以前、「iPad 2 を 3G モデルに買い換えて良かった唯一絶対の理由」という記事を書いたのち、本記事をすぐに掲載するつもりでしたが、Lion や MacBook Air の発表・購入があったりで、すっかり遅くなって早1ヶ月が経ってしまいました(^_^;)

iPad 2 を国内版 Wi-Fi モデルから 3G モデルに買い換える際に悩んだ挙句、今回は SIM ロックフリーの香港版を購入して、それから2ヶ月が経ちました。ソフトバンク版もコストパフォーマンス的には魅力でしたが、SIMロックフリー版にしたのは、以前の記事で書いたとおり。

iPad2 3G モデルを SIMロックフリー輸入版にした理由とか

ごく個人的な理由もあって今回は SIM ロックフリー版にしたものの、あとから「やっぱり国内版にしておいた方が良かったかなぁ…」と思ったりしないかと少し不安もあったのですが、今のところは

SIM ロックフリーを使ってるメリットがデメリットを上回ってるなぁ


という感じです。

以前の記事の中で、

3G モデルに買い換えて大正解
SIMロックフリー香港版にして8〜9割正解


と書いたように、Wi-Fi モデルから 3G モデルに買い換えたことは 100% 満足ですが、SIM ロックフリー版を買って使っていくのはメリットだけではなくデメリットもありますし、簡単に人に勧められるものではないと思います。

そんな SIM ロックフリー版にして良かった点、今イチな点を率直にまとめてみたいと思います。


SIM フリー版で良かった点(1):
ソフトバンク版 iPhone のエリア的補完が可能



誰がどう言おうとソフトバンクのエリア・インフラがドコモに劣るのは明らかであり、iPhone のせいではないのに日本では iPhone の欠点のように言われているのも事実。

電波が通じないのは都心部のビル内、地下街などもよくあることだが、沖縄や北海道へ行くと“外では何とか電波が入っても店の中に入るとアウト”なんてことは日常茶飯事。先日の北海道行きでも何度も経験しました。ロングドライブの途中に食事や休憩しようとして店に入ると、Twitter も Foursquare も Facebook も使えない。

「おぃおぃ、なんのための iPhone だよ…」という感じで萎えるところですが、今回は

ソフトバンク回線が使えない状況で b-mobile SIM を入れた iPad 2 が
何度も使えて補完デバイスとなってくれた


ので、本当に助かりました。iPad 2 なら iPhone アプリも使えるので、その時のために iPhone アプリを幾つか入れてあります :-D

もちろん、エリア補完だけならドコモ系 SIM を入れたモバイルルーターを持ち歩いていれば済むわけですし、その方が使い回しも効きます。実際、出張や旅では b-mobile Fair SIM を入れた光ポータブル(Portable Wi-Fi)も一緒に持って出てることが殆どです。

しかし、モバイルルーター経由よりデバイス内蔵の方がサッと使えるわけで、ちょっとした休憩や疲れた時には断然楽です。また、以前の記事でも書いたように、電波状況が不安定な時にはデバイス内蔵の方が何かと使い勝手がいいこともあります。

そういうこともあって、SIM ロックフリーな iPad 2 3Gは iPhone のエリア的補完デバイスとしては結構役立ってくれているので、これが SIM ロックフリーな iPad 2 を買って良かった一番の点ですね。

iPad2_3G_16


SIM フリー版で良かった点(2):
2年縛りもなく、料金的な自由を得られる



ソフトバンクのインフラについては不満の多いところですが、こと iPad の 3G モデルに関しては割安な 3G 定額料金を提示していると思えるので、SIM ロックフリー版を買うことに関してはかなり迷いました。

ソフトバンクの iPad は本体一括払いすれば、
2年間限定ながら使い放題&フルスピードで月額料金が実質 2,485円


というのは、速度抑制 1.2GB の上限有り&2年間限定といっても激安と言ってもいいでしょう(64GB モデルの場合。16/32GB モデルは更に安い)。一定以上の頻度で持ち出すなら、かなり魅力的です。

2千円台前半は b-mobile でも低速かつ規制ありまくりの U300 の月額単価と同程度です糞だの何だの言われるソフトバンク回線ですが、さすがに U300 と比較すると遥かに快適です(b-mobile U300 だとエリアの広さと2年縛りがないという大きなメリットがありますが)。

ソフトバンクのエリアカバーの貧弱さや混雑時・地域での速度低下に関しても、iPad をセカンドデバイス的に使うならば、スマートフォンほどシビアに考えなくても良い、許容できるだろう、という考えていましたので、iPad ならソフトバンク回線でも安い方が良いかなぁ…と、正直考えました。

ただ、安いけれど、これにはもれなく2年縛りがついてくる。2年縛りがナンボのもんじゃい!違約金を払えばええだけやろ!とも言えるけど、縛りは気分の良いものではありません。

特に、タブレットデバイスはいつ持ち出さなくなってしまうか判らないので、月額固定費用で縛られるのは iPad に限らず避けたい気持ちがあります。スマートフォンのようなメインデバイスなら嫌でも常時持ち出すだろうけれど、タブレットは…判りません。

