昨夏 iPad 2 のカバーにもなる Bluetooth Keyboard Case に関する記事を2本書きました。
$40 で買った中華製のカバー兼用キーボードが素晴らしく良くて、でもキーボード配置だけがダメダメで、コピー元の本家ロジクール&ZAGG の製品が国内でも発売されたらいいのに…と思ったら、記事を書いた日に国内発表されるという間の悪さでした(^_^;)
■ ネタで買ったのに実用的!? $40のカバー兼用 iPad 2用キーボード「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」
■ 「ロジクール キーボードケース For iPad2」TK700 国内販売開始(+中華製パクリとの比較)
これらの記事へのアクセス数は、この場末ブログの中でもさほど上位というわけでもなく、iPad 2 ユーザーの数に比して、やっぱりあまり注目されてないニッチ製品なんだなぁ…と思うと同時に、アクセス数の割には時々このブログ経由でご購入していただいている方がいて、感謝しております。
もっとも、私は本家製品(以下 TK700)が国内発売される前にバッタもん類似格安製品を購入したため、キーボード配列に不満はあったものの、買い換えるほどでもないと思って、中華製パクリ類似品を使い続けていました。
類似品ゆえの不満はありつつも愛用してきて、昨年のお買い物ベスト10でも4位と位置づけられるくらいに気に入っています。
と本気で思っているくらい、私の iPad 生活には欠かせない周辺機器になっています。
(パソコンを持っていく出張はともかく、旅のお供には超愛用)
さて、バッタもん類似格安製品に対して多少の不満がありつつも
「6千円出して本家製品 TK700 を買い直すのもアホらしいし、買い直すのは iPad 3 用だな」
なんて思っていたのですが、
痛い出費でしたが、私にとってはもう iPad 2 のキーボードケースはなくてはならないモノですので、買い直しには躊躇いはありませんでした。
中華製キーボードケースの故障は、Enter キーと↑キーが入力できなくなる、というものでした。その他のキーについては全く問題がなかったのですが、さすがに Enter キーが入力できないのは厳しい状況でしたので買い換えました。
というわけで、今さら改めて TK700 の紹介と中華製類似製品との比較を、実際に両方を使ってみた実感と比較写真で行なってみたいと思います。以前の記事では TK700 の方は机上で見た比較でしか書いてませんでしたからね。
(1ヶ月近く前に掲載するために記事は書きあがっていたのに、NEX-7 その他の記事の影響ですっかり遅くなって掲載します…)
$40 で買った中華製のカバー兼用キーボードが素晴らしく良くて、でもキーボード配置だけがダメダメで、コピー元の本家ロジクール&ZAGG の製品が国内でも発売されたらいいのに…と思ったら、記事を書いた日に国内発表されるという間の悪さでした(^_^;)
■ ネタで買ったのに実用的!? $40のカバー兼用 iPad 2用キーボード「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」
■ 「ロジクール キーボードケース For iPad2」TK700 国内販売開始(+中華製パクリとの比較)
これらの記事へのアクセス数は、この場末ブログの中でもさほど上位というわけでもなく、iPad 2 ユーザーの数に比して、やっぱりあまり注目されてないニッチ製品なんだなぁ…と思うと同時に、アクセス数の割には時々このブログ経由でご購入していただいている方がいて、感謝しております。
もっとも、私は本家製品(以下 TK700)が国内発売される前に
類似品ゆえの不満はありつつも愛用してきて、昨年のお買い物ベスト10でも4位と位置づけられるくらいに気に入っています。
iPad 3 が出ても、このカバー兼用 Bluetooth キーボードが出ないと
iPad 3 に買い換えられないか、iPad 2 と併用だなぁ…
iPad 3 に買い換えられないか、iPad 2 と併用だなぁ…
と本気で思っているくらい、私の iPad 生活には欠かせない周辺機器になっています。
(パソコンを持っていく出張はともかく、旅のお供には超愛用)
さて、
「6千円出して本家製品 TK700 を買い直すのもアホらしいし、買い直すのは iPad 3 用だな」
なんて思っていたのですが、
年始早々、中華製キーボードケースが壊れたので
本家ロジクール TK700 を買い直しました
