前回記事「M-241 の GPS ログを Bluetooth 経由で Mac (Lion) に取り込む方法」の続きです。

ワイヤレス GPS ロガー「M-241」で記録した GPS ログデーターを Bluetooth 経由で Mac に取り込み、撮影した写真と GPS ログデーターをマッチングさせて写真に撮影位置情報を自動付加させる手順の、今回は要の部分です。

ただし、GPS ログデーターを取り込んだ以後の話ですので、GPS ロガーは M-241 以外でも構いません。今回は

写真ファイルの位置情報を追加・削除できるソフト GPSPhotoLinker


の使い方です。

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(GPSPhotoLinker)


GPSPhotoLinker は単に GPS ログデーターと写真をマッチングさせて写真に位置情報を付加するだけでなく、写真に含まれる位置情報を一括削除したり、手入力での追加も可能ですので、そのあたりも含めて説明します。

また、GPS ログと撮影写真をマッチングして位置情報を付加する今回の方法は「GPS ログの位置情報記録時刻と写真の EXIF データーに含まれる撮影時刻を照合」しますから、できるだけ正確な位置情報を写真に付加させるためにはカメラの内蔵時計を正確に合わせておく必要があります

ただ、時刻合わせを忘れてカメラの内蔵時計がズレている場合もあると思いますし、また GPS ロガーによる記録が途中で途切れてしまった場合もあると思います。それらの場合の対処方法も合わせて述べておきます。

  1. GPS ログデーターと写真をマッチングして写真に位置情報を自動付加する

  2. GPS ログが一部欠落・記録されてない場合のマッチング方法

  3. カメラの内蔵時計がズレていた場合に、写真の EXIF 撮影時刻を一括変更する方法

  4. 写真に含まれる位置情報を(一括)削除する

  5. GPS ログがない時に、Google Maps を見て写真に位置情報を追加する方法




【1】GPS ログデーターと写真をマッチングして写真に位置情報を自動付加する


(1)GPSPhotoLinker を起動して、ウィンドウの上方の左側(ツールバーの下)にある Single | Manual | Auto とある部分で「Auto」をクリックする。

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(2)左側にある設定項目のうち、「Process all loaded photos (not just selected) 」の項目にチェックを入れる。

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この項目にチェックを入れないと、読み込んだ写真全部を処理するのではなく、選択した写真だけ処理するモードになります。ここでは全部の写真を一括処理するためにチェックします。

(3)ツールバーの左から2番目にある「Load Tracks」ボタンをクリックして、既に Mac に取り込んである GPX 形式の GPS ログデーターファイルを選択する。

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(4)上記ファイル選択画面で GPX 形式のファイルを選択して「Open」すると、GPS ログが取り込まれる。データー量が多いとしばらく時間がかかる。

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(5)GPS ログファイルの取り込みが終わった後、ツールバー一番左の「Track Files」ボタンをクリックすると、左側に取り込んだ GPS ファイル一覧が表示されるので確認できる。

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(6)次に位置情報を付加したい写真を選択する。ツールバーの右の方にある「Load Photos」ボタンをクリックするとファイル選択ボタンが表示されるので、位置情報を付加したい写真を選んで追加する。

M-241_GPSPhotoLinker07


フォルダを選択すると、そのフォルダ内にあるファイルが全部処理対象に追加されます(RAW ファイルなどは対象外です)。また、ファイル選択ダイアログ内で、shift キーや command キーを使って複数ファイルを任意選択して追加することも可能です。

M-241_GPSPhotoLinker28DragDrop


また上記画面のように、写真ファイルを右側の処理対象ファイルのエリアへドラッグ&ドロップすることで処理対象ファイルを追加することも可能です。

「Load Photos」ボタンをクリックしてファイル選択ダイアログで追加するか、ドラッグ&ドロップで追加するかは自由です。

(7)位置情報を付加したい写真ファイルを選択すると、右側の処理対象ファイルエリアにサムネイル写真ともにファイル名が表示されます。

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各写真のファイル名の下に「Not geotagged」とありますが、これがそれぞれの写真に位置情報が付加されていないことを示します。

