購入してから3週間以上、この間は意識して iPad + TK710 を持ち出すようにしていたとは言え、MacBook Air を持ち出すより気軽ですし、キーボードケース・カバータイプの特徴である、簡単に脱着して iPad 単体で使うことが可能ということもあり、

今まで以上にノートパソコンを持ち出す比率が減るのは間違いなし


という感じはあります。特に前モデル TK700 と比べると

軽快さと使いやすさがグッと増した
背面カバーが使えるなど、妥協すべき点が減った

という利点があり、キーボード配列など欠点もありますが、全体としてはすこぶる良い製品になっていると思います。

必ずしも薄ければ良いというものではないですけど、iPad 本体も含めたトータルの厚みが減ったのは大きいですし、3週間以上使ってきて、

もう従来の“キーボードケース”製品には戻れない


というのが正直なところです。ちょっと高めの製品ですが、それだけのことはあったと思います。

もちろん iPad では、プログラムのコーディング系の作業や細かいレタッチ、フル機能の Office が必要というような作業はできませんから、まだまだノートパソコンは必要ですが、また一歩 iPad 依存率が上がった気がします。初代 iPad の持ち出さなさを思うと、2年で随分変わりました。

TK710_30


とはいえ、今まで出先で iPad を使っている人は結構見かけるものの、この手のキーボードケース、キーボードカバーを使っている人は殆ど見かけることがありません。

ケース内に iPad を組み込んでしまうタイプのキーボードケースを使っている人を見かけたことは数度ありますが、ロジクールや中華製の脱着可能なキーボードケースを使っている人を見かけたのは一度だけ。まだ随分とマイナーな製品です。

今秋発売のマイクロソフト謹製 Windows 8 タブレット「Surface」では純正カバーとしてキーボード付きカバーが用意され、今から注目されていますので、Surface 発売以降はこのような“キーボードカバー”も知られた周辺機器になるかもしれません(TK710 よりは薄いようですが)。

しかしながら、まだ現在は注目度の低い製品ですので、「Ultrathin Keyboard Cover」TK710 の記事を締めくくるにあたっては、改めてこの手の“キーボードカバー”“キーボードケース”製品の特徴、特に「Ultrathin Keyboard Cover」TK710 のような“キーボードカバー”の良さと欠点を、以下に列挙しておきます。


iPad と一緒にキーボードを持ち歩くという人は決して多くないと思いますが、ノートパソコン代わりにする場合も(一部の人は)あると思います。その場合に使うキーボードとしては、

  1. iPad の画面上に出てくるソフトウェアキーボードを使う

  2. 普通の小型 Bluetooth キーボードを持ち運ぶ

  3. モバイル用折り畳み Bluetooth キーボードを持ち運ぶ

  4. カメラコネクションキットを使って USB キーボードを接続する

  5. iPad をケース内部に組みこむキーボード一体型ケース(例→こんな製品

  6. 脱着可能なキーボードケース・キーボードカバー(本記事などで書いている製品)


といったものがあります。

たいていの人は 1. を使っていて、ちょっとした文字入力、簡単なメールの返事やメッセージの送信には十分です。が、長い文章を入力するのは少々ストレスが溜まります。何より、ソフトウェア・キーボードは画面の半分を占有するので本格的な作業には辛いところです。

外部キーボードを使う手段としては 2. または 3. あたりがメジャーな方法だと思いますが、私の場合は過去記事にも書いているように、iPad のカバーや蓋となるタイプのキーボード(6.)を愛用してきました。

このタイプを愛用してきた理由は以前の記事にも書いてきましたが、

  • 普段は iPad のカバーにしておくので、持ち運び時に別途キーボードを持って運ぶ手間がない。

  • iPad をケースに組み込んでしまうキーボード一体型ケース(上記 5.)と違って、iPad とキーボードカバー(蓋)をすぐ分離できるので、iPad 本体だけ持って閲覧することができて楽。
    (iPad 組み込みタイプのキーボードケースは横でしか使えなくて iPad の価値半減)

