衝撃の?月額 980円で登場したイオン専売 b-mobile AEON も発売開始から1ヶ月が経ちました。最初はイオンの取り扱いも 14店舗のみでしたが1週間後に 91店舗となり、7月には北海道・九州を除くエリアの 200店舗以上に売られるようになりました。

元々ニッチ用途で知名度が低い b-mobile ですから、販売地域でこのプランに飛びつくような層には一通り行き渡って、あとは一般層にどれだけ浸透していくか、でしょう。ただ、

「4月からはケータイは全部 SIM フリーになったんとちゃうんか?新聞にそう書いとったぞ」

なんていう層にまで売るのは、なかなかリスキーのような気もします(⇡は b-mobile AEON 発売開始翌日に私が契約した際、隣で申し込もうとしていたオッサンの発言)。

ともあれ、発売から1ヶ月近くが経過して、ある程度行き渡って状況も少し安定しつつあると思いますので、使用してきた率直な感想をまとめておきたいと思います。

この「イオン専売 b-mobile AEON プランA」がどんなものなのか?どういう制約があるのか?といった点については、契約当初の感想も含めて、発売開始直後の記事をご参照下さい。

イオン×日本通信 b-mobile AEON 月額980円コースを契約してみた(注意点&第一印象)
続・b-mobile イオン専売 980円 (U100) プラン 〜短評・平日での速度など

この時から1ヶ月使ってきた感想やその後の経過をまとめてみます。

  • 速度については当初より少し落ちてきた感は拭えないが、50Kbps を割ることは少なく、70Kbps 前後やそれ以上出ることも多く、月額980円と思えば納得できるレベル

  • ただ、アップロード側の速度は確実に落ちてきていて、50Kbps を割ることは多い。

  • Twitter やメールなどテキストベースのサービスなら、レスポンスはやや鈍いが十分実用レベルで、この SIM が一番活躍する目的と言える。

  • ウェブサイトの閲覧は、表示対象サイトがスマートフォンに特化してくれたり、表示速度に気を使っていれば、意外と使える。ただし、“重いサイト”の表示はかなり忍耐を要するし、一部画像その他が表示されない場合もある。

  • 強制 Proxy で画像は劣化する(Proxy は外せない)が、内容が判らなくなるようなことはなく、遅さに我慢を必要とするウェブサイトの表示速度の向上には確実貢献している。(ので、個人的には悪い印象はない)

  • AppStore や Android Market を始めとするダウンロード関連のサイト、オンラインストレージなど特定サイト・サービスでは帯域を極度に絞っているので、実用にならない用途も存在する

  • もちろん、U300 と同じくストリーミングや Voice over IP などは強く制限されている
    (ググればすぐ判ることを今さら騒いでる人もいたけど…)

  • 一定以上連続する転送は途中でスループットが極端に悪くなるし、大きなファイルの転送は途中で切られることも間々ある。
    (大きなファイルのアップロードは特に切られやすい?ような気がする…)

  • ベクターデーター化されている Android の Google Maps は最初の表示さえ待てば、我慢して使えなくもないレベル。

  • Android の Google ナビも最初の案内開始まで我慢できれば、車載でも意外と追従してくれる。

  • 反面、iOS のラスターデーターな Google Maps は使うのにかなり忍耐を強いられる。というか、これは実用にならない、我慢の限度を超えるレベル。

  • Proxy による画像の減量変換は http でアクセスした場合には行われるが、https でアクセスした場合には行われない。
    (https 自体が帯域制約を加えられているかもしれない…と思うくらい遅い)

  • 基本的に ping値は大きめなので、テキストベースでも ssh みたいなサービスのレスポンスはあまりよくない。

  • 発売当初から twitter などで VPN が使えないというデマを流す人がいたが、VPN は使える(IP アドレスが変わるので、それによる制限をサーバー側で設けている場合はダメ)。
    ただし、VPN + ssh でもレスポンスは結構厳しいことが多く、VPN + VNC に至っては使えることを確認するレベル。


