先週、SONY 「Reader」の発表があって取り上げたし、巷の話題にもなったわけだが、と同時に思ったのは「2ヶ月も前に発表したシャープの GALAPAGOS はさっぱり音沙汰なしだが、どうなったんだ?」ということ。
ネーミングだけで話題を掻っ攫ったのは良いけれど、あれから2ヶ月、具体的な端末価格もサービス内容も出てこないままに、もう年末直前…と思ったら、ようやく発売時期と価格などが発表された。
いや〜、驚きましたね。ネーミングに続いてのサプライズ。シャープは、なかなか気を惹くネタを仕込んできます。中身よりまず話題ですか。大事です。いやいや、大事なことです。
そういや、9月の発表会の時に言いましたよね、目標台数を。
凄いです。さすが目の付け所がシャープです。あ、キャッチコピーが古すぎました。
ネットウォーカーの時に「2009年度内に10万台を目標に掲げており、2010年度には市場全体で50万台の規模を見込んでいる」と言って爆死した過去や、その前の PC-NJ70A で「 グローバル規模で100万台を目指す」と言って Mebius ブランドを消滅させた過去を反省して、直販なら 100万台目指せるぜ!と思ったのでしょう。きっと、そう。
間違っても
とか
なんてことはないでしょう(笑)。ないですよね?
値段的に最低限この程度でないと話にならない、買う側からすればこれでも高く見えるなんてことは、天下のシャープ様が判らないわけがない。もしそれが理由で直販なら「来年早期には 100万台を目指す」なんて言えないはずです。直販でも台数を売る目算があってのことですよね〜(棒読)
電子書籍サービスは端末だけで成り立つ商売ではなく、ストアも充実しなければならない。ある程度ユーザーが増えないとストアへの提供にも影響しますし、ストア維持コストも馬鹿になりませんから、ユーザー数は必要です。9月の発表会の記事を見ても、強調されていることが判ります。
特に GALAPAGOS は液晶画面を採用した、電子書籍端末というよりマルチメディア端末。来年には、映像・音楽・ゲームなどを配信してもらうつもりですから、ユーザー数の担保は必要でしょう。補助金出してもらえれば、ちょいと参入してくれるメーカーはあるでしょうけどね。ハ◯×ンとか。でもパイがないところにコンテンツは集まらないのは周知のとおり。
それを直販にするのですから、なかなか策士です。読めません。生暖かく見守るだけでは惜しい存在です。
■ シャープ、電子書籍端末「GALAPAGOS」を12月10日に発売
■ シャープのメディアタブレット「GALAPAGOS」、12月10日に発売
加えて、サービス仕様をよくよく見ると、なかなか面白い。
書籍点数が2万点なんていうのは、SONY Reader の3万点ともども五十歩百歩、目くそ鼻くそであって、半端な数。ただ、GALAPAGOS においては書籍点数の半端さは、そう問題ではないだろう。GALAPAGOS は
があるからだ。海外では既にあることだけれども、日本では(ここまで一括で揃えたのは)初めてで、この点だけでも買い!という人は少なくないと思う。これは大いに評価されるべき。
提供している新聞や雑誌は、既に他の端末に配信している雑誌が多いので目新しくないし、料金的にも目を惹くものはないが、それらが自動配信され、1つの端末に自動的に全部収まっている(収められる、ではない)というのは素晴らしく使い勝手が良いことは間違いない。
だから、この機能に魅力を感じるならば、十分買う価値はあると思う。そう思う人がどれだけいるのか判らないけれど、日経が自動配信されるなら、という人はいるだろうしね。
そう意味でも、そしてそのための液晶画面採用でもあるから
というべき存在だ。シャープ的には「メディアタブレット」らしいが。
となれば、持ち歩き用の 5.5" 画面ポケッタブル端末と、10.8" 大型画面端末を使い分けたくなるのは、誰しも思うこと。文字ベースの書籍ならともかく雑誌や新聞は、自宅では小さな画面で見るより大きな画面の端末で見たいものだ。しかし、
ということであるから、
だったりする。いやいやいやいや、今どき、それはないでしょう。
