前回、前々回と GoodReader での iCloud 利用法を解説しました。
■ GoodReader による iCloud 活用マニュアル【前編:Move / Download / Evict】
■ GoodReader による iCloud 活用マニュアル【後編:ファイル公開機能とセキュリティ上の注意点】
アプリケーションによる iCloud 活用は複数デバイス(主に iPhone と iPad でしょう)でのデーター同期を中心に使われ始めています。常に iPhone / iPad に常駐させてるアプリの中でも幾つかが対応していました。
さて、前回記事の GoodReader × iCloud 利用におけるセキュリティ上の注意点でも述べましたが、
です。
というか、
わけです。複数の Mac で同じ iCloud ID を設定していたら、全部の Mac に iCloud に置かれているファイルが全部コピーされます。
いやー、私も初めて知った時は衝撃でした(^_^;)
■ GoodReader による iCloud 活用マニュアル【前編:Move / Download / Evict】
■ GoodReader による iCloud 活用マニュアル【後編:ファイル公開機能とセキュリティ上の注意点】
アプリケーションによる iCloud 活用は複数デバイス(主に iPhone と iPad でしょう)でのデーター同期を中心に使われ始めています。常に iPhone / iPad に常駐させてるアプリの中でも幾つかが対応していました。
さて、前回記事の GoodReader × iCloud 利用におけるセキュリティ上の注意点でも述べましたが、
iOS アプリから iCloud に置いたファイルは Mac から簡単にアクセス可能
です。
というか、
同じ iCloud ID を設定している Mac には
アプリから iCloud に置かれたファイルが丸ごと保存されている
アプリから iCloud に置かれたファイルが丸ごと保存されている
わけです。複数の Mac で同じ iCloud ID を設定していたら、全部の Mac に iCloud に置かれているファイルが全部コピーされます。
いやー、私も初めて知った時は衝撃でした(^_^;)
そして単純にコピーされているだけでなく
わけです。当然といえば当然かも知れません。
もちろん、Mac は Lion (MacOS X 10.7.2 以降)で iPhone、iPad と同じ iCloud ID を設定していて、ネットワークに繋がっている必要はあります。でも、Lion にアップグレードした人の多くが、iPhone や iPad とのデーター同期のためにそういった設定になっているでしょう。
その場合、意識してなくてもアプリから iCloud に入れたデーターは勝手に Mac にも入っているわけで、Mac を家族その他で共有している(かつユーザーを分けていない)という場合には気をつける必要があるでしょう。
そして、
ことになるので注意は必要です。ただ、Mac から弄ることが有用なアプリもあります。
さて、アプリから iCloud に保存したファイルが Mac のどこに入っているかと言うと、
つまり、各ユーザーのホーム → ライブラリ → Mobile Documents とフォルダを辿ったところに、アプリケーション毎のフォルダに分かれて入っています。
Lion (MacOS X 10.7) からはユーザーの「ライブラリ」フォルダも見えない(不可視)フォルダになりましたので、Finder のホームフォルダから選択することはできませんが、オプションキーを押しながら「移動」メニューをクリックすると「ライブラリ」フォルダが選べるようになるので、そちらから行くことができます。

Option キーを押しながら「移動」メニューをクリックしたところ
また、「移動」メニューの下から2番目にある「フォルダへ移動…」を選び、現れたダイアログに
~/Library/Mobile Documents/
を入力することで、直接 iCloud 上のデーターのあるフォルダへ移動することも可能です。

「移動」メニューの下から2番目にある「フォルダへ移動…」を選んでクリック

出てきたダイアログに ~/Library/Mobile Documents/ を入力
この「Mobile Documents」の中身を見てみると、以下のようになっています。私の場合は「FlightTrack Pro」「Pages」「GoodReader」の3つのアプリが iCloud にデーターを置いていて、それが Mac 上にもコピーされていることが判ります。

これらの中身はアプリによって全く異なります。例えば Apple のワープロアプリ Pages の「テスト書類」と名付けた書類の中身を覗いてみると、

こんな感じで明らかにアプリの独自の形式っぽいファイルが並んでいます。ファイルの内容が想像できたり、知識ある人がツールで中身を覗けるとしても、簡単に Mac から弄ってどうのこうのできそうな感じではありません。
もっとも Pages の場合、Mac 用の Pages を購入すれば iPhone, iPad の Pages とファイル共有できるのですから、独自にファイルをアレコレと弄る必要は少ないでしょう。
先ほど示した FlightTrack Pro も、フライト監視対象の飛行機のブックマークを複数デバイスで同期するためだけに iCloud を使っていますから、アプリの独自形式のファイルになっています。
ところが、GoodReader はファイル置き場として iCloud を使っていますから、Mac 上にコピーされた GoodReader のフォルダを覗くと…