本家ロジクール TK700 を買い直しました
痛い出費でしたが、私にとってはもう iPad 2 のキーボードケースはなくてはならないモノですので、買い直しには躊躇いはありませんでした。
中華製キーボードケースの故障は、Enter キーと↑キーが入力できなくなる、というものでした。その他のキーについては全く問題がなかったのですが、さすがに Enter キーが入力できないのは厳しい状況でしたので買い換えました。
というわけで、今さら改めて TK700 の紹介と中華製類似製品との比較を、実際に両方を使ってみた実感と比較写真で行なってみたいと思います。以前の記事では TK700 の方は机上で見た比較でしか書いてませんでしたからね。
(1ヶ月近く前に掲載するために記事は書きあがっていたのに、NEX-7 その他の記事の影響ですっかり遅くなって掲載します…)
TK700 は安さを追求した中華製類似製品と違って周辺機器大手のロジクールですので、パッケージには日本語マニュアル(薄いけど)や充電用の micro USB ケーブルが付属しています。
もっとも、中華製類似製品でも国内代理店が日本語マニュアルを添付しているところもあるようです。私は個人輸入したので、英語のペラ紙1枚でした(個人的には気にしませんが)。
内容については iPad 2 のカバーにもなる Bluetooth キーボードであることは説明の必要もないでしょう。前述の過去記事で色々と書いていますので、使い方や特徴が判らない方はそちらを参照下さい。
で、なにはともあれ、中華製類似製品とロジクール TK700 の比較。
パッと見、キーボードの配置やパームレスト部分の大きさ、ボタンの違いはあれど、表裏から見ると殆ど変わらないものに見えます。
(表側比較。上:TK700、下:中華製類似製品)
(裏側比較。上:TK700、下:中華製類似製品)
表や裏を写真で見るだけでは判らない大きな差があるのですが、それは順次述べていきたいと思います。
縦横のサイズについては、両製品とも iPad 2 のカバーにもなるケースということで殆ど差がありません。TK700 の方が外枠のアルミが厚めですので、それで微妙な差はありますが、縦横サイズ自体が
特に裏面は、ロジクール製品に電波関係の認可マークが入っているのを除けば、パッと見の区別はつきにくいでしょう。
両方を所有していれば明らかなのが(両方持ってる人も少ないでしょうけど)、
ということです。これはもう
「あれ?こんなに差があったかな?」
と、TK700 を店頭で何度も触ったことのある私が感じるほど。手元において両方を同時に持って、使って比較すると、結構な差を感じます。
(適当比較ですが、こちらは中華製類似製品)
(ロジクール TK700)
中華製類似製品については明確なスペックを出しているところも少なく、出していても「そりゃ違うだろ」というスペックだったりしますが、いずれにせよ両方使ってみると、重さ、厚さについては明確な差があります。
正直言ってしまえば、
薄くて軽い中華製類似製品を使っていても iPad 2 にキーボードをカバーして持ち歩くとなると、MacBook Air より分厚くなるのは事実ですから、さらに厚みのある TK700 だと
そんな感じです。ちょうど Let's note R シリーズみたいな印象。あそこまで厚くはないですが(こんな喩えで判る人も少ないか…)。
(並べてみると明らかな厚みの差。数mm 差だが、実感ではそれ以上)
(数字より実感差が大きい理由が、角の処理の違い。角丸な中華製品の方が、より薄く感じる)
(ひとことで言えば、TK700 は弁当箱。ホントにそういう感じ)
とまぁ、ここまで書くと
「TK700 より軽くて薄めで、おまけに安い中華類似製品の方が良いんじゃね?」
と思われますが、必ずしもそんなことはありません。
類似中華製品の方が「軽い!薄い!安い!」と一番重要な3拍子が揃っているのは事実ですが、キーボードという商品ですから一番重要なのは使い勝手です。
使ってみて、その差を知ると評価はいささか変わります(少なくとも私は変わった)。
まず、キー配置の問題。
昨夏の中華製類似製品のレビュー記事でも強調しましたが、
んですよね。おおよそ1文字分でしょうか。これは本当に使いづらいです。
そのズレは、以下の比較写真を見れば一目瞭然。
(上:TK700、下:中華製類似製品)
左側のシフトキーや CapsLock キー、Tab キーがやけに長く、おかげで スペースキーとアルファベットキーとのズレが酷いことになっています。これは本当にタイプしにくい。
