【前振り】記事を書いてから1週間近く寝かしていたら、本日(8/11)本製品のパクリ元の製品「Logitech iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」が国内販売される発表がありました(^_^;)。それとの比較は次回掲載しますが、ともあれ、まずはパクリ中華製品のレビューをどうぞ。【前振り終わり】
ある日、Akiba Hotline の記事を読んでいると、こんな記事が載ってました。
■ [新製品]Mobile bluetooth keyboard for iPad2 (2011年7月23日)
「おー、そういや、こんな製品あったなぁ。今度は中国製で5千円? それなら良さそう…」と思ったが、秋葉原ではすぐに買いにいけない(こういう記事を見るたびに東京へ戻りたくなる --;)。
しかし、「これ、eBay でも見たような…」と思って eBay で検索してみると、あった、あった。色々な値段で出ているが、$40 弱で Intl. Shipping Free という店があった。安い!円高のタイミングだったので 3千円強である。買った!
(普通の封筒にこの商品パッケージをそのまま入れて、封筒に糊付けされていた… ^^;)
注文から1週間で到着。eBay の評価レートは良かったものの、最安値かつ日本への送料無料ということだったので梱包その他には期待していなかったが、キーボードなのにクッション材なしで送られてきた(^_^;)
香港の業者で買うことは多いが、ここまで雑な梱包は初めてだったし、中身がキーボードゆえに壊れていても仕方ないなぁ…と思ったのだが、開梱して使ってみると問題なく動いた(評価レートが高いところは郵送事故などに対してきちんと対応してくれる業者が多いし、俺の拙い英文メールでも問題ないことが多いけどね)。
(使っている姿は完全にノートパソコン。デザインもマッチしている)
そして、実際に使い始めてみたわけですが…
ぶっちゃけ、実用は期待せずブログネタのつもりで買ったわけで、3千円なら話のネタと、そしてごく稀に使うくらいでも十分元が取れるだろうと思っていたのだけど、
となってしまった昨今です。私もまさかこういう展開とは…みたいな。
もちろん、3千円なりの製品なところはありますし、何より意味不明なまでにキー配置が右にシフトしている点など使いづらい点もあるのですが、とにかく
iPad と持ち歩くのに個人的に重要なこの2点を両立できる iPad 2 用キーボードは、このタイプしかない!わけで、まさに「これだ!」という感じで気に入りました。
そんなわけで最近は
となりつつあります。
さて、この「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」ですが、一般的な外付け Bluetooth キーボードや、何種類か出回っているキーボード一体型レザーケースよりも良い点として挙げられるのは、次の3点。
まずは1点目の「キーボード自体が iPad 2 のカバーになるので、別途キーボードを持ち歩く必要がない」という点。これは面倒臭がりな私には重要ですし、そういう人も多いと思います。
私自身、スマートフォンやタブレットデバイスが登場する以前からモバイル用 Bluetooth キーボードを使っていて(今は亡き Stowaway のモノは今でもお気に入り)、iPad も含めたこの手のデバイスで Bluetooth キーボードを使うことの便利さは重々承知しています。
しかし Bluetooth も含めて外付けキーボードを使うことの何が問題かと言えば、
わけです。面倒と言ってもいいし、一番相応しい言い方をすれば“スマートじゃない”とでも言えましょうか。
せっかく、ノートパソコンではなくタブレット1枚だけを持って出ているのに、そこに外付けのキーボードを持っていくのは(少なくとも私の観点では)スマートじゃない。たとえ、折り畳み式のコンパクトなキーボードだったとしても。
もはや定番と言っていい、リュウドの折り畳みキーボード RBK-2200BTi
(軽量コンパクトなので、これはこれで悪くないが…)
そして2点目の「iPad の自重でキーボード面が押さえられるので、比較的安定してタイプできる」という点もまた大切なポイントです。
上記リュード製品を始めとして、持ち運びに便利な折り畳み式キーボードは結構売れているようですが、決してタイプしやすいとは言えません。スクリーン上の仮想キーボードよりはマシだとしても、剛性がなくてタイプ時に微妙に揺れるため安定感に乏しく、タイプしていていささかストレスが溜まります。
反面、この手の製品(キーボード一体型レザーケースも含める)では折り畳み式キーボードのような不安定感はありません。キーピッチやキーの質感は「モバイル用だから…」と許せても、折り畳み式の不安定感はタイピング速度や文字脱字の数に直結するので、どうしても好きになれません(自分自身が長く使ってきたので実感している)。
