どうしても b-mobile U300 + Turbo Charge の月額料金の高さが際立ってしまうのですが(今春まで色々と U300 を使ってきた経験上 200Kbps 以上が出る条件も限られていましたし)、

  • b-mobile U300 はパッケージで買ってすぐ使える、面倒な手続き不要

  • 値段差ほどの差はないと思うが、それでも一応 IIJmio の低速モードより U300 の方が少しは速い印象

  • U300 にはアクセラレータープロキシが提供されている
    (速くなるかどうかは閲覧ページ次第、状況次第ですけどね…)

  • U300 は廉価 MVNO には今時珍しくなってしまったグローバル IP アドレス付与


という利点がありますので、必ずしも高いだけというわけではありません。

が、正直もう U300 はコストパフォーマンスという点で微妙なので、もう少しでも値下げしたら魅力が降っ買うするのになぁ…と素人目には思うんですけどね。月額 あたり1,500円くらい、半年パッケージで実売1万円切るくらいとか。

加えて、talking SIM U300 で「Turbo Charge」が使えないのは色々とあるのか、それとも日本通信だけの問題なのか。talking SIM U300 で「Turbo Charge」こそ、一番魅力的に見えるサービスだと思うんですが…

ということはあるものの、ここ最近、雨後の筍のような新サービスの応酬で色褪せてしまった b-mobile U300 の魅力を再度引き上げるオプションサービスとしては良いですね。私自身、機会があればまた U300 を検討しようという気になります。

ただ、やっぱり月額基本料の差を考えると、「普段は安くあげて、必要な時だけ高速通信」という点では IIJmio 高速モバイル/D ミニマムスタート128プランと比べて中途半端な気もします。月額料金の価格差で高速通信の権利が 200〜300MB 分も買えちゃうわけですからね。

日本通信、高速と低速を使いわけできる新サービスを発表|日本通信株式会社
SIM 2枚&月間 2GBで 2,970円、日本通信 b-mobile PairGB SIM はヨドバシとAmazonで 6/30 発売


日本通信 bモバイルSIM U300 6ヶ月(185日)使い放題パッケージ BM-U300-6MS
日本通信 bモバイルSIM U300 6ヶ月(185日)使い放題パッケージ BM-U300-6MS

(半年分先払いで 12,800円。過去に使っていて悪くないサービスだと思いますけどね)