以上で準備は終わりです。

なお、ウィンドウ右上の「Use system time zone」は国内で撮影した写真の場合はチェックを入れておいて問題ありません。海外で撮影してきた写真は、カメラの内蔵時計に合わせてタイムゾーンを調整してやる必要があります(カメラの内蔵時計を国内時刻のままにして撮影していたら問題ない)。

(8)ウィンドウ中央左にある「Batch save to photos」ボタンをクリックすると、GPS ログデーターと写真をマッチングして、写真に位置情報を自動付加していきます。

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※ 処理枚数やパソコンの性能にもよりますが、それなりの時間がかかります。

(9)一括処理が終わると、処理対象の写真に位置情報が付加されており、その内容を見ることができる。

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ウィンドウ右側の処理対象ファイルエリアでは、先ほど「Not geotagged」だった部分に経度・緯度が表示されています。

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写真をクリックして選択すると、中央の欄に GPS ログとマッチングして写真に追加した位置情報が表示されます。緯度経度の他、高度と GPS ログによる日時情報が付加されています。

写真の EXIF 撮影日時と GPS データーの日時を比較すれば判るように、必ずしも一致せず(というか一致しないことの方が多いはず)、撮影日時と近似の GPS 記録時間の位置情報を付加していることが判ると思います。

そのため、GPS ロガーでログを何秒(何分)間隔で記録しているかによって撮影位置と多少のズレが起きる場合もあります(飛行機や新幹線などの高速な乗り物に乗っている時は顕著)。

ただ、元々 GPS ロガーでの測位誤差もありますし(都心部のビル街では測位自体が厳しいこともあります)、あまり細かいことを言っても仕方ないと思っているので、私自身は 10秒おき測位で満足しています。

また、上記画面の GPS 緯度経度情報の右にある地球儀アイコンのボタンをクリックすると、以下のように Google Maps で撮影位置を表示してくれます。

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もちろん、写真に位置情報が付加されていますから、iPhoto や Lightroom などでも位置情報は見られますし、プレビューで開いて「インスペクタを表示」させても位置情報を閲覧することができます。iPhone / iPad と同期して写真アプリの位置情報でも閲覧できます。


【2】GPS ログが一部欠落・記録されてない場合のマッチング方法


以前の記事「もっと早く買っとけば良かった… ワイヤレス GPS ロガー HOLUX M-241(後編)」で書いたように、先日の北海道行きではログ記録が途切れたり、記録されなくなることが何度かありました。

その後のテストで記録が途切れた原因は以前の記事で推測したとおりだったようですが、ともあれ

一部記録されなかった GPS ログを適用する場合は注意と設定変更が必要


です。以下に不具合?の実例と対処方法を示しておきます。

(1)途中で記録が途切れた GPS ログデーターを前章の方法で適用した場合の不具合例

先日、北海道・浦河にある JRA 育成牧場を見学した際、GPS ログが途中で記録されなくなっていてホテルに戻ってから記録が復活しました。その際の GPS ログデーターを前章の設定で撮影写真に一括適用して位置情報を付加してしてみます…

M-241_GPSPhotoLinker14


上記画面で右側に3枚の処理写真が並んでいます。1枚目は最初に赴いた見学展望台ですが、2枚目以降は見学展望台から移動しています。1枚目の写真から 20分近く経っています。しかし、

2枚目以降の写真では時間も経って移動しているにも関わらず
3枚とも写真に付加された緯度経度が同じ


になっています。これは最初に赴いた見学展望台で GPS ログの記録が途切れたためです。

前述のように写真と GPS ログデーターをマッチングさせる際、写真の EXIF 撮影時刻と一番近似の時刻に記録した GPS 情報を写真に付加します。前章の設定では GPS ログが途切れてどれだけの時間が経って移動していても、一番近似(上記の例では 20分前)の時刻の GPS 情報が書き込まれてしまいます。

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もう一例ですが、上記の3枚の写真は全て同じところで撮影しています。が、付加された位置情報の緯度経度を見ると判るように、同じ場所で撮影したのに2枚目以降の位置情報が急に変わっています

これは、撮影時刻と GPS ログに記録された一番近似の時刻のデーターがここで変わったからです。

この例の1枚目までは GPS ログの記録が途切れた場所(前の例で示した最初の見学展望台)の位置情報が付加され、2枚目以降では GPS ログの記録が復活した場所(ホテルに戻ってから)が記録されているわけです。

