Amazon で再び3万円台半ばの激安価格になったり4万円強に戻ったりを繰り返している GXR + P10 Kit。手元に来てから、はや2週間が経った。

タイミングよくファームウェア・アップデートもあって、若干ながら使い勝手は良くなった(50mm マクロユニットを持っている人にとっては大変な向上のようだが、私は未だ持ってない)。

個人的に DIRECT 画面がシャッターボタン半押しで決定にできるようになったのは便利だ。ま、DIRECT ボタンが左になる限り使いにくいから、Fn1/2 ボタンに DIRECT 画面呼び出しが設定できるようになれば良いのに…と思っている。

とまぁ、なんだかんだ文句を言いつつも使っているし、出かける時は(今のところ)常に持ち出しているし、全体としては気に入っている。で、

気に入ってるから、不満を色々言ってしまう


のは、私の常だ(悪い癖かもしれないけれど)。気に入って、かつ不満が少なければ絶賛モードになるが、さすがに GXR でそれはない。

GXR+P10 Part3 Sample 1


それでも実際に2週間使ってみて

カメラを構えた感じは、一眼以外では最もしっくりくる


ということが明確になった。たとえ背面液晶を使っていても、だ。特にグリップ感は、本当にお気に入り。

こういった感触、グリップに関しては人それぞれの手の大きさや握り方などによる好みが強いから、あくまで私の好みだが、一眼以外の各種ミラーレス機を含めた中で断然良いと感じている。ミラーレス機ではまずまずだった DMC-G1 よりも良い感触だし、E-P1 や NEX-5 なんかよりずっと良い。

それはボディ剛性という面も功を奏しているだろう。軽くはないがボディの造りはしっかりしていて、安心して握れる。この造りと

グリップ感、カメラを構えた時のしっくり感が GRX 最大の良さ


だと私は感じている。このカメラを構えた時の心地良さは素晴らしい。実に手に馴染む。

“高級”コンパクトの、さらにひとつ上みたいな位置づけなら当然とも言えるけれど、この造りのカメラが4万円以下なら十分リーズナブルと言える。画質は単なるコンパクトデジカメだから、いくら造りがいいと言っても5万を超えるようなら自分の中では認められないけれども、今はリーズナブルな、妥当な価格だ。

RICOH デジタルカメラ GXR P10 28-300mm F3.5-5.6VC KIT GXR+P10KIT
RICOH GXR + P10 28-300mm F3.5-5.6VC KIT

値段は上がったり下がったり。下がってる時はホントお買い得!


この2週間、GXR + P10 で撮ってきた写真の半分近くは、今までの(今でも)愛機である PowerShot S90 でも撮れるような写真だし、1〜2割は S90 で撮る方がふさわしい写真だったように思う。それでも GXR + P10 で撮影するのは、心地良いと感じる。

1年前、PowerShot S90 が登場して購入した際も、真のコンパクトサイズなのに「操作性の良さ」「RAW を含む撮影自由度の高さ」「カスタマイズ性の高さ」という点に大満足していたが、この GRX はそれとはまた違う、S90 に感じていた不満を今のところ解消してくれるカメラだ(S90 に比して物足りない部分も多々あるが)。

初期状態ではツルツルボディの Powershot S90 には後付 グリップを付けて遥かに撮りやすくなったし、だからこそ1年間愛用してきたけれど、やはり GXR + P10 で撮影していると違う。

なんというか、ボディは小さいし背面液晶で撮っているけれど、構えた時に

コンパクトデジカメにはない、カメラで撮るという感じがする


のだ。一眼レフ同様、自然にきっちりホールディングをしようとする気になるし、構えもつく。そこが普通のコンパクトデジカメである S90 を使っている時との差を感じる。何気ないことなのだけれども、

グリップを握って取り出して、左手を添えた時に撮る気にさせる


感覚も含めて、コンパクトデジカメとの意識の違いが自分にあって、それが嬉しい。

この1週間ずっと GXR で撮るのが心地良いと感じる要因、お気に入りの S90 より撮る気にさせている理由を、「新しいカメラだから」という点を除外して考えていて、到達した結論がコレだった。

GXR+P10 Part3 Sample 2


何度か書いてきたように、GRX を購入した大きな理由の一つは

自分の中で現在、一眼と iPhone の間に存在し得るカメラがあるのか?

ということに対する検証でもあった。

いくつかのミラーレス機は使ってきたし、高級コンパクトカメラと呼ばれるものも使ったけれど、結局のところ私の場合

「きちんと撮って残したい写真は、デジタル一眼を使う」

ということに行き着いた。これに関しては私の性格・考え方が強く反映されているから、異論は当然あるはず。

そして以前なら、日常スナップ用途、記録・メモ用には適当なコンパクトデジカメを使っていたが、画質は劣ってズームはできなくても、GPS によるジオタグ自動付加やネット連動性・リアルタイム性のある iPhone 購入以後、どんどん変わってきた。

iPhone 4 では HDR も含めて画質も向上し、

「日常スナップ・旅記録・メモ程度なら iPhone で十分じゃね?」

となってしまった。歴代所有コンパクトデジカメの中でも最も気に入っている1台である PowerShot S90 も、すっかり出番が少なくなってしまった。

その結果、「一眼を持ち出さない時は、撮るのは iPhone だけ」という状況になり、S90 も持って出るのだけど、なんかもう、どうしてもズームが必要な時だけ、高感度が必要な時だけ使う存在になっていた。

とはいえ、そうなってみると、何か寂しい。

iPhone で撮る時に、写真を全く意識しないわけじゃないが、やはりカメラを構えるのとは違う。かといって、撮影自由度は高くても、全てがコンパクトデジカメである S90 では「構えて写真を撮る意識にはさせてくれない」ものだった。

ということで、改めて

コンパクトだけど、コンパクトデジカメではない


ものを物色し始め、

PowerShot G12 や P7000 のような高級コンパクトカメラにするか?
AF 速度と 100-300mm レンズ込みで GF1 にするか?
コンパクトさとレンズ多様性を両立できる E-PL1 にするか?
自分の趣向には合わないけれど、硬派な GXR にするか?

