先日、「一度は思いとどまったのに… MFで遊ぶためという理由を捻出」などという記事を書いた NEX-7 ですが、たまにマニュアルフォーカスごっこ(本当に“ごっこ”レベル)をしているものの、結局のところ、マイクロフォーサーズ機や GXR と変わらない“単なるサブカメラ”として使ってる気がします。

もうすぐ Metabones製 EOS-NEX 電子接点付きマウントアダプターの二次ロット分の入荷があるようで、私のところへも順次出荷されるという案内がきましたが、マニュアルフォーカスごっこのテンションも落ちた昨今ですので、若干キャンセルしたい気分もあったり…(^_^;) まぁしませんけどね。

そんな状況となると、先日の記事では「保険のレンズ」と書いた、タムロン 18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC(以下 Model B011)の存在感が大きくなってくるわけです。

TAMRON 18-200mm F3.5-6.3 Di3 VC シルバー ソニー NEX用 B011SE シルバー
TAMRON 18-200mm F3.5-6.3 Di3 VC ソニー NEX用 B011SE シルバー

(タムロンだけど Eマウントレンズの例に漏れず絶賛品薄中…)


周りに何人も NEX ユーザーがいて、おかげで買う前から NEX ボディや色々なレンズを借りて試させてもらったのですが、買うとなれば周りがまだ持っていない高倍率ズームレンズを買おうということにして、そして純正高倍率ズームよりも評判の良かった本レンズを買ったわけです。

さらに、直接の NEX-7 購入動機はファインダー内蔵でコンパクトであること(オールドスタイルな軍艦部がないこと)と操作性でしたが、もう一つ、

「旅カメラとして NEX-7 はどうかな?」

というものがありました。

昨年 EOS 7D を旅カメラ化するのに 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD (Model B008) を購入したのですが、どうも私の期待に応えられるほどのレンズではなく、その全体の重量・サイズに比して得られる画質という点で微妙さを感じていたので、じゃあ NEX なら旅カメラとして満足が得られるかな?と。

TamronB011_02
(EOS用 B008(左)と NEX用 B011、フィルター径は同じ 62mm)


購入後、旅カメラとしての NEX-7 + Model B011 はまだ、2月3月と冬の北海道×2回しか持ちだしていませんが、

サイズ・重量から得られるモノとしては、十分納得


という感じです。

最近のタムロンレンズらしく手ぶれ補正もよく効きますし、正直買って良かった、と思ってます。品不足になったのをみると、早めに手当てしておいて良かった感もあります :-D

所詮高倍率ズームですので決して画質的に満足とは言いませんが(友人のα Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM を借りてマウントアダプター経由で撮ったものと比較すると泣きたくなります ^^;)、その利便性と引き換えとなる画質は妥協の範囲内だと感じますし、

画角の広範囲さ、お値段を勘案すれば、納得できるレベル


にあると思っています。不満を挙げ始めれば切りはないですけど、高倍率ズームは最初から妥協を必要とするレンズですしね。


旅カメラとしての NEX-7 は、ボディはファインダー内蔵でコンパクトであるものの、マイクロフォーサーズ機に比べるとコンパクトで良質なレンズが決定的に欠けています。それゆえ、むしろ 18-200mm のような高倍率“1本”ズームレンズで攻める方が良いかな、と思って、この組み合わせを旅カメラシステムとしました。

単焦点レンズを組み合わせて…となると、どうしてもマイクロフォーサーズ機のコンパクトで良質なレンズ群に惹かれてしまいますから、NEX を買ったからには“ひとまず”逆へ行こうかと。

ただまぁ、このレンズ

サイズはともかく、重くてバランスは悪い


と思います。NEX のボディが軽いだけに「何だかなぁ〜」と感じるときも正直あります。

私自身、EOS では重量級レンズを常用してきて(現在一番常用しているのは 2kg級)、レンズヘビーなのは慣れているどころか好んでいるくらいなのですが、それでも NEX にこの重さは少々アンバランス&NEX の良さをスポイルしていると感じます。

TamronB011_01
(やや太めで短い EOS用 B008 と細く多少長い NEX用 B011)


上記写真のように EOS用 18-270mm VC (Model B008) と比べると、NEX用 Model B011 は 18-200mm と焦点距離範囲的には狭いにも関わらず、全長は少し長いサイズで同程度の重さ。

「長さも重さも同じだったら望遠側 270mm にするか、もしくはもうちょっと軽くても良かったのでは…」

と思うところはあるのですが、使ってるレンズ枚数は NEX 用 Model B011 の方が1枚多いし、画質的にも安定しているように思えるので仕方ないかな…と。冷静に考えれば、そう思います。

しかし、やっぱり

NEX用 18-200mm VC (Model B011) 最大の欠点は重さ


と言って良いでしょう。レンズの重量バランスが先端側にあるため余計にバランスの悪さを感じさせる点も含めて、次期モデルがあるなら改善して欲しい点です。

ちなみに重量だけでなく、サイズ的にもデカいことはデカいのですが、

タム 18-200mm VC (B011) も NEX には似合わないデカさだけど
他の Eマウント単焦点レンズも結構長いから仕方ないか…


という感じです。

レンズサイズに関しては最近「NEX 使ってるんだから仕方ないか…」的な諦めができつつあります(^_^;)。納得は全くしてませんけどね。せめて素子サイズ差ほどに画質差があればいいんですが、NEX-7 の画質はちょっと微妙な面もありますしねぇ…

TamronB011_03
(先週末衝動買いした E 30mm F3.5 Macro と B011。重量差は大きいが全長差は…)


純正 E 55-210mm F4.5-6.3 OSS と本レンズを同時に使い比べ、撮り比べはしたことがありませんが、E 55-210mm F4.5-6.3 OSS を借りて使った時と印象と比べると