コンテンツは microSDHC に入っているわけだし、デジタルコピーされるわけでもないのに、この制限。将来、ゲームやら動画やらもやるのに、同じ制限をするのでしょうかね?同じやり方なら、そうなります。
もし、後から変えられるならば何故最初からそうしない?ということになる。この手のものは最初が肝心ということくらい、嫌というほど判っているはずなのに。
こんな端末を2種類とも買うヤツなんかいねーよ」とシャープが思ってるわけでもあるまい。むしろ、
としか思えない。全く、どういう考えでこのような商品設計をしているのか、理解に苦しむ。
ホント、人気作家呼んで「新作を電子書籍しました!」なんて iPad が半年前にやったことを今さらやってる場合じゃない。そんなことは、もう珍しくも何ともない。もっとやるべきことは、あったのではないだろうか。
結局 GALAPAGOS も時流に乗って大々的にぶちあげた割には、全く鳴かず飛ばずのネットウォーカーの電子書籍からどれだけ進歩してるのだろう?と思ってしまう。
■ 量販店店頭では購入できない!? 「GALAPAGOS」の思い切った販売戦略
■ まずは2万冊で開始:TSUTAYA GALAPAGOSで買えるコンテンツをチェックする
■ シャープ、作家の平野啓一郎氏を招き「GALAPAGOS」イベントを開催
以下、GALAPAGOS とは直接関係ない、更なるチラシの裏。
前回 SONY Reader 国内発表の記事でも書いたが、日本における今年の電子書籍端末&サービスは、大々的に話題になった割には進歩してないように感じる。
確かに電子書籍が読める端末は発売された。でも肝心の電子書籍ストアの方は、さほど大きく変わってない。旧来あったものの焼き直し、とまでは言わないが、大きく変貌したとは言えない。利用者の利便性もそうだし、用意されている書籍点数にしてもそうだ。
今年はここで止まってしまった。もう少し進むことを期待していたのだが、それは叶わなかった。Kindle ストアや iBooks ストアはフォーマットの問題がある限り、国内向けストアが展開されるとしても随分先だろう。その間は、主に SONY Reader とシャープ GALAPAGOS になる。
「あれ?国内電子書籍端末のプレイヤーは以前と変わってなくね?」である。下手すると、数年はまだ大きな変化はないのかもしれない。
少なくとも、読みたい時に読みたい書籍があってこその電子書籍ストアの本当の姿だ。SONY Reader ストアも他のプラットフォームも含めて、用意されてる書籍点数が2万点3万点では、それこそ「何のための電子書籍ストア?」である。
町の本屋レベルでは、単に「並んでいるのを買ってみる」端末でしかない。それはそれで良いと思う人もいるだろうが、それを客観的に電子書籍ストアとして高く評価するのは解せない。
オンライン音楽ストアのことを考えれば、「読みたくなった書籍がすぐ手に入る」ことのできない電子書籍ストアがどれほどの価値しかないのか判りそうなものだ。オンライン音楽ストアに対しては聴きたい曲(の多く)が揃ってることを求めるのに、電子書籍ストアに対してはそれを求めない不思議記事すらも見かけて首を捻りたくなる。
そういう意味では iTunes Music Store が日本向けにオープンした時よりも印象は良くない。個人的には、国内の電子書籍の進歩に期待しつつ、残念な結果になった年だった。来年以降は、あまり期待しないようにしようと思う :-P
え?GALAPAGOS ?シャープのモバイル端末は、液晶を売りにしてる限り、何度やっても同じことの繰り返しでしょ。
ネーミングだけで話題を掻っ攫ったのは良いけれど、あれから2ヶ月、具体的な端末価格もサービス内容も出てこないままに、もう年末直前…と思ったら、ようやく発売時期と価格などが発表された。
- 端末価格は小さな 5.5" 液晶画面の方が 39,800円、大きな 10.8" の方が 54,800円。
- 端末発売とストアサービス開始は 12月10日(SONY Reader と同日発売)
- 端末は直販限定
え?直販限定?マジで??