と色々と考えた結果 GXR にしたわけだが、

GXR にして、とりあえず正解


だったと思っている。思ってたより撮影自由度が低いという予想外のことはあっても、そう思っている。

特に強く感じるのは

NEX やマイクロフォーサーズ機とは使い勝手・運用が根本的に違う


ということ。GXR のサイズは決して小さくないが、ズームレンズも含めると、この取り回しはマイクロフォーサーズ機では実現できないものだった。DMC-G1 は気に入っていたし、E-P1 を使っていた時にも感じたけれど

マイクロフォーサーズ機は、結局ミニ一眼的な存在


であって、持って出る時にしても取り回しにしても、デジタル一眼を使っている時と何ら変わらなかった。カバンはそれなりに小さくできるけれど、運用はあくまで一眼と変わらなかった。

それに対して

GXR の取り回しはコンパクトデジカメの延長線感覚


である。鞄に入れても重さもサイズも大して気にならない PowerShot S90 のようにはいかないが、その延長で収納性を考えられる。その点はマイクロフォーサーズ機を使っていた時とは、異なる感覚だ。

マイクロフォーサーズ機でコンパクトデジカメの延長的な感覚を保とうとすれば、パンケーキレンズ一択にならざるを得なかった。GXR も今は P10 ユニットだけだが、APS-C 素子のユニット1〜2個を含めた体制になっても、今の感覚は変わらないと感じる。

もちろん、GXR ではズームレンズの画質が犠牲になるものの、サイズメリットを考えれば、私の中ではメリットの方が大きい。

サイズファクターでマイクロフォーサーズ機でパンケーキレンズに制限されることより、画質は犠牲になってもズームレンズが使えた方が、状況によって画質の良い単焦点レンズと両方使える方がずっと良い。

ミラーレス機を幾つか使ってきたからこそ実感する
GXR の省スペース性


である。

もちろん、パナソニックのマイクロフォーサーズ機は気に入っていたし、今後も期待しているけれど、動体撮りがメインの私にとって、近い将来の範疇では一眼レフの代わりにはなりえないから、その点を割り切れば、この GXR のレンズも含めたサイズ感を優先したのは正解だったように思う。

もっとも、GXR の動体相手に対する投げっぷりは、いささか閉口するけどね!

GXR+P10 Part3 Sample 4
工夫すれば動体相手が全く撮れないわけではないが、制約はあまりにも大きい


とまぁ、買って正解、今は結構お気に入りの GXR だけれども、今後どれだけ使っていけるか?という点においては、購入時に書いた記事のとおり微妙に感じていることは変わらない。予想以上に良いカメラと感じてるから当面は使うし、しばらくは結構使うとは思う。

でも、ちょうど DMC-G1 がそうだったように、気に入っていても一式手放すことは出てくる。自分の中で存在が浮いてきて、使われなくなってきたら手放すことになるだろう。使わない機材を手元においたまま放置するのは嫌いだから、手放して使ってくれる人のところへ行ったほうがいい。

でも、このボディ、システムとしてのサイズ感、グリップの良さは手放すには惜しい。だからこそ、リコーにはもっと広く GXR が持つポテンシャルを活かす努力をして欲しいと願わざるを得ない。

過去2回で書いてきたような不満も(以前の記事には、その後気づいた点を追記・修正しています)、いくつかの点は自分が合わせざるを得ない部分もあると思ってる。ただ、

他社コンパクトが普通にできてること
自社他製品でできてることを何故しない?


というのはある。これが廉価デジカメならどうでもいいけれど、一応フラッグシップに相当するモデルではあるし、

コンパクトデジカメにない撮影をウリにもしてるんでしょ?


と思うからこそ、撮影自由度の不備に対して不満を言いたくなってしまう。例えば、P10 ユニットそのものである CX3 で実現しているのに上位であるはずの GRX でできないのは何故?と。

何でもかんでも機能を追加すりゃいいとは思わないが、どうも GXR を少し使って思うのは

リコーが GXR はこういうカメラだ、と狭く定義しすぎなのでは?


という気がする。

他社にない、他のカメラにない独自にできること、得意なことは特長であり個性だろうけれど、本来できておかしくないこと、できることをしないことは単なる欠点だし、それをもって個性とは呼びたくない。

せっかく良いボディ、グリップ感、小さいのに撮る気にさせてくれるカメラ。
だから、もっと撮ることのできる対象を広げたい。


いま、GXR に対して、リコーに対して一番思うのは、この2点に尽きる。

良いカメラなのに撮れないもの、撮りにくいものが多くてストレスが溜まって…という展開だけは避けたいところだが、さて、どうなりますやら…あまり期待はしてないけれど…(笑)

GXR+P10 Part3 Sample 4
前回記事で触れなかったが、RAW (DNG) 画像と JPEG 画像を比較してみると
シャープネスがかかりすぎと感じるシーンはあれど、
GXR + P10 の JPEG はノイズと解像感のバランスがかなり良いと感じる。
このあたりも好印象だ :-D