「昔はのぉ、シャープも作っていたんじゃよ。ノートパソコンはちこっと有名じゃったし、マニア受けする尖ったノートパソコンも出していたんじゃ…」

って、そんな昔の話ではないのだけど、今やスマートフォンばかり目立って急速にシャープがパソコンを作っていたことが過去のものになっているような気がする昨今。

シャープのパソコン「Mebius」、最後と言える機種がリリースされたのが一昨年の5月(OS を変更しただけのものが半年後にリリースされたのが本当の最後)。そして、その最後の Mebius、PC-NJ70 を手にしたのは、ちょうど2年前の5月31日だった。

そんな、オッサンの戯言、本当に意味のない記事。



先日ブログの過去記事一覧をチェックしていたら、2年前に「最後の Mebius」となった PC-NJ70A のモニターに応募したら当選し、ちょうど2年前の今日 5月31日にモニター機が到着して、公式のモニターレポート4回だけでなく、色々と盛んにレポート記事を書いていました。

今と同様、当時も拙い内容でしか書けていないが、せっかくモニターに当選させてもらったのだから(抽選ではなく応募時にブログ URL を申請しての選別だったしね)、頑張って公式のモニターレポート以外でもきちんとレポートしよう、という意気込みだけはあった。

とはいえ、

今を思い返しても、なんでこんな企画が通ったのか?
というようなパソコン(ネットブック)だった


と思う。ひとことで言えば、酷かった。

初代 EeePC に始まったネットブックの波が EeePC 901-X や Wind Netbook U100 などで一気にネットブックブームになってから半年以上経ち、国内外の各 PC メーカーがひと通りネットブックに参入し終えて、最後にネットブックを出してきたのがシャープだった。

当時もうシャープのパソコンは既にノートパソコンのみになっていた上、出しているノートパソコンといえば MURAMASA シリーズその他で築いた過去の栄光の影もない、いかにも海外生産の安物をシャープブランドで売ってるだけ、の感があった。

とはいえ、そんな状況のなか、ネットブック最後発ながら大々的に発表会をうって、「グローバル規模で100万台を売り上げたい」とまで言い切ったわけだから、さぞかし凄いものが出てくるだろうと思ったし、

新製品を100名にモニタープレゼントという空前絶後の超太っ腹企画


なんてことをするのだから、どれだけ素晴らしいシャープの自信作かと心底期待していたんですけどね。

いやホント、新製品のパソコンをモニター 100名にプレゼントとか、もう二度とないでしょう。シャープも本当に賭けていたのだろうと思います。本気で世界で 100万台を売れると思っていたら、100台プレゼントなんか安いもんでした。

あの太っ腹さは、シャープ・パソコン事業最後の煌き


だったのかもしれません。ホント、自分がモニター当選したからというわけじゃないですが、この剛毅さは未だに凄かったなぁ…と思っています。

ただまぁ、PC-NJ70A は蓋を開けてみる以前に、価格発表された時から

最後発でシャープ独自デバイス以外は何の取り柄もないのに
超強気な値段設定ってマジかよ…


という感じで、正直売れるわけがない製品でしたし、実際の製品も最後発なのに、重い、デカい、バッテリーももたないという製品で、それでいて価格も高いとなれば、

ネットブックならではの良さが殆どない


という代物でした。

最大の売り物だった、シャープ独自デバイス「光センサー液晶パッド」もタッチパッドとしては使い勝手が良いとは言えないし、せっかくの光センサー液晶を活用したアプリが出ることもありませんでした。

もっと言えば、光センサー液晶の開発キットもすぐに出すと言っていたのに、結局最後まで出ることがなく、シャープも発売直後からやる気をなくしていったのが判るような状況であり、まさに

Mebius 終焉に相応しい製品


だったなぁ…と。

シャープ 「光センサー液晶パッド」搭載ノートパソコン PC-NJ70A-B


思えば、シャープのパソコン、特にノートパソコンといえば、一時期は一世を風靡し、シャープ MURAMASA シリーズは最先端を走るノートパソコンの一つでした。今でもシャープのサイトには、

メビウス|MURAMASA STYLE:シャープ

こんなページが残っています。あの頃のシャープのパソコンは本当に熱かった。

私自身、MM、CV、MW の3シリーズの MURAMASA シリーズを購入して使っていたから思い入れは少なくない(家族用のパソコンも含めれば6台になる)。だから、こんな意味不明な思い出記事を書いているのだけど…

私にとって MURAMASA およびシャープのパソコンは SONY VAIO と並んで、国内製メーカーとして多く使ってきたパソコンだった。評価も売上も高かった時期があったはず。それがどこで変わって、こうなってしまったのかなぁ…と。

国内でしか売れなかったり、それゆえに利益向上のための会社として“選択と集中”するなかでパソコン事業は消えていったのでしょうけれど、その残念さと同じくらい、最後の Mebius となったネットブック PC-NJ70A でシャープのパソコン事業のダメさ加減を感じたので、当然の成り行きだったなぁ…と思った記憶があります。

ま、シャープの場合は似たような経緯を辿った製品として、PDA 製品の Zaurus もあるように思います。こちらはもっとニッチなものでしたけど、あの頃の経験は今のスマートフォン時代に何か生かされているのかなぁ…と思ったりします。

もっともシャープの場合、

Linux 搭載する前のザウルスのころから電子書籍は手がけてきた


という長い長い歴史があり、それゆえにシャープの電子書籍規格 XMDF が国内主流規格の一つになっているわけですが、シャープに時代が追いついてきたという面はあるのでしょう。そのアドバンテージを生かせるのかどうかは判りませんが…

シャープのノートパソコン、MURAMASA に戻して言うならば、MM シリーズの超薄路線は MacBook Air 的な PC の先取りとも言えるでしょうし(もちろん直接の繋がりも影響も全くないですが)、CV はネットブックの先取りのようなノートパソコンでした(発売当初の価格は高かったけど、そのうち安くなった)。

今から思えば、シャープは本当にアグレッシブなノートパソコンを作っていたなぁ…と改めて思います。



とまぁ、取り留めもなく書いてきましたが、今回の記事は本当に取り留めもないオッサンの戯言です。

ちなみに、あれだけダメ出ししまくっていた PC-NJ70A のモニター機ですが、

未だに PC-NJ70A は、ほぼ毎日使っています


そんな人はどれだけ居るか判りませんが、うちではバリバリ現役です。

といっても、別に良いパソコンだと見直したわけでも何でもなく、ダイニングに常駐してるパソコン=食事時にちょっとネットするのに使うパソコンというだけですけどね。だから殆ど Chrome しか使ってません。それにモニター機&ちょい改造してるので売れませんしね。

ちなみに光センサー液晶パッドは、よくドライバがおかしくなり、タッチパッドが効かなくなって再起動を余儀なくされるので、2年経っても糞は糞です。そしてやっぱり、PC-NJ70A は光センサー液晶デバイスを使うことありきで企画されたのかなぁ…と思います。

そんなわけで、今となっては過去の歴史の中のパソコンになってしまいましたシャープの Mebius、そして最後の Mebius となった PC-NJ70 を思い出しての戯言でした。

とにかく今でも唯一謎なのが、この製品で副社長が「100万台売りあげたい」と発表会で言ったその根拠はどこにあったんだろう…と。それだけは、本気でずっと、心に引っ掛かっています…(^_^;)