前回記事の冒頭で PowerShot S100 を「期待通り、噂通りにデキるヤツ!」と評しましたが、まさにそう。あくまで個人的なニュアンスの範囲になってしまうのですが、

凄いヤツじゃなく、デキるヤツ


そんな気がする PowerShot S100 です(それは S90 でも同じでしたが)。

前回記事: 期待通りにデキる奴! PowerShot S100 ファーストインプレ《1》

というわけで、ファーストインプレッションの続きをば(写真は前記事同様、全て手持ち&一部を除いて写真クリックでオリジナルファイルが開きます。


【オートホワイトバランス (AWB)】


PowerShot S100 では新しく「マルチエリアホワイトバランス」を採用して、エリアごとに色情報を分析して補正するホワイトバランス機構になっていますが、そのせいもあって S90/S95 とはホワイトバランスも少々変わっています。

例えば PowerShot S90 と撮り比べてみた場合、

PowerShotS100Compare01_S90ss
(PowerShot S90)

PowerShotS100Compare01_S100ss
(PowerShot S100)


また両者で若干焦点距離が異なりますが、

PowerShotS100Compare03_S90ss
(PowerShot S90)

PowerShotS100Compare03_S100ss
(PowerShot S100)


のように色傾向は少し異なります(後者は S90 と S100 の望遠端画角や描写の差が目立ちますが…)。

概ね

  • S90: 割といつも赤がカブり気味

  • S100: バッチリな時も多いが、緑にカブり気味な時もある


といった感じでしょうか。

公式サイトの説明によれば、蛍光灯光源における適切な補正が入るようになったようですが、

PowerShotS100Item16AWBCompareS90
(PowerShot S90)

PowerShotS100Item17AWBCompareS100
(PowerShot S100)
《ジャケットサンプル by 「Pretty Pop / Cut Flowers」(→ iTunes URL)》


という感じで、あまり変わらない場合もあります(室内蛍光灯下で撮影)。

完璧な AWB というのはありませんが(補正の好みもありますし)、キヤノンの AWB はどんな条件でも大きくは外さないので、まずは安心して使える AWB だと感じてます。AWB の安定性は気軽に撮る前提のコンパクトデジカメでは重要ですからね。


【GPS】


個人的に前モデル PowerShot S95 を買うのを我慢したので S100 はよほど酷くなければ購入予定でしたが、それでも

購入の決定打になった一つが GPS 搭載


でした。

「GPS なんて余分な機能は要らない」「バッテリー食うだけで邪魔」という人もいますが、使わないなら GPS 機能をオフにしておけば良いだけですし、基本的に画質へ悪影響を与えるようなものではないので、搭載は大歓迎です。

iPhone 購入後は撮影写真に位置情報が付くことの便利さを知って、

「スマートフォンに次いで無節操に撮るコンパクトデジカメこそ GPS が欲しい!!」

と思っていたので、次に買おうと思っていたデジカメに GPS 搭載されたことは本当に嬉しいです。

が、しかし、

PowerShot S100 の GPS は全然まだまだ
とりあえず付きましたよ、という程度のイマイチ加減


というのが数日使っての実感。ってか、初日で判りました…

とにかく

  • GPS をオンにしてから最初の GPS 捕捉までの時間が結構かかる
    (開けた場所でも数分前後。最初に捕捉しないと再捕捉にかなり時間がかかる)

  • ちょっとでも屋根その他があると、てんで GPS 衛星を掴まない
    (半屋根の下や喫茶店の窓際でも無理)

  • 当然バッテリーの減りは激しくなる
    (GPS ロガーをオフにしていても GPS オンだけで結構減る)


という感じで、GPS 搭載大歓迎、S100 速攻お気に入りな私も

GPS 機能を重視するなら S100 オススメとは言えない


のが正直なところ。友人2名が持っているカシオの GPS デジカメを知ってるだけに、見劣るのは否めません。GPS 付きデジカメが欲しいなら



こっちの方が遥かに出来がいいでしょう。昨年発売なのでお値段も1万円台半ば、PowerShot S100 の3分の1以下でお買い得です。画質その他を考えれば別ですが、GPS を重視するなら EX-H20G でしょう。

そんなわけで、

「これでは GPS 機能はイマイチと言われた SX230HS と同じじゃん。次世代機なんだからもう少し頑張ってるかと思ったのに…」

そういう思いはあります。が、

どうせキヤノンだから完璧なものは出さずに
来年の後継機で改良してくるんだろうな…


と思っていたので、落胆するようなことはありませんでした。ある意味、手抜きも想定内。伊達にキヤノンユーザーやってませんから…

そして、そんな不満はあれど、また写真に位置情報が付いたり付かなかったりしたとしても、

PowerShotS100Item10
(S100 付属のマップユーティリティーソフトでプロット)


こんな感じで記録されているのを見ると

写真を撮った位置が記録されているのは、やっぱり便利!