「バトル&ゲット ポケモンタイピングDS」に付いているBTキーボードが意外と評判いい
(ゲームの付属品だがコンパクトで使い良く、ゲームと合わせて一石二鳥とか…)
かといって、折り畳みじゃないキーボードを持って行くなら、それはもう「なんでノートパソコン持って行かないの?」と思ってしまう。タブレット単独で使える柔軟性はあるにしても、私としては「わざわざ iPad を持って出てるのに…」と思えてしまいます。
そのあたりは、人それぞれの考え方、感じ方ですけど、どうにも面倒くさがりの私には、Bluetooth キーボードの便利さが判っていても、iPad とは別に持ちだす、というのが億劫になってしまいます。「それならいっそスクリーン上の仮想キーボードでいいや! iPad ならまだ何とかタイプできなくもないし…」と思ってしまう口です。
とはいえ、iPad のスクリーン仮想キーボードは4列キーボードで、数字キーの列がありません。これは結構ストレスなので、やはりちゃんとタイピング作業をするなら外付けキーボードが欲しいところです(設定で仮想キーボードを5列と切り替えできて欲しいが、ガイドラインが変わるから難しいかな…)
そこで出てくるのが、キーボード一体型レザーケースです。初代 iPad の純正レザーケースと同じように、iPad をケースに入れ込んで、蓋(カバー)の部分にキーボードがあるもの。キーボード面を蓋にするというのは、今回の製品と同じです。
このキーボード一体型レザーケースは中華製を中心に何種類も出回っていて値段も安価で、探せば3千円くらいから入手可能です。
しかし、この手のケースを使ってしまうと、iPad が完全にノートパソコンスタイル限定になってしまうのが難点です。iPad 単体だけを取り出して、タブレットスタイルで使うことが難しくなります。
もちろん、ケースから iPad を取り出せば済むのですが、それを毎回するのもどうかという気がします(個人的な意見ですけどね)。完全にノートパソコンスタイルで使うことになれば、それこそ「せっかくの iPad なのに…」となってしまいます。
私自身、このキーボード一体型レザーケースは何度も買う寸前まで行ったのですが、店頭で幾つかの製品を何度も試しても、「これは使わなくなりそうだ…」と思って、手を出せずにいました。
そうして、iPad 専用のキーボードになかなか手を出せずにいたところに、Akiba Hotline の記事をきっかけに入手したのが、この「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」でした。
iPad 2 のカバーになるので iPad 2 と一緒に持ち歩ける、iPad 2 単体利用も簡単、キーボードはチャチいけれど不安定感はない、という自分が「ここは譲れない」という3点を満たしていたので、本気で使っています。そして、iPad を国内販売前から使ってきて初めて「ノートパソコンの代わりにも使いたくなる」と思いましたね。
ま、欠点も少ないんですけどね(特にパクリ元の製品と比べると…)。
さて、そんなお気に入りの「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」ですが、良い点も悪い点もあります。まず良い点としては、
というところが挙げられます。独自だったり厄介だったりする点もなく、思ったよりずっと使える♪という印象です。
また、他の外付けキーボード、iOS デバイス向けのキーボードと共通する利点としては
という点があります。
(パッケージ中身。ペラ紙1枚のマニュアルと充電用の mini USB ケーブルが付属)
(スイッチは2つのみ。電源ボタンと、Bluetooth ペアリングのための Connect ボタン)
設定は、iPad の「設定」→「一般」→「Bluetooth」へ移動してから
キーボード付きケース側の Connect ボタンを押し、表示される認証数字を入れるだけ
(もちろん Bluetooth は ON にしておく必要がある)
カーソルキーや各種ショートカットキーが使えることについては、外付けキーボードなら当たり前の機能ですが、いずれにせよ、iPad の仮想キーボードにはカーソルキーがありませんから、テキスト入力時には「あぁ、やっぱりカーソルキーがあるのは便利だねぇ」と実感します。漢字変換の文節区切りを移動するのも楽ですからねぇ。
カット&ペーストもショートカットキーが使えると断然楽です。画面にタッチしてカーソル移動や移動系操作をするのは、キーボード・タイピングをしない状況を前提にしたユーザーインターフェースですからね。
のは、どの外付けキーボードでも同じです。
ただ、iOS デバイス専用の“機能キー”については、定番となっているリュウドの折り畳みキーボードのような iOS 向けではない汎用 Bluetooth キーボードでは備わっていませんが、少なくとも iPad / iPhone で使うなら、iOS 向け機能キーが備わってると間違いなく便利です。
特に
