リコーのデジカメといえば、代名詞的存在である「GR DIGITAL」に、変態ユニット交換式カメラ「GXR」と言った“マニア向け”“こだわりさん向け”“俺はちょっと違うぜ派向け”な雰囲気漂うカメラが有名ですが、

高倍率ズームなコンパクトデジカメもリコーの伝統


です。以前の「R」シリーズ、現在の「CX」シリーズが、それに相当します。

ただ、リコーの中では GRD/GRX/GXR と R/CX シリーズでは明確な線引きがあったようで、かたや高級コンパクト路線、かたや常に大幅値下がりの安売られモデルとなっています。質感はもちろん、機能的にも R/CX は全自動コンパクトデジカメの範疇に収めてきました。

それが CX6 では変わりました。

R/CX では搭載しなかった、絞り優先AE、シャッター速度優先AE が初搭載


もちろん、極小 CMOS 搭載機種ですから絞り優先 AE といっても、開放と小絞りの2段階だけですが、シャッター速度優先 AE があると車窓を撮影する時や動体表現でかなり使い手があります(ない場合はスポーツモードなどで代用)。

CX6_Release


また、3インチ 123万画素の液晶モニターも奢られた仕様ですし、機能的には

GR Digital のエッセンスを取り入れた CX


という感じです。

AF も CX5 から搭載されたパッシブ AF センサーを引き続き搭載&高速化して「リコーのデジカメは、ジーコジーコと音を立てながら糞遅い AF が…」というのを解消しようとしている努力が引き続き伺えます。

相変わらず RAW で取れないという点やマニュアル露出はない点で GR Digital / GXR とは線引きがありますが

P/A/S モードが欲しいような“こだわり派”にも魅力的なコンパクトになった CX6


という気がします。

元々、マクロには強いし、28-300mm の高倍率ズームをこのサイズに入れているのはかなり凄い。そこに撮影コントロールできる余地が入ったのですから魅力的にならないわけがありません。

ちょっとすれば、また値落ちしまくるだろうし…そうなれば更に魅力的!


そう感じるのは私だけではないでしょう(笑)


CX シリーズの前身である「R」は、2004年の R1 登場時こそ4倍ズームだったものの、R3 から 28-200mm という当時のコンパクトデジカメとしては高倍率を実現し、なおかつサイズも“ちょっとデブ”程度に収まって、今に至る流れを6年以上前から作っていました。

それ以降、28-200mm ズームをベースとして、半年おきに R4, R5…R10 とモデルチェンジし続ける伝統のシリーズでした。なぜか「R9」だけ飛ばされ、なぜか R11 の代わりに「CX1」とシリーズ名変更され、CX2 から 28-300mm になって今に続きます。

そんなリコーの R/CX シリーズといえば、

半年毎にちょっとずつスペックアップするモデルチェンジばかり


であり、その結果

発売の半年後には2万円以下で買える値落ちキングなデジカメ


の代表格です。ハッキリ言って「リコー信者以外が初値で買うのはアホ」と言い切れるくらい、毎回凄まじく寝落ちするデジカメです。

しかし、その反面

性能や使い勝手の良いデジカメが廉価で手に入れられる「リコー R/CX」


という素晴らしいメリットもありました。皮肉でも何でもなく、本当に。

RICOH ハイブリッドAFシステム搭載 光学10.7倍ズーム CX5
RICOH ハイブリッドAFシステム搭載 光学10.7倍ズーム CX5

(現行モデル CX5 は1万6〜7千円。内容からすると、かなりお買い得!)

RICOH デジタルカメラ CX4
RICOH デジタルカメラ 光学10.7倍ズーム CX4

(CX 4 はさらに安いが、値段差と性能差を考えると CX5 有利かも)


現行モデル CX5 の発売は2月。初値は4万円前後していたのが、あっという間に値下がりし、しばらく前から1万円台の廉価デジカメの常連。といっても、このパターンは過去の Rシリーズ、CXシリーズで常に同じだったので、いつものことです。

「リコーも毎回よくまぁ、それで大丈夫でいられるんだなぁ…」と思っちゃいますが、そのおかげで

見た目は野暮ったいし、ちょっと厚めで重めだけど
マクロに強くて、操作性もサポートも良い高倍率コンパクトカメラが2万円以下


というようなお買い得価格なカメラが買えるわけです。決して安かろう悪かろうではない良質なカメラですからね。

見た目重視、サイズ感重視な人には向きませんが、性能・使い勝手重視派には悪くない選択だと思いますし、「絞り優先?洗濯機かなにかなの??」な人には安くなった CX5 はコストパフォーマンス抜群でしょう。

まぁ、画質だけは普通のコンパクトデジカメ以上でも以下でもないですが、使い勝手の良さとサポートの良さはリコーならでは、ですからね。その点も魅力です。



というわけで、絞り優先 AE とシャッター速度優先 AE が追加されたリコー「CX6」。この2年強 PowerShot S90 を愛用し、PowerShot S100 の予約も入れてある私としても

CX6 は本気で買いたい


と思っています。買ったら R/CX シリーズとしては R6(だったかな?)以来になりますが、欲しいです。

あ、もちろん、“安くなったら”と但し書き付きですけどね(^_^;) さすがに、リコーの R/CX シリーズを初値で買うお大尽な気分でも信者でもありません。なにより PowerShot S100 が優先ですしね。

まぁ1万円台とまでは言いませんが、来春には2万円台で売られるでしょうから、そうなったら本気で買う算段を付けたいと思います。久しぶりに「それ以上でも買いたい」と言いたいところなのですが、

CX6 って GXR + P10 とモロ被りになる存在


だよなぁ…と思って、買っても稼働率に不安があるので値下ってからにしようかと。

…まぁ PowerShot S100 になにかあれば、衝動的に買ってる可能性もなくはないですが(^_^;)

RICOH デジタルカメラ GXR P10 28-300mm F3.5-5.6VC KIT GXR+P10KIT
RICOH GXR P10 28-300mm F3.5-5.6VC KIT GXR+P10KIT

(サイズさえ別にすれば、操作性は GXR + P10 が断然上だし、値段も手頃)


いずれにせよ、今回の CX6 は相変わらずのマイナーチェンジの繰り返しではあるものの

リコーが CX の枠を一歩広げてきた


という感じで、欲しくなりました。

まぁ

「R/CX シリーズもやることがなくなって露出モード入れてきたか」

とか

「わざとマニュアル露出を入れずに CX7 用に残しておいたんだろうな」

とか思っていなくはないですが、それで CX6 の魅力が劣るわけでもありませんしね。

「コンパクトデジカメでも絞り優先AE やシャッター速度AE が欲しい」という向きには、注目すべきコンパクトが登場してきたといえるのではないでしょうか。

CX6 / デジタルカメラ | リコー
リコー、絞り/シャッター速度優先AEを新搭載した「CX6」 - デジカメWatch

RICOH デジタルカメラ GR DIGITAL IV ホワイトエディション
RICOH GR DIGITAL IV ホワイトエディション

(iPhone ホワイトと合うだろうなぁ…と思うと、使わなくても欲しくてたまりません ^^;)