と思います。

イマイチでも微妙でも、あって良かった GPS 機能


です。ないよりは、ずーーーーっっとマシ!なのは言うまでもありません。

上記の例で言えば、100枚少々撮ったうち大阪駅構内その他で撮った 20枚弱は位置情報が記録されず、5枚くらいは記録位置が 2〜300m ズレていました。

しかし、ある程度記録されていれば、記録されていない写真に位置情報を追加するのも楽ですし(知らない場所では特に)、ズレも修正しやすいですからね。

それに空がきちんと見える場所では概ね正確に記録されていますし、バッテリーの問題さえ(予備バッテリーで)やりくりしていけば「とりあえずは使える機能」と思っています。

満足はできないが、でも GPS 機能はオンにして使いたい


試してイマイチと判った今でも、そう思っています。ないよりあった方が絶対イイ。

とはいえ、次は他社に負けないレベルの GPS 機能にしてくださいね>キヤノン。後追いと漸次改良はキヤノンの得意技のはずですから! :-P

なお、GPS ロガー機能については予備バッテリーが到着してから試す予定ですので、後日のレポート予定です。バッテリー1個ではバッテリー消費しまくる GPS ロガーを有効にして持ち歩く気にはなれません…


【バッテリー】


というわけで、問題のバッテリー。

と言っても、バッテリー駆動時間については、使い始めて数日ですのでまだ断定的なことは言えません。なにせ、

  • 使い始めたばかり(バッテリーも使い始めは性能がきちんと出ません)

  • GPS オンにしっぱなし(GPS ロガーはオフ)

  • SDHC に電力馬鹿食いの Eye-Fi カードを常用

  • おまけに寒い(気温が低いのでバッテリーの保ちは良くない)


という状況ですから、現時点で何を言っても「バッテリー喰いまくり…」でしかありません。色々と別条件を試して後日改めてレビューしたいと思います。

ただ、それでも、使い始め初日&GPS オン(GPS ロガーはオフ)& Eye-Fi カード使用という最悪に近い条件だったとはいえ、百数十枚の写真+数分の動画でバッテリー切れだったことを思うと、

GPS オンで半日以上使うなら予備バッテリーは必須


でしょうし、Eye-Fi カードを使っている身としては「日帰り旅行でも予備バッテリーも2〜3個いるかな?」という気がしています。

ということで、使い始め初日の夜に↓の予備バッテリーを注文しました。ひとまず互換バッテリーですが、2個で 900円という格安のコレを。



3個あれば通常なら十分すぎるのですが(S90 では2個体制)、GPS ON & Eye-Fi カードではどんどん減りそうなので、必要に応じて更に増やすつもりでいます。

バッテリーが心配だから GPS を切る、撮影するのを抑える、なんてことでは本末転倒ですし、Eye-Fi カードもなんだかんだ言いつつ便利に使っていて手放せませんからね。

もちろん、GPS 機能や Eye-Fi カードを使わない人が1日軽く使うくらいなら、予備バッテリーは1個あれば十分かも?思いますけどね。このあたりは、いずれまた改めて。

PowerShotS100Item04
(上:S90/S95 のバッテリー NB-6L、下:S100 のバッテリー NB-5L。厚みも増してる)


ちなみに、PowerShot S100 では S90/S95 からバッテリーが変更されています。NB-6L から NB-5L となって、若干バッテリーのサイズが大きくなっています。NB-5L も昔から PowerShot / IXY シリーズで使われている型なので、入手性は良好です。

S100 発表時に「えー、バッテリーの使い回しができないのかよ〜」と思いましたが、GPS 搭載でバッテリー消費量が多くなることを思えば、少しでもバッテリー大容量化は納得できます。