と言えます。外付けキーボードを使っていると、画面やホームボタンに触る機会はなるべく少ない方が快適です。ホームボタン2度押しでタスクバーを表示しての切り替えも、ホームボタン・キーがあるとないとでは使い勝手に差が出ます。
さて、ここからは
を記していきます。まずは、ざっと挙げてみます。
これらは本製品の欠点ですが、iPad に外付けキーボードを接続した際に共通する欠点としては、
などの欠点があります。もうちょっと外付けキーボードに配慮してくれよ、と思うところはありますが、iPad 自体が“キーボードなんて捨てろよ♪”という製品ですから、なかなか対応は難しいかもしれません(そういう意味では Android の方が見込みがあるかもしれませんが…)。
さて、この「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」で最も問題なのがキー配置が意味不明に右へシフトしていることです。以下の写真を見れば、一目瞭然。
自身のパソコンのキーボードと比較してもらえればわかると思いますが、スペースキーの位置に対して、その上の2〜4列目のキー配置が右にずれまくっています。およそ1文字半くらいはズレていると思います。
まぁとにかく、一番戸惑うのがこのズレです。
ので、最初は間違えまくりました。ただ、単純に右シフトしているだけなので、
ようにはなりました。少なくとも私自身としては何とか慣れられるレベルでした。致命的にダメなら糞味噌に書いてますが、そうじゃなく、愛用していますからね…
それにしても上記写真を見ればわかるように、ホント意味不明に左側の CAPS LOCK キーやタブキーが大きいのを見ると、ホント「どこのアホがこんなキー配置にしたんや!?」と文句の1つや2つ、いや100個くらいは言いたくなります。
おかげで Enter キーが妙に小さくなっていてタイプミスしやすいですしね…。個人的には CAPS LOCK が A キーの左にあるだけで嫌になるのに、デカデカと存在しているのを見ると、毎回イラッとします(^_^;)
ともあれ、
なのは間違いありません。
また、機能キーが揃っているのにインターナショナルキー(言語切り替えキー)がないのも不思議です。入力言語の切り替えは、コマンド+スペースキーで行うのは、MacOS を英語キーボードで使った時と同じなのですが、ワンタッチで切り替えられるインターナショナルキーは欲しかったところ。
というか、ここまで機能キーがあるなら何故無い?という感じで、最初は色々と探してしまいました。ってか、最上段の右側に、取ってつけたように、+−*の3つのキーを配置するくらいなら、インターナショナルキーを付けておけよ、と…
このキーボードで唯一評価できるのは、カーソルキーが逆T字型に配置されていることですね。これだけは良いです。コンパクトキーボードでは逆L字型の配置も見かけますが、好きになれません。
キーボードとは反対側の底面。滑り止めも何もなく、弁当箱の蓋である。
蓋を閉めて、これを置いとくと全く iPad には見えない(良くも悪くもダサい ^^;)
キーボード面の一辺に、iPad 2 を入れて閉じる時のためのエッジがある。
手前に3箇所黒いモノは、iPad の液晶面が直接キーボードなどに当たらないための緩衝材らしい。
収納時には、エッジの内側に iPad 2 を差し込む形で閉じていく。
ぴったりハマり込むようになっている。
iPad 2 を本製品にハメ込んで閉じた状態。
見てわかるように背面ケースは装着不可である。
ぴったりハマってるので簡単には抜けないが、落下防止があるわけでもない。
閉じた状態でも Dock コネクタは問題なくアクセス可能
厚みも iPad 本体の2倍程度
キーボード製品ですから、やはりキーボードについては厳しくなってしまいますし、その点については満足できるとは言い難いですが、それでもこの「蓋」として使える利便性は、なかなかのものだと思います。
最初の写真でも見せたように、本製品を使ってノートパソコンスタイルにしている姿はもう完全に小型ノート PC ですし、使い勝手もかなり似た感じになります。
キーボード部の奥側に iPad 2 を立てるための溝と、引っ掛けるための爪がある。
まだ傷は付いていないが、必ずしもきちんと保護が考えられてるわけではないので
絶対に傷つけたくない人には向かない。
iPad 2 を立てたところを背後から。
背もたれがないので心配ではあるが、横置きで使っている限り大丈夫。
さて、この製品を見て「あれ?これは初代 iPad の時からアメリカでは売られている製品では…」と思った人もいると思います。そう、ZAGG から発売され、今では米 Logitech から発売されている「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」のパクリです。
LOGICOOL キーボードケース For iPad TK700
(Amazonで6千円台。この価格なら断然国内正規品を!)
