今日は午後からシャープの電子書籍端末およびサービスの発表会があって、一部ではその話が大きな話題になっていた。ただ、シャープが電子書籍端末を年内発売することは7月に発表済みだったので、特に驚きはない。
■ シャープ、電子書籍端末を年内に発売へ 「次世代XMDF」対応
2ヶ月近く前の話で忘れられているかもしれないが、上記の記事でも判るとおり、7月の時点で
などと発表していた。
そんなわけで、今日の発表でシャープが突如なにか驚くことを発表したわけではない。むしろ、7月に発表したことの具体的な事業計画の発表だったわけである。
が、しかし今日の発表を見てみると、どうも予定は未定的なことが多い。今日の発表の主要部分を見てみると
とまぁ、7月の発表の時よりは情報が多くなってきて一歩前進なのだが、反面
という感じで、電子書籍端末の価格や電子書籍ストアの具体的な内容など
という状況。ぶっちゃけ、現時点では7月の発表時と大差ないと言わざるをえない。誰も現時点では、どうこう言えないだろう。
そんな発表内容だからこそ
ような状況になってしまってる。まぁインパクトだけはあるけど、それで良いのか?とも思う。
光センサー液晶パッド搭載 Mebius PC-NJ70A-B
(去年の勘違いプロダクトの代表。この時も威勢の良い発言が…)
商品やサービスの名前が「ガラパゴス」。確かにインパクトはある。話題にもなった。知名度を高めるには成功しそうだ。しかしまぁ、思うのは
と思う。今年来年だけならともかく、なんかそういうところが昨今のシャープらしいというか、今イチ信用できないところに繋がる。
特に「2011年のできるだけ早い段階に100万台を販売したい」といった威勢の良い発言を聞くと、またか…と思う。
と言いたくなる。
去年今年を見ても、最後の Mebius、最後のシャープ製ノートPC になってしまった「PC-NJ70A」だの、ネットウォーカーだの、発表時に誰もが微妙に感じつつもデカいことを言いつつ、全くそれについてきてないことが続いている。
PC-NJ70A の時は、ネットブック最後発なのに「デカい、重い、バッテリーもたない、性能機能は液晶パッド以外は標準的、なのにバカ高い」という、売れるわけがねえよ…という物だったのに、この時もやっぱり
「 グローバル規模で100万台を目指す」
と言っていた。
その結果は、名機を産み出してきたシャープ Mebius の墓標になったことで明らかだ。私もモニターとして使ってきて(実は今も毎日ダイニングPC として使ってる)、ホントひどい商品だと感じてるわけで、発表会での上記の発言は、どこをどう市場調査したら言えるのか、未だに疑問だ。
というか、市場調査していたらあんな商品を世に出すわけないか…
ネットウォーカーもそうだ。大爆死の PC-NJ70A とは違って細々とは売れていたようだが、ちょうど1年前に
「2009年度内に10万台を目標に掲げており、2010年度には市場全体で50万台の規模を見込んでいる」
と発言していたわけだ。
結果は空気のような存在であることが証明しているし、売れていたら初代と2代目で全くコンセプトの違う製品になるわけがないのが、何よりもの証拠だろう。初代と2代目は名前が一緒なだけ、というくらい違う。
ついでに言うと、
というような状況なので、
と思うわけだ。
あまり否定的なことは言いたくないが、リナザウあたりからシャープのモバイル端末は迷走の一途を続けてきたし、ここ数年は本当に酷いから、今回の「ガラパゴス」で再生できるのが疑問を感じざるを得ない。
とにかく
というのが、私の中で拭いきれ無いので、今回もまた…とならなければいいのだが。
SHARP Net Walker PC-Z1-B
(リナザウの生まれ変わりだし、実機を触って良かったら…と思ったのだが)
もっとも現状、電子書籍端末は色々と言われつつも、国内は iPad が少しあるだけだ。Kindle は国内で正式売られて、コンテンツも売られているわけではない。
唯一の iPad も Apple 純正電子書籍ストアの iBooks は国内向けはスルーされているし、サードパーティの電子書籍プラットホームは乱立して、どれほどの人が利用しているやら…という状況だ。
乱立する電子書籍プラットホームの中には、本を読む時には常時接続が必要という、電子「書籍」とは言えない腐ったプラットホームもある状態では、とてもじゃないが一般の人達が電子書籍への印象を改めるものにはなっていない。
