年度末の修羅シュシュシュな昨今ですが、先週発表されて期待大だった GXR のファームウェア・アップデートだけは試さずにはいられなかったので、サクっと試してサクっと雑感をば。
発表された新ファームウェアの内容はちょっと期待してしまうものだったので、思わず期待する記事を書いてしまったわけですが、今回追加・更新された内容は、以下の5つ。
このうち最初の2つ、アートフィルター系撮影モードの追加と GXR 初の被写体追尾系機能が今回の目玉でしょう。
まずはアートフィルター系撮影モードの追加。CX シリーズでは「クリエイティブ撮影モード」と名付けられていますが、GXR の場合はシーンモードの一つとして実装されています。
テスト撮影に出かけてる時間がないので、近所で軽く各フィルターがどんなもんかを適当サンプルとして撮ってみました。

ミニチュアライズ
(フォーカスする縦位置、フォーカスエリアの縦幅は調整可能)

ハイコントラスト白黒

ソフトフォーカス
(あまり風景に使うようなフィルターではないですが…)

クロスプロセス
(クロスプロセスは昔から良く判らないんですよ… ^^;)

トイカメラ
(このモードは色々なシーンで何度撮ってもイマイチ…)
あまり良い例とは言えませんが、これらの機能は既に多くのカメラに搭載されていますし、同じリコーの CX4 / CX5 と同じアルゴリズムでしょうから、ググれば良いサンプルは数多くみられると思います。
それにしても、軽く使ってみた中では、トイカメラが今ひとつ効果が判りにくいのが印象的でした。確かに周辺部に色収差が激しく出ていたり、よくよく見れば“トイカメラっぽさ”はなくもないのですが、他の4つに比べると効果が弱い。
この手のフィルターはどうせ飽きるまでなのですし、上品さを求めるようなものでもないでしょうから、ガッツリ判るようにしても良いと思うのですけどね。ソフトフォーカスなんかは大きな効果を出していますし。
個人的に iPhone ではフィルター系写真加工アプリは時々使いますが(フィルムシミュレーションの FILM LAB というアプリを使います。あとは Tilt Shift Generator をたまに)、デジカメで撮る時にはあまり使うことはないと判ってるので「あっても悪くない」程度です。
ただ、コンパクト・一眼・ミラーレス問わず、新型カメラの多くが搭載している機能ですから、モデルチェンジの長い GXR としては
ということは重要かと思いますし、一般ユーザーへの訴求力としては良いアップデートであり、これについては率直に、リコーを賞賛したいと思います。
しかし、AE/AF ターゲット移動モードに追加された「追尾ターゲット」機能は、いただけません。思わず記事タイトルに“ウ◯コ”と書いて公開しそうになったくらいです。さすがに投稿ボタンを押す直前に、私の下劣な本性が晒すのは忍びなくてタイトル変更しましたが、
なのは変わりません。
まぁ、別に期待はしていませんでしたよ。前回の記事でも書いたように、期待したいけど「リコーの AF に期待してはいけない」と思ってました。思うように努力してました。
それでも、GXR 初の被写体追尾系機能ですし、わざわざ機能追加するくらいですから「ないよりはマシ」はクリアしてくると思ってました。でも、まさかの
機能だったとは…。いやー、さすがリコー。AF に関しては斜め上すぎる。他は良いけど、ホント AF だけは、どうなってんの!?すぎます。
と文字で腐すだけもなんなので、簡単にどんな機能になってるかを動画も含めて少し説明。まずは、ADJ. レバーの AF/AE ターゲット移動機能を呼び出します。使い慣れた機能です。不満はあれど、GXR の良い点の一つです。

ターゲット指定種類メニューの一番上に燦然と輝く「追尾」の文字!

追尾を選ぶと、いつものようにターゲット枠が出て上下左右ボタンで移動できます
違うのは OK で「ターゲット確定」となっているところ

OK ボタンでターゲット確定すると、ターゲット枠の色が白から緑になって
ターゲット追尾開始!