と書いておいて、この記事を投稿するのにしばらく放置していたら(使い込んでから掲載予定だった)、本日(2011年8月11日)国内でも「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」が発売されるという発表がありました。
う〜ん、なんと間の悪いこと…先日、ケースとキーボードが分離されたタイプの「Logicool Tablet Keyboard For iPad TK600」が発表されて、なんで ZAGG の方を発売しないんだよ!と思っていましたが、すぐに発売となったようで…
というわけで、元々次の記事で「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」と、この中華パクリ製品の比較をする予定だったのですが、日本でも今月末に発売となったようですので、ちゃんと比較した記事を載せたいと思います。
というか、こんな中華パクリより「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」マジおすすめですから X-)
P.S. 本記事は、写真挿入などの一部処理を除き、本製品と iPad の組み合わせで執筆しました。また、一部写真は iPhone 4 で撮影し、Dropbox 経由で iPad 上のレタッチアプリで編集してアップロードしています。
続編記事→ ■ 「ロジクール キーボードケース For iPad2」TK700 国内販売開始(+中華製パクリとの比較)
【追記】記事初出時に、製品の充電用コネクタを micro USB と記述していましたが、mini USB の誤りでした。
【追記2】サンコーレアモノショップで取り扱ってる「キーボード内蔵アルミケース for iPad2」という商品も本製品と同じと思われます。これに 5,980円出すなら、断然本家ロジクール TK800 をお勧めします。
ある日、Akiba Hotline の記事を読んでいると、こんな記事が載ってました。
■ [新製品]Mobile bluetooth keyboard for iPad2 (2011年7月23日)
「おー、そういや、こんな製品あったなぁ。今度は中国製で5千円? それなら良さそう…」と思ったが、秋葉原ではすぐに買いにいけない(こういう記事を見るたびに東京へ戻りたくなる --;)。
しかし、「これ、eBay でも見たような…」と思って eBay で検索してみると、あった、あった。色々な値段で出ているが、$40 弱で Intl. Shipping Free という店があった。安い!円高のタイミングだったので 3千円強である。買った!
(普通の封筒にこの商品パッケージをそのまま入れて、封筒に糊付けされていた… ^^;)
注文から1週間で到着。eBay の評価レートは良かったものの、最安値かつ日本への送料無料ということだったので梱包その他には期待していなかったが、キーボードなのにクッション材なしで送られてきた(^_^;)
香港の業者で買うことは多いが、ここまで雑な梱包は初めてだったし、中身がキーボードゆえに壊れていても仕方ないなぁ…と思ったのだが、開梱して使ってみると問題なく動いた(評価レートが高いところは郵送事故などに対してきちんと対応してくれる業者が多いし、俺の拙い英文メールでも問題ないことが多いけどね)。
(使っている姿は完全にノートパソコン。デザインもマッチしている)
そして、実際に使い始めてみたわけですが…
ぶっちゃけ、実用は期待せずブログネタのつもりで買ったわけで、3千円なら話のネタと、そしてごく稀に使うくらいでも十分元が取れるだろうと思っていたのだけど、
予想外に使える!ってか、ちょっと良いかも…
笑い話のネタとして買ったのに、意外にも気に入ったわ〜
笑い話のネタとして買ったのに、意外にも気に入ったわ〜
となってしまった昨今です。私もまさかこういう展開とは…みたいな。
もちろん、3千円なりの製品なところはありますし、何より意味不明なまでにキー配置が右にシフトしている点など使いづらい点もあるのですが、とにかく
iPad 2 本体と別にキーボードを持ち歩かずに済む上に
iPad 2 単体として使うことも普段からできる
iPad 2 単体として使うことも普段からできる
iPad と持ち歩くのに個人的に重要なこの2点を両立できる iPad 2 用キーボードは、このタイプしかない!わけで、まさに「これだ!」という感じで気に入りました。
そんなわけで最近は
- MacBook Air と一緒に持って出るなら、従来通り Smart Cover を装着
- iPad 2 だけ持って出る時で、出先でタイプするかも?なら、このキーボード付きの「蓋」を装着