いや〜、驚きましたね。ネーミングに続いてのサプライズ。シャープは、なかなか気を惹くネタを仕込んできます。中身よりまず話題ですか。大事です。いやいや、大事なことです。
そういや、9月の発表会の時に言いましたよね、目標台数を。
2011年度の早い時期に100万台を目指す
と言い切った端末を、敢えて直販限定にする
と言い切った端末を、敢えて直販限定にする
凄いです。さすが目の付け所がシャープです。あ、キャッチコピーが古すぎました。
ネットウォーカーの時に「2009年度内に10万台を目標に掲げており、2010年度には市場全体で50万台の規模を見込んでいる」と言って爆死した過去や、その前の PC-NJ70A で「 グローバル規模で100万台を目指す」と言って Mebius ブランドを消滅させた過去を反省して、直販なら 100万台目指せるぜ!と思ったのでしょう。きっと、そう。
間違っても
直販で売れば、ちまちま売っても儲かる
とか
価格がギリギリだから直販でしか売れない
なんてことはないでしょう(笑)。ないですよね?
値段的に最低限この程度でないと話にならない、買う側からすればこれでも高く見えるなんてことは、天下のシャープ様が判らないわけがない。もしそれが理由で直販なら「来年早期には 100万台を目指す」なんて言えないはずです。直販でも台数を売る目算があってのことですよね〜(棒読)
電子書籍サービスは端末だけで成り立つ商売ではなく、ストアも充実しなければならない。ある程度ユーザーが増えないとストアへの提供にも影響しますし、ストア維持コストも馬鹿になりませんから、ユーザー数は必要です。9月の発表会の記事を見ても、強調されていることが判ります。
特に GALAPAGOS は液晶画面を採用した、電子書籍端末というよりマルチメディア端末。来年には、映像・音楽・ゲームなどを配信してもらうつもりですから、ユーザー数の担保は必要でしょう。補助金出してもらえれば、ちょいと参入してくれるメーカーはあるでしょうけどね。ハ◯×ンとか。でもパイがないところにコンテンツは集まらないのは周知のとおり。
それを直販にするのですから、なかなか策士です。読めません。生暖かく見守るだけでは惜しい存在です。
■ シャープ、電子書籍端末「GALAPAGOS」を12月10日に発売
■ シャープのメディアタブレット「GALAPAGOS」、12月10日に発売
加えて、サービス仕様をよくよく見ると、なかなか面白い。
書籍点数が2万点なんていうのは、SONY Reader の3万点ともども五十歩百歩、目くそ鼻くそであって、半端な数。ただ、GALAPAGOS においては書籍点数の半端さは、そう問題ではないだろう。GALAPAGOS は
多くの新聞・雑誌が自動配信される素晴らしさ
があるからだ。海外では既にあることだけれども、日本では(ここまで一括で揃えたのは)初めてで、この点だけでも買い!という人は少なくないと思う。これは大いに評価されるべき。
提供している新聞や雑誌は、既に他の端末に配信している雑誌が多いので目新しくないし、料金的にも目を惹くものはないが、それらが自動配信され、1つの端末に自動的に全部収まっている(収められる、ではない)というのは素晴らしく使い勝手が良いことは間違いない。
だから、この機能に魅力を感じるならば、十分買う価値はあると思う。そう思う人がどれだけいるのか判らないけれど、日経が自動配信されるなら、という人はいるだろうしね。
そう意味でも、そしてそのための液晶画面採用でもあるから
GALAPAGOS は電子書籍端末ではなく電子雑誌端末
というべき存在だ。シャープ的には「メディアタブレット」らしいが。
となれば、持ち歩き用の 5.5" 画面ポケッタブル端末と、10.8" 大型画面端末を使い分けたくなるのは、誰しも思うこと。文字ベースの書籍ならともかく雑誌や新聞は、自宅では小さな画面で見るより大きな画面の端末で見たいものだ。しかし、
- 購入したコンテンツは外部 microSDHC カードに保存
