発売から1週間近く経ってようやく PowerShot S100 が届きました。金欠なので少しでも安く、かつポイントを使おうとして、いつものヨドバシではなく Amazon で新製品を買おうとして Konozama を食らってしまいました…

おまけに発売から1週間近く届くまでに Amazon の価格が2千円くらい下がったという…まぁ自分で自分への誕生日祝いみたいなものなので、そういう意味では程よいタイミングにはなりましたが。

Canon デジタルカメラ PowerShot S100 ブラック PSS100(BK) 1210万画素 広角24mm 光学5倍ズーム 3.0型TFT液晶カラーモニター
Amazon 本体では安いけど2〜4週間待ち。私は1週間で来ましたが、巷でも品薄気味)


もっとも、PowerShot S100 は 10月に米国で発売され、また1ヶ月ほど前から一部ブロガーその他に貸与されていて、情報は氾濫していたので微妙に新製品という感じもしませんし、今さら私ごときがブログで書いたところで新味はありません。

しかし、かなり期待していた PowerShot S100 を手にして使ってみると

「3代目も、期待通り・噂通りにデキるヤツ!」

でした。

後述するように懸念材料も多かっただけに

PowerShot S100 は本気のキヤノンでした


そんな感じです。北米でバカ売れしてるシリーズだけに、フルモデルチェンジで気合いも入ってくれてたのかもしれません。

実際に使ってすぐに感じたことは

良い意味で S90/S95 の正常進化を実感できるカメラ


ということ。それらが気に入っていた・手に馴染んでいた人には、あまり違和感なく使える後継機。それでいて、進化を十分感じられる。満足の一言。

PowerShotS100_05_24mm_F2ss
(ワイド端 24mm 相当 / 開放 F2.0 / ISO 500)
《全ての写真は手持ち撮影・画像クリックでオリジナルファイルが開きます》


いつもの“発売日ゲット”できずに多少テンションが落ちていましたが、使い始めるとそんなことは吹っ飛んでしまいました。期待通りの内容、いくつかの点では期待以上。

「良いカメラだ、自分と合うカメラだ」
「S90 同様ストレスなく便利に使って行けそう」

そう思うとともに、発売日・発売週に手に入らなかったことはどうでもよくなりました。

そして、今さら私が書いても仕方ないと思いつつ、PowerShot S100 のインプレッション記事を書いてみたいと思います :-)


【画質】


まずはともあれ、画質。

お手頃価格のコンパクトデジカメではなく、ミラーレス機や廉価一眼レフが買えそうな価格の、はっきり言って高い PowerShot S100 を敢えて買う理由は

  • 1/1.7" 撮影素子と優秀な画像エンジンによるコンパクトデジカメとしては上位の画質

  • P/S/A/M モードや RAW 撮影など一眼ライクな撮影自由度の高さ

  • コントローラーリングなど操作性の良さ

  • コンパクトデジカメとしては最優秀な部類の AWB や AF の安定性

  • 5倍ズームを含めた利便性

  • それらを併せ持ちつつも、コンパクトデジカメらしいポケッタブルなサイズ


といったところでしょう。

S90/S95 のセールスポイントであった「レンズの明るさ」という点は強調し難くなったものの、S100 では「GPS 対応」というのもポイントかも知れません。

いずれにせよ、近年の PowerShot S シリーズは“何でも対応できそうな隙のなさ”が特徴であり、実際そうなのですが、

S100 を買うにあたって一番に気になるのは「画質」


ですし、それが購入への最も大きな理由の一つでしょう。

従来の PowerShot S90/S95 も撮影自由度や操作性の良さがコンパクトといえるサイズに収まっていると同時に、コンパクトデジカメの中では画質が上位レベルにあったことが高い評価に繋がっていました。

その大きな要因の一つだった撮影素子を S100 ではソニー製 CCD から自社製 CMOS に変えた、と聞いた時点で「画質、大丈夫か?」と思った人は私だけではないはず。

また、28mm スタートの4倍ズームが(昨今の広角流行りに沿って)24mm スタートの5倍ズームになったこと、それに伴って望遠側の開放F値がかなり暗くなったことによる画質への懸念もありました。