Documents と書かれたフォルダがあって、その中へ進むと…

これは…!?
Mac 上の ~/Library/Mobile Documents/xxxxx~com~goodiware~GoodReader/Documents/ の中を見てみると、前々回記事、
前回記事で説明した GoodReader から iCloud に置いたファイルが丸ごとそのまま存在しています。
もちろん、Mac 上にコピーされた GoodReader on iCloud のファイルを開くこともできます。さらに
わけで、まるで Dropbox や SugarSync をパソコンで使っているのと同じような使い勝手になってしまいます。
実際にちょっと試してみますと…

Mac 上のエディターでテキストファイルを新規に作ってみます。

Mac 内の GoodReader on iCloud のデーターがあるフォルダに
Mac で作ったテキストファイルを入れます。

iPhone の GoodReader の iCloud フォルダに、先ほどのテキストファイルが!

iPhone の GoodReader で、そのテキストファイルを開いて中身確認。問題なし。

もちろん、iPad の GoodReader でも確認できます。

では、iPad の GoodReader で iCloud 上のファイルを削除してみます。

iCloud 上のファイルを2つ削除しました。

当然、iPhone の GoodReader で確認しても削除されています。

先ほどの Mac 内にある GoodReader on iCloud のコピーフォルダからも削除されました。
以上のとおり、
ということが判ると思います。
これを使えば、GoodReader へファイル転送する時に iTunes を起動して転送したり、GoodReader 側で WebDAV サーバーを ON にして接続して転送、なんていう面倒臭いことをしなくても
ので、好きな時に iPhone または iPad の GoodReader からダウンロードすれば良いわけです。
ただし、Mac からのアップロードも GoodReader でのダウンロードも、ファイルサイズが大きいと iCloud 経由のアクセスには時間がかかるので、その点は注意が必要です。Mac に接続しているネット回線が速くても、iCloud 側が速くないようですので…
また、大きなファイルを 3G 環境でダウンロードすると非常に時間がかかりますから、予め Wi-Fi 環境でダウンロードしておくのが良いのは言うまでもありません。
小さなファイルをサクっと転送したい場合には iCloud 経由が便利だと思いますが、大きなサイズのファイルが迅速な転送が必要な場合は従来の方法が良いでしょう(40MB 程度で Wi-Fi 経由のアップロードに 10分近く、ダウンロードに5分弱かかったこともあります)。
そして、これは Mac と iPhone・iPad との間だけのことではなく
ので、この点だけみると GoodReader × iCloud が完全に Dropbox や SugarSync と同じような使い方ができるサービスになります。
端的にいえば
と化しているわけです。
もちろん、Dropbox は単なる同期だけでなくファイル履歴の保存などの優位点があるので置き換えられるものではありませんが、Mac や iPhone / iPad を購入すれば無料で 5GB 分のこういったサービスを受けられる可能性があるのは脅威でしょう。
現状では Mac だけですし、Mac で使うにしても明確なアプリやソフトがないので判りづらい面はありますが、
ができます。
今回記事の GoodReader × iCloud × Mac な利用法が使える、使いたいと思った人は、~/Library/Mobile Documents/ の中にある GoodReader フォルダの、その中の Documents フォルダのエイリアスを作ってデスクトップにでも置いておくと良いでしょう。

(デスクトップにエイリアスを置いとけば、GoodReader へのファイル出し入れが簡単!)
この方法は、なかなか便利に使うことができると思います :-)
さて、最後に今回の事例を見て判るように
ことがよく分かると思います。前回記事の GoodReader × iCloud 利用におけるセキュリティ上の注意点でも述べましたが、この点だけはくれぐれも注意して下さい。
便利に使える GoodReader & iCloud ですが、ローカルに置くものデーターと iCloud に置いておける&おいておく方が便利なデーターは使い分けしましょう :-)
【11/4 追記】
Mac側で iCloud のデーターがコピーされるためには、システム機能拡張(コントロールパネル)の iCloud で「書類とデータ」にチェックが入っている必要があります。

