今晩は以前から噂になっていた Amazon のタブレットデバイスの発表でした。名前も「Kindle Fire」とリークされていた通りの名前でしたが、驚きは価格。



7インチ IPS 液晶(1024x600 pixels)、デュアルコア CPU、内蔵ストレージ 8GB、413g と、昨今の Android タブレットと比較すると、それなりのスペック(最新世代と比べると普及機に属するクラス)。

おまけに Android ベースではあるが Android タブレットではないので、Android マーケットの多彩なアプリは使えないものの、独自のチューニング、Amazon Silk によるウェブ表示高速化が可能という利点もある。

まぁ、あくまで Kindle、あくまで Amazon のサービス利用とウェブ閲覧のための端末ではあるが、それで殆ど賄えるという人は少なくないはず。

それに

お値段 $199


という激安価格。日本円にして1万5千円強。ヤバすぎる。

一応、スペックを見ると以下のとおり。



  • 7インチ IPS液晶(1024 x 600 pixels)

  • ゴリラガラス採用

  • マルチタッチ

  • 190×120×11.4mm、413g

  • デュアルコア CPU

  • 内蔵 8GB ストレージ(SD カードスロットはなし)

  • Amazon のコンテンツについては、全て無料でクラウドストレージが利用可能

  • 802.11 b/g/n Wi-Fi

  • PC レスで利用可能

  • ブラウザは Amazon Silk による高速化、負荷軽減
    (従来の Skyfire や Opera mini といったブラウザが専用サーバー側で途中処理させていることに近い内容)

  • バッテリー駆動時間:読書8時間、ローカルの動画再生で 7.5時間

  • 対応フォーマット:Kindle (AZW)、TXT、PDF、プロテクトなし MOBI、PRC、Audible、Audible Enhanced (AA, AAX)、DOC、DOCX、JPEG、GIF、PNG、BMP、DRMなし AAC、MP3、MIDI、OGG、WAV、MP4、VP8.


内蔵ストレージが 8GB なのに外部 SD カードスロットもなし、というのは通常の Android タブレットからすると有り得ない話だが、Amazon が提供するコンテンツなら Amazon のクラウドストレージが無料で使えて、自動的に同期するとのことで、そっちで賄えるという判断だろう。

あくまで Amazon のサービスをより活用するための、読書だけでなく Amazon が提供する映画やテレビ番組などの動画も含めたサービスを利用する端末というものになっている。

向こうの Amazon Prime は価格も日本の倍近いけれど、反面一定のコンテンツが見放題になっているわけで、そういう人達には極めて便利なデバイスといえる。

改めて、ハードとコンテンツサービスの両輪で売っていくというのは Apple と Amazon が抜けているなぁ、というのを思い知らされるし、特に Amazon は極端にやったなぁ、という感じだ。

いずれにせよ、手持ちの初代 Galaxy Tab を今どきの処理速度にしたものと言えるけれど、お値段が飛び抜けて安い。この価格なら「ちょっと買っちゃおうかな〜」と思う人も多いはず。

Kindle Fire - Full Color Kindle with 7" Multi-Touch Display, Wi-Fi

初代 Galaxy Tab を使ってきて「1024x600 pixels の7インチタブレットは使いづらいから、もう要らね!」と思っている私ですら、この価格ならお遊びに1台…と思わず買いたくなる価格である。ヤバい。

どちらかというと Apple 経済圏にいる私としては Amazon はリアル書籍や CD/DVD/BD、その他一般商品を買うところであり、Amazon MP3 などのオンラインコンテンツは完全スルーであるけれど、

「8GB のストレージに USB 経由でコンテンツ入れたり、ブラウザが使えれば十分実用に足るでしょ」

と思うわけで、当然 Kindle 3 の時と同じく U.S. の Amazon で注文…と思ったら、

Kindle Fire は米国のみ配送可能


となっていた。残念。

まぁ、Amazon のコンテンツ利用のためのデバイスであり、

ハードで儲けない分、オンラインコンテンツで儲けるデバイス


だから、

「ショボい Amazon MP3 以外のオンラインコンテンツが全く売られてない日本では無理か…」

となるのも止むを得ないだろう。オンラインコンテンツを全然買わない人たちに $199 で fire を売っても Amazon は全く儲からないだろうからね。

でも遠くないうちに、旧来の Kindle のように米国外でも買えるようになることを期待したいところだ。その頃には Fire の ノーマル Android 化改造なんてのもできてるに違いない…なんてね。xda には既に Fire のフォーラムもあることだし :-)



今回 Amazon の発表には Fire 以外に

  • 通常の電子インク Kindle のタッチパネル版「Kindle Touch」

  • 従来の電子インク Kindle のキーボードレス版「第4世代 Kindle」


が発表されている。

そして、

電子インク版 Kindle も超攻め攻め価格!


になっている。

タッチパネル版「Kindle Touch」は Wi-Fi 版が $99、3G版が $139。
通常版「第4世代 Kindle」は広告付きで $79、広告なしで $109。

$79 といえば、今の日本円換算で6千円くらいですよ。マジっすか…広告なしでも8千円台前半。いやー、安い。色々とコストダウンな部分があっても、価格がここまで安いと、全てを超えそうな感じ。

もっとも

Fire だけでなく Kindle Touch も米国限定
第4世代 Kindle の広告なし版だけ日本で購入可能


となっています。Kindle 3 を持っていて省略された部分はあっても大きく追加されたものはないので、これはスルーの予定。安いけどね。

Kindle Touch: Touchscreen e-Reader with Wi-Fi, 6" E Ink Display
Kindle e-Reader with Wi-Fi, 6" Display
Kindle e-Reader with Wi-Fi, 6" Display(日本向け購入ページ)


(Kindle Touch)


まぁとにかく、Fire にせよ、Touch にせよ、第4世代にせよ、

とにかく安い!


オンラインコンテンツを売ることを前提といっても、アホみたいに安い。

通常の電子ブックリーダーが6千円から
7インチ・タブレットが1万5千円強

この価格は、まさしく破壊的。Android タブレットと直接比較できない部分も多々あるが、この価格を見せられては半端な価格で買えなくなる。

もうすぐソニーの電子ブックリーダーもモデルチェンジのようだけれども、こういう価格が現実としてあると、些細な要素を色々言ったところで2万円以上で売られても買えなくなる。

まぁ、Kindle を買ったところで今は殆ど何も書籍のオンラインコンテンツがないのだけど、こういうのを見せられてしまうとねぇ…である。

逆に言えば、

本気で電子書籍、オンラインコンテンツを売るなら、この値段


というのもある。書籍代以外に2万以上も出せと言われても、ぶっちゃけ新しいもの好きのヲタク以外は買うことは殆どないだろう。それが5〜6千円となれば、敷居も随分下がる。

それができるのはハードとコンテンツサービスを一体で売っているからであり、こういう状況に他の企業、特に日本企業がついていけるのかねぇ、と思う。

日本の書籍を電子版で読むために日本の電子書籍ストアを利用しなければならず、そのためには安くないデバイスが必要なまま、にはなりたくないものだが、さてはて…

兎にも角にも、凄いけど指をくわえて眺めるだけの Amazon 発表会でした。でも、ホントこれは大きな波になりそうだ…