室内だったため、動く被写体として適当なものがなかったので、
カメラ自体をパンして被写体追尾のテストをしています

ゆっくり動かしても、ちょくちょく追尾を外します
まぁ、被写体追尾の動きはカクカクしていますし、追尾は簡単に外れます(カメラも被写体もほぼ静止しているのに、ターゲットが動くくらいですしね…)
でも、ここまでは予想通り。リコーの AF ですから、被写体追尾の速度精度には期待していませんでした。けれど、これでもこれでちゃんと使えたら「ないよりはマシ」です。置きピンよりもマシな場面もあるでしょう。
しかし、
上に、
んですよ、ホントに。ターゲットが追尾していても、撮影しようとシャッターを半押しした時点で追尾が止まります。もちろん、ピントを合わせている間に、被写体は動いてたらピンぼけです。というか、
なんですよ。判りにくいかもしれないので、実際に使ってみた時の動画を以下に示します。
これらは P10 ユニットで試してますが、A12 系ユニットでも変わりません。
また、外へ出た時に幾つかの動く被写体相手に試してみましたけど、同じです。というか、どう使ったらいいか判らないくらい使えない。追尾の精度は百歩譲ったとしても、シャッター半押ししたら追尾が終わっていては、何のための「追尾ターゲット」機能なのか…orz
これが AF の速いカメラならまだしも、リコーの糞遅い AF ではピント合わせてる間に被写体動くからシャッター半押しで追尾終了では全く意味が無いんですよね。これなら、置きピン限定だった今までと変わらない。
色々考えて、もしかして「プリ AF 機能を ON にしたら使えるかも?」と、久しぶりにプリ AF 機能を ON にしてみたのですが、リコーのプリ AF 機能の酷さ、何故この機能を忘れるくらい使わなかったかを再認識しただけでした。
プリ AF 機能を ON にしても半押しした時点でフォーカスし直し、追尾終了なので、ほとんど意味はなかったです…。いやホント、せっかくの追加機能ですから、使いこなしたいのですが、どこで使えるのか、半日使っただけでは全く見えてこないです。もはや
と言ってもいいくらい。こんな機能で公開した奴は◯×じゃね?とすら言いたくなるくらい。
GXR は色々良い点も不満点もあって大変だけど、この期に及んで
と小1時間どころ、丸一日問いつめたいくらいの機能が追加されるとは思わなかった。
まぁ GRD3 の更新内容と違って
それにしても、期待してはなかったけど、予想を超えてた。呆れてガッカリもしないレベル(>_<)
さて、残る
「写真再生モードで画面拡大時に AE/AFターゲット位置を中心に拡大する設定が追加」
「A12系ユニットでは使われないズームボタン上下に、露出補正とWB機能を割り当て可能に」
ですが、これらは“できて当たり前”の機能ですね。
前者はフォーカスターゲットを移動できるデジカメの多くで実現されていて、そうでない方が不思議。後者も昔の GR Digital ではズームボタンで露出補正ができていましたからね。
これらも嬉しいことは嬉しいのですが、リコーの場合、“できて当たり前”の機能を最初入れてなく、後からアップデートで完成度を高めるというのがありすぎて、個人的には微妙に思うところもあります。まぁ“機能追加されないよりは遥かにマシ”なのですが…
というわけで、本日公開された GXR ファームウェア Ver.1.33 を試してみたわけですが、とにかく私にとっては
が全てでした。GXR に追尾系 AF がなさすぎて、スペック比較でそれっぽい機能を入れようと思ったのでしょうか…
まぁ願わくば
と祈るしかないです。ホント、真面目に AF 改善してくれよ。点光源があると迷いまくるとか色々ありすぎるし、根本的に何とかしてくれ。
発表された新ファームウェアの内容はちょっと期待してしまうものだったので、思わず期待する記事を書いてしまったわけですが、今回追加・更新された内容は、以下の5つ。
- 最近流行りのアートフィルター系撮影モードの追加
- AE/AF ターゲット移動モードに「追尾ターゲット」を追加
- AE/AF ターゲット移動モード時に、削除ボタンでターゲット中央戻り、さらに削除ボタンでモードキャンセル機能追加
- 写真再生モードで画面拡大時に AE/AFターゲット位置を中心に拡大する設定が追加
- A12系ユニットでは使われないズームボタン上下に、露出補正とWB機能を割り当て可能に
このうち最初の2つ、アートフィルター系撮影モードの追加と GXR 初の被写体追尾系機能が今回の目玉でしょう。
まずはアートフィルター系撮影モードの追加。CX シリーズでは「クリエイティブ撮影モード」と名付けられていますが、GXR の場合はシーンモードの一つとして実装されています。
テスト撮影に出かけてる時間がないので、近所で軽く各フィルターがどんなもんかを適当サンプルとして撮ってみました。