となりつつあります。
さて、この「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」ですが、一般的な外付け Bluetooth キーボードや、何種類か出回っているキーボード一体型レザーケースよりも良い点として挙げられるのは、次の3点。
- iPad 2 のカバー(というよりは蓋)になるので、iPad 2 本体とは別にキーボードを持ち歩く必要がない。
- iPadの自重でキーボード面が押さえられるので、比較的安定している。折り畳み式のようにタイプ時に微妙に揺れたりしない。
- キーボード一体型ケースのように iPad 2 をケースに入れ込んでしまうわけではないので、iPad 2 単体での利用が普通にできる。
まずは1点目の「キーボード自体が iPad 2 のカバーになるので、別途キーボードを持ち歩く必要がない」という点。これは面倒臭がりな私には重要ですし、そういう人も多いと思います。
私自身、スマートフォンやタブレットデバイスが登場する以前からモバイル用 Bluetooth キーボードを使っていて(今は亡き Stowaway のモノは今でもお気に入り)、iPad も含めたこの手のデバイスで Bluetooth キーボードを使うことの便利さは重々承知しています。
しかし Bluetooth も含めて外付けキーボードを使うことの何が問題かと言えば、
本体とは別に「何か」を持っていくことが煩わしかった
わけです。面倒と言ってもいいし、一番相応しい言い方をすれば“スマートじゃない”とでも言えましょうか。
せっかく、ノートパソコンではなくタブレット1枚だけを持って出ているのに、そこに外付けのキーボードを持っていくのは(少なくとも私の観点では)スマートじゃない。たとえ、折り畳み式のコンパクトなキーボードだったとしても。
もはや定番と言っていい、リュウドの折り畳みキーボード RBK-2200BTi
(軽量コンパクトなので、これはこれで悪くないが…)
そして2点目の「iPad の自重でキーボード面が押さえられるので、比較的安定してタイプできる」という点もまた大切なポイントです。
上記リュード製品を始めとして、持ち運びに便利な折り畳み式キーボードは結構売れているようですが、決してタイプしやすいとは言えません。スクリーン上の仮想キーボードよりはマシだとしても、剛性がなくてタイプ時に微妙に揺れるため安定感に乏しく、タイプしていていささかストレスが溜まります。
反面、この手の製品(キーボード一体型レザーケースも含める)では折り畳み式キーボードのような不安定感はありません。キーピッチやキーの質感は「モバイル用だから…」と許せても、折り畳み式の不安定感はタイピング速度や文字脱字の数に直結するので、どうしても好きになれません(自分自身が長く使ってきたので実感している)。
「バトル&ゲット ポケモンタイピングDS」に付いているBTキーボードが意外と評判いい
(ゲームの付属品だがコンパクトで使い良く、ゲームと合わせて一石二鳥とか…)
かといって、折り畳みじゃないキーボードを持って行くなら、それはもう「なんでノートパソコン持って行かないの?」と思ってしまう。タブレット単独で使える柔軟性はあるにしても、私としては「わざわざ iPad を持って出てるのに…」と思えてしまいます。
そのあたりは、人それぞれの考え方、感じ方ですけど、どうにも面倒くさがりの私には、Bluetooth キーボードの便利さが判っていても、iPad とは別に持ちだす、というのが億劫になってしまいます。「それならいっそスクリーン上の仮想キーボードでいいや! iPad ならまだ何とかタイプできなくもないし…」と思ってしまう口です。
とはいえ、iPad のスクリーン仮想キーボードは4列キーボードで、数字キーの列がありません。これは結構ストレスなので、やはりちゃんとタイピング作業をするなら外付けキーボードが欲しいところです(設定で仮想キーボードを5列と切り替えできて欲しいが、ガイドラインが変わるから難しいかな…)
そこで出てくるのが、キーボード一体型レザーケースです。初代 iPad の純正レザーケースと同じように、iPad をケースに入れ込んで、蓋(カバー)の部分にキーボードがあるもの。キーボード面を蓋にするというのは、今回の製品と同じです。
このキーボード一体型レザーケースは中華製を中心に何種類も出回っていて値段も安価で、探せば3千円くらいから入手可能です。
しかし、この手のケースを使ってしまうと、iPad が完全にノートパソコンスタイル限定になってしまうのが難点です。iPad 単体だけを取り出して、タブレットスタイルで使うことが難しくなります。