  • iPad をキーボードケース側のスリットに嵌めこんで立て掛けることができるので、別途スタンドとかカバーを買って持ち歩く必要がない。

  • 前項のとおり、iPad をキーボードケースに嵌めこんで載せるため、キーボードが iPadの重さで安定し、タイプしやすい。折り畳み式キーボード、軽量小型モバイル用キーボードを使う時のようなタイピング時の不安定感は皆無。

  • iPad をキーボードケースから分離できるので、縦置きでも使える。縦置きでワープロ、テキストエディタを使うのはかなり便利。

  • Ultrathin Keyboard Cover TK710 のようなキーボードカバータイプなら背面ケースも利用できて、iPad の背面への保護にも十分対応できる。


といった理由によるものです。マイクロソフト純正タブレットのカバーでも採用されたように、タブレットをノートパソコン代わりに使うなら最適解の一つだと思っています。

TK710_36
(キーボードカバー TK710 をペッタリ全開したところ)


ただし、全てが良い訳ではありません。欠点も当然あります。

  • iPad 用カバー(ケース)にキーボードを内蔵している分だけ分厚くなり、持ち運び時に薄型ノートパソコン並みの厚みになる。

  • キーボードカバー(ケース)といっても所詮 Bluetooth キーボードなので、電波を発する機械が使えない場所では利用不可。

  • TK710 のようなキーボードカバーではない“キーボードケース”製品では、iPad に背面ケースが付けられないので、iPad 本体の背面保護には難がある。


飛行機内では Bluetooth キーボードは原則使えませんから(日本国内はドアクローズまでは利用可)、私自身も飛行機移動が多い時は、カメラコネクションキット+小型 USB キーボードを持って行きます。

また、従来のキーボードケースでは背面保護ケースが使えないという大きな欠点については、今回の「Ultrathin Keyboard Cover」 TK710 で解消されていますので、気になる方は TK710 を使うべきでしょう。

ただし、以前の記事でも述べたように TK710 との併用で全ての背面ケースが使えるわけではありません。純正スマートカバー対応の製品なら使える可能性は高いと思いますし、以下の第三世代 iPad &純正スマートカバー対応の背面ケースは私自身が TK710 との併用を確認した製品ですが、必ず実際に確認してから購入すべきだと思います。

BELKIN iPad 2012年発売モデル対応 スナップ シールド クリア F8N744qeC01
BELKIN iPad 2012年発売モデル対応 スナップ シールド セキュア クリア F8N745qeC01
TUNEWEAR eggshell for iPad(第3世代)/iPad 2 fits iPad Smart Cover
iBUFFALO iPad(2012年発売モデル) 3Hハードケース クリア BSIPD12HCR

BELKIN iPad 2012年発売モデル対応 スナップ シールド セキュア パープル F8N745qeC05
BELKIN iPad 2012年発売モデル対応 スナップ シールド セキュア パープル F8N745qeC05

(私個人が使っている製品。パープルと書いてあるけど、実はネイビー)


もっとも、私自身は少しでも分厚くない方がいいので背面ケースは必要な時以外は付けていません。旅行や出張の時には付けますが、普段の持ち歩きでは背面ケースは付けないことが多いですね。



というわけで、3回にわたって長々と書いてきた、ロジクール「Ultrathin Keyboard Cover」 TK710。3週間使ってきて

iPad とキーボードを一緒に持ち歩く際のベストバイ製品の一つ


と思える出来だとは思います。

先にも書いたように、キーボード付きケース・カバーではどうしても分厚くなってしまいますし、従来のキーボードケースでは背面ケースも付けられませんでした。それに対する答えの一つが今回の「Ultrathin Keyboard Cover」 TK710 になるかと思います。

今後さらに薄い製品が出る可能性は当然ありますが、現時点の最適解だろうというのが、3週間使ってきての率直な思いです。もう従来製品には戻れません。

ケースからカバーへ。薄く軽くなった iPad用「Ultrathin Keyboard Cover」TK710【前編】
類似製品と比較してみる・キーボード付きの iPad カバー「Ultrathin Keyboard Cover」TK710【中編】
Ultrathin Keyboard Cover(公式ページ)