これが入っていないと Mac の当該フォルダへアプリの iCloud データーはコピーされません。念のため。

Apple iPad2 64GB 3G+Wi-Fi モデル 海外SIMフリー版 White
(iPhone をソフトバンクで使ってるにせよ、au で使ってるにせよ、
ドコモ網が使える SIMロックフリー iPad は便利です :-)
Mac 上にある iCloud のデーター領域をいじったら、iCloud に反映される!
わけです。当然といえば当然かも知れません。
もちろん、Mac は Lion (MacOS X 10.7.2 以降)で iPhone、iPad と同じ iCloud ID を設定していて、ネットワークに繋がっている必要はあります。でも、Lion にアップグレードした人の多くが、iPhone や iPad とのデーター同期のためにそういった設定になっているでしょう。
その場合、意識してなくてもアプリから iCloud に入れたデーターは勝手に Mac にも入っているわけで、Mac を家族その他で共有している(かつユーザーを分けていない)という場合には気をつける必要があるでしょう。
そして、
下手に弄れば、アプリ内の設定・データーが破壊される
ことになるので注意は必要です。ただ、Mac から弄ることが有用なアプリもあります。
☆
さて、アプリから iCloud に保存したファイルが Mac のどこに入っているかと言うと、
~/Library/Mobile Documents/
つまり、各ユーザーのホーム → ライブラリ → Mobile Documents とフォルダを辿ったところに、アプリケーション毎のフォルダに分かれて入っています。
Lion (MacOS X 10.7) からはユーザーの「ライブラリ」フォルダも見えない(不可視)フォルダになりましたので、Finder のホームフォルダから選択することはできませんが、オプションキーを押しながら「移動」メニューをクリックすると「ライブラリ」フォルダが選べるようになるので、そちらから行くことができます。

Option キーを押しながら「移動」メニューをクリックしたところ
また、「移動」メニューの下から2番目にある「フォルダへ移動…」を選び、現れたダイアログに
~/Library/Mobile Documents/
を入力することで、直接 iCloud 上のデーターのあるフォルダへ移動することも可能です。

「移動」メニューの下から2番目にある「フォルダへ移動…」を選んでクリック

出てきたダイアログに ~/Library/Mobile Documents/ を入力
この「Mobile Documents」の中身を見てみると、以下のようになっています。私の場合は「FlightTrack Pro」「Pages」「GoodReader」の3つのアプリが iCloud にデーターを置いていて、それが Mac 上にもコピーされていることが判ります。

これらの中身はアプリによって全く異なります。例えば Apple のワープロアプリ Pages の「テスト書類」と名付けた書類の中身を覗いてみると、

こんな感じで明らかにアプリの独自の形式っぽいファイルが並んでいます。ファイルの内容が想像できたり、知識ある人がツールで中身を覗けるとしても、簡単に Mac から弄ってどうのこうのできそうな感じではありません。
もっとも Pages の場合、Mac 用の Pages を購入すれば iPhone, iPad の Pages とファイル共有できるのですから、独自にファイルをアレコレと弄る必要は少ないでしょう。
先ほど示した FlightTrack Pro も、フライト監視対象の飛行機のブックマークを複数デバイスで同期するためだけに iCloud を使っていますから、アプリの独自形式のファイルになっています。
ところが、GoodReader はファイル置き場として iCloud を使っていますから、Mac 上にコピーされた GoodReader のフォルダを覗くと…

Documents と書かれたフォルダがあって、その中へ進むと…

これは…!?
Mac 上の ~/Library/Mobile Documents/xxxxx~com~goodiware~GoodReader/Documents/ の中を見てみると、前々回記事、
前回記事で説明した GoodReader から iCloud に置いたファイルが丸ごとそのまま存在しています。
もちろん、Mac 上にコピーされた GoodReader on iCloud のファイルを開くこともできます。さらに
Mac 上にコピーされた GoodReader on iCloud のファイルを編集したり
ファイルを追加すると iCloud に反映され、iPhone、iPad に同期される
ファイルを追加すると iCloud に反映され、iPhone、iPad に同期される
わけで、まるで Dropbox や SugarSync をパソコンで使っているのと同じような使い勝手になってしまいます。
実際にちょっと試してみますと…

Mac 上のエディターでテキストファイルを新規に作ってみます。

Mac 内の GoodReader on iCloud のデーターがあるフォルダに
Mac で作ったテキストファイルを入れます。

iPhone の GoodReader の iCloud フォルダに、先ほどのテキストファイルが!