もちろん、ケースから iPad を取り出せば済むのですが、それを毎回するのもどうかという気がします(個人的な意見ですけどね)。完全にノートパソコンスタイルで使うことになれば、それこそ「せっかくの iPad なのに…」となってしまいます。
私自身、このキーボード一体型レザーケースは何度も買う寸前まで行ったのですが、店頭で幾つかの製品を何度も試しても、「これは使わなくなりそうだ…」と思って、手を出せずにいました。
そうして、iPad 専用のキーボードになかなか手を出せずにいたところに、Akiba Hotline の記事をきっかけに入手したのが、この「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」でした。
iPad 2 のカバーになるので iPad 2 と一緒に持ち歩ける、iPad 2 単体利用も簡単、キーボードはチャチいけれど不安定感はない、という自分が「ここは譲れない」という3点を満たしていたので、本気で使っています。そして、iPad を国内販売前から使ってきて初めて「ノートパソコンの代わりにも使いたくなる」と思いましたね。
ま、欠点も少ないんですけどね(特にパクリ元の製品と比べると…)。
さて、そんなお気に入りの「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」ですが、良い点も悪い点もあります。まず良い点としては、
- 中華製だけあって(パクリだけど)安い(私は3千円強だったが、5千円出せば余裕で買える)
- 安物だけど、デザイン的に iPad や Apple デザインに沿った雰囲気しようというのが感じられ、見た目に違和感がない。
(よくある安物レザーケース一体型のキーボード付きケースよりずっとマシ) - Smart Cover 同様の、カバーの開閉によるスリープ・解除に対応している。
- Bluetooth のペアリングも素直、充電も特殊な端子ではなく mini USB、未使用 15分で自動スリープと、必要十分かつ素直な作りで使い勝手がよい。
- 分厚くなることはなるけれど、厚みが2倍以下だし、キーボード付きでこれくらいなら…と許せるレベル(と私は思う)
【追記】重量は実測 297g でした。
というところが挙げられます。独自だったり厄介だったりする点もなく、思ったよりずっと使える♪という印象です。
また、他の外付けキーボード、iOS デバイス向けのキーボードと共通する利点としては
- iPad, iPhone 向けの機能キー(ホームボタン、液晶照度調整、ボリューム調整その他)があるので、非常に便利!
- カーソルキーが上三角形状に配置され、テキストエリアや漢字変換時にカーソルキーが機能するのは、心底便利すぎ!
- Command + Z/X/C/V/A や Control + A/E/K/J などの各種ショートカットキーが機能するのも便利!
という点があります。
(パッケージ中身。ペラ紙1枚のマニュアルと充電用の mini USB ケーブルが付属)
(スイッチは2つのみ。電源ボタンと、Bluetooth ペアリングのための Connect ボタン)
設定は、iPad の「設定」→「一般」→「Bluetooth」へ移動してから
キーボード付きケース側の Connect ボタンを押し、表示される認証数字を入れるだけ
(もちろん Bluetooth は ON にしておく必要がある)
カーソルキーや各種ショートカットキーが使えることについては、外付けキーボードなら当たり前の機能ですが、いずれにせよ、iPad の仮想キーボードにはカーソルキーがありませんから、テキスト入力時には「あぁ、やっぱりカーソルキーがあるのは便利だねぇ」と実感します。漢字変換の文節区切りを移動するのも楽ですからねぇ。
カット&ペーストもショートカットキーが使えると断然楽です。画面にタッチしてカーソル移動や移動系操作をするのは、キーボード・タイピングをしない状況を前提にしたユーザーインターフェースですからね。
外付けキーボードを使うと、タイピングに関する使い勝手は大きく改善される
のは、どの外付けキーボードでも同じです。
ただ、iOS デバイス専用の“機能キー”については、定番となっているリュウドの折り畳みキーボードのような iOS 向けではない汎用 Bluetooth キーボードでは備わっていませんが、少なくとも iPad / iPhone で使うなら、iOS 向け機能キーが備わってると間違いなく便利です。
特に
ホームボタン代用キーが備わっているのは、非常に便利
と言えます。外付けキーボードを使っていると、画面やホームボタンに触る機会はなるべく少ない方が快適です。ホームボタン2度押しでタスクバーを表示しての切り替えも、ホームボタン・キーがあるとないとでは使い勝手に差が出ます。