私には「持ちだすのに便利なサイズだ〜」と言ってた Galaxy Tab をパタッと持ち出さなくなった例もあります。今は頻繁に iPad 2 を持ち出しているけれど、いつ気が変わって自宅内専用となるかもしれません。

2年縛られてたら、外で使わないのにデーター定額プランの月額費用を払い続けるか、違約金払って解約するか、です。Galaxy Tab の場合は月額 680円で済むから気にならないけど(本体代金も0円でしたし)、大して使わなくて毎月 2,485円は辛い。そう思うと、

サブデバイスにはできるだけ料金的な縛りがないか
縛られても月額費用が安く済むようにしたい


と思うわけです。

ソフトバンクの iPad プランには月額固定料金のデーター定額プランだけではなく、プリペイドプランが2種類ありますが、100MB プランも 1GB プランもチャージした分の有効期間が30日という短さで、まるでプリペイドプランを敢えて不利にして選ばせないようにしてるとしか思えない内容。

おまけに、データー定額プランで契約した場合にはプリペイドプランへの変更は不可です(プリペイドプランからデーター定額プランへの変更は可能だが、月月割はない)。

となると、今後どう使っていくか判らない iPad 2 ですので、b-mobile のプリペイドもしくは縛りがない運用できるのは気分的に楽です。

それに、以前の記事「iPad2 3G モデルを SIMロックフリー輸入版にした理由とか」で書いたように、2年を超えて使っていく場合に月月割が切れて急に高くなるなんてこともないですからね。

いずれにせよ、ソフトバンクの国内版 iPad 2 はソフトバンクとの契約を切ったら Wi-Fi モデル+αとしか使えませんが、SIM ロックフリー版 iPad 2 なら、

自分の使用状態・経済状態その他に応じて臨機応変にプラン契約して使える「自由」


は安心感もあるし、居心地の良いものです。

ソフトバンク版 iPad 2 も(3G を 2年間利用するなら)良い選択肢だと思えるけれど、色々なデバイスを取っ換え引っ換えする私には、縛られない選択肢は良いですね。

日本通信 bモバイルSIM U300 6ヶ月(185日)使い放題パッケージ BM-U300-6MS
日本通信 bモバイルSIM U300 6ヶ月(185日)使い放題パッケージ BM-U300-6MS

(SB版と月額あたり費用は同じだが、メリット・デメリットともに色々ある U300)


SIM フリー版で良かった点(3):
日本で SIM ロックされたことへの反対意思と矛盾しない



これは、ごく個人的な問題です。ので、勧めるとか勧めないとかの問題でもないですし、人それぞれ考え方は違うので、一般的な話での SIM ロックフリー版の利点ではありません。

ただ、ソフトバンクにどんな言い分があろうとも iPad は世界中で SIM ロックフリーモデルで売られているのに、日本では SIM ロックされていることを、私は納得できません。ドコモへの対抗手段として、iPad を人質に取ったような行為は承服しかねます。

だから、日本だけ iPad を SIM ロックするのはおかしい、と思いながら、それを契約するのは矛盾しているのでは?という思いはどうしても拭えませんでした。自分の考え方と矛盾するものを使わない、その点だけでも SIM ロックフリー版を使っている意味はあると思っています。

もちろん、SIM ロックしたことを擁護したい人は自由にすればいいですし、ソフトバンク版 iPad2 3G には十分優位点はありますから、細かいことを考えずにそちらを使うのは何ら悪いことではなく、ごく普通なことです。

私だって、次の iPad 3 では費用と通信速度のコストパフォーマンスの良さに転んで、ソフトバンク版を購入・契約するかもしれません(^_^;)。でも、金銭的に余裕がある時には、自分の意思にできるだけ沿うものを使いたいと思って、そして SIM ロックフリー版を使って良かったと思っています。

iPad2_3G_17


SIM フリー版がイマイチな点(1):
2年間は費用対通信速度でソフトバンク版が断然有利



何度も書いてますが、

SIM ロックフリー版に安価な b-mobile SIM を組み合わせて安く運用しても
3G の通信速度は決して満足できるものではない


わけです。

月額 980円の b-mobile × AEON のプランA(以下イオン・プランA)でも b-mobile U300 でもテキストデーターのやり取りなら我慢できる通信速度であっても、Google Maps などは使いものにならないし、使えるアプリに制約も受けます。

以前の記事で書いたようにライトな使い方であるなら b-mobile Fair で運用すれば制約は極めて緩く&安価に運用できますが、Fair は基本的に従量制ですから、前回の b-mobile Fair 記事でも書いたように、使い側の気分的な抑制が入ります。

それを思えば、2年間限定ながら月額料金が実質 2,485円でフルスピード&使い放題というのは、2年縛りとかエリアが狭いとか 1.2GB で速度抑制ペナルティありなどの不満点があっても、本当に魅力的です。

もちろん、ドコモ純正 SIM を使えば多くが解決するにしても月額5千円超ですから、サブデバイスではそれに見合うほど使い倒すわけでもないし…と思えば、手が出ません。