それに

バッテリーは大きくなっても、S100 のボディサイズは薄くなった


わけですし、また

PowerShotS100Item05

PowerShotS100Item06
(右:S90/S95 のバッテリーチャージャー、左:S100 のチャージャー)


という比較写真を見ても判るように

バッテリーは大きくなったが、チャージャーは変わらないか若干小さい


こともあって、バッテリーの使い回しができなかったこと以外の不満はありません。コンセントも収納式ですから、旅行に持って行く時に嵩張りません。

「バッテリーは少々もってもチャージャーが馬鹿でかい」
「チャージャーがコンセント内蔵式じゃなく AC ケーブルが付いてくる」

という本当に腹立たしくなるメーカーのバッテリーチャージャーを持って出ることを思えば、

このサイズ・機能なら多少バッテリーの保ちが悪くても仕方ないか


と思えています。

高機能高画質なのにポケットに入る、カバンの端に入れておける、そんなコンパクトサイズが魅力の PowerShot S100 ですから、バッテリー強化でボディサイズが大きくなるのは避けたいですしね。

決して満足はしていませんが、使い始めとしては我慢の範囲内ですね…また後日。


【各種撮影モード】


PowerShot といえば同じキヤノンのコンパクトデジカメ IXY と異なり、P/S/A/M といった一眼レフと同じ露出モードが用意されていること(キヤノン式なので A → Av、S → Tv)。

特に S100 では ND フィルター内蔵で ON/OFF 可能ですので、コンパクトデジカメでは意味が少ない絞り優先モードも少しは使い出がでてくるかもしれません。

しかし、PowerShot シリーズが趣味に走った高級コンパクトデジカメと異なるのは、

  • カメラが状況認識してシーンモードを選択してくれる全自動オート

  • 自分で撮影スタイルを指定するための、山ほど用意されたシーンモード


もキッチリしていて、PowerShot S100 もお手軽 IXY と変わらず、おまかせオートで撮っても無難に撮れちゃう良さがあります。

カメラを判ってる人が使いこんでも納得、判らない人でもお任せでOK


という両面を持っていることが PowerShot S シリーズの特長と思っています。

完全オートのシーン判別もなかなか賢い上、顔認識も追尾もバッチリですから、普段は P ないし Tv で撮っている私も

「コンパクトでは下手に自分で考えるより、カメラにお任せの方が良いんじゃないかな…」

と思うことはあります。

特に光源が特殊だったり、夜景ポートレートみたいな状況では、シーンモードを使った方が手っ取り早く無難な写真が撮れますからね。

PowerShotS100_16A_AutoSS
(AUTO モード)


そんな PowerShot S100 では、撮影モードで大きな改善点があります。それは

シーンモードにたくさんのモードが詰め込まれていたのが
シーンモードとクリエイティブフィルターに分けて整理された


ことです。個人的には、これで各種モードがかなり使いやすくなったと感じています。

撮影状況別の「シーンモード」
画像エフェクトをかけるための「クリエイティブフィルターモード」

これがモードダイアル上でも別になり、それぞれのモードで選択する項目数が減ったことで、求めるモードの設定がかなり素早くできるようになりました(代わりにローライトモードが廃止されました)。

PowerShotS100Item15
(左:PowerShot S95、右:PowerShot S100)


S90 では 18種類、S95 では 19種類のシーンモードがあって、数が多くて選びにくいだけではなく、S90/95 では状況別シーンモードと画像エフェクトのフィルターモードが混在していて非常に使いづらく感じていました。

以前は 20種類近くのシーンモードから選ぶなんて面倒すぎ


でしたからね。

それに S95 では昨今流行りのフィルター系モードが増えましたが、シーンモードとごっちゃなのは選択しづらいという声も上がっていたので、それにきちんと応えたのは地味だけど便利な改善だったと思います。私もこれでフィルターモードを使う気になれます。

PowerShot S90 / S95 / S100 のシーンモード差異表
S90S95S100
ポートレート
スティッチアシスト
キッズ&ペット
水中
打上げ花火
風景
新緑/紅葉
ビーチ
スノー
ローライト (*3)