慣れで解決できなくはないのですが、パソコンなど普通のキーボードは真っ当な配置ですから、他のキーボードを使う時間が長ければ、このズレたキーボードに慣れるのは難しいと思います。
半年間使ってきた私も完全に慣れるのは無理でした。数ヶ月経って、ある程度の切り替えはできるようになりましたが…殆どの人は慣れるのに苦労すると思います。
もちろん、多少ズレているとはいえ、画面上のスクリーンキーボードを使うよりはタイプ速度も速く、便利なことも多いのは昔の記事でも述べたとおりですが、アルファベット部分のキー配置がズレてるのは辛く、その点 TK700 はスムースです。
と言えます。
(以前の記事で中華製品の方は言語切り替えが1キーでできないと書きましたが、その後それを F6 で実現した改良版も発売されています)
また、TK700 は各部の作りはしっかりしていて、キー一つ取ってもタイプしやすいと感じています。特にストロークの差は本気でタイプする場合には、その違いを実感します。
そのため、キー配置の問題は除いてもタイプのしやすさは TK700 の方が随分良好です。このあたりは厚みの差、重さの差が造りの差に出ていると言えます。
(中華製類似品は製品自体を薄くするためかキーも薄い。タイプしにくいとは言わないが…)
(TK700 はスカスカでもキーストロークがあって、タイプ感は上)
ただ、TK700 はキーボードの外枠が結構高く、それが手前側に回り込んでいるので、キーボードに手を置いた時に両手の外側が外枠に当たるのは微妙です。特に手の大きい人は気になると思います。
その点、手に置いた感じは中華製類似製品の方が自然と感じます。厚みが少ない分、段差も少ないですので違和感は TK700 より少ないです。ただ、実際にタイプし始めると評価は逆転しますし、後述する問題もありますが…
(機内車内での使い勝手は安定感のある TK700 が断然上)
さらに TK700 の方が多少重いこともあって、キーボード全体の剛性感は TK700 の圧勝と言っていいでしょう。実際に出先で使えば、安心感が全然違う。
何よりも
ことがあります。
モバイル製品ですから軽い方がよく、重すぎるのは論外なのですが、この製品の場合“iPad を立て掛ける”という点を考えると、それなりの重量がないと不安定になりがちです。
実際、以前の記事にも書いたように、
と、私は判断しました。
(中華製類似製品で iPad 2 縦置き)
この写真では少し判りにくいかもしれませんが、キーボード側の左手の方が少し浮いています。中華製類似製品では iPad 2 を縦置きして使うと、手でしっかり押さえていないと後ろへ倒れこむ可能性があります。
中華製類似製品も横置きで使う限りは問題ないのですが、テキストエディタやワープロで文章書きなど、外付けキーボードを使っていても縦置きの方が効率が良い場合があります。それが難しいのは、中華製類似製品の欠点の一つでした。
(パームレストと iPad 2 を立て掛ける溝の場所の差異。溝の位置も重要)
翻ってロジクール TK700 は中華製類似製品より少し重いこともあり、TK700 の方が使っていて安定感・安心感があります。がたつくことも少なくて、この点でもタイピング中のストレスが減りました。
また上記写真を見て判るように、TK700 は中華製類似製品に比べて iPad を立て掛ける溝の位置が手前にあります。これにより iPad を立てかけた時の重心の差が結構あります(中華製品の方は重心が後方へ行きがち)。
さらに iPad を立て掛ける爪の部分を見ても
(左:中華製類似製品、右:ロジクール TK700)
しっかりと爪があるのは TK700 の方で(中華製品でも横置きなら問題ないのですが…)、厚みの違いから溝も深くなっています。この点もしっかり作っているのは TK700 と言えるでしょう。
実際に両方とも使ってみると、TK700 でタイプしている方がずっと安心感があります。これはもうスペックでは判らない感覚の世界ですが、少なくとも
は明確にあります。
(TK700 でも危なかっしく見えますが、意外なほど安定しています)
厚さ、重さは TK700 の欠点でもありますが、
ですので、厚み・重さが必ずしも欠点とは言えなくなってしまいます。
持ち歩く時には、できるだけ軽い・薄い方が良いのは間違いないのですが、こういった製品ではそうとも限らないことを使ってみて改めて実感しました。
iPad 2 のカバーケースとしてみても TK700 は外枠が太く、深さがあって iPad 本体が沈み込む部分が多いだけに安心感があります。中華製類似製品だと液晶面を保護しているだけな感じですが、TK700 だと底面以外はしっかり守られている感があります。