ミニチュアライズ
(フォーカスする縦位置、フォーカスエリアの縦幅は調整可能)

ハイコントラスト白黒

ソフトフォーカス
(あまり風景に使うようなフィルターではないですが…)

クロスプロセス
(クロスプロセスは昔から良く判らないんですよ… ^^;)

トイカメラ
(このモードは色々なシーンで何度撮ってもイマイチ…)
あまり良い例とは言えませんが、これらの機能は既に多くのカメラに搭載されていますし、同じリコーの CX4 / CX5 と同じアルゴリズムでしょうから、ググれば良いサンプルは数多くみられると思います。
それにしても、軽く使ってみた中では、トイカメラが今ひとつ効果が判りにくいのが印象的でした。確かに周辺部に色収差が激しく出ていたり、よくよく見れば“トイカメラっぽさ”はなくもないのですが、他の4つに比べると効果が弱い。
この手のフィルターはどうせ飽きるまでなのですし、上品さを求めるようなものでもないでしょうから、ガッツリ判るようにしても良いと思うのですけどね。ソフトフォーカスなんかは大きな効果を出していますし。
個人的に iPhone ではフィルター系写真加工アプリは時々使いますが(フィルムシミュレーションの FILM LAB というアプリを使います。あとは Tilt Shift Generator をたまに)、デジカメで撮る時にはあまり使うことはないと判ってるので「あっても悪くない」程度です。
ただ、コンパクト・一眼・ミラーレス問わず、新型カメラの多くが搭載している機能ですから、モデルチェンジの長い GXR としては
他のカメラと機能比較される際のポイントを1つ稼いだ
ということは重要かと思いますし、一般ユーザーへの訴求力としては良いアップデートであり、これについては率直に、リコーを賞賛したいと思います。
☆
しかし、AE/AF ターゲット移動モードに追加された「追尾ターゲット」機能は、いただけません。思わず記事タイトルに“ウ◯コ”と書いて公開しそうになったくらいです。さすがに投稿ボタンを押す直前に、私の下劣な本性が晒すのは忍びなくてタイトル変更しましたが、
追尾ターゲット機能はウ◯コ!
なのは変わりません。
まぁ、別に期待はしていませんでしたよ。前回の記事でも書いたように、期待したいけど「リコーの AF に期待してはいけない」と思ってました。思うように努力してました。
それでも、GXR 初の被写体追尾系機能ですし、わざわざ機能追加するくらいですから「ないよりはマシ」はクリアしてくると思ってました。でも、まさかの
「ないよりマシ」とすら言えない
機能だったとは…。いやー、さすがリコー。AF に関しては斜め上すぎる。他は良いけど、ホント AF だけは、どうなってんの!?すぎます。
と文字で腐すだけもなんなので、簡単にどんな機能になってるかを動画も含めて少し説明。まずは、ADJ. レバーの AF/AE ターゲット移動機能を呼び出します。使い慣れた機能です。不満はあれど、GXR の良い点の一つです。

ターゲット指定種類メニューの一番上に燦然と輝く「追尾」の文字!

追尾を選ぶと、いつものようにターゲット枠が出て上下左右ボタンで移動できます
違うのは OK で「ターゲット確定」となっているところ

OK ボタンでターゲット確定すると、ターゲット枠の色が白から緑になって
ターゲット追尾開始!

