【追記】Maximizer でのアプリケーション動作事例などを追加しました。

こことか、こことかで既に紹介されている SIMBL 機能拡張プラグイン「Maximizer」を少し試してみましたので、具体的にどういった利点・副作用があるのかを含めて、ちょっと紹介します。

この「Maximizer」というのは

MacOS X 10.7 (Lion) のフルスクリーン機能に未対応アプリでも
(条件が整えば)強制的にフルスクリーン対応にするソフト


というものです。

先日の新 MacBook Air 初期インプレ記事でも書いたように、Lion の目玉機能の一つ、フルスクリーン機能は MacBook Air などノートパソコンにピッタリな機能であるものの、現状はフルスクリーン対応アプリが少なく、Apple 純正ソフトくらい。

となると、この「フルスクリーン未対応アプリでも、できるかぎり対応させてやるぜ!」な Maximizer は非常に魅力的です。

ただし、これは SIMBL と一緒に使う機能拡張ソフトですので、システムを動的に書き換えて目的を達成するという、それなりに強引なモノですし、当然リスクもそれなりにあります。ので、試す場合は所謂一つの自己責任というヤツになります。もちろん、私もこの記事を読んだことに依る一切に関知しません。

とまぁ、お約束を書いたところで、SIMBL と Maximizer をインストールして試した結果を簡単に紹介します。なお、記事執筆時のバージョンは 1.0beta2 で、内容もそのバージョンで試した結果を元にしています。

最初に示したネタ元ブログにも書かれていますが、まずは判りやすい?ところで、Google Chrome。使っている人は知っていると思いますが、Chrome 本体にも画面最大化機能がありますが、Lion のフルスクリーンとは全く異なり、使い勝手も雲泥の差です。

文章で書くよりスクリーンキャプチャを見てもらった方が早いでしょう。

Maximizer01_Chrome1


今はまだフルスクリーン機能未対応の Google Chrome を Lion で起動したところ。Maximizer を入れていない状態にも関わらず、ウィンドウ右上にフルスクリーン化のアイコンがあります(なんで?)。

ともあれ、そのフルスクリーン化アイコンをクリックしてみます(もしくは本来の最大化コマンドである Command + Shift + F)。

Maximizer02_Chrome2


Maximizer を入れていない状態での Chrome 最大化状態。Lion 以前や Windows 機と全く同じ状態。画面を一番広くブラウジングに使える状態です。

一見 Lion のフルスクリーン機能と同じように見えますが…

Maximizer03_Chrome3


マウスカーソルを最上部へ持っていってメニューを表示させると、本来フルスクリーン対応アプリにある“メニューバー右端のフルスクリーン解除ボタン”がありません。

ま、この状態でもショートカットキー(Command + Shift + F)でフルスクリーン解除はできるので、特に致命的ではありませんが、Lion がシステムで対応しているのとは違うことを示す一点です。

また、それよりも大きな差異として、

Maximizer04_Chrome4NotSwipe


Google Chrome を画面最大化した状態で他のアプリケーションに切り替えた状態。他のアプリケーションが Chrome のウィンドウの前に出てきています。

これは今までからすると、ごく当たり前の仕様ですが、Lion のフルスクリーン機能では「1画面1ウィンドウ」ですので、こういった“ウィンドウが重なる”ということがありません。また、スワイプでのアプリケーション切り替えもできません。

ということで、次に Maximizer を入れてみます

Maximizer05_Chrome5


Maximizer を入れた状態で、Google Chrome を Lion で起動したところですが、この時点では Maximizer を入れていない時と全く変わりません。

しかし、ウィンドウ右上にフルスクリーン化のアイコンをクリックすると…

Maximizer06_Chrome6


Maximizer を入れた状態での Chrome 最大化状態。先ほどの Maximizer を入れていない状態での Chrome 最大化と比べると、タブバーやアドレスバーが表示されており「全然画面最大化になってないじゃん!」という感じです。

が、Lion のシステム的なフルスクリーン機能でサポートされるのはここまでで、この先の画面最大化はアプリケーション側でどうぞ、ということなのでしょう。実際、Chrome の Lion サポートは現在どう最適化するか議論されているようです。

さて、これだけでは「Chrome 本体の画面最適化の方が広くて便利じゃね?」と思えてしまうのですが、Maximizer による Lion のフルスクリーン機能を強制的に使っているだけあって、使い勝手はこちらの方が上です。