iPhone の GoodReader で、そのテキストファイルを開いて中身確認。問題なし。

もちろん、iPad の GoodReader でも確認できます。

では、iPad の GoodReader で iCloud 上のファイルを削除してみます。

iCloud 上のファイルを2つ削除しました。

当然、iPhone の GoodReader で確認しても削除されています。

先ほどの Mac 内にある GoodReader on iCloud のコピーフォルダからも削除されました。
以上のとおり、
GoodReader のように iCloud をファイル置き場にしている場合は
Mac から簡単に iCloud 上のファイルを操作できる
Mac から簡単に iCloud 上のファイルを操作できる
ということが判ると思います。
これを使えば、GoodReader へファイル転送する時に iTunes を起動して転送したり、GoodReader 側で WebDAV サーバーを ON にして接続して転送、なんていう面倒臭いことをしなくても
Mac 内の ~/Library/Mobile Files 内にある GoodReader フォルダに
転送したいファイルを入れておけば、勝手に iCloud 上にコピーされる
転送したいファイルを入れておけば、勝手に iCloud 上にコピーされる
ので、好きな時に iPhone または iPad の GoodReader からダウンロードすれば良いわけです。
ただし、Mac からのアップロードも GoodReader でのダウンロードも、ファイルサイズが大きいと iCloud 経由のアクセスには時間がかかるので、その点は注意が必要です。Mac に接続しているネット回線が速くても、iCloud 側が速くないようですので…
また、大きなファイルを 3G 環境でダウンロードすると非常に時間がかかりますから、予め Wi-Fi 環境でダウンロードしておくのが良いのは言うまでもありません。
小さなファイルをサクっと転送したい場合には iCloud 経由が便利だと思いますが、大きなサイズのファイルが迅速な転送が必要な場合は従来の方法が良いでしょう(40MB 程度で Wi-Fi 経由のアップロードに 10分近く、ダウンロードに5分弱かかったこともあります)。
☆
そして、これは Mac と iPhone・iPad との間だけのことではなく
同じ iCloud ID を設定している Mac どうしでも同期される
ので、この点だけみると GoodReader × iCloud が完全に Dropbox や SugarSync と同じような使い方ができるサービスになります。
端的にいえば
iPhone、iPad も巻き込んだ Dropbox みたいなもの
と化しているわけです。
もちろん、Dropbox は単なる同期だけでなくファイル履歴の保存などの優位点があるので置き換えられるものではありませんが、Mac や iPhone / iPad を購入すれば無料で 5GB 分のこういったサービスを受けられる可能性があるのは脅威でしょう。
現状では Mac だけですし、Mac で使うにしても明確なアプリやソフトがないので判りづらい面はありますが、
GoodReader のデーターのあるフォルダのエイリアスを作れば
Mac でも iCloud 上の GoodReader データーに簡単アクセス
Mac でも iCloud 上の GoodReader データーに簡単アクセス
ができます。
今回記事の GoodReader × iCloud × Mac な利用法が使える、使いたいと思った人は、~/Library/Mobile Documents/ の中にある GoodReader フォルダの、その中の Documents フォルダのエイリアスを作ってデスクトップにでも置いておくと良いでしょう。

(デスクトップにエイリアスを置いとけば、GoodReader へのファイル出し入れが簡単!)
この方法は、なかなか便利に使うことができると思います :-)
☆
さて、最後に今回の事例を見て判るように
iCloud にファイルを置くと GoodReader のデータープロテクションも
パスワードロックも無意味になる
パスワードロックも無意味になる
ことがよく分かると思います。前回記事の GoodReader × iCloud 利用におけるセキュリティ上の注意点でも述べましたが、この点だけはくれぐれも注意して下さい。
便利に使える GoodReader & iCloud ですが、ローカルに置くものデーターと iCloud に置いておける&おいておく方が便利なデーターは使い分けしましょう :-)
【11/4 追記】
Mac側で iCloud のデーターがコピーされるためには、システム機能拡張(コントロールパネル)の iCloud で「書類とデータ」にチェックが入っている必要があります。

これが入っていないと Mac の当該フォルダへアプリの iCloud データーはコピーされません。念のため。

Apple iPad2 64GB 3G+Wi-Fi モデル 海外SIMフリー版 White
(iPhone をソフトバンクで使ってるにせよ、au で使ってるにせよ、
ドコモ網が使える SIMロックフリー iPad は便利です :-)