決して見くびっていたわけではないですが、直近の NEX-7 のことを思えばソニーのコントラスト式 AF に対して良い印象は持っていませんでした。が、昨日完全に覆りました。

発売前に触った時からそこそこ速いと思ったのですが、まさか接近戦の飛行機がビシバシ撮れるとは…コンパクトデジカメではおおよそ期待したこともなかったことで驚きました。

DSC-RX100samples21SenrigawaSS
(たまたまではなく高いヒット率で“狙える”。クリックで等倍画像)


先日の記事「DSC-RX100 マイ・ファーストインプレッション」の内容については、その後毎日使っていく上で色々気づくことも多く、当該記事は追記や訂正もしていますが、こと AF については完全に先入観でイマイチ気分でいたことを反省しています。

正直言って、RX100 の高速グニョングニョン動作な AF-C は苦笑してしまう感じで、今でも一点 AF できっちり被写体を追うのはは難しい仕様だと感じています(というか動作が激しすぎて AF-C を使い続けると壊れないかと思う ^^;)。

ただ、実際使ってみると

従来のコンパクトデジカメのレベルにない AF-C


であり、昨日の飛行機撮りで試した限りではミラーレス機と同等以上のヒット率、使える感じで本当に驚きました。戸惑ったと言ってもいいくらいです。

というわけで、自分への反省と開発者への敬意を込めて本記事を書いております。下手な作例は、下手くそでもこれくらい撮れるということでご容赦下さい… m(_ _)m



私の主被写体は、飛行機とスポーツ(Jリーグ、たまにアメフト)。それゆえ主システムはキヤノンの一眼レフで重量級なのですが、スポーツ撮りはともかく、飛行機くらいはミラーレス機でキチンと撮れるようにならないかなぁ…と、ずっと思っています。

そんなこともあって、新しいカメラを買うと AF のテストも兼ね、伊丹空港(大阪空港)の滑走路端にある通称“千里川土手”(32Lエンド)へ行って飛行機撮りをします。千里川がどんなところかというと…

B747@Itami Airport 2006.3.30-12
(この写真は DSC-RX100 ではありません)


こんなところです。上記写真は DSC-RX100 ではなく昔のニコン D200 で撮影したものです。懐かしの伊丹空港のトラフィックが楽しかった時期ですね…(まだ6年ほど前ですが)

見て分かるように、すぐ頭上を着陸機が通る場所で飛行機好きには有名なスポットですが、時速 200km を超える飛行機がすぐ近くを通るので AF、特に AF-C が試される場所でもあります(動きはほぼ直線なので動体予測しやすいですが)。

私はカメラを購入して少し慣れたら、多くの場合ここで試し撮りします。色々な AF 設定を試しつつ、AF速度や精度、癖を掴みつつ、実戦での使える度や設定を考えています。望遠アングルの多い飛行機ですが、ここだと超広角・魚眼から望遠まで色々と試せますしね。

というわけで、梅雨まっただ中の貴重な晴れ間となった昨日午後遅く、DSC-RX100 を持って千里川へ行って試し撮りしてきました。



正直言って、今まで色々なコンパクトデジカメやミラーレス機を使ってきても、千里川の試し撮りで満足したことがありません。

コントラスト式AF のカメラで頭上通過近くを AF-C で追って安定して撮れた試しはないですし、向かってくる飛行機の撮影でも「なんかピンが甘いなぁ…」ということが多かったりします。ピンが来るカットがあっても、それが連続しない、安定して撮れない。

ブログ用に小さく縮小するのを前提な写真なら PowerShot S100 でも撮れますし、ミラーレス機でも全カットがダメだったわけじゃないですが、“撮ってみなきゃ判らない”的なところがあって何とも実戦で使う気になれませんでした。

そして今年1月に発売され、2月に購入した NEX-7 も従来のミラーレス機と変わらないが、それ以下だったので正直なところ DSC-RX100 も動きモノ相手は全く期待していませんでした。というか、さすがに私もコンパクトにそこまで望むようなことはしません…

ただ、使い始めてから

DSC-RX100 の AF は、NEX と違って意外と速くね?