Maximizer07_Chrome7


Maximizer を使った場合は、マウスカーソルをメニューバーへ持って行くと、メニューバー右端にフルスクリーン機能を解除するボタンがちゃんと現れています。

そして何よりも…

Maximizer08_Chrome8Swipe


3本指スワイプでフルスクリーン・アプリケーションの切り替えをしていくことが可能です。もちろん、Mission Control でも素早く切り替えられます。

このあたりは「システムの流儀に沿った使い方」ができるので、フルスクリーン化した時に Chrome 本体の画面最大化より広くなり切らないとはいえ、使い勝手に大きな差があるので、私は Maximizer を入れた方が良いと感じています。

なお、「Maximizer を入れて Lion のフルスクリーン機能を使った上で、Chrome の画面最大化機能を使えば一番良いんじゃね?」と思ったのですが、それを実行すると

Maximizer24_Chrome10


確かに画面最大化にはなるのですが、マウスカーソルを上部へ持っていってもメニューバーが出なくなって空白だけがプルダウンされるような状況になってしまいます。色々バッティングしているのでしょう。

もちろん、ここから Chrome の画面最大化を解除すれば普通に使えるようになりますが、そこまですることもないだろうとは思います。



ということで、現状フルスクリーン未対応のアプリだと、アプリ側で画面最大化機能を持っていても Lion のフルスクリーン機能とは違いがあり、使い勝手に差があることを示しましたが、Maximizer で他のアプリがどうなるか?をいかに示します。

まずは、もう一つのブラウザの雄「Firefox」。

Maximizer10_Firefox1

Maximizer11_Firefox2


Firefox も、Chrome を Maximizer を使った場合と同じような使い勝手。いい感じ。

Maximizer12_Evernote
(Evernote)

Maximizer13_Cyberduck
(Cyberduck)

Maximizer14_Ever2CyberSwipe
(Cyberduck からスワイプで Evernote に切り替え中)


Cyberduck はともかく、Evernote をフルスクリーンで置いておけるのは便利かもしれません。対応が比較的速い Evernote のことですから、遠くないうちに Lion のフルスクリーン機能に対応してくれるとは思いますが、Maximizer で今すぐに使えるのは良いですね。


お次は、統合開発環境の Titanium Studio(旧 Aptana)。

Maximizer15_TiStudio1

Maximizer16_TiStudio2


統合開発環境ゆえに色々なウィンドウ・タブが内在しているだけあって画面解像度への要求は厳しく、1366x768 pixels という11インチ MacBook Air では若干辛いものがありますが、Maximizer でフルスクリーン機能を使うことで、ほんの少しでも広くなります。

ただし、後者のスクリーンキャプチャを見ても判るように、メニューバーの内容が消えて残ってしまっています。このあたりが Maximizer で強制対応かけただけで、きちんと対応していない弱みと言えます。

Titanium Studio もフルスクリーン機能に対応して欲しいとは思いますが、Eclipse ベース(Java ベース)なこともあってあまり期待できないので、その点だけでも Maximizer はこの先も必要かな…なんて思ったりします。

【9/26 追記】コメントで Eclipse / Titanium Studio の Miximizer 対応プラグインがあることを教えて頂きました。

→ ■ OS X Lion で Eclipse 3.7 をフルスクリーンで使う - It’ll be

ありがとうございます!【追記おわり】

また、Maximizer でフルスクリーン強制対応できるアプリは限られるわけで、ベースが少々古いアプリは使えません(いわゆる Cocoa アプリは対応可能だが、Carbon アプリは不可)。

一世代前の Photoshop である Photoshop CS4 だと、

Maximizer17_PhotoshopCS4


Maximizer を入れても、どこにもフルスクリーン化ボタンは出てきません。

Maximizer18_BridgeCS4


Adobe Bridge CS4 でも同じです。CS5 にはアップグレードしていないので、CS5 でどうなるかは判りませんが、完全にサポートしてくれるとしても Adobe のことですから CS6 になるのだろうなぁ…と思っています。

11インチ MacBook Air みたいな画面が狭いマシンで Photoshop がフルスクリーン機能を付けてくれると、かなり助かるのですが…


また、Maximizer を入れてフルスクリーン化ボタンが出てくるアプリでも、フルスクリーンすると問題が発生するアプリはあります。

例えば、プログラマー向けのエディタ「Textmate」。

Maximizer19_Textmate1
(この状態からフルスクリーンボタンを押すと…)

Maximizer20_Textmate2


Textmate の場合、フルスクリーン化するとプロジェクト・ドロワーが消えてしまいます。ドロワーを使わない作業なら問題ないと思いますが、多くの場合はそうでもないと思うので、これはちょっと使えないなぁ…という感じですね。

