国内発売と同時に購入した iPad 2 Wi-Fi モデルを、SIMロックフリー香港版 3G+Wi-Fi モデルに買い換えて1ヶ月近くが経ちました。

初代同様に「iPad は滅多に持ち出さないし、Wi-Fi モデル一択!」と思って買ったら、

「薄くなっただけで、こんなに手に馴染んで持ち出すようになるとは…」

という状態になり、モバイルルーターとの併用がウザったくなって 3G モデルへの買い替えを検討し、国内モデルと悩んだ挙句に SIMロックフリーな香港版を購入したわけですが、

3G モデルに買い換えて大正解
SIMロックフリー香港版にして8〜9割正解


というのが、1ヶ月使ってきての感想です。

SIMロックフリーにして良かった点(そうでなかった点)に関しては別記事で述べますが、まずは 3G モデルにして良かった(これはもう 100% 良かった!)点について述べたいと思います。


iPad 2 を 3G モデルに買い換えて良かった点は、ただ一つ。

モバイルルーターからの解放


これに尽きます。

モバイルルーターに縛られない、単独でどこでも通信できる快適さ、使い勝手の良さ。たった1つの利点でありながら、iPad を持ち歩くようになった私にとっては、絶対的な買い換えて良かった点となりました。

iPad を2にしてから Wi-Fi モデルながらも頻繁に持ち出すようになって、モバイルルーターとともに使うことが多くなると同時に、タブレットとモバイルルーターの組み合わせに微妙な感じを抱いていました。

理想的にはノートパソコンも通信モジュール内蔵の方が良いにしても、使う場所・条件が限られ、腰を落ち着けた形で使うことが多いパソコンとモバイルルーターの相性は悪くないと思っていましたが、

より気軽に持ち出し、使う時には迅速に使いたいタブレットを
モバイルルーターと組み合わせるのは“妥協”


という感覚が拭えませんでした。

そして 3G モデルに買い換えてみると、「iPad も持ち出すようになったら、やっぱり 3G モデルに限る」というのを改めて痛感しました。

これは Android タブレットでも何でも同じことで、持ち出す頻度、外で使う頻度が一定以上あるならタブレットも絶対 3G モデルに限ると。

逆に言えば、自宅だけでしか使わないなどの人には「はぁ?意味分からん」と感じるでしょうし、全く咬み合わない話だと思います。また、3G モデルの場合には 3G 利用料金というハードルもあります。

それゆえ、このあたりの感じ方は人それぞれですし、他人にこの考え方を押し付けようとは思いません。が、私自身が iPad2 3G に買い換えて1ヶ月使ってきて思うのは、

タブレットも持ち出すならば 3G モデルが本道、Wi-Fi モデルは妥協だったなぁ


というのが実感です。

それを最初に気づかせてくれたのは、Wi-Fi 運用のつもりで購入した Galaxy Tab に b-mobile SIM を入れて使い始めた時で、結果的にそのことが iPad 2 も Wi-Fi モデルでは我慢できなくなった大きな理由でした。

そんなわけで1ヶ月使ってきて思うのは、SIM ロックフリーモデルをまた買うかどうかは別にして、

今後もメインで使うタブレットは、できるだけ 3G 内蔵モデルにしたい


と思っています。経済的に許す限り、ですが(^_^;)

Apple iPad2 64GB 3G+Wi-Fi モデル 海外SIMフリー版 White
Apple iPad2 64GB 3G+Wi-Fi モデル 海外SIMフリー版 White

(SIM ロックフリー版もソフトバンク版+1万強で普通に買えるようになってきた)


さて、そんな

「モバイルルーターに縛られなくなって良かった理由」
「タブレットも持ち出すなら 3G モデルと思う理由」

を具体的にいくつか述べてみたいと思います。


その1:モバイルルーターを持ち歩かなくていい



モバイルルーターを持っている人にとって「タブレットは Wi-Fi モデルを買って、持ち出す時にはモバイルルーターを使う」というのは常套手段ですし、私もずっとそうしてきました。手持ちのモバイルルーターを利用するほうが経済的効率は遥かに良いのは当然です。

私自身、色々とモバイルルーターを使ってきて、今でもノートPC 用に3種類を使い分けています。が、やっぱり

(パソコンを持ち出さず)タブレットだけ持ち出す時に
モバイルルーターを持っていかなくて済むのは楽


です。これは多分に精神的な気楽さですが、私には小さくありませんでした。

実際、小さなモバイルルーター1つ増えたくらいでは、重量的にも体積的にも大きな負担になるようなことはないのですが、

「せっかく軽量・簡易なタブレットだけにしてるのに、モバイルルーターはどこか余分」
「3G モデルなら、モバイルルーターを忘れたら通信できないなんてことがない」

これだけでも、やっぱり違うと私は感じています(前述のように、人それぞれ、ですが)。

特に iPad 2 では薄くなって隙間に入る、薄いブリーフケースに入れられるようになったため、モバイルルーターに厚みがあると、なんか鞄が微妙になることもあったりします(Pocket WiFi くらいのサイズだと気にならないんですけどね)。

それに、充電一つとっても iPad とモバイルルーターの2つを気にする必要がないというのもありますしね。

iPad2_25
(Wi-Fi モデル時代は、いつもモバイルルーターと一緒だったが…)