☆
さて、ここからは
絶賛気味で、お気に入りと言いつつも、少なくない欠点
を記していきます。まずは、ざっと挙げてみます。
- とにかく肝心要の2〜4列目が意味不明に右シフトしていて、手を置く位置をズラさないと、まともにタイプできない。なのに、スペースキーが通常位置にあるから、たちが悪い。(後述の写真参照)
- キーが右シフトしている上に、左側の Caps Lock、シフトキーなどが大きいくせして、右の Enterキー、シフトキーが異常に小さい。
(英語キーボードなので、日本語キーボードに慣れている人は Enter キーが2段じゃないのも嫌でしょう) - Command キーが小さい。左右とも小さい。スペースキーは大きくしろ派の私も、これならスペースキーをもう少し小さくしても、特に左側 Command キーは大きくして欲しかった。
- 通常のキーボードの ESC キーの位置が機能キーでホームボタンに相当するものになっているので、よく間違えてアプリ終了させてしまう。
- たまにBluetooth が一瞬切れて反応がなくなる。その直後に仮想キーボードが出て、すぐに元に戻るが、ちょくちょくあるのが鬱陶しい。
(iPad、キーボードのどちらが悪いかは不明) - キーボード付きのケースで蓋をする形になるので、背面側に保護ケースを嵌めていると 100% 使えない。
(私は保護ケースを付けて厚くなるのが嫌なので背面側は裸で使っているが、気になるなら背面側の保護シートを貼るしかない) - 底面側に滑り止めがないので、置く机の材質によっては滑りやすくなるので、タイプする時に固定度が足りないかもしれない。
- というか、底面側は全くデザインもクソもないので、完全に弁当箱の底である(>_<)
- 機能キーが揃っているのに、インターナショナルキーだけがないのは不便…
(インターナショナルキーがある製品と、ない製品がありますけどね) - Aキーの左は Control キーだろ…Caps Lock にしているキーボードは世の中から消えて欲しい
これらは本製品の欠点ですが、iPad に外付けキーボードを接続した際に共通する欠点としては、
- 漢字変換の候補一覧が出てから候補選択していく時には、左右のカーソルキーしか使えない。大量の候補がある時にキーボードだけで選択するのは面倒。
(カーソル上下キーは候補一覧のページ切り替えとなるはずだが、うまく機能しない) - 当たり前だが、漢字変換は同じままなので、それなり。タブキーの扱いなどキーボードでのタイピングとは合わない部分もある。
- パソコンと違って、キーボードがあってもスペースキーでブラウザがスクロールしてくれない。矢印キーでも同じ。液晶にタッチして指でスクロールしなければならない(残念すぎる…)
などの欠点があります。もうちょっと外付けキーボードに配慮してくれよ、と思うところはありますが、iPad 自体が“キーボードなんて捨てろよ♪”という製品ですから、なかなか対応は難しいかもしれません(そういう意味では Android の方が見込みがあるかもしれませんが…)。
さて、この「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」で最も問題なのがキー配置が意味不明に右へシフトしていることです。以下の写真を見れば、一目瞭然。
自身のパソコンのキーボードと比較してもらえればわかると思いますが、スペースキーの位置に対して、その上の2〜4列目のキー配置が右にずれまくっています。およそ1文字半くらいはズレていると思います。
まぁとにかく、一番戸惑うのがこのズレです。
一般的なキーボードに対する手の置き方だと、まともにタイプできない
ので、最初は間違えまくりました。ただ、単純に右シフトしているだけなので、
手を置く時に、右へ意識して置くことで、それなりにタイプできる
ようにはなりました。少なくとも私自身としては何とか慣れられるレベルでした。致命的にダメなら糞味噌に書いてますが、そうじゃなく、愛用していますからね…
それにしても上記写真を見ればわかるように、ホント意味不明に左側の CAPS LOCK キーやタブキーが大きいのを見ると、ホント「どこのアホがこんなキー配置にしたんや!?」と文句の1つや2つ、いや100個くらいは言いたくなります。
おかげで Enter キーが妙に小さくなっていてタイプミスしやすいですしね…。個人的には CAPS LOCK が A キーの左にあるだけで嫌になるのに、デカデカと存在しているのを見ると、毎回イラッとします(^_^;)
ともあれ、
右にキー配列が寄っていることは、この製品最大の欠陥
なのは間違いありません。