そんなわけで、私の場合は SIM ロックフリー iPad 2 で b-mobile U300 を使っていて、概ね昼間は 150〜200Kbps の低速状態で使っていますから

月額2千円台前半でフルスピードは魅力的だよなぁ…


という思いは、今も抱えています。

まぁ、安くて美味い、というのはモバイル通信でそうそうあり得ることではないんですけどね。一時的にお得だったとしても、そういうところへは人がどんどん流入して“価格なり”に均衡してしまうものですから。

iPad2_3G_18


SIM フリー版がイマイチな点(2):
データー通信 SIM ではバッテリー消費が早い



これは SIM ロックフリー版云々、iPad 云々というわけではなく、b-mobile などのデーター通信専用 SIM を組み合わせた場合の問題ですが、

データー通信専用 SIM では電波強度が取れず
3G 通信時・待機時のバッテリー消費が速くなる


ということがあります。

これは iPad 2 だけの問題ではなく、他の SIM ロックフリー機でデーター通信専用 SIM を使っていると発生することが多い問題です。Wi-Fi 通信状態では顕著に現れる問題ではありませんが、3G 通信・待機状態ではバッテリー消費がホントに激しくなります。

ソフトバンク版の SIM や他社 SIM でも通話可能な SIM だと、こういった問題は起きません。ただ、b-mobile でも通話可能な SIM というのは買い切りとかではなく契約が必要となりますので、気軽さ・お手軽さには欠けることになります。

ただ、iPad のバッテリーは巨大な分だけ、バッテリー消費が激しくても実用になるので、あまり気にならないといえば気になりませんが…ちょっと SIM ロックフリー版のメリットに対するマイナスではあります。

iPad2_3G_19


というわけで、SIMロックフリーの iPad 2 を使ってみて良かった理由と微妙な点を改めてまとめてみましたが、なんかもう、改めてまとめるほどのこともなかったような当然の理由ばかりになってしまいました(^_^;)

でもまぁ、こうして改めてまとめてみると

ソフトバンク版のコストパフォーマンスの良さを思えば
わざわざ日本だけ SIM ロックするのは解せない


と改めて感じます。

エリアや縛りの問題はあっても十分競争力のある料金体系を提示しているのですから、SIM ロックするのは必要以上にビビってるとか思えないですね。

安かろう悪かろう、と言ってはなんですけれど、iPhone もそうですが、インフラに不満がある分だけ安い、というのは別に悪いことではないと思うんですけどね。ドコモと同じ価格ならアホかと思いますが、そうではないですし、iPad の料金体系は本当に安いですからね。

まぁ、SIM ロックフリー版 iPad 2 を使っている私が言うことでもないですが(笑)



最後に、ソフトバンク版 iPhone 4 と SIM ロックフリー版 iPad 2 を2ヶ月使ってきての本音を一つ。

ソフトバンク版 iPhone と SIM ロックフリー版 iPad より
SIM ロックフリー版 iPhone とソフトバンク版 iPad の方が絶対良いはず…


と。使っていて「逆の方がいいわー」と何度思ったことか(^_^;)

なにせ、iPad にはテザリングの機能はありませんから SIM ロックフリー版 iPad 2 でエリアの広さの恩恵を受けるのは iPad だけ。逆に SIM ロックフリー版 iPhone ならテザリングで、他の機器が広いドコモエリアの恩恵を受けることも可能です。

「やっぱり、次の iPhone 5 は SIM ロックフリー版にするか…」という思いがまた強くなったのも事実ですが、

新しい iPhone が出てから SIM ロックフリー版を入手するまで
我慢できる自信が全くない…


ので、次も iPhone はやっぱりソフトバンク版になるのかなぁ、いややっぱり iPhone は iPad 以上に恩恵が大きい SIM ロックフリー版にすべきかな、と悩む日々です。

ちょこちょこと噂の出ている次の iPad に関しては、解像度が上がって速くなるくらいなら、別に発売日購入にこだわる気持ちは全くないので、また SIM ロックフリー版の値段が落ち着いた頃に買ってもいいかと思っています。

なにせ、初代 iPad では今ひとつ使い倒すことがなかったものの、激薄の iPad 2 になって持ち歩くようになり、SIM ロックフリー版 3G に買い換えたことで、

タブレットは、これでひとまず満足!


というところに来てしまいました。正直、もう iPad 3 の噂を聞いてもあまり気にならないくらい、この SIM ロックフリー版 iPad2 3G + Wi-Fi は気に入ってます。

使う SIM で色々良し悪しは出てくるものの、デバイスそのものは本当に満足できています。

日本通信 ZTE Light Tab V9用b-mobileSIM8ヶ月使い放題パッケージ BM-U300-8MLTB
日本通信 ZTE Light Tab V9用b-mobileSIM8ヶ月使い放題パッケージ BM-U300-8MLTB

(通常の U300 以上に制約はあるが月額2千円以下の安さ!そのままでは iPad 2で使えませんが…)