GXR ユーザー界隈ではMマウント用アダプターユニットの話で盛り上がってる昨今ですが、沼なのが判ってる MF レンズには触らないでおこうと決心している身としては、すっかり蚊帳の外の今日この頃。

NEX-7 や NEX-5N、マイクロフォーサーズ用のパナXレンズなどを見て「GXR は好きだけど、やっぱり自分の方向性とは合わないかもなぁ…」と判ってて買ったことを改めて思いつつ、GXR を売る時が来るかもなぁ…なんて思っていたのですが、そんな折にやってきた「機能拡張ファームウェア第四弾」。

GXR の場合、新ユニット発売とともに、そこで投入された新機能がファームウェア・アップデートで従来のユニットにも適用される、というのが素晴らしい利点なのですが(NEX でもありましたけど)、今回もMマウント用アダプターユニット「GXR MOUNT A12」の発売と連動した機能追加となっています。

RICOH GXR MOUNT A12
発売まであと10日、RICOH GXR MOUNT A12

(欲しくないわけじゃないが、手を出すと沼るので完全スルーな私 ^^;)


前回3月の機能拡張ファームウェアでは「シーンモード追加」を目玉に「AE/AFターゲット移動時のリセット/キャンセル機能追加」や「ズームボタンに露出補正、ホワイトバランスを割当可能に」などという小さいながら使い勝手の向上がありました。

「AE/AF の追尾ターゲット機能」は個人的にイマイチどころかイマ3でしたけど、総じて神アップデートと言って良いくらいの内容でした。そして

今回も神アップデートと言って良い充実したアップデート


でしょう。まぁ、こんなもん、もっと早くに(最初から)やっとけよ!という機能追加もありますけどね(^^;)


さて、今回の機能拡張はかなり盛り沢山で、以下の通り。

  • 輪郭・コントラスト強調によるフォーカスアシスト機能

  • 撮影時画面拡大機能の改良、撮影後の拡大表示自動キャンセル機能の追加

  • オートリサイズズームのアスペクト比選択肢の追加

  • ホワイトバランスの手動設定時のフラッシュ発光が可能に

  • ISO AUTO-HI設定時に、上限ISO感度と ISO感度切り替えシャッタースピードを設定することが可能に

  • セルフタイマーによる撮影時に、電子水準器の表示が可能に

  • クロスプロセスやトイカメラでの撮影設定で周辺減光を強・弱・OFF から設定可能に

  • ISO感度設定が従来の1段毎から 1/3段毎に細かくなった

  • A12 ユニットでは、Mモードのシャッタースピードでバルブ・タイムが選択できるようになった(最大3分)


機能拡張ファームウェア GXR / デジタルカメラ | リコー

今回の目玉は GXR MOUNT A12 ユニット用(MF レンズ用)に開発された、輪郭・コントラスト強調によるフォーカスアシスト機能でしょう。

NEX のピーキング機能と同じような機能で、

マニュアルフォーカスに全く自信のない私にもできる!
デジタルカメラ万歳!技術の進歩万歳!


と思わせる機能が GXR にも入ってくれました。まぁ NEX のユーザー層よりも GXR のユーザー層の方が喜ぶ人の比率は多いでしょうし、Mマウントレンズをゴリゴリ使う人達には欠かせない機能になるでしょう。

GXR_Update140_01
フォーカスアシストは2種類あって選択は、セットアップメニューの最後にある。

GXR_Update140_02
合焦部分が輪郭強調のモード1、白黒表示でコントラスト強調のモード2(後述)

GXR_Update140_03
フォーカスアシストのモード設定はセットアップメニューになるのに
フォーカスアシストのON/OFFは撮影設定メニューにある不思議。
後付が多くなりすぎてメニュー体系が崩壊気味の GXR。思い切って刷新すべき。

GXR_Update140_04
モード1でのフォーカスアシスト状態。
合焦している XPERIA の文字部分が輪郭強調されてるが正直判りづらい。

GXR_Update140_05
モード2でのフォーカスアシストは白黒画面になる。
この画面では、まだ XPERIA の文字にピントは合っていない状態。

GXR_Update140_06
モード2で XPERIA の文字にピントがあった状態。
XPERIA の文字の部分がコントラスト強調されて、こちらの方が判りやすい。