- 購入した端末とは別の端末でコンテンツを保存した microSDHC を差し込んでも、読むことはできない
ということであるから、
通勤時には小型端末で、自宅では大型画面端末で読む
というのは無理
というのは無理
だったりする。いやいやいやいや、今どき、それはないでしょう。
コンテンツは microSDHC に入っているわけだし、デジタルコピーされるわけでもないのに、この制限。将来、ゲームやら動画やらもやるのに、同じ制限をするのでしょうかね?同じやり方なら、そうなります。
もし、後から変えられるならば何故最初からそうしない?ということになる。この手のものは最初が肝心ということくらい、嫌というほど判っているはずなのに。
こんな端末を2種類とも買うヤツなんかいねーよ」とシャープが思ってるわけでもあるまい。むしろ、
両方買ってくれるチャンスを自ら潰してる
としか思えない。全く、どういう考えでこのような商品設計をしているのか、理解に苦しむ。
ホント、人気作家呼んで「新作を電子書籍しました!」なんて iPad が半年前にやったことを今さらやってる場合じゃない。そんなことは、もう珍しくも何ともない。もっとやるべきことは、あったのではないだろうか。
結局 GALAPAGOS も時流に乗って大々的にぶちあげた割には、全く鳴かず飛ばずのネットウォーカーの電子書籍からどれだけ進歩してるのだろう?と思ってしまう。
■ 量販店店頭では購入できない!? 「GALAPAGOS」の思い切った販売戦略
■ まずは2万冊で開始:TSUTAYA GALAPAGOSで買えるコンテンツをチェックする
■ シャープ、作家の平野啓一郎氏を招き「GALAPAGOS」イベントを開催
以下、GALAPAGOS とは直接関係ない、更なるチラシの裏。
前回 SONY Reader 国内発表の記事でも書いたが、日本における今年の電子書籍端末&サービスは、大々的に話題になった割には進歩してないように感じる。
確かに電子書籍が読める端末は発売された。でも肝心の電子書籍ストアの方は、さほど大きく変わってない。旧来あったものの焼き直し、とまでは言わないが、大きく変貌したとは言えない。利用者の利便性もそうだし、用意されている書籍点数にしてもそうだ。
旧来同様、専用ストアと専用端末に縛り付けられ
用意されている書籍点数も町の本屋レベル
用意されている書籍点数も町の本屋レベル
今年はここで止まってしまった。もう少し進むことを期待していたのだが、それは叶わなかった。Kindle ストアや iBooks ストアはフォーマットの問題がある限り、国内向けストアが展開されるとしても随分先だろう。その間は、主に SONY Reader とシャープ GALAPAGOS になる。
「あれ?国内電子書籍端末のプレイヤーは以前と変わってなくね?」である。下手すると、数年はまだ大きな変化はないのかもしれない。
少なくとも、読みたい時に読みたい書籍があってこその電子書籍ストアの本当の姿だ。SONY Reader ストアも他のプラットフォームも含めて、用意されてる書籍点数が2万点3万点では、それこそ「何のための電子書籍ストア?」である。
町の本屋レベルでは、単に「並んでいるのを買ってみる」端末でしかない。それはそれで良いと思う人もいるだろうが、それを客観的に電子書籍ストアとして高く評価するのは解せない。
オンライン音楽ストアのことを考えれば、「読みたくなった書籍がすぐ手に入る」ことのできない電子書籍ストアがどれほどの価値しかないのか判りそうなものだ。オンライン音楽ストアに対しては聴きたい曲(の多く)が揃ってることを求めるのに、電子書籍ストアに対してはそれを求めない不思議記事すらも見かけて首を捻りたくなる。
そういう意味では iTunes Music Store が日本向けにオープンした時よりも印象は良くない。個人的には、国内の電子書籍の進歩に期待しつつ、残念な結果になった年だった。来年以降は、あまり期待しないようにしようと思う :-P
え?GALAPAGOS ?シャープのモバイル端末は、液晶を売りにしてる限り、何度やっても同じことの繰り返しでしょ。