「新開発の自社 CMOS 素子って大丈夫なのか?単なるコストダウンじゃないのか?」
「ズーム比率広げて、筐体も薄くなってるし、レンズは劣化してないのか?」
「標準〜望遠域の開放F値が暗くなって、高感度多用&回折の影響で画質に悪影響出まくりだろ…」

PowerShot S90/S95 のバランスの良さ、名機具合が良かっただけに、このあたりはかなり心配だったのですが、

画質は問題なし、思ったより良かったくらい


でした。心配は杞憂でしたし、キヤノン新開発 CMOS 撮影素子+ DIGIC V +レンズを見くびってましたね。

米国発売以降にネットに上がっていた実写画像を見ていて「もしかして画質は大丈夫なのでは?」と思っていましたが、自分で撮ってみて実感し、悪化を覚悟していただけに安心しました。

PowerShotS100_04_24mm_F2ss
(ワイド端 24mm 相当 / 開放 F2.0 / ISO 125)

PowerShotS100_02_35mm_F4ss
(35mm 相当 / F4.0 / ISO 80 )

PowerShotS100_01_120mm_F59ss
(テレ端 120mm 相当 / 開放 F5.9 / ISO 80)


もちろん、画質が良いといってもコンパクトデジカメとしては、の話であり、GXR のようにボディサイズを凌駕した描写をするわけではありません。

上記 24mm の写真を見ても開放広角端での周辺部は厳しいですし、2枚目の写真はいかにもコンパクトらしい線の太さがあります。

しかし一眼レフでも、先日紹介した APS-C 用便利ズーム(タムロン 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD)を広角開放で撮れば周辺描写は更に酷いくらいですので、“便利ズーム”と思えば全然オッケーです。S100 は GR DIGITAL や X10 のような広角単焦点の趣味カメラではありませんから。

また、広角〜標準域はそこそこ撮れても望遠側になるとダメダメになるコンパクトデジカメが多い中、

S100 は望遠端で撮ってもしっかり写る


ので満足しています。個人的には 24mm スタートよりも望遠端を伸ばしてくれる方が嬉しかったんですけどね(^_^;)

白飛び耐性も上がっているようですし、DIGIC V による補正が優秀なせいもあって、JPEG でのパッと見な写りは(後述する高感度も含めて)かなり満足できるもので、

「これだけ JPEG が優秀だと、RAW からレタッチする必要はないかも…」

と思っています。

S90 の時は RAW + JPEG で撮って、必要に応じて RAW からレタッチしていましたが、S100 ではかなり減りそうです。線の太さなどが気になる時は RAW から起こすでしょうが…

いずれにせよ、

このボディサイズ&5倍ズームで、この画質なら満足


というのが第一印象ですし、

スペック向上による画質悪化の心配は杞憂だった


と言えます。2世代前の S90 と比べれば、おそらく全てのシーンで画質は上回っているでしょう。

同時に PowerShot S90 やマイクロフォーサーズ機を持って行って、比較写真を撮ったのですが、S90 よりずっと良くなってるのは勿論、GF2 + PZ 14-42mm と比較しても「ボディサイズほどの画質差があるかなぁ…」というのが本音でした。

そのあたりの比較についてはまた別途記事にする予定ですが、高感度も含めてサブカメラとしてのマイクロフォーサーズ機所有は再考することになりそうです(メインで EOS システムを持ってますからね)。


【高感度画質】


コンパクトデジカメも一眼レフも留まるところを知らない高感度画質の向上ですが、

高い評価の S95 からまた一段、進化したなぁ…と思わせる高感度画質


ですね。私の場合は S90 からの買い増しですから、その差たるや驚きです。

ISO 800 でコレ。

PowerShotS100_06_35mm_F28_ISO800ss
(35mm 相当 / 開放 F2.8 / ISO 800)


画像クリックでオリジナルファイルが開きますが、等倍で抜き出してみると、こんな感じ。

PowerShotS100_06_35mm_F28_ISO800Trim


さらに ISO 1600 で

PowerShotS100_07_50mm_F4_ISO1600ss
(50mm 相当 / 開放 F4.0 / ISO 1600)

