ただいま、今年4度目の北海道へ向かうピーチ機内。ピーチの狭い機内でノートパソコンを出して作業するのに挑戦しつつ、軽く更新をば(狭いピーチにも慣れてきたけど、1時間以上のフライトは結構きますね)。

さて、ネタがないとか言いつつ、ゴールデンウィーク前から色々と購入・導入したものはありました。どれも新製品ではないのですが、そのうちの一つが、バッファローの HDD 4台搭載可能な RAID NAS(ネットワーク HDD)「LinkStation LS-QV2.0TL/1D」



「RAID NAS なら最低限 QNAP じゃね?」
「バッファローの RAID NAS、それも LinkStation とか…」

というようなことは重々承知なのですが、色々と事情がありまして、いつも自分がベストだと思える製品を買えるわけでもないわけです。今回は国内有名メーカー製の廉価な製品限定ということで、これを選択しました。

それに元々、これの前モデルである「LS-Q2.0TL/R5」を 500MB ×4 の RAID 5 NAS としてずっと使ってきており、性能や機能はイマイチでしたが、3年半の間、NAS 本体に関しては問題なく使ってきました(MacOS X 10.7 で AFP のサポートを切ったのは怒りまくり)。

以前 HDD が1台バッドセクタを出した際もちゃんとレポートが上がって、(ホットスワップ非対応ですが)交換して RAID 再構築も無事できるなど、最低限 RAID 5 NAS として問題なく使えていました。全面的に信用してるわけでもないのですが、

シビアさを求めないお手軽 RAID 5/10 NAS としてはアリ


だと思っています。安価ですしね。

前モデル LS-QL シリーズは動作が色々モッサリ加減で転送速度も正直遅めでしたが、現行モデルの LS-QVL はまずまずのレスポンス。決して爆速とか極めてサクサクとは言えませんが、家庭用途、SOHO のライトな用途では十分使えるレスポンスになっています(メーカー公称値は前モデルの 3.3倍)。


LS-QVL シリーズには容量別に 8TB (2TB HDD ×4本) の LS-QV8.0TL/R5、4TB の LS-QV4.0TL/R5、2TB のLS-QV2.0TL/R5 の3種類がありますが、今回は最初から 8TB のつもりでいました。ので、本来なら



これを買うことになるのですが、実売価格でも 10万円以上。さすがにこの値段になると、もっと高信頼性&多機能な NAS に手が届こうする価格になります。

なので、今回は4ベイあるうちの1つだけに HDD が搭載された



これを購入しました(3万円台で購入)。LS-QV8.0TL/R5 などと同じく HDD 4台搭載できるようになっているものの、HDD は 2TB HDD が1つだけ刺さっている状態で得られています。

4台分のうち1台だけ入れとくから、残りの3台分は自分で好きなように増設しろ


という仕様です(必ずしも HDD を4台搭載する必要はないし、このまま1台でも運用可)。

特に私の場合は、2TB HDD の予備がまだ3台残っていました。昨秋起こったタイの洪水以降、HDD の値段が高騰していますが、その前の底値の時に 2TB HDD を買い溜めしておいたのが功を奏しました :-)

当時は 2TB HDD が6千円前後が相場で、今は1万円前後しますが、それでも「LS-QV2.0TL/1D」を買って自分で 2TB HDD を3台増設すれば

8TB の RAID NAS が6〜7万円


で購入できることになりますから、性能その他を妥協すれば(といっても十分実用的)かなりお得かと思います。

LS-QVL04


私の個体の LS-QV2.0TL/1D に搭載されていた HDD はウエスタンデジタルの「WD20EARX-22PASB0」でしたが、手元にあった3台の HDD はその前モデルである「WD20EARS-00MVWB0」。

RAID を組む場合に違ったモデルの HDD を入れるのはよくありませんが、個人用の NAS ですし、「まぁ同じウエスタンデジタルの1世代違いだからええだろ」という感じで、混在して利用しています。モデル違いの HDD を一緒にしていることによる変な共振もなく、普通に使えています(今のところは)。

LS-QVL01


筐体そのものは前モデルから変わってないようで、やや奥行きの長い直方体形状。上記に iPhone と比較しての設置した状態での写真を載せていますが、HDD 4台を積める NAS と思えば特に大きいとは感じません。納得できるサイズです。