その2:電波不安定状況時の使い勝手が 3G 内蔵モデルの方が良い



これは条件が限られているのですが、たとえば乗り物に乗って移動している際など電波が不安定な時、

圏内圏外を繰り返すような電波状況の場合
3G 内蔵モデルの方が使い勝手が良い


と感じています。

これは

  • デバイス内蔵 3G に比べてモバイルルーター経由の方が、圏外から圏内復帰して再接続してパケットが流れるようになるまでのタイムラグが大きい

  • モバイルルーター経由で Wi-Fi 接続してると、タブレット側で圏外・圏内の切り替えが判別できない分、アプリによっては圏外時にタイムアウトまで待ち時間が発生するものもある


ということがあり、使い勝手に差が出ます。どのモバイルルーターを使っていても、これは難点でした。

例えば、岡山以西の山陽新幹線のような(トンネル内にアンテナのない)トンネル連続区間では、モバイルルーターはほぼ役に立ちません。トンネルから出て次のトンネルまでの僅かな圏内復帰時間はモバイルルーターが再接続している間に使われてしまい、通信できたと思ったらすぐにまたトンネル…なんてことが殆どです。

そんな通信状況が不安定な時こそ、内蔵 3G で接続していた方が圏内復帰のタイミングも速くて、ストレスが溜まりません。移動時に使う場合は、モバイルルーターより安定して使える内蔵 3G が便利、というのが実感です。

iPad2_24
(Wi-Fi モデル時代は、山陽新幹線ではもっぱら映画などを見るに徹していた)


その3:モバイルルーター利用より判りやすい



これは私自身が使う時ではなく、年老いた親に貸した際のことなのですが、iPad に限らず、

各種デバイスで通信するのに内蔵 3G 以上に判りやすいものはない


ということです。

普段は初代 iPad の Wi-Fi モデルを使ってる親ですが、外出先で使いたいという気持ちは持っています。とはいえ、モバイルルーターを ON にして云々…というのは、正直なところハードルが高いわけです。

判っている人にとっては超簡単なことでも、アイコンの並びが1つ変わっただけでも戸惑うな世代では、デバイス1つ増やしてスイッチ1つ増やすだけでもハードルがあります。こちらがいくら簡単な状況を用意しても、精神的なハードルがあるようで、「だったら外で使えなくてもいいわ」となってしまうのです。

このあたりのこともあって、以前の記事「iPad2 3G モデルを SIMロックフリー輸入版にした理由とか」の最後でも述べたように、この買い換えた iPad 2 は、いずれ親に譲る予定でいて、長く使っても料金が抑えられるように今回 SIMロックフリーモデルの 3G モデルにしたわけです。

スマートフォンもなんだかんだ言って 3G で使うのが一番簡単ですし、Wi-Fi なにそれ?美味しいの?という人にも使えるのが携帯電話(スマートフォン)ですから、タブレットデバイスも簡単さでいえば、そうなります。

そう思えばこそ、何も判らない年老いた親に 3G モデルを貸してみて

パソコンが苦手な人ほど 3G 内蔵モデルだよなぁ


と思った次第です。

iPad2_3G_13
(3G モデルなら Wi-Fi なんて全くない僻地でも位置特定可能)


その4:GPS 内蔵である



モバイルルーターとは直接関連がありませんが、iPad は初代も2も 3G + Wi-Fi モデルのみ GPS を内蔵しています。そして iPad のようなタブレットデバイスでこそ使い勝手の良いサービスの一つが、地図アプリです。

その地図アプリの能力を最大限生かすには GPS があった方が良いのは、言うまでもないことです。

都心部や周辺部のように Wi-Fi 電波が数多くある場所では、Wi-Fi モデルでもある程度位置特定も可能ですし、それに iPhone その他のスマートフォン・携帯電話を同時にもっていれば、そちらの GPS で現在位置を確認可能でしょう。

また私自身は、道路を走って・歩いていて自分の現在位置が特定できないということはあまり経験がないので、GPS が絶対必要とも思っていません。

が、やはり有ったら有った方が便利です。当たり前のことですが、3G 通信と同様、単体で完結できるのは手間が省けます。せっかく見やすい大きな地図ですから、GPS で現在位置をきちんと特定されているのは気持ちよくもあります。

また、“iPhone でできていることは、iPad でもそのままできる”という意味でも良いですね。



とまぁ、そんな私自身の「iPad 2 を 3G モデルに買い換えて良かった」理由を述べてみました。多くは iPad というよりタブレット全般に感じる話でもあります。

もちろん、人それぞれ使う環境も感じ方も違うでしょうから「なに言ってんだ」と思う人もいるでしょう。私自身も

タブレットも持ち出すなら 3G モデルに限る、と言っても
結局コストとの兼ね合いだよなぁ…


とは思っています。

その点、iPad 2 ならソフトバンクが2年間は実質月額2千円台前半で使えるわけで、3G 利用料金のハードルは得られるメリットと比べて釣り合いが取れているように思います。これが(スマートフォンとは別に)4千円、5千円となると厳しいように思いますが…

ただ、とにかく、ずっとモバイルルーターとともに使ってきたからこそ、

タブレットを持ち出した時に、紐付きじゃない快適さ


は実感します。

よく言われる“iPod touch + モバイルルーターと iPhone は別物”というレベルとは同じとは言いませんが、

「iPad も、その他のタブレットデバイスも、持ち出す頻度が高ければ 3G 内蔵モデルに限る」

そう実感した1ヶ月ではありました。