室内だったため、動く被写体として適当なものがなかったので、
カメラ自体をパンして被写体追尾のテストをしています

ゆっくり動かしても、ちょくちょく追尾を外します
まぁ、被写体追尾の動きはカクカクしていますし、追尾は簡単に外れます(カメラも被写体もほぼ静止しているのに、ターゲットが動くくらいですしね…)
でも、ここまでは予想通り。リコーの AF ですから、被写体追尾の速度精度には期待していませんでした。けれど、これでもこれでちゃんと使えたら「ないよりはマシ」です。置きピンよりもマシな場面もあるでしょう。
しかし、
この追尾ターゲット機能は AF が追尾しているわけでない
上に、
シャッター半押しで追尾が止まってしまう
んですよ、ホントに。ターゲットが追尾していても、撮影しようとシャッターを半押しした時点で追尾が止まります。もちろん、ピントを合わせている間に、被写体は動いてたらピンぼけです。というか、
被写体が止まってたらこんな機能使わないのに
動いてる被写体にピントを合わせようと半押ししたら追尾終了
動いてる被写体にピントを合わせようと半押ししたら追尾終了
なんですよ。判りにくいかもしれないので、実際に使ってみた時の動画を以下に示します。
これらは P10 ユニットで試してますが、A12 系ユニットでも変わりません。
また、外へ出た時に幾つかの動く被写体相手に試してみましたけど、同じです。というか、どう使ったらいいか判らないくらい使えない。追尾の精度は百歩譲ったとしても、シャッター半押ししたら追尾が終わっていては、何のための「追尾ターゲット」機能なのか…orz
これが AF の速いカメラならまだしも、リコーの糞遅い AF ではピント合わせてる間に被写体動くからシャッター半押しで追尾終了では全く意味が無いんですよね。これなら、置きピン限定だった今までと変わらない。
色々考えて、もしかして「プリ AF 機能を ON にしたら使えるかも?」と、久しぶりにプリ AF 機能を ON にしてみたのですが、リコーのプリ AF 機能の酷さ、何故この機能を忘れるくらい使わなかったかを再認識しただけでした。
プリ AF 機能を ON にしても半押しした時点でフォーカスし直し、追尾終了なので、ほとんど意味はなかったです…。いやホント、せっかくの追加機能ですから、使いこなしたいのですが、どこで使えるのか、半日使っただけでは全く見えてこないです。もはや
追尾ターゲットは謎機能
と言ってもいいくらい。こんな機能で公開した奴は◯×じゃね?とすら言いたくなるくらい。
GXR は色々良い点も不満点もあって大変だけど、この期に及んで
開発者は自分で実際に使って「これは使える」と思ったのか?
と小1時間どころ、丸一日問いつめたいくらいの機能が追加されるとは思わなかった。
まぁ GRD3 の更新内容と違って
追尾 AF と書かれなかった時点で嫌な予感はしていたけれど…
それにしても、期待してはなかったけど、予想を超えてた。呆れてガッカリもしないレベル(>_<)
☆
さて、残る
「写真再生モードで画面拡大時に AE/AFターゲット位置を中心に拡大する設定が追加」
「A12系ユニットでは使われないズームボタン上下に、露出補正とWB機能を割り当て可能に」
ですが、これらは“できて当たり前”の機能ですね。
前者はフォーカスターゲットを移動できるデジカメの多くで実現されていて、そうでない方が不思議。後者も昔の GR Digital ではズームボタンで露出補正ができていましたからね。
これらも嬉しいことは嬉しいのですが、リコーの場合、“できて当たり前”の機能を最初入れてなく、後からアップデートで完成度を高めるというのがありすぎて、個人的には微妙に思うところもあります。まぁ“機能追加されないよりは遥かにマシ”なのですが…
☆
というわけで、本日公開された GXR ファームウェア Ver.1.33 を試してみたわけですが、とにかく私にとっては
意味不明すぎる 追尾ターゲット機能
が全てでした。GXR に追尾系 AF がなさすぎて、スペック比較でそれっぽい機能を入れようと思ったのでしょうか…
まぁ願わくば
これが本物の追尾 AF (AF-C) へのステップになりますように
と祈るしかないです。ホント、真面目に AF 改善してくれよ。点光源があると迷いまくるとか色々ありすぎるし、根本的に何とかしてくれ。
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