と思っていたので、千里川に持ちだす時に

「AF が速いし被写界深度が深いから、AF-C がダメでも AF-S で何とかピント範囲に入ってくれないかなぁ、多少はイケる感じになるかも?」

と若干の期待を持っていました。

そして、まず AF-S で軽く遠目に一枚。AF はマルチにして、光学ズームの一番テレ端(100mm 相当)を使用。

DSC-RX100samples16SenrigawaSS
(クリックで等倍画像。以下同じ)


お、なんか普通に撮れてる。ピンの位置は変だけれども任意指定じゃないから仕方ない。周辺減光は気になるが、それは後処理で何とでもなる。この時点でピン甘で何だかなぁ〜というカメラもあるだけに、印象は良い。合焦が速いと AF-S でも何とかなる。

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頭上通過後も着陸を追っていった状況で、最初に合焦して切れたショット。合焦タイミングは一眼に比べると遅目だけれども悪くない。陽炎が厳しい季節なので後追いショットは油絵状態になるが、ピンはちゃんと来ているっぽい。

なんか今までにない好感触が漂ってくるが、AF-S のまま何回か撮る。少し甘い場合もあるけれど、普通に撮れる。適切な設定でシャッターを切れば撮れるはずでも、ここでは今までコンパクトデジカメではなかなかそうじゃなかったので…

他にも数機試して AF-S で結構撮れそうということが判ったので、ではコントラスト式 AF 鬼門の AF-C ならどうかと。ほとんど期待していなかったのだが…

DSC-RX100samples25AF-C


AF-C では激しくピント合わせのレンズ移動が続き、画面がグニョングニョンと揺れる。とてもじゃないが、こんなのでマトモにピントが合うわけがないだろ…と思って撮影したが、実際に見てみると…あれ?全カットともピンが来てる?

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コントラスト式の、コンパクトデジカメの AF-C の連写なのに最接近までピンが合ってる…そんなに甘くない。今までのコンパクトデジカメではなかったことだし、ミラーレス機でもない。被写界深度の深さが功を奏しているとも感じられるけど、理由はどうであれ、これならちょっと使えるかも…

それに速度優先じゃない普通の連写モードなのに、JPEG だと AF-C+連写がそこそこ速い! NEX-7 だと亀のように鈍くて「どこが連写やねん!」と叫びたくなったのに、DSC-RX100 は実に軽快だ(JPEG で撮ってる限り)。

でも、もっと撮ってみないと判らない。1点AF(フレキシブルスポット)設定では少々追いづらい AF-C の挙動だが、マルチを止めて 1点AF で追ってみる。

DSC-RX100samples26AF-C

DSC-RX100samples20SenrigawaSS


う〜ん、撮る時にはこんなグニョングニョンしていて撮れてるのか?と思うのだけど、やっぱりそこそこ飛行機撮りできそうなコンパクトデジカメかもしれない…。画角は35mm換算で 100mm までしかないけれど、その中でなら(被写界深度の深さ込みで)十分に動きモノへ対応できそうなカメラだ。

予期してなかったほどに動体追従した連写が可能だし、ピンぼけ、大甘なピントというカットが少ない。思わず念の為に NEX-7 を取り出して改めて試してみたが、ヒット率に大きな差がある。

その後も何機も試し撮りしてみるが、これは結構使える…という印象は変わらず。ただ仕様上の問題で

昼間はシャッター速度を下げられずにプロペラ機が撮れない


という購入前から予期していた問題はありました。が、なんかもう「あれ〜ホントに撮れちゃってるの?」という感じで、どれもまずまず撮れているという…コンパクトデジカメなのに。



そして、日没が近づいて少し暗くなり始めた頃、伊丹スカイパークへ移動して撮影。ここでは 35mm換算 100〜300mm あたりが最適焦点距離になるので、DSC-RX100 では少し足りない。ので、全画素超解像ズームと AF-C の併用を試してみる。

DSC-RX100samples22SkyParkSS


少し斜めった作例だが、デジタルズーム2倍。等倍で見ると甘いし、シャープネスが強すぎてエッジが激しいことになってるが、50% 以下に縮小してみると意外と悪くない。縮小前提、プリントなら使えそうな感じ。

先日の記事にも書いたけれど、この全画素超解像ズームは意外と使えると感じている。どんな場面でも使えるわけじゃなく、元画像がそこそこ良く撮れる条件が前提だが、光学ズームが 100mm までというのを大きくカバーできる武器だ。

DSC-RX100samples23SkyParkSS


もちろん、光学ズームの範囲内なら軽く流してもしっかり写る。AF-C で撮る時のグニョングニョンな感じのおかげで流して連写する際にも違和感ありまくりだが、撮ってしまえばちゃんとピントが来ているコマが多い(ヒット率は一眼レフの方が高いけど、コンパクトデジカメと思えば満足)。

なんかもう普通にヒコーキが撮れてしまう。コンパクトデジカメなのに。ホントびっくりだし、NEX-7 でのヒット率、精度との差を見ると嫌になるね。被写界深度の差、レンズ一体型のメリットは大きいのだろうけど、結局撮れたモノ次第なわけで…