動作音も静かで、夏場の高温時に緩やかにファンの音がするくらいで、あとは HDD 音が少々。家庭の寝室に置いても十分使える静かさだと思います。

難点はといえば、

電源アダプター外付けで、そこそこデカい


ことでしょうか。

持ち歩いて使うようなものではないとはいえ、このサイズなら電源内蔵にして欲しかったと思います。ま、電源内蔵じゃない分だけ、筐体温度が上がらずに済むのかもしれませんが。

また、気をつける点としては

前面から埃をかなり吸い込むので、こまめな掃除が必要


です。前面に USB 端子があるのですが、そこが埃だらけになりますし、そうなると HDD ベイ内部も埃が結構混入していますので、その点だけは気をつける必要があります(前モデルでそれなりに埃だらけになったことはあっても壊れたりはしませんでしたが…)。

LS-QVL02


設定ウェブブラウザで NAS の設定画面へアクセスするは一般的なタイプ。Windows 用設定ツールなどもありますが、ドライバや専用ソフトは一切使わなくて利用できます(Turbo 機能や USB サーバー機能を使う場合は専用ソフトのインストールが必要。Windows のみ)。

Windows SMB でのファイル共有はもちろん、Mac AFP ファイル共有(MacOS X 10.7 以降の新プロトコルにも対応)、FTP といった機能以外に、ウェブサーバーを利用したスマートフォンのブラウザからのファイルアクセス機能もあります(このあたりは当たり前ですね)。

LS-QVL03


私は他に LAN サーバーなどがあるので、NAS はシンプルに使っています。TimeMachine のバックアップにも使えます(TimeMachine のバックアップは専用の共有フォルダを作って最大サイズを設定しておいた方が良い)。

LS-QVL05


障害・メンテナンスその他のメール通知機能は NAS には必須。UPS 連動も当然あり。RAID は 0/1/5/10 を設定可能。ホットスワップには非対応。

LS-QVL06


各種サーバー機能もひと通り有り。細かい設定はできませんが、その分簡単。USB デバイスサーバーは Turbo 機能と同じで Windows 専用&専用ソフトをパソコン側にインストールする必要あり。

LS-QVL07


メディアサーバー機能としては、DLNA サーバー、iTunes サーバー(音楽のみ)、Squeezebox サーバーが利用可能。個人的にはこれだけあれば、まずは十分。他には、LAN の外部、出先からインターネット経由でアクセスできる Web Access 機能もある(私は別の方法で外部からアクセスしているので使ってない)。

NAS は単なるバックアップ、共有フォルダ的な機能だけじゃなく、NAS にビデオや音楽を入れておくことで、自宅内外から PC、スマートフォンやタブレットで簡単にビデオや音楽を聴けるので、それだけでも重宝している。「簡単に」というところが味噌。

LS-QVL08


使っていませんが、Flickr や Eye-Fi とも連携できます。本 NAS には「ダイレクトコピー」機能というのがあり、NAS の USB に挿したカードリーダーからデジカメ写真を自動的に読み込んで保存する機能があります。

そのダイレクトコピー機能で NAS へ読み込んだデジカメ写真をさらに自動的に Flickr へアップロードできたり、Eye-Fi カードから NAS へアップロード保存できます。Flickr はともかく、Eye-Fi カード利用者にとっては結構便利かもしれません。

LS-QVL09


前モデル LS-QL シリーズではなくて、現行 LS-QVL シリーズにある機能の一つが、ウェブサーバー機能。ポート番号や公開フォルダ、php.ini の設定以外は殆ど何も設定できませんが、

自宅内で使う超簡単なんちゃってウェブサーバー


としては、本当に何も考えずに使えます。ま、こういうのが良いのか悪いのかは判りませんけどね…

LS-QVL10


驚いたことに MySQL サーバーもありました。こちらも殆ど細かい設定はできません。それでどう使えというのか判りませんが…

加えて、ウェブサーバーや PHP、MySQL はセキュリティ関連できっちりアップデートをしていく必要があるものですから、外部公開用ではないとはいえ、バッファローのファームウェア・アップデートの頻度では少々疑問を感じることはありますが…



というわけで、導入して前モデル LS-Q2.0TL/R5 と置き換えて 10日ほど使ってきていますが、概ね満足しています。細かいことを言い出せば切りはないですが、

家庭用・SOHO用の安価でライトな RAID 5 NAS としては決して悪くない


と、前モデルから3年半使ってきて、そう思っています。

一時期から比べると HDD の値段も沈静化してきましたから、1台モデルの LS-QV2.0TL/1D を買って、自分で3台 HDD を増設して(増設は簡単) 8TB NAS をリーズナブルに構築するのも便利だと思います。