上記画面の地球儀アイコンをクリックして2枚目の付加された位置情報を見てみると…

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となっていて、ホテル(AERU)に戻っての記録になっています。もちろん、実際の撮影場所は JRA 育成牧場内ですから数km 離れています。

たとえ位置が大きくズレていても、位置情報がないよりは良い!」という人は、このまま(前章)の設定で良いと思います。もちろん、GPS の記録が途切れていない場合はそれで何も問題ありません。

ただ、「大きくズレた位置情報が写真に付加されるのは嫌、それなら位置情報が無いほうがイイ」という人は、次の設定を行って下さい。


(2)GPS の記録が途切れている間に撮影した写真には位置情報を付加しない設定

以下のように GPSPhotoLinker のウィンドウ左側の設定のうち、Linking Options 内の「no more than ◯◯◯ seconds from closest point」にチェックを入れます。

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これで「写真の EXIF 撮影時刻に最も近い GPS ログ記録時刻から ◯◯◯以上離れていたら、写真に位置情報は付加しない」設定になります。◯◯◯は自分の好きな裁量で入れれば良いと思います。GPS の記録が途切れた時間と撮影した写真を見比べて、値を調整すれば良いかと思います。

上記のように「300.0」seconds と設定すれば、何らかの問題で GPS ロガーで記録されなくなったのち5分以上経ってから撮影した写真には位置記録が付加されません。

では、この設定で一括処理した場合の例を示しておきます。

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前項での最初の不具合例と同じものですが、1枚目の写真は GPS ログの記録が途切れた場所(最初の見学展望台)の位置情報が付加されていますが、20分近く経った2枚目以降の写真には位置情報が付加されていません(Not geotagged のまま)。

前項では2枚目以降も1枚目と同じ、最初の見学展望台の位置情報が延々付加され続けていましたが、今回の設定では GPS の記録が途切れて5分以降経ってから撮影した写真には位置情報が付加されません。

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同じく前項で示した2つ目の不具合例でも、今回の設定では全て「Not geotagged」のままになっていて、全く離れた位置情報が付加されることはありません。

というわけで、「大きくズレた位置情報が写真に付加されるのは嫌、それなら位置情報が無いほうが良い」という人は、この設定の方が精神的に良いでしょう(私がそうですが)。

「たとえ位置が大きくズレていても、位置情報はあった方が良い」か「大きくズレた位置情報は無いほうが良い」かは人の好き好きですので、好みの設定を選べば良いかと思います。


【3】カメラの内蔵時計がズレていた場合に、写真の EXIF 撮影時刻を一括変更する方法


何度も書いていますが、GPS ロガーの記録データーから写真に位置情報を付加する方法は「GPS ログの記録時刻と写真の EXIF データーに含まれる撮影時刻を照合」しますから、カメラの内蔵時計を正確に合わせておく必要があります。

ただ、「あー、カメラ内蔵時計の時刻を合わせるのを忘れて撮ってしまってた〜」という場合も多々あると思います。

その場合は、写真に記録された EXIF 撮影時刻を修正してから GPS ログデーターとマッチングすると正確に処理できるわけですが、GPSPhotoLinker には写真の EXIF 撮影時刻の一括変更機能があるので、

カメラ内蔵時計の時刻が狂ったまま撮影した場合は
GPS ログとマッチングする前に EXIF 撮影時刻を一括修正する


ようにします。以下に、その手順を記します。


(1)撮影時刻を変更したい写真ファイルを追加する

前述【1】の(6)項で説明したように、ツールバーの右にある「Load Photos」ボタンをクリックしてファイル選択ボタンからフォルダまたはファイルを選択するか、右側の処理対象ファイルのエリアへファイルをドラッグ&ドロップすることで撮影時刻を変更したいファイルを追加します。

M-241_GPSPhotoLinker33FileSelected


(2)右側の処理対象ファイルを全選択状態にする

少しややこしい話になるのですが、【1】の(2)項で説明したように GPS ログデーターと写真のマッチング処理の場合は「Process all loaded photos (not just selected) 」の項目にチェックを入れていると、自動的に(1)で追加した対象ファイル全部に処理が適用されますが、撮影時刻の変更はそうなりません。