DSC-RX100samples24SkyParkSS
(これも 1.4倍弱のデジタルズーム併用。x1.4くらいまでなら違和感も少ない)


今回の飛行機撮影は、センサーサイズの差から DSC-RX100 の被写界深度が深いことがメリットとなる被写体ですが、それにしてもコンパクトデジカメでここまで撮れる時代になったかと思うと、本当に感慨深いし、ソニー開発陣に感服しました。

ただ、正直なところ複雑な思いもあります。DSC-RX100 で飛行機がビシバシ撮れても結局コンパクトデジカメですし、ファインダーの有無も含めた撮る意識としてミラーレス機とは違います。そういう意味では、NEX-7 でこういう動体撮影能力を実現して欲しかった…と、つくづく思います。

使うにつれ、DSC-RX100 の素晴らしさをより判っていきますし、5ヶ月前にずっと高い値段で発売された NEX-7 を追い越している部分もあると思います(高感度画質についても近いうちに掲載予定)。つくづく

NEX-7 って今年発売だけど、結局1年前のモデルだったんだなぁ…


と改めて感じます。改善できる点は改善して欲しいですけどね…

それでも、山ほど不満があっても NEX-7 は NEX-7 で気に入っていて、DSC-RX100 とは全然違う感覚で被写体と向き合うもの、写真を撮る心構えが異なるものとして使い続けることには変わりませんが、なんかこう複雑な気持ちになった昨日でした(^_^;)



ちなみに絶賛モードな記事になっていますが、欠点もそれなりに見えてくるわけで、何点か。

まず、DSC-RX100 を買う前から危惧してはいましたが、

最速シャッター速度 1/2000秒、最大絞り F11、フィルター不可、内蔵 ND なし
という仕様では、晴天昼間に思うような露出を設定できないことがある


昨日で言えば、プロペラ機を撮るためにはシャッター速度を下げなければならないのですが(高速シャッターだとプロペラが完全に止まった状態で写って格好悪い)、日がかなり傾くまでは 1/250秒以下に下げるのが難しい状況でした。

他にも晴天日中な屋外でワイド端開放な写真を撮るのもそのままでは難しいでしょう。拡張感度 ISO80 がありますが、ベース感度が ISO125 に対して、たったの半段ですからなかなか厳しいです。静止物相手なら ND フィルターを手でかざすという手もありますが、動きもの相手では無理ですしね。

それが判っていて購入したものの、フィルターが付けられないコンパクトデジカメであれば、せめて ND フィルターを内蔵させて欲しかったなぁ…と、改めて思います。

また、コンパクトデジカメとしては素晴らしい AF-C ですが、やはりグニョングニョンと動きまくるのは辛いですね。と、Twitter に書いていたら「グニョングニョンが判らない」と言われたので、一応動画を録ってみました。



白い紙の右端を見てると判りやすいと思いますが、結構高速でグニョングニョンと合焦動作を繰り返しています。これは近距離なのであまり動かないのですが、飛行機のような遠距離被写体だとかなり激しい合焦動作を繰り返します。

この速いグニョングニョンが良い AF-C を生み出すものとすれば仕方ないのですけれど、撮影時に背面液晶で被写体も同様にグニョングニョンしますので、撮ってる方としてはあまり良い気はしませんし、もし EVF だったら酔いそうです…(^_^;)

他にも JPEG だとスムースに連射できるのに RAW だとバッファが全然足りなくて連写がロクにできないとか、やっぱり白飛びがしやすくてどうしてもアンダー目に撮るしかないとか、他にも…あれ、なんか重要なことがもう1つあった気がしますが、眠気で忘れたのでまた。

それと欠点でなく褒める点になりますが、今日、晴天ドピーカンの中で撮っていて

背面液晶は直射日光下でも、すこぶる見やすい!


これはソニーの宣伝通りでしたね。ドピーカンの中で DSC-RX100 を見たあとでは NEX-7 の背面液晶が見づらく感じたくらいです…orz


というわけで、少しテンション高い記事になってしまいましたが、DSC-RX100 を買って初めて「凄いわ、このカメラ」と思いましたので、その勢いで書いた記事となりました。RX100 を買ったものの、「へーへー画質はいいですねー(棒)」という感じで割りと冷めてたので、ちょっと良いショックでした。

本当にこの DSC-RX100 は当たりかもしれませんね。でも今日も NEX-7 と操作を間違えまくって、途中で混乱しました。何とかして…

ファイナルファンタジー
SONYデジタルスチルカメラ DSC-RX100

(最安値は購入から1週間で2千円強、下がってる感じ)