PowerShotS100_07_50mm_F4_ISO1600Trim
(中央部抜き出し)


ノイズリダクションで細かいディティールが失われているところもありますが、ポケットに入るコンパクトデジカメでこれだけ写れば文句ありません。PowerShot S100 は、あくまで便利なコンパクトデジカメですからね。ぶっちゃけ、ノイズ量だけ見れば GF2 より(以下略

標準設定では割と強めのノイズ消し消しチューニングな画質ですから、人によっては好みが別れるかもしれません。一般受けはこちらの方が良いでしょうし、S100 はカメラヲタク向けのデジカメではありませんので当然でしょう。

個人的には「よくここまでノイズ消してるのに、それなりのディティールが残ってるなぁ…」と感心していますが、ノイズ消すのは嫌だ!ディティール命!という人はノイズリダクション設定を標準から弱に変更するなり、RAW から起こせば良いだけです。

PowerShotS100_12_ISO5000Editedss
(50mm 相当 / 開放 F4.0 / ISO 5000 / 50%縮小・アンシャープマスク)


ISO 3200 以上の超高感度域は、まだきちんと使う機会がなくて2〜3枚試し撮りしただけですが、これなら ISO AUTO の上限変更設定を ISO 1600 じゃなく 3200 まで設定させてくれても良かったんじゃないかなぁ…と思います。

さすがに ISO 1600 を超えると等倍で見るのは厳しくなりますが 50% 縮小すれば結構行けるので、元々等倍で見る前提じゃないコンパクトデジカメゆえ、上限設定はもっと上げられるようにして欲しかったですね。

他社なんかもっと酷い画質でもどんどん上げられるのに…と、いささか贅沢な不満ではあります :-)


【手ブレ補正】


高感度画質同様、前モデル PowerShot S95 でも高い評価を受けていた手ブレ補正ですが、S95 のハイブリッド IS から更に進化して「マルチシーンIS」を搭載した S100。

いや〜、マジでよく効く手ぶれ補正だねぇ


と感心するばかり。

吸い付くように止まる挙動は、使い慣れたキヤノン IS。S90 の時には吸い付く感がなかったけれど、S100 では望遠側でそれを実感できます。こんなサイズのコンパクトデジカメなのに

望遠での手ぶれ補正の効きは凄い!


素直にそれを感じて、前述の高感度画質とともに

「レンズの開放F値が随分暗くなって、望遠側の画質・撮影がどうなることかと思ったけど、杞憂だったわー」

そう感じています。いやホント、予想以上の大満足。この手ブレ補正は一眼レフ、EOS システムにも波及してくれないかなぁ…と思っています。

PowerShotS100_08_120mm_F59_ISO1250ss
(テレ端 120mm 相当 / 開放 F5.9 / ISO 1250)


こんな夜間スナップ、120mm 相当でシャッター速度 1/20秒 なんていう写真をコンパクトデジカメで撮っても全然余裕で手ぶれしない、そして ISO 1250 なのに等倍で見ても

PowerShotS100_08_120mm_F59_ISO1250Trim


全然問題ない。コンパクトデジカメと思えば上出来もいいところ。本当に良い時代になったもんです…

ちなみに、動画でも手ブレ補正がよく効いていることを実感できました(動画については次記事以降にまた触れます)。


【マクロ】


PowerShot S100 では「ワイド端の最短撮影距離も 5cm から 3cm に短縮」してきていますが、ワイド端が 28mm→24mm になったこともあって、

最大撮影倍率は大して変わらなくね?