E 55-210mm F4.5-6.3 OSS の方が望遠側画質は若干上だと感じたし、何より軽い


ので、1本レンズにこだわらないなら純正標準ズームと純正望遠ズームの組み合わせは悪くないと思います。

私自身、NEX-7 はボディ単体で買いましたが、もし標準ズームを持っていたら純正望遠ズームを買っていたかもしれません。レンズ交換が面倒な人だと1本レンズの方が良いでしょうが、私自身はそうでもありませんので…

いずれにせよ、それなり画質で利便性優先の高倍率ズームですから

絞って使いたい昼間専用レンズ


ではあります。

特に NEX-7 は高感度画質が今時のレンズ交換式カメラにしてはイマイチすぎますので、開放より少し絞って使いたいと思うとホント晴天昼間専用という感じです。が、レンズの性質からも、そこは割りきっておくべきかと思います。

NEX-7 + B011 Sample (1)Thumbnail
(S, 1/800s, F9 / 155mm相当 / ISO 100 / 写真クリックで等倍画像・以下同じ)

NEX-7 + B011 Sample (2)Thumbnail
(A, F11, 1/250s / 38mm 相当 / ISO 100 / +0.7EV)


ともあれ、マイクロフォーサーズ機はファインダー内蔵で満足できるサイズのボディがなく、GXR はコンパクトかつ高画質な旅カメラとして素晴らしい面があったのですが、やはり中望遠〜望遠がどうにもならなくて(今は A16 があるので中望遠は賄えますが)、NEX では画質に多少目をつぶっても“撮れる”ことを優先して、NEX-7 + Model B011 をまず選択しました。

そして前述のとおり、全て満足とはいかなくても、買って良かったと思えるくらいの納得はありますし、

EOS 用 18-270mm VC (Model 008) より
NEX用 18-200mm VC (Model B011) の方が全てに良好


と感じました。

焦点距離範囲が狭いから当然かも知れませんが、EOS + B008 で微妙感を感じていたものが、NEX + B011 で解消された感じです。今後は NEX-7 + B011 が、私の旅カメラの基本になると思います。

NEX-7 + B011 Sample (3)Thumbnail
(A, F11, 1/400s / 300mm相当 / ISO 100 / -0.7EV)

NEX-7 + B011 Sample (4)Thumbnail
(A, F11, 1/250s / 164mm 相当 / ISO 100 / +0.3EV)


いずれにせよ、NEX-7 + Model B011 を旅カメラとして使っていける目処がつきました。まだ、北海道×2回だけですが、氷点下10℃くらいの吹雪の中でも撮れましたので、今後も安心して使っていけそうな気がします(来年の真冬に NEX-7 が手元にあるとは限りませんが… ^^;)。

今後も当面は沖縄から北海道まで、ヒコーキ撮りをしない旅にはお供していくことになるだろうと思います。ただ、できれば、このレンズ1本だけじゃなくて

軽くて薄い 35〜50mm の単焦点レンズと組み合わせられれば理想なのになぁ


と思います。ちょうどマイクロフォーサーズ機の LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. みたいなレンズがあれば、本当に理想なんですけどねぇ。

NEX-7 + B011 Sample (5)Thumbnail
(A, F11, 1/500s / 128mm相当 / ISO 100 / +0.3EV)


実のところ、先週の北海道へ行く前日に「やっぱり高倍率ズームだけじゃなくて1本単焦点レンズを持っていきたい」と E 30mm F3.5 Macro を買ったんですが、あまり“らしい”使い方はできなかった気がします。

30mm マクロに関しては(マクロゆえもあって)単焦点レンズとしては暗いため、NEX-7 の高感度のダメさ加減も勘案して、夜撮スナップは PowerShot S100 になってしまいましたし…(コンパクトな 30mm F2 くらい作ってくれー)

とはいえ、せっかく軽い NEX-7 に重い 18-200mm VC (Model B011) が常用レンズになるのもどうかと思うので、このあたりは今月色々と試行錯誤していこうかと思っています。あまり Eマウントレンズを増やすつもりはなかったのですが…(^_^;)

E 30mm F3.5 Macro については先週の北海道行きではさほど使い倒していませんが、これから花の季節にそれなりに使うかな、と思って買いました。沖縄へ行ったらもう色々咲いてると思いますしね。

30mm レンズとしては今週、SIGMA 30mm F2.8 EX DN が発売されますので、それと比較しての記事として後日取り上げる予定です(シグマの DN レンズ2本は予約済みです ;-)。

SONY マクロレンズ E 30mm F3.5 Macro SEL30M35
SONY マクロレンズ E 30mm F3.5 Macro SEL30M35

(シグマ 30mm は薄いけれど寄れないので共存できる…はず)


とまぁ、ちょっと話は逸れましたが、タムロン 18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC (Model B011) を使ってきた感想は基本的にポジティブ、端的に言えば、

画質とサイズ・重量に妥協は必要なのは判ってたけど
便利な旅用1本ズームとして買ったことには満足


という感じです。

NEX にはちょっとデカくて重いけれど、画質もそれなりレベルで安定して撮れて納得できるレンズ。利便性との間で妥協できる人、レンズの使い分けができる人、画質より便利さ優先な人なら、NEX と組み合わせるのに良いレンズです(でも高画素すぎる NEX-7 には荷が重いので NEX-3/5 系向き)。

私自身、きっと、これからも旅レンズとして愛用していくでしょう。

SONY E 50mm F1.8 OSS SEL50F18
SONY E 50mm F1.8 OSS SEL50F18

(E 50mm は迷ってるうちに、というか昨晩、ヨドバシ.com の在庫僅少を見て
買おうと思ってるうちに寝倒してしまって、気がつけば入荷待ち…orz)