正直なことを言えば、TK700 が届いて開封した時、既に慣れていた中華製品と比べて少し重く厚かったので TK700 の最初の印象は良くなかったものの
しました。厚みとちょい重めが安定感と引き換えになるのは、確かにもどかしいですけどね。
(TK700 のコーナー保護部。しっかりとしていて、iPad にカバーとしてハメる際もキツめ)
(中華製類似製品ではコーナー保護は特になく、キーボードと当たらない仕組みだけ少しある)
さて、両方使ってみての私なりの結論です。
TK700 の良いところ
中華製類似製品の良いところ
【HAIKAU】 iPad2 bluetoothキーボード内蔵アルミケース ブラック 日本語操作説明書付き
(F6 キーで言語切り替えが可能になった改良版)
もし、私がこれから両製品のうち、どちらか1つ選ぶとすれば、
他人に薦めるとしても、やっぱり TK700 です。出先で使ってみると、使っていてのストレス・使い勝手に差があり、TK700 に慣れると中華製類似製品に戻る気はしません。
やはり
だと思います。
もし iPad 3 用に両者からまた同じ製品が出れば、やっぱり Logicool × ZAGG の Bluetooth Keyboard Case を選ぶことでしょう。中華製類似製品の方は、まずキー配置の右シフトを改善してもらわないと話になりません。
逆に言えば、中華製類似製品のキーボードなどが改善されたものが iPad 3用に出たとしたら、結構迷うと思います(後述するように iPad 2 用でも出ました)。iPad の縦置きに難があるとはいえ、軽さと薄さは魅力ですからね。
…と思っていたら、少し前になって
ようです。それがコレ。
単なるホワイトモデル、ファンクションキーが大きくなったモデルと思っていたのですが、キーボードを拡大してみると
となっていて、これを見るとスペースキーとアルファベットキーのズレは直っているようです(この写真の通りかどうかは実物を見てないので判りませんが)。
iPad を立てかけるための溝は同じ場所のようですし、重量的に大きく変わったこともないでしょうから、iPad を立てかけて使った時の安定感は やっぱり TK700 でしょう。
でも、お値段は TK700 より安く、軽く、薄い。縦置きさえ諦めれば、おかしなキー配置が直っただけでも、かなり買いではないでしょうか。ってか、気づいていれば良かった…さすがに、もう1つは買いません(^_^;)
そんなわけで、従来の中華製類似製品と TK700 の比較では断然 TK700 がオススメですが、キー配置が直った中華製品のニューモデルもなかなか良さそうです。
それが TK700 が良いか、この中華製品の新モデルが良いかの分かれ目ですね。
また、TK700 を買ったものの、もうちょっと薄くて軽いのがあればなぁ…という人は、上記中華製品の新モデルを試してみるのが良いかもしれません。
厚み・重さと使う時の安定感、どちらを取るかは悩ましいところですが…(^_^;)
【7/19 追記】
ロジクールの新型 iPad用キーボードカバー「Ultrathin Keyboard Cover」TK710 が発売され、3週間使ってみたレビュー記事を書きました。
→ ケースからカバーへ。薄く軽くなった iPad用「Ultrathin Keyboard Cover」TK710【前編】
もっとも、中華製類似製品でも国内代理店が日本語マニュアルを添付しているところもあるようです。私は個人輸入したので、英語のペラ紙1枚でした(個人的には気にしませんが)。
内容については iPad 2 のカバーにもなる Bluetooth キーボードであることは説明の必要もないでしょう。前述の過去記事で色々と書いていますので、使い方や特徴が判らない方はそちらを参照下さい。
で、なにはともあれ、中華製類似製品とロジクール TK700 の比較。
パッと見、キーボードの配置やパームレスト部分の大きさ、ボタンの違いはあれど、表裏から見ると殆ど変わらないものに見えます。
(表側比較。上:TK700、下:中華製類似製品)
(裏側比較。上:TK700、下:中華製類似製品)
表や裏を写真で見るだけでは判らない大きな差があるのですが、それは順次述べていきたいと思います。
縦横のサイズについては、両製品とも iPad 2 のカバーにもなるケースということで殆ど差がありません。TK700 の方が外枠のアルミが厚めですので、それで微妙な差はありますが、縦横サイズ自体が
