iOS 5 新機能の1つとして、6月の発表会でも公式ウェブサイトでも大々的に取り上げられた「Newsstand」。公式サイトの iOS 5 新機能ページには、

iOS 5は、購読している新聞や雑誌のアプリケーションをNewsstandというフォルダにまとめ、お気に入りをすばやく簡単に読むことができるようにします。(中略)新しく購入したものはNewsstandフォルダに直接入ります。購入したあとは、新しい号が配信されるとバックグラウンドで自動更新され、最新号の表紙が常に表示されていきます。まるで郵便受けにいつも新聞が配達されるかのよう。とても便利です。


と謳われていますが、それも Newsstand 対応の新聞・雑誌が少ないと有難味も半減

本国アメリカでは News Corp. が鳴り物入りで始めた iPad 日刊紙「The Daily」や無料購読もできる「New York Times」その他対応の新聞・雑誌が並んでいて、ある程度は“ニューススタンド”になっているわけですが、日本では今ひとつ盛り上がってない状況であり、

Newsstand なんてロクに使えもしないアプリなのに
消せないだけでなくフォルダにも入れられねぇ! (-_-#)


と、多くの人に邪魔者扱いされている状況。

PhotoJ01newsstand_iPhone
(私も iPhone では邪魔者扱いで一番後ろのページに単独で捨ておいてます)


盛り上がらないのは日刊紙がないせいもあって、朝日新聞デジタルや日経新聞などが(適価で)Newsstand 対応配信でもしてくれれば状況は変わってくるでしょうし、初期の頃から配信している産経新聞が紙面スキャンではなく記事最適化で月 1,500円のまま Newsstand 配信なら盛り上がると思うのですが…

とはいえ、雑誌なら日本語雑誌も少数ながらも Newsstand 対応雑誌はリリースされているのです。



例えば、Mac 専門誌「Mac Fan」、週刊経済誌「週刊エコノミスト」、「Get Navi」「DIME」といったアイテム系雑誌、その他「パーゴルフ」「Web Designing」「月刊mina」「料理通信」などが Newsstand 対応雑誌として配信されています。

ただ、それらは既存の紙雑誌として発売されているものを元にしているため、価格も当然それなりですし(紙雑誌より高いのもある)、紙面スキャンという形が殆どで、画質が粗いのもありますから決して読みやすいとは言えません。

雑誌ゆえに、読んだあと邪魔になることもないのはメリットですが、中には当月配信分のみ読めてバックナンバーは読めないものもあります。数もそうですが、質的にもまだまだといったところは否めません。

PhotoJ05AppStoreBookstand


そんな中、

「Newsstand で何か読みたいけど、気軽に読めるものないかねぇ」
と思っている人にピッタリなのが photo J


photoJ は iPad リリース初期から頑張っている iPad 専用の電子雑誌でしたが、定期購読対応、そして Newsstand 対応となりました。とにかく

iPad 専用の見やすい写真週刊誌で、1ヶ月 170円


と、かなりリーズナブル。内容もサラっと読むだけの写真週刊誌と思えば、悪くない以上の内容。

PhotoJ03ThreeCovers


コストパフォーマンスも使用感も、不定期発行の初期の頃に比べると色々改善されたと思いますし、手軽に iPad 週刊誌購読を始めるにはちょうど良いと思いますので、何も得しないけど紹介してみます :-)

というか、昔から頑張ってきてそれなりの iPad 週刊誌になったのに、購読者が増えずに先細りになるのも嫌ですからね。

もちろん、不満点、改善すべき点はあると思いますので、その点も含めて述べていきたいと思います。



私は以前から PhotoJ アプリをインストールしていたので、iOS 5 にアップデートした直後から「Newsstand」アプリ内に「PhotoJ」アプリが入っていましたが、これから初めて「PhotoJ」を利用する人は、まず iPad の AppStore → Newsstand から「photoJ」をインストールします。