先の Titanium Studio でもそうですが、コーディング作業とかでは少しでも画面は広い方が良いのですが…


そして、最後に

現バージョンの Maximizer を使う上での最大の問題点は、メール


システム標準のメールアプリは元々フルスクリーン機能に対応しています。新しいレイアウトは賛否両論ですが、個人的にはワイド画面主流になっているので、iPad の横画面と同じようなレイアウトは理にかなっていると思っています(ただし3分割で使っています)。

ともあれ、最初からフルスクリーンに対応しているメールですが、

Maximizer を入れた状態でメールをフルスクリーン化すると
メール作成画面でボタン類が出てこなくなる


という問題があります。

Maximizer21_Mail1
(Maximizer を入れずにフルスクリーン化した場合のメール作成画面)

Maximizer22_Mail2
(Maximizer を入れてフルスクリーン化した場合のメール作成画面)


上記画面のように、メール作成画面の最上部のボタン群がなくなってしまう不具合が出てしまいます。

ただ、メールをフルスクリーン化して使わなければ Maximizer を入れてあっても問題ないので、どこに優先順位を置くかで、Maximizer を使うか否かを決めることになります。

というか、ここでは判りやすいメールソフトでの不具合を示しましたが、Maximizer

Maximizer を使うことで色々と問題が出る可能性はある


ことは重々考えて使うなり、使わないなりを決めた方が良いと思います。

なお、Maximizer および SIMBL のインストール方法に関しては、最初に示したネタ元ブログに書かれていますので、ここでは割愛します。

Lionのフルスクリーンアプリケーション未対応のアプリもフルスクリーンにできちゃうSIMBLプラグイン『Maximizer』

Maximizer23_MissionControl
(フルスクリーンアプリと、そうでないアプリが混在した Mission Control)


さて私の場合は、

MacBook Air には、できるだけフルスクリーン機能が欲しい!


と思っているので、致命的な問題が発生しない限り or 使っているソフトの大変がフルスクリーン対応になるまでは Maximizer のお世話になると思います。

何度も書いていますが、

画面解像度の限られているノートパソコンに
フルスクリーン機能と Mission Control はベストマッチ


ですからね。デスクトップ機では使わないと思いますが、MacBook Air では愛用していくと思います。

また、バージョンアップや他のソフトで不具合その他があれば、追記していくことにします。


【7/25夜 追記】Maximizer を使って強制フルスクリーン対応にした場合は、アプリ起動時に前回フルスクリーン化していたことを記憶していてフルスクリーンに戻す機能はありません。この点は、ネイティブでフルスクリーン対応されたアプリと挙動が異なります。念のため。

それから、アプリケーション動作例をいくつか追加しておきます。

◯ OpenOffice.org

Maximizer25_OpenOffice1

Maximizer26_OpenOffice2


上記は表計算での例ですが、ワープロその他の機能でも試してみましたが、特に問題はなさそうでした。Maximizer でそれなりに上手く強制フルスクリーン化できる例だと思います。

ただし、前述の例でもあったように、メニューバー部分が(文字だけ消えて)残ってしまっています。Maximizer で強制フルスクリーン化した場合には、こうなってしまう場合が多いようです。


◯ VLC

Maximizer27_VLC1


VLC の場合、それぞれのウィンドウ右上にフルスクリーン化のボタンが表示されるようになり、それぞれ単独に強制フルスクリーン化できます。

Maximizer28_VLC2


プレイリスト部分もフルスクリーン化できます。よほど大量のプレイリストを使うとかでなければ使わないと思いますが…(Mac の場合そういう時は iTunes を使うことが多いでしょうしね)。

Maximizer29_VLC3


プレイヤー部分をフルスクリーン化したところ。一見、上手く行ってるように見えますが、実は一番下のボタンや再生バーの部分が半分以上隠れてしまっています。

Maximizer30_VLC4


VLC 本体の画面最大化機能を利用すると、ボタンや再生バーはオーバービューされますので問題ありません。VLC をフルスクリーンで見る場合は、他のアプリと頻繁に切り替えするようなことはないでしょうから、Chrome の時と違って VLC の画面最大化機能を使う方が便利でしょう。


◯ Cot Editor

Maximizer31_CotEditor1

Maximizer32_CotEditor2


これも Maximizer で強制フルスクリーン化は可能ですが、メニューバーやツールバーの部分の背景色がおかしなことになってしまいます。気にしなければ普通に使えますが…

Maximizer33_CotEditor3


あと、マウスカーソルを最上部へ持って行ってメニューを表示させた時も、ちょっと変な感じになってしまいます。ま、気にしなければオッケーですけどね!(^_^;)