特に裏面は、ロジクール製品に電波関係の認可マークが入っているのを除けば、パッと見の区別はつきにくいでしょう。
両方を所有していれば明らかなのが(両方持ってる人も少ないでしょうけど)、
TK700 の方がゴツい、厚い、重い
ということです。これはもう
「あれ?こんなに差があったかな?」
と、TK700 を店頭で何度も触ったことのある私が感じるほど。手元において両方を同時に持って、使って比較すると、結構な差を感じます。
(適当比較ですが、こちらは中華製類似製品)
(ロジクール TK700)
中華製類似製品については明確なスペックを出しているところも少なく、出していても「そりゃ違うだろ」というスペックだったりしますが、いずれにせよ両方使ってみると、重さ、厚さについては明確な差があります。
正直言ってしまえば、
中華製類似製品に慣れていると TK700 は
「ちょっとデカくて重めだし微妙だなぁ…」と感じるくらい
「ちょっとデカくて重めだし微妙だなぁ…」と感じるくらい
薄くて軽い中華製類似製品を使っていても iPad 2 にキーボードをカバーして持ち歩くとなると、MacBook Air より分厚くなるのは事実ですから、さらに厚みのある TK700 だと
小さいけど薄くはない、昔の 10インチ・ノートPC みたい…
そんな感じです。ちょうど Let's note R シリーズみたいな印象。あそこまで厚くはないですが(こんな喩えで判る人も少ないか…)。
(並べてみると明らかな厚みの差。数mm 差だが、実感ではそれ以上)
(数字より実感差が大きい理由が、角の処理の違い。角丸な中華製品の方が、より薄く感じる)
(ひとことで言えば、TK700 は弁当箱。ホントにそういう感じ)
とまぁ、ここまで書くと
「TK700 より軽くて薄めで、おまけに安い中華類似製品の方が良いんじゃね?」
と思われますが、必ずしもそんなことはありません。
類似中華製品の方が「軽い!薄い!安い!」と一番重要な3拍子が揃っているのは事実ですが、キーボードという商品ですから一番重要なのは使い勝手です。
使ってみて、その差を知ると評価はいささか変わります(少なくとも私は変わった)。
☆
まず、キー配置の問題。
昨夏の中華製類似製品のレビュー記事でも強調しましたが、
中華製品の方はキー配置が正常位置より全体に右にズレている
んですよね。おおよそ1文字分でしょうか。これは本当に使いづらいです。
そのズレは、以下の比較写真を見れば一目瞭然。
(上:TK700、下:中華製類似製品)
左側のシフトキーや CapsLock キー、Tab キーがやけに長く、おかげで スペースキーとアルファベットキーとのズレが酷いことになっています。これは本当にタイプしにくい。
慣れで解決できなくはないのですが、パソコンなど普通のキーボードは真っ当な配置ですから、他のキーボードを使う時間が長ければ、このズレたキーボードに慣れるのは難しいと思います。
半年間使ってきた私も完全に慣れるのは無理でした。数ヶ月経って、ある程度の切り替えはできるようになりましたが…殆どの人は慣れるのに苦労すると思います。
もちろん、多少ズレているとはいえ、画面上のスクリーンキーボードを使うよりはタイプ速度も速く、便利なことも多いのは昔の記事でも述べたとおりですが、アルファベット部分のキー配置がズレてるのは辛く、その点 TK700 はスムースです。
キーボードとして肝心要の部分がマトモな TK700 はストレスが少ない
と言えます。
(以前の記事で中華製品の方は言語切り替えが1キーでできないと書きましたが、その後それを F6 で実現した改良版も発売されています)
また、TK700 は各部の作りはしっかりしていて、キー一つ取ってもタイプしやすいと感じています。特にストロークの差は本気でタイプする場合には、その違いを実感します。
そのため、キー配置の問題は除いてもタイプのしやすさは TK700 の方が随分良好です。このあたりは厚みの差、重さの差が造りの差に出ていると言えます。
(中華製類似品は製品自体を薄くするためかキーも薄い。タイプしにくいとは言わないが…)
(TK700 はスカスカでもキーストロークがあって、タイプ感は上)
ただ、TK700 はキーボードの外枠が結構高く、それが手前側に回り込んでいるので、キーボードに手を置いた時に両手の外側が外枠に当たるのは微妙です。特に手の大きい人は気になると思います。
その点、手に置いた感じは中華製類似製品の方が自然と感じます。厚みが少ない分、段差も少ないですので違和感は TK700 より少ないです。ただ、実際にタイプし始めると評価は逆転しますし、後述する問題もありますが…