PhotoJ アプリ自体のダウンロードは無料です。定期購読したり、バックナンバーを購入する時に課金されます。

このあたりのインストール、購読の手順については、以下のページなどで紹介されていますので、ここでは省略します(難しいことは何もないですし)。

「photoJ」〜Newsstandで出会った、iPad専用のニュース写真誌:iPadで読む今週のお薦めコンテンツ

PhotoJ06AppStorePhotoJ


購読はともかくとして、その前に「photoJ」が、どういう週刊誌なのかを簡単に紹介していきます。基本的なスペックは

  • 毎週末発行される週刊誌

  • iPad 専用(iPhone 不可)で最適化されているので、誌面スキャンと違って読みやすい

  • 定期購読は1ヶ月で 170円(初回は+1ヶ月のオマケあり)

  • バックナンバーは1冊 85円(週刊になる前の号や特別号は 250円〜。一部無料号外あり)

  • 内容は、一般ニュース、スポーツ、カルチャーと区分された一般向け写真週刊誌

  • 毎号の容量は 180〜250MB 程度で、じっくり読めば1時間くらいは暇を潰せる内容

  • 基本的な内容はダウンロードしておいてオンラインアクセス不要で読めるため、Wi-Fi モデルの iPad で十分読める。
    (動画など一部コンテンツはインターネット接続が必要だが、本質ではない)


というもの。とにかく、1ヶ月で 170円の週刊誌だから4号分発行としても、1号あたり 40円ちょい。しかし内容がスカスカというわけではなく、

この内容で毎号 40円ちょいなら、一度試してみては?


とオススメできると思ってる次第(だから、この記事を書いてるのだけど ^^;)。

以前は、同程度の分量ながら数ヶ月に1度の不定期発行で値段も 200〜230円していたので、「悪くはないけど、オススメできるほどでも…」という photoJ だったが、今は毎週定期発行して値段も安いので、

定期購読、Newsstand のお試しとしても悪くない


と思う。初回購読は 170円で2ヶ月分購読できますから、ロクにやらないゲーム1つ買うより良いのではないでしょうか。

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アプリ内ストアで定期購読やバックナンバー購入を行える
(定期購読はできてもバックナンバーは買えない or 別アプリで買え、というアホな雑誌アプリもある)

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購入ないし定期購読した雑誌はダウンロードして閲覧する形態
(サイズが大きいので高速 Wi-Fi 回線推奨)

PhotoJ09DownloadedList
購入済み/定期購読分の雑誌は書棚に並んでいつでも読める形
(定期購読していても読めるのは現在発売号だけという雑誌アプリも存在する…)

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1号分の雑誌がカテゴリー別に3分割された形になっている
(1号分通して読むのではなく、サブの3冊をそれぞれ読む形で少々判りづらい)


内容量に比すると安くてリーズナブルだけれども、内容の「質」で言えば、ぶっちゃけ

読み捨て感覚の週刊誌ゆえ、質を求めるのはちょっと厳しい


ので、そこを求めると失望されると思いますし、そういうのを求める人には向きません。芸能・エロ無しの一般向けとは言え、あくまで写真週刊誌です。

PhotoJ25ThreePhotos


また、巷の写真週刊誌のようなスクープ写真、記事があるわけでもなく、photoJ 独自の内容に乏しいですが、価格ゆえ仕方ないところでしょう。新聞などを毎日読んでる人にとっては、どこかで見た記事が大半です。

そういう意味では、週末発行ということもあって、

今週(先週)の出来事の復習という感覚で読む雑誌


として読むのが良いと思います。

いささか厳しいことは言ってますが、「毎号 50円以下なんだから…」と思えば、高くないどころか値段に比すれば内容(量)は充実していると私は思っています(これが毎号数百円するなら勧めもしませんが)。

もちろん、今後は photoJ ならではのコンテンツを1つでも増やしてもらいたいところですけど、それには購読者数の増加が必要になるでしょうね。

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内容の質という面では物足りない面はあるものの、価格に比した内容量は十分だと思いますし、何よりも

iPad 専用雑誌ゆえ、見やすさには断然優れている


なのは間違いありません。

ま、操作性まで優れてるとは言い切れないのが残念ですが(後述)、その他多くの雑誌と読み比べると

誌面をスキャンしただけの電子雑誌とは読みやすさのレベルが違う


という大きなメリットがあります。読んでいてストレスがありません。誌面スキャンだと拡大縮小を繰り返さなきゃならない電子雑誌も多いので、それに比べると雲泥の差です。

また、以前の“プロトタイプ”な頃と違って、

iPad 専用雑誌らしく、縦でも横でも読みやすい


構成になったのは嬉しいところです。

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写真入りの記事でも、縦横に応じてレイアウトが変化する
どちらでも読みやすい!