GXR_Update140_07
フォーカスアシスト・モード2での、もう一例。
白黒表示の中で、合焦部分がコントラスト強調されている。

GXR_Update140_08
フォーカスアシスト・モード2では白黒表示だが、
シャッターボタンを半押しすると通常表示に戻る。


上記の通り、フォーカスアシストは2種類あって状況によって使い分けることになるでしょうが、基本的にはモード2の方が使いやすいように思います。シャッター半押しで通常表示に戻るので、使い勝手としては十分納得のものです。

基本的に MF をしない私でも GXR の AF は結構糞なので重宝しそう


です。なにせ基本的に鈍重な AF ですし、点光源がフォーカスエリアの近くにあると、ほぼ 100% AF がダメになったりしますからね…

ただ、個人的には NEX のピーキング機能の方が判りやすいかなぁ…とは思いました。あちらはピーキングレベルの調整もできますし、色が付いている分だけ目立ちますからね。そこまで真似するわけにはいかなかったのでしょうが、両方使ってみると、後出しとしては物足りない部分も正直感じます。

あと

AF の時には自動的にアシストが切れるようにして欲しい


と思いますね。まぁ左右ボタンその他のショートカットにフォーカスアシストの ON/OFF を割り当てれば良いのですが、そろそろボタンの割り当ても足りないですしね…



目玉は上記フォーカスアシスト機能でしょうが、個人的に今回のアップデートで一番良いと思っているのは、

ISO AUTO-HI設定時に、上限ISO感度と ISO感度切り替えシャッタースピードを設定することが可能になった

という点。手ぶれ補正のない GXR、動き物を狙うことの多い私にとっては待望の機能です。だいぶ使いやすくなるシーンも増えるように思います。

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(新設の ISO AUTO-HI 設定はセットアップメニューの中に)


ISO 感度も今まではコンパクトデジカメと同等レベルの1段ごとの調整でしたが、デジタル一眼やミラーレス機と同等レベルの 1/3段ごとの調整が可能になったのも、嬉しいといえば嬉しいですね。

ただ、1段毎の調整と 1/3段毎の調整は切り替えられるようにしておいてくれた方が良かったかも…とは思います。

GXR_Update140_10
(ADJ レバーでの ISO 感度調整では 1/3段毎は少し多すぎる気が…)


という感じで改良もあるのですが、個人的に ISO 感度まわりでは、

  • P10 ユニットのシャッター速度優先 AE では(使えない画質の)ISO 3200 まで強制的に上がる(ISO AUTO-HI が使えない)

  • マニュアル露出モードで ISO AUTO, ISO AUTO-HI が使えない(絞りとシャッター速度を決めて ISO 感度で自動 AE ができない)


という大きな不満を持ってる点については何も解決されていないので、嬉しさも半ば、いや3分の1くらいでしょうか。

正直、このあたりの解決ができないようだと私にとっては不満が残るばかりなんですが、まぁそんな人は GXR ユーザーでは多くないのでしょうね。



他にも、Mモードのシャッタースピードでバルブ・タイムが選択できるようになったり、撮影時画面拡大機能での撮影後に拡大表示自動キャンセルできるようになったり、という細かい便利機能の追加もあります(あって当然だったという面もありますが)。

また、クロスプロセスやトイカメラでの撮影設定で周辺減光を強・弱・OFF から設定可能になったのも、個人的には歓迎です。

前回のファームウェア・アップデートで追加されたエフェクト系シーンモードのうち、トイカメラは一番判りづらくて全く使ってこなかったので、これで周辺減光を強にすれば、少しは“らしく”なるかな?と思ったりします。他のデジカメのトイカメラモードより薄味すぎたと感じてましたので。

RICOH デジタルカメラ GXR P10 28-300mm F3.5-5.6VC KIT GXR+P10KIT
GXR P10 28-300mm F3.5-5.6VC KIT GXR+P10KIT

(P10 キットは4万弱でずっと安定。1年近く前に買ったが満足の1年だった)


とまぁ、今回も盛り沢山の GXR 機能拡張ファームウェア第四弾は、きっと多くの GXR ユーザーに喜ばれて、リコー信者の信心度に拍車がかかることでしょう :-) 私も幾つかは頻繁に使うことになるように思います。

次回機能拡張アップデートは、まだ見ぬ APS-C ズームユニット発売の頃でしょうか。ってか、発売されるんでしょうかね…(^_^;)

P.S. メニュー周りもアレだが、いい加減マニュアルも PDF だけでも追加機能を盛り込んだ改訂版をそろそろ作って欲しいものだ…