また、機能キーが揃っているのにインターナショナルキー(言語切り替えキー)がないのも不思議です。入力言語の切り替えは、コマンド+スペースキーで行うのは、MacOS を英語キーボードで使った時と同じなのですが、ワンタッチで切り替えられるインターナショナルキーは欲しかったところ。
というか、ここまで機能キーがあるなら何故無い?という感じで、最初は色々と探してしまいました。ってか、最上段の右側に、取ってつけたように、+−*の3つのキーを配置するくらいなら、インターナショナルキーを付けておけよ、と…
このキーボードで唯一評価できるのは、カーソルキーが逆T字型に配置されていることですね。これだけは良いです。コンパクトキーボードでは逆L字型の配置も見かけますが、好きになれません。
キーボードとは反対側の底面。滑り止めも何もなく、弁当箱の蓋である。
蓋を閉めて、これを置いとくと全く iPad には見えない(良くも悪くもダサい ^^;)
キーボード面の一辺に、iPad 2 を入れて閉じる時のためのエッジがある。
手前に3箇所黒いモノは、iPad の液晶面が直接キーボードなどに当たらないための緩衝材らしい。
収納時には、エッジの内側に iPad 2 を差し込む形で閉じていく。
ぴったりハマり込むようになっている。
iPad 2 を本製品にハメ込んで閉じた状態。
見てわかるように背面ケースは装着不可である。
ぴったりハマってるので簡単には抜けないが、落下防止があるわけでもない。
閉じた状態でも Dock コネクタは問題なくアクセス可能
厚みも iPad 本体の2倍程度
キーボード製品ですから、やはりキーボードについては厳しくなってしまいますし、その点については満足できるとは言い難いですが、それでもこの「蓋」として使える利便性は、なかなかのものだと思います。
最初の写真でも見せたように、本製品を使ってノートパソコンスタイルにしている姿はもう完全に小型ノート PC ですし、使い勝手もかなり似た感じになります。
キーボード部の奥側に iPad 2 を立てるための溝と、引っ掛けるための爪がある。
まだ傷は付いていないが、必ずしもきちんと保護が考えられてるわけではないので
絶対に傷つけたくない人には向かない。
iPad 2 を立てたところを背後から。
背もたれがないので心配ではあるが、横置きで使っている限り大丈夫。
さて、この製品を見て「あれ?これは初代 iPad の時からアメリカでは売られている製品では…」と思った人もいると思います。そう、ZAGG から発売され、今では米 Logitech から発売されている「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」のパクリです。
LOGICOOL キーボードケース For iPad TK700
(Amazonで6千円台。この価格なら断然国内正規品を!)
と書いておいて、この記事を投稿するのにしばらく放置していたら(使い込んでから掲載予定だった)、本日(2011年8月11日)国内でも「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」が発売されるという発表がありました。
う〜ん、なんと間の悪いこと…先日、ケースとキーボードが分離されたタイプの「Logicool Tablet Keyboard For iPad TK600」が発表されて、なんで ZAGG の方を発売しないんだよ!と思っていましたが、すぐに発売となったようで…
というわけで、元々次の記事で「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」と、この中華パクリ製品の比較をする予定だったのですが、日本でも今月末に発売となったようですので、ちゃんと比較した記事を載せたいと思います。
というか、こんな中華パクリより「iPad 2 Keyboard Case by ZAGG」マジおすすめですから X-)
P.S. 本記事は、写真挿入などの一部処理を除き、本製品と iPad の組み合わせで執筆しました。また、一部写真は iPhone 4 で撮影し、Dropbox 経由で iPad 上のレタッチアプリで編集してアップロードしています。
続編記事→ ■ 「ロジクール キーボードケース For iPad2」TK700 国内販売開始(+中華製パクリとの比較)
【追記】記事初出時に、製品の充電用コネクタを micro USB と記述していましたが、mini USB の誤りでした。
【追記2】サンコーレアモノショップで取り扱ってる「キーボード内蔵アルミケース for iPad2」という商品も本製品と同じと思われます。これに 5,980円出すなら、断然本家ロジクール TK800 をお勧めします。