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初期の頃は、縦横どちらかで見るとレイアウトが崩れるようなページがあったり、横スタイル限定の号もあったりしましたが、今は柔軟にレイアウトが変化して(後述する問題を除けば)読みやすくなっています。

個人的には「雑誌」だとできれば縦で読みたいと思っていますので(車内機内でも縦の方が読みやすいと思いますし)、縦が基本でありつつも、写真などは横で観る方が良いものもありますから、今のようなスタイルは歓迎です。

PhotoJ13TateYoko3photo
(縦横で写真のトリミングが変わる場合も多い。両方見たくなる :-)

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(表紙すら縦横で大きく変わることも。全然違う写真!)


縦横で内容が変わるとすれば写真なのですが、以前は写真の配置が変わるだけでしたが、最近はトリミングが変わっていたり、中には上記表紙のように縦持ちと横持ちで写真が全く変わる場合もあります

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(縦ではザックが岡崎に指示を出してるシーンだが、横にすると全く違う写真でコレも良い!)


これくらいなら“お遊び”として面白いだけで良いのですが、なかには少々操作性で困った部分もあります。

たとえば、この画面。

PhotoJ16TateYoko6Tate


スカイツリーの眺望写真の記事なのに、写真も何もない1ページ記事。あまりに淡白すぎる構成で「なにかのミス?」と思いたくなりますが、実は横にすると…

PhotoJ17TateYoko7Yoko


となっていて、GO と書かれたタイトルからの延びる矢印の先のマークをタップすると、スカイツリー第1展望台からの写真を何枚も、そしてパノラマ写真も含めて満喫できるようになっています。

360度パノラマ写真を見せるのには横スタイルで閲覧してもらう必要はあったのでしょうが、縦持ちの画面に何も案内がないのは不親切なものです。

実は、縦持ちでも先ほどの“ほとんど真っ白の記事画面”を指で上へ持ち上げると、

PhotoJ18TateYoko8Tate2


となって、下部に写真一覧が出てきます。そこから写真選択してタップすることで、縦持ちでも閲覧できるようになっています。

しかし、最初のパッと見の画面で案内がないと、本当に判りにくい。これは初期の頃から採用しているやり方なので、ずっと使っている人には判らなくもないのですが、使い始めた人には「なんだ、この真っ白なだけの記事?」と思われるでしょう。

photoJ は操作をもっとシンプルにするか、ガイドをもっと親切にすべき


というのは今も昔も変わっていません。

これでも初期の頃の縦横のスクロールを無駄に凝っていた頃に比べればシンプルになったとは思いますが、更なる改善をお願いしたいものです。

とはいえ、

縦横で写真のトリミングや内容が変わったりするのは iPad 専用誌ならでは


ですから、その部分は今後もやりすぎない程度にやってもらいたいですし、楽しみにしたいと思っています。



photo J」が単なる誌面スキャンじゃない iPad 専用雑誌ということで、付け加えられているのが

オマケ程度の効果音・BGM・動画と
Twitter・メール連携やスクラップ機能


です。ただ、さほど期待するものではありません。特にサウンドや動画は、オマケというか、箸休め的存在です。

以前はネット接続していないと動画閲覧できず、そのことで AppStore に低評価を付けられたりしていましたが、今は動画もダウンロード済みならばオフラインで閲覧できるようになっていて改善されています(昔の号ではネット接続が必要な場合もあります)。

しかし、動画に関しては自分で明示的にボタンをタップしないと流れないのですが、

BGM や効果音は該当ページを開くと勝手に鳴る


ので、要注意です。

PhotoJ19SoundButton
(赤丸で囲んだボタンがあるページでは BGM が流れるので注意。タップすると BGM は停止)

PhotoJ20Movie
(動画ではボタンをタップすると、この記事に関する動画が流れる)