といったところでしょうか。主に Galaxy Tab や iPad 2 で使ってきましたが、

Wi-Fi 運用するつもりのデバイスに、保険のつもりで入れるにはピッタリ


ですし(料金的にも)、逆に言えば

一般的な回線と同じサービスを受けようと思うなら止めとけ


ということでもあります。

概ね対価と回線品質が比例する世界ですから、公称帯域 100Kbps よりも低いビットレートでも常時帯域を占有するサービスは安価な料金と相容れないわけで、単に安くて速度が遅いだけの回線ではないわけです。ストリーミングや IP電話なんてのを考えてるなら、見合う金を払えというのが b-mobile です。

また、強制 Proxy は(一般的なウェブサイトの構成要素である)テキストと画像とでは画像ファイルの方が圧倒的に回線負荷が大きいゆえに、安価に提供するとなれば画像サイズを小さくする措置もやむを得ないでしょう。画像保存を目的とする一部の人には向かないということです。

少なくとも月額 980円のプランAは、

「Wi-Fi 運用メインだけれども、外へ出ても twitter や Facebook のチェックくらいはできるといいなー、メールの受信はしたいなー」

そういう人のためのプランだと思うし、そういう人にはピッタリです。だから、私自身 Wi-Fi 運用前提で契約した Galaxy Tab に入れるのにはピッタリでした。

いくら遅くても常時接続されていれば、メールも自動受信するし
色々なサービスの通知をいつでも受けられる


そのメリットは限りなく、それを欲するならば月額 980円というのは十分リーズナブルと感じられます。

反面、「100Kbps って書いてあるんだから、100Kbps 丸ごと何でも使えるはず、使わせるべき」と考えている人は契約するだけ無駄です。Fair 以外の b-mobile は全くあわないので、他社へ行くべきでしょう。

bmobileAEON16SpeedTest
ここ半月くらいの速度測定結果。場所も時間もランダムなので参考値。
(測定先は speedtest.net のソウルないし沖縄サーバー)


また、先の感想まとめでも書いたように、Google Maps に代表されるように Android と iOS を比べると Android の方が回線負荷が小さいことが時々あり(インテントでのアプリ間連携があるだけに、アプリのサイズも小さくて済むことが多いしね)、それゆえに Galaxy Tab、iPad の両方で使っていると

「Android 向けの SIM だなぁ…」

と感じることが多かった。低速回線での使い勝手は Android の方が良いということを実感できた SIM でもあった。

そんなこともあって、今は Galaxy Tab に入れて使っているが、

Android スマートフォンの中古を買って、これ入れて使おうかなぁ〜


と思っていたりする。

本当は長らく使っているガラケー P905i を Felica 機能入り Android に機種変するつもりだったが、モバイル Suica やら Edy やら ANA、JAL その他の IC サービスをスマートフォンに移行するのも面倒だし、おサイフケータイはまだガラケーの方が安心して使えるし…

なんて思うだけでなく、さらにこの月額 980円 SIM が意外と Android で使えるとなれば、なんかガラケーはそのままで良いかも? iPhone メインで使ってる間の Android はこの SIM 使って中古でもいいかも?なんて思えるようになってきた。なにせ

Android はモデルチェンジが早すぎて、2年縛られるのは結構辛い


というのがある。それに中古価格の下落も激しいしね…。まぁメインのスマートフォンは当分 iPhone だろうというのが一番大きいけれど。

そう思えば

サブのスマートフォン・タブレットに
ピッタリのイオン専売 b-mobile AEON プランA


というのを改めて感じる利用1ヶ月の今である。

日本通信 ZTE Light Tab V9用b-mobileSIM8ヶ月使い放題パッケージ BM-U300-8MLTB
日本通信 ZTE Light Tab V9用b-mobileSIM8ヶ月使い放題パッケージ BM-U300-8MLTB

(イオンプランAと似た制約で、月額料金が2倍弱、公称速度は3倍、実測で2倍前後。
それがこの SIM。契約手数料なしなのも魅力。使用レポートは近日掲載予定)