ワンポイントカラー
スイッチカラーノスタルジック
ナイトスナップ (*1)
パーティー/室内 (*1)
夕焼け (*1)
夜景、水族館 (*1)
ポートレート
スティッチアシスト
キッズ&ペット
水中
打上げ花火
風景
新緑/紅葉
ビーチ
スノー
ローライト (*3)
ワンポイントカラー
スイッチカラー
ノスタルジック
ジオラマ風 (*2)
魚眼風 (*2)
極彩色(*2)
オールドポスター (*2)
オートシャッター (*2)
ハイダイナミックレンジ (*2)
Scene Mode:
ポートレート
スティッチアシスト
キッズ&ペット
水中
打上げ花火
風景
新緑/紅葉
ビーチ
スノー
オートシャッター
ムービーダイジェスト (*4)
ハイスピード連写HQ (*4)
手持ち夜景 (*4)
C.Filter Mode:
ワンポイントカラー
スイッチカラー
ノスタルジック
ジオラマ風
魚眼風
極彩色
オールドポスター
ハイダイナミックレンジ
トイカメラ風 (*4)
モノクロ (*4)

(*1) S90 → S95 時に廃止されたモード
(*2) S90 → S95 時に追加されたモード
(*3) S90/S95 にあって S100 で廃止されたモード
(*4) S100 で追加されたモード

PowerShotS100_16B_ToyCameraSS
(トイカメラ風/S100 で新設)

PowerShotS100_16C_RichColorSS
(極彩色)

PowerShotS100_16D_OldPosterSS
(オールドポスター)

PowerShotS100_16E_OnePointColorSS
(ワンポイントカラー)

PowerShotS100_16F_NostalgicSS
(ノスタルジック)

PowerShotS100_16G_DioramaSS
(ジオラマ風/この被写体では無意味だけど…)


これらのクリエイティブ・フィルターモードは良いのですけれど、PowerShot S95 から追加された「ハイダイナミックレンジ」(HDR) 機能にはガックリ。S95 で試した時もイマイチでしたが、S100 で試してみてもダメダメですね…

色再現も微妙だし、しっかり支えていても手持ちではブレブレになることが多くて下のような写真ばかりで、「iPhone 4 の HDR に比べてキヤノン・コンパクトの HDR はダメすぎる…」としか言い様がありません。

PowerShotS100_11_HDRss
(S100 ハイダイナミックレンジ)


三脚を据えて使えば良いのかもしれませんが、コンパクトデジカメで三脚前提ってのはダメだろ、と思っているので、個人的には

S100 の HDR は使えない


烙印が押されてしまっています。

というか、ソニー NEX など他メーカーでは手持ちでもずっとマシなので、キヤノンには頑張ってもらいたいところです。

そして、同じように期待していた

「手持ち夜景モード」もイマイチ


な印象。普通にオートやプログラムAE で撮ったのと比べて劇的な効果がない感じです。

PowerShotS100_09_ProgramAEss
(プログラムAE)

PowerShotS100_10_HandyNightShotModess
(手持ち夜景モード)


上記はあくまで一例ですが、ナイトショットは結構よく撮るので既に何回も試しているなかで、こういう事例が多く、大差ないか普通にプログラムAE で補正して撮った方が良かったと思えてしまうことが多くて、個人的には期待外れです。

ソニー NEX の手持ち夜景モードはかなり強力なので、キヤノンにも期待したんですけど…これも次機種ではもっとブラッシュアップして欲しいですね。

なお、ハイスピード連写HQ モードは動画(通常動画やハイスピード動画)ともども既に何回も使っているのですが、あまり良いサンプルもないので、これらについてもまた後日レポート予定です。動画撮影については、本当に手ぶれ補正がよく止まります :D



というわけで、今回も機能周りを中心に雑感を書き連ねてきました。GPS やバッテリーといった点については、今後しばらく使っていく中で再評価すべき点でので、少し時間が経ってからまたレポートしたいと思っています(年末年始過ぎてからですね)。

入手初日の晩に注文した予備の互換バッテリー2個もようやく届きましたので、明日以降 GPS ロガーも試したいところ。Eye-Fi カードも設定を見直したり(S100 では Wi-Fi によるジオタグ付加は不要ですから)、通常の SDHC カードを使ってみて比較するつもりです。

明日はファーストインプレッションのひとまずの区切りとして、ボディ周りやメニューなどの使い勝手について述べる予定です。

前の記事: 期待通りにデキる奴! PowerShot S100 ファーストインプレ《1》

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