(機内車内での使い勝手は安定感のある TK700 が断然上)
さらに TK700 の方が多少重いこともあって、キーボード全体の剛性感は TK700 の圧勝と言っていいでしょう。実際に出先で使えば、安心感が全然違う。
何よりも
キーボードケースは“iPad を立て掛ける”という構造上
軽いのは決して良いとは限らない
軽いのは決して良いとは限らない
ことがあります。
モバイル製品ですから軽い方がよく、重すぎるのは論外なのですが、この製品の場合“iPad を立て掛ける”という点を考えると、それなりの重量がないと不安定になりがちです。
実際、以前の記事にも書いたように、
中華製類似製品は軽いために iPad を縦置きで使うのは厳しい
と、私は判断しました。
(中華製類似製品で iPad 2 縦置き)
この写真では少し判りにくいかもしれませんが、キーボード側の左手の方が少し浮いています。中華製類似製品では iPad 2 を縦置きして使うと、手でしっかり押さえていないと後ろへ倒れこむ可能性があります。
中華製類似製品も横置きで使う限りは問題ないのですが、テキストエディタやワープロで文章書きなど、外付けキーボードを使っていても縦置きの方が効率が良い場合があります。それが難しいのは、中華製類似製品の欠点の一つでした。
(パームレストと iPad 2 を立て掛ける溝の場所の差異。溝の位置も重要)
翻ってロジクール TK700 は中華製類似製品より少し重いこともあり、TK700 の方が使っていて安定感・安心感があります。がたつくことも少なくて、この点でもタイピング中のストレスが減りました。
また上記写真を見て判るように、TK700 は中華製類似製品に比べて iPad を立て掛ける溝の位置が手前にあります。これにより iPad を立てかけた時の重心の差が結構あります(中華製品の方は重心が後方へ行きがち)。
さらに iPad を立て掛ける爪の部分を見ても
(左:中華製類似製品、右:ロジクール TK700)
しっかりと爪があるのは TK700 の方で(中華製品でも横置きなら問題ないのですが…)、厚みの違いから溝も深くなっています。この点もしっかり作っているのは TK700 と言えるでしょう。
実際に両方とも使ってみると、TK700 でタイプしている方がずっと安心感があります。これはもうスペックでは判らない感覚の世界ですが、少なくとも
TK700 なら縦置きでも十分使う気になれる安定感
は明確にあります。
(TK700 でも危なかっしく見えますが、意外なほど安定しています)
厚さ、重さは TK700 の欠点でもありますが、
重さ・厚みと iPad を立てた時の重心の差が、安定感の差
ですので、厚み・重さが必ずしも欠点とは言えなくなってしまいます。
持ち歩く時には、できるだけ軽い・薄い方が良いのは間違いないのですが、こういった製品ではそうとも限らないことを使ってみて改めて実感しました。
iPad 2 のカバーケースとしてみても TK700 は外枠が太く、深さがあって iPad 本体が沈み込む部分が多いだけに安心感があります。中華製類似製品だと液晶面を保護しているだけな感じですが、TK700 だと底面以外はしっかり守られている感があります。
正直なことを言えば、TK700 が届いて開封した時、既に慣れていた中華製品と比べて少し重く厚かったので TK700 の最初の印象は良くなかったものの
実際に使い始めてみて TK700 の良さを実感
しました。厚みとちょい重めが安定感と引き換えになるのは、確かにもどかしいですけどね。
(TK700 のコーナー保護部。しっかりとしていて、iPad にカバーとしてハメる際もキツめ)
(中華製類似製品ではコーナー保護は特になく、キーボードと当たらない仕組みだけ少しある)
さて、両方使ってみての私なりの結論です。
TK700 の良いところ
- キー配置がマトモ。変な慣れを必要とせずタイピングできる。
(両手の外側にキーボードケースの外枠が当たるのだけは慣れる必要がある) - やや重くてゴツいけれど、安定してタイプできる。キーストロークもある(スカスカだけど)。
- iPad 2 を載せた時の重量バランスが良く、縦置きでも十分使えるし、横置きの安定感も◎。
- 端々の造りが良いので、持ち運び時の安心感もある。
- 言語切り替えキーがあって、日本語/英語入力の切り替えが1キーで可能。
(もっとも左下で少々押しにくいので、結局 TK700 でも Control + Space で切り替えています)
中華製類似製品の良いところ
- 薄い!軽い!安い!