上記画面のように、右側にある処理対象ファイルが何も選択状態にないと撮影時刻の変更はできません。右側にある処理対象ファイル一覧から選択したファイルに対してのみ、撮影時刻の変更を行うようになっています。

(これは次章で説明する、ファイルから位置情報を一括削除する場合も同じです)

ということで以下の手順にて、右側の処理対象ファイル一覧にあるファイルを全選択状態にします。

M-241_GPSPhotoLinker34
(まず右側のファイル一覧から1つのファイルをクリックして選択状態にします)

M-241_GPSPhotoLinker35
(次に Command + A またはメニューの「Edit」→「Select All」で全選択状態にします)


写真ファイルを追加した直後なら Command + A またはメニューの「Edit」→「Select All」だけでファイルが全選択状態になりますが、そうでない場合は上記の手順で右側のファイル全てを選択状態にします。

(3)メニューの「Photos」→「Shift Date & Time…」を選択する

M-241_GPSPhotoLinker29ShiftTime


(4)出てきたダイアログで調整したい時刻差を選択入力して「Apply」ボタンをクリックする

M-241_GPSPhotoLinker30


以上で追加したファイルの EXIF 撮影時刻が一括修正されます。上記ダイアログを見ても判るように GPSPhotoLinker の撮影時刻修正機能は時刻のみです。日付まで間違えている場合には修正できません。

「カメラの内蔵時計の日付まで狂ってたわ…」という場合は、次記事で説明予定の ExifDateChange というソフトを使えば修正できます。

→ 「EXIF 撮影日時やファイル作成・変更日時を自在に変更・同期できる ExifDateChange

時刻の修正のみで OK な場合は、処理対象の写真ファイルを GPSPhotoLinker で読み込み、この EXIF 撮影時刻修正機能で一括修正してから【1】ないし【2】の GPS ログデーターとのマッチングを行うことで正確に照合できるはずです。


【4】写真に含まれる位置情報を(一括)削除する


ここでは GPS ロガーのログデーターを元に写真へ位置情報を付加する方法を説明していますが、

ネットにアップするので写真から位置情報を削除したい


という場合もあると思いますので、GPSPhotoLinker で写真ファイルに含まれる位置情報を一括削除する方法を記しておきます。


(1)位置情報を削除したい写真ファイルを追加して、処理対象ファイルを全選択状態にする

前項(カメラの内蔵時計がズレていた場合に、写真の EXIF 撮影日時を一括変更する方法)の(1)〜(2)で説明したように、「Load Photos」ボタンないしファイルのドラッグ&ドロップで処理対象のファイルを追加した後、右側の処理対象ファイルを全選択状態にします。

M-241_GPSPhotoLinker38


(2)メニューの「Photos」→「Remove GPS Tags…」を選択する

M-241_GPSPhotoLinker20RemoveGPS


(3)確認ダイアログが出てくるので「OK」ボタンをクリックする

M-241_GPSPhotoLinker21


(4)GPS ログと照合して位置情報を付加する時よりは速いが、処理ファイル数によってはしばらく待つ

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(5)処理が終われば、写真ファイルから位置情報が削除されている

M-241_GPSPhotoLinker23


上記画面のように、元々位置情報の緯度経度が表示されていた写真ファイルが「Not geotagged」となっている。以上で、写真ファイルから位置情報を一括削除できました。


【5】GPS ログがない時に、Google Maps を見て写真に位置情報を追加する方法


GPSPhotoLinker は名前のとおり GPS ログデーターを元に写真に位置情報を追加するのが主目的のソフトですが、緯度・経度・高度を手入力して写真に位置情報を追加することもできます。

M-241_GPSPhotoLinker24CustomGPS


処理対象のファイルを選択した上で、メニューの「Photos」→「Enter Custom Coordinates…」を選択すると、以下のように緯度・経度・高度を入力するダイアログが出ます。

M-241_GPSPhotoLinker25


同じ場所で撮った写真を複数選択して処理を行うこともできますので、同じ地点で大量に写真を撮っていれば、GPS ロガーがなくても簡単に位置情報を追加できることもあります。

ただ、ここで問題になるのは(高度はともかく)

手入力する撮影場所の緯度・経度をどうやって知るのか?