という気はします。

決してマクロに弱い PowerShot S シリーズではないのですが、リコー機を使っていると「これ以上寄れないのか…」と思うのは変わらないので、マクロ撮影最重視な人向けのカメラではないのはそのままですね。

PowerShotS100_13_Macross
(50mm 相当 / 開放 F4.0 / ISO 320)

PowerShotS100_14_Macro2ss
(35mm 相当 / 開放 F2.8 / ISO 400)


私自身はコンパクトデジカメでも一眼レフでもマクロをあまり使わないので、まぁ特に不満はありません。もう少し寄れれば…と思わなくもないですが、レンズユニットが大きくなって筐体が分厚くなるより、このままで良いです。

ただ、最大撮影倍率は大きく変化した気はしないものの、

マクロモードに切り替えなきゃならない距離が改善された


のは実感できます。

S90 と S100 を撮り比べていると「あれ?この距離で S100 だと普通に撮れたのに、S90 だとマクロモードじゃないとダメだわ」ということが結構ありましたね。単なる最短撮影距離の縮小より便利に感じる改善点ですね。


【オートフォーカス (AF)】


PowerShot S100 におけるオートフォーカス周りの変更点は

  • AF 高速化

  • AF 任意ポイント設定

  • 主役フォーカス機能(オート撮影時の人物自動特定&追尾)


といったところですが、なんと言っても

フォーカスポイントを中央以外に任意設定できるようになった!


ことが第一ですね。PowerShot S90 のフォーカス周りでは一番の不満点でしたし、S95 でも変わらなかったのが S95 をスルーした理由の一つでした。

PowerShotS100Item14


お世辞にもあまり使いやすいとは言えないのですが(FUNC MENU に入る機能が増えすぎ…)、GXR でもさほど使いやすいとは言えませんし、コンパクトデジカメにおいては

任意フォーカス位置設定は液晶タッチじゃないと使いやすくならない


のが GF2 を使って実感しているので、今回は搭載してくれただけで満足としましょう。S90/S95 で機能的に欠いていた大きな点が解消されました(あとはデジタル水準器くらい?)。

AF 高速化については

S90 と比べても AF 速度は大して変わらんなぁ


という印象です。デフォーカスからの復帰が若干速くなった感はありますが、大差なし。DIGIC 5 の速度はあっても、レンズ駆動の問題がありますから劇的改善とはいかないのでしょう。

それに元々S90 でもコンパクトでは AF は最速クラスだったので、コンパクトデジカメとしては大きな不満はありません。リコーのように糞トロい AF が CX5 / GRD4 でいきなり速くなった、みたいなわけにはいかないでしょう。

PowerShotS100Compare02_S100ss
(35mm 相当 / 開放 F2.8 / ISO 400)


ただ、AF で気になるのは

フォーカスエリアに光源がある場合に迷いまくる


という問題。他メーカーでも苦手なシーンですが、S90 より迷う頻度が多くなってると感じます。

イルミネーション・イベントで S90 と撮り比べた際には S90 は AF 迷わないのに S100 は迷って合焦しないことが何度もあったので、

S100 はイルミネーションや照明入れ込みが苦手かも…


という印象ですね。EOS DIGITAL でも似たようなことがありますが、残念なところです。できれば、ファームウェアで改善してもらいたいところです。

PowerShotS100_15_AIServoss
(テレ端 120mm 相当 / 開放 F5.9 / ISO 400)


DIGIC 5 になって AI Servo 周りの精度向上も期待したのですが、今のところは

通常の AI Servo に関しては気づくほどの改善はないかなぁ


という感じです。精度速度ともあまり変わらない感じ。

オート撮影での被写体追尾の方はかなりスムースに追従するようになったので、場合によっては AI Servo より「キャッチ AF」を使った方が良いかもしれません。これについては、今後色々試してみるつもりです。

元々キヤノンのオートフォーカスは最優秀の部類ですが他メーカーも追いあげてきているので、次はもう一声ジャンプアップして欲しいもんです。



というわけで、ひとまず性能的な部分を中心に書いてきましたが、長くなりましたので使い勝手やボディその他に関しては、また明日の記事にて。

なにせ PowerShot S100 は機能的にも盛りだくさんで、ひと通り知るにもまだしばらくかかりそうです…オート関係は殆ど使わないでしょうけど。

続きの記事: 万能多機能だけど、まだまだ改良の余地あり PowerShot S100 ファーストインプレ《2》

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(お馴染み ROWA の互換バッテリー。2個で 900円。とにかく予備バッテリーは必需品!)