- パームレストが少しあり、外枠も高くないので、キーボードに手を置いた時の感じが良い。
(ただし、タイプするとなるとキー配置がズレていて最悪だけど) - カーソルキーが大きくて使いやすい。
- 外枠の関係上、TK700 より右下・左下のキーがタイプしやすい。
- 言語切り替えキーが付属した改良版がある
【HAIKAU】 iPad2 bluetoothキーボード内蔵アルミケース ブラック 日本語操作説明書付き
(F6 キーで言語切り替えが可能になった改良版)
もし、私がこれから両製品のうち、どちらか1つ選ぶとすれば、
中華製類似製品の軽さ薄さは魅力だけど、
ストレスなくキータイプでき、縦置きでも使える TK700 を選ぶ
ストレスなくキータイプでき、縦置きでも使える TK700 を選ぶ
他人に薦めるとしても、やっぱり TK700 です。出先で使ってみると、使っていてのストレス・使い勝手に差があり、TK700 に慣れると中華製類似製品に戻る気はしません。
やはり
キーボードは「どれだけ快適にタイプできてナンボ」
だと思います。
もし iPad 3 用に両者からまた同じ製品が出れば、やっぱり Logicool × ZAGG の Bluetooth Keyboard Case を選ぶことでしょう。中華製類似製品の方は、まずキー配置の右シフトを改善してもらわないと話になりません。
逆に言えば、中華製類似製品のキーボードなどが改善されたものが iPad 3用に出たとしたら、結構迷うと思います(後述するように iPad 2 用でも出ました)。iPad の縦置きに難があるとはいえ、軽さと薄さは魅力ですからね。
…と思っていたら、少し前になって
中華製品のキー配置改善版が出てきた
ようです。それがコレ。
単なるホワイトモデル、ファンクションキーが大きくなったモデルと思っていたのですが、キーボードを拡大してみると
となっていて、これを見るとスペースキーとアルファベットキーのズレは直っているようです(この写真の通りかどうかは実物を見てないので判りませんが)。
iPad を立てかけるための溝は同じ場所のようですし、重量的に大きく変わったこともないでしょうから、iPad を立てかけて使った時の安定感は やっぱり TK700 でしょう。
でも、お値段は TK700 より安く、軽く、薄い。縦置きさえ諦めれば、おかしなキー配置が直っただけでも、かなり買いではないでしょうか。ってか、気づいていれば良かった…さすがに、もう1つは買いません(^_^;)
そんなわけで、従来の中華製類似製品と TK700 の比較では断然 TK700 がオススメですが、キー配置が直った中華製品のニューモデルもなかなか良さそうです。
タイピング時の安定感・縦置き可能と、軽さ・薄さ
このどちらを取るか?
このどちらを取るか?
それが TK700 が良いか、この中華製品の新モデルが良いかの分かれ目ですね。
また、TK700 を買ったものの、もうちょっと薄くて軽いのがあればなぁ…という人は、上記中華製品の新モデルを試してみるのが良いかもしれません。
厚み・重さと使う時の安定感、どちらを取るかは悩ましいところですが…(^_^;)
【7/19 追記】
ロジクールの新型 iPad用キーボードカバー「Ultrathin Keyboard Cover」TK710 が発売され、3週間使ってみたレビュー記事を書きました。
→ ケースからカバーへ。薄く軽くなった iPad用「Ultrathin Keyboard Cover」TK710【前編】