ということになるわけですが、私が使ってる手軽な方法は次の2つがあります。

  1. Google Maps で撮影場所を探して、そこの緯度経度を表示させる

  2. カメラで写真を撮った同じ場所でスマートフォンでも写真を撮っていれば、スマートフォンで撮った写真に付いている GPS 情報を見る


概ねこの2つでだいだい賄えています。


(1)Google Maps で撮影場所を探して、そこの緯度経度を表示させる方法

まず、Google Maps で写真を撮影したであろう場所を探して、写真を撮影したと思えるポイントでマウスを右クリック(または Control キー+マウスクリック)します。トラックパッドの場合は2本指タップです。

下記画面のようにメニューが表示されますので、「この場所について」を選択します。

M-241_GPSPhotoLinker26


すると、以下のように右クリック(2本指タップ)したポイントにマーカーが表示されるとともに、上のフォームフィールド内に緯度と経度が表示されます。

M-241_GPSPhotoLinker27


これを先の GPSPhotoLinker の位置情報手入力ダイアログで入力すれば良いだけです。


(2)同じ場所で撮ったスマートフォンの写真に付いている GPS 情報を見る方法

スマートフォンの GPS 機能をオフにしていなければ、殆どの場合(地下とかビル内とかでなければ)スマートフォンで撮った写真には位置情報が付いていると思います。

スマートフォンで撮った写真をパソコンに取り込み済みの場合には、Mac ならプレビューの「インスペクタを見る」機能や iPhoto で位置情報を閲覧することができますし、スマートフォンのアプリを使えばスマートフォン自体で緯度経度を確認することもできます。

M-241_GPSPhotoLinker39
(プレビューで iPhone の写真を開いて GPS 情報を確認したところ)

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(iPhone の Koredoko アプリで撮影写真の位置情報を閲覧しているところ)


これらで確認した位置情報を同じ場所で撮影した写真に追加すれば、正確な位置情報をデジタルカメラ写真に追加することも可能です。GPS ロガーを使う前は主にこの方法(カメラで写真を撮る時には iPhone でも撮影する)を使っていました。

位置情報の付いたスマートフォンの写真ファイル群を元にして、デジタルカメラの写真に半自動的に位置情報を付加する方法もありますが、それについてはまた後日記したいと思います。



というわけで、非常に長くなりましたが、GPSPhotoLinker の拙い解説をしてみました。

GPS ログから自動で写真に位置情報を付加する方法を中心に説明してきましたが、位置情報の削除や手入力での位置情報追加など色々な機能があることが判ってもらえたと思います。

また、前回記事で説明したソフト「Houdah GPS」を使わず、GPSPhotoLinker 自身で M-241 から GPS ログデーターを取得することも可能です(メニューの「Tracks」→「Download From GPS…」)。

GPS ログからの写真ファイルへ位置情報を追加する方法も、【1】や【2】で説明した自動で一括処理する方法以外にも

M-241_GPSPhotoLinker36Single
一つ一つの写真で確認しながら位置情報を付加する「Single」

M-241_GPSPhotoLinker37Manual
GPS ログの記録から自分で選んで位置情報を付加する「Manual」


があります。ま、殆どの場合は一括処理の「Auto」で問題ないというか、ちまちまやるのは面倒ですよね :-)

もちろん、GPSPhotoLinker にも欠点、不備な点はあります。

日本国内で撮影した場合、逆ジオコーディングの地点名が文字化けしてしまい、国、都市名が ?? になってしまいますし、位置情報を手入力で追加・編集するのに地図を見ながら自由にポイントを動かすなんてことはできません。

が、無料のソフトウェアとしては満足でき得る内容ではないかと思います。私自身、有料ソフトを買おうかと思っていましたが、しばらく使ってきてこれでもう十分と感じています。

ただ、このソフトで処理すると、写真ファイルのタイムスタンプが処理した日時に変更されてしまいます。当然といえば当然なのですが、元の撮影日時のタイムスタンプに戻したい場合もあるでしょう。

その方法については別のソフトを使って実現できますので、次記事で紹介したいと思います。

→次記事「EXIF 撮影日時やファイル作成・変更日時を自在に変更・同期できる ExifDateChange