BGM も動画も iPad というプラットフォーム向けの電子雑誌ということで入れてあるのでしょうが、

雑誌なんだから、どんな時でも音を勝手に鳴らすのは止めろ


と強く訴えておきたい。ホントにこれは直すべきです。



また、簡単なメール・SNS 連携やスクラップ機能もあります。画面中央下部をタップするとメニューが出てきます。

PhotoJ22Menu


この左上に「シェア」とあるのが、メール・SNS 連携ボタンです。どういう“シェア”かというと、極めて小さな画面写真を添付するだけなので、殆ど使えない機能ですね。

一応、画面全体か画面の一部を切り取って添付できますが、サイズはサムネイル程度です。せめて photoJ の紹介 URL やら、どの号のどんな記事タイトルかをシェアできるようにしないと無意味ですね。現状では使えません。

PhotoJ23ShareButton
(現在の共有先はメール送信か Twitter のみ)


もう1つ、この手には欠かせないスクラップ機能。photoJ のスクラップ機能は購入してあるバックナンバーのいずれにもすぐ飛べる機能であり、

スクラップ機能というよりブックマーク機能


ですが、いずれにしてもあって嬉しい便利機能なのは間違いありません。

PhotoJ24ScrapButton


雑誌というのは溜まっていくと邪魔になりがちですから、それゆえに電子書籍と相性がいいわけですが、

読み捨ての雑誌だからこそ、マーキングの機能は欠かせない


ということもまたあります。特に photoJ では各号内のしおり機能がないので、しおりの代わりとも言える機能になります。

スクラップというには素朴過ぎる機能ですが、他に機能がなさすぎるので、長く購読していると重宝すると思います。



最後に、photoJ の雑誌と関係ない部分の機能として、ニュース速報機能があります。下部メニューの「速報」をタップすると表示されます。

PhotoJ21News


もちろん、これはネット接続が必要です。オマケもオマケの機能ですね。それこそ、あってもなくてもいい機能ですが、一応紹介しておきました。



というわけで、iOS 5 から導入された Newsstand に対応した iPad 専用週刊誌「photoJ」を紹介してきました。Newsstand 邪魔すぎ!という前に、ひと月 170円、1冊あたり 40円少々の iPad 専用雑誌を試してみるのも悪くないのでは?と思っています。

photoJ」は iPad リリース初期の頃から頑張っている割には、全く目立たず、今ひとつ評価されてなかったり、初期の頃の低評価に留まっているので、微力ながら応援してみました。

もちろん、本記事は毎日新聞社のステルスマーケティングでも何でもない、私自身なにも得しない記事です。念のため(笑)

というか、もうちょっと「photoJ」は(あまりお金をかけない方法で)宣伝するなり、広報に力入れるべきじゃないかな、と思います。

広報用 Twitter もアカウントを作って半年近く放置プレイでしたし、今も新しい号がリリースしてしばらくしてから告知という、やる気のなさですからねぇ…

この値段で、そこそこの内容量はありますから、もうちょっと広報に力入れれば購読する人は増えてくれるように思います。

と同時に、私が望む改善点としては

  • 縦横で内容が変わるものに関しては、何らかのガイドを

  • 持ってる状態に対して横方向の操作だけでなく、縦方向の操作を要求する場合もガイドを出すべき

  • BGM や効果音を勝手に鳴らすのは厳禁!

  • シェア機能は、小さな画面サムネイルだけでなく、どの号のどの記事(タイトル)か判るような内容を入れられないと無意味

  • スクラップ機能は多数スクラップした時の視認性が悪いので、将来的にはスクラップ一覧画面が欲しい

  • 内容については、photoJ ならではのコンテンツが1つでも2つでも欲しい(Lady GaGa のアレではちょっと…)

  • 各号が3分割されているが、連続して読んでいけるような工夫が欲しい。ニュース分冊を読んだ後に戻って、スポーツを読むのではなく、連続して読んでいける仕組みを入れて欲しい。


といったところでしょうか。

正直なところ、この値段でこの内容は頑張ってると思うので、現状多くは望みませんが、1つ2つの独自コンテンツは欲しいところです。

そして勿論、週刊という形態で、この価格は維持してもらいたい。以前のような不定期刊では内容が古くてイマイチでしたからね。価格もこの価格だからこそ、人に勧められると思いますし、大きな魅力になっていると思います。

いずれにしても、今後も充実した内容になって欲しいと購読者である私は希望しております :-)