それゆえに、シャープは日本では初めてハード&サービス一体となった、本格的な電子書籍プラットホームを立ち上げようとしている、という心意気は評価したいと思う。
ただまぁ、個人的には、既に iPad という存在がある中で、特に日本において
と考えてる。
「ガラパゴス」も電子書籍でない展開を考えているようだが、そんな展開を考えているうちに、端末売れない→サービスも充実しない→端末売れない…、の悪循環に陥るような気がしてならない。
これで端末やサービスの価格が安ければ、たとえば端末なら Kindle と比較できるような安さならまだしも、きっと iPad が基準だろう。だとすれば、端末で利用出来る内容も同程度以上でなければ、売れはしないだろう。
サービスの内容や価格もそうだ。結局、紙の書籍と同価格なら電子書籍が急速に伸びることはない。アメリカだって、電子書液は紙の書籍より安いから Kindle が売れたわけだ(アメリカは紙の書籍が高いしね)。
日本だって、同じ。iPad では紙の書籍と同価格どころか、電子書籍は紙の書籍より高く設定している本もある。出版する側がそんな現状では、とても電子書籍の普及は見込めない。
ということが、シャープに判っているかというと、どうかなぁ?と今は思えてならない。
ま、端末も電子書籍ストアも良い方に裏切られるように、生温かく見守って 12月を待ちたいと想う。今のところは「ネットウォーカー」的な臭いが強いので、きっと様子見だけどね。
■ シャープ、電子書籍端末「GALAPAGOS」発表
■ 進化する「GALAPAGOS」で世界へ シャープの電子書籍端末、早期に100万台目指す
■ シャープ、電子書籍端末を年内に発売へ 「次世代XMDF」対応
2ヶ月近く前の話で忘れられているかもしれないが、上記の記事でも判るとおり、7月の時点で
- 電子書籍フォーマット「XMDF」を動画や音声に対応させた「次世代XMDF」フォーマットを使う
- 画面サイズが10.8インチと5.5インチの2種類の端末を提供し、試作機もお披露目
- 端末だけでなく、オーサリングから配信までを含む電子書籍ソリューションとしてやっていく
- 日本電子書籍出版社協会と協力
- 端末やソリューションは海外でも展開する予定
などと発表していた。
そんなわけで、今日の発表でシャープが突如なにか驚くことを発表したわけではない。むしろ、7月に発表したことの具体的な事業計画の発表だったわけである。
が、しかし今日の発表を見てみると、どうも予定は未定的なことが多い。今日の発表の主要部分を見てみると
- 電子書籍事業のブランド名は「GALAPAGOS」(ガラパゴス)
- 端末および電子書籍ストアは12月発売&サービス開始
- 対応フォーマットは「次世代XMDF」だけど、端末ではHTML、PDF、ePUBをサポート予定
- 通信機能として無線LAN(IEEE802.11b/g)のみ
- 端末はAndroid ベースだがフルカスタムで、Android 端末的な利用は基本的に無理
- 電子書籍ストアはシャープ製電子書籍端末以外のスマートフォン、タブレット端末でも利用可能にする方向で、AQUOSにも展開予定(Apple製端末は念頭にないらしいが)
- 電子書籍ストアには当初約3万冊の書籍、雑誌、新聞が予定されていて、自動定期配信サービスもある。
とまぁ、7月の発表の時よりは情報が多くなってきて一歩前進なのだが、反面
- 端末価格は後日発表(既存端末と同価格帯)
- サービスの詳細も後日発表
- 端末のアップデートで将来は映像や音楽、ゲームにも対応
- 映像配信は来春を予定
- 3G通信機能はキャリアと相談してから
- 「早い段階で100万契約を目指したい」
という感じで、電子書籍端末の価格や電子書籍ストアの具体的な内容など
肝心要の内容は、またもや発表先送り
という状況。ぶっちゃけ、現時点では7月の発表時と大差ないと言わざるをえない。誰も現時点では、どうこう言えないだろう。
そんな発表内容だからこそ
発表会の目玉が「ガラパゴス」という名前しかない
ような状況になってしまってる。まぁインパクトだけはあるけど、それで良いのか?とも思う。
光センサー液晶パッド搭載 Mebius PC-NJ70A-B
(去年の勘違いプロダクトの代表。この時も威勢の良い発言が…)
商品やサービスの名前が「ガラパゴス」。確かにインパクトはある。話題にもなった。知名度を高めるには成功しそうだ。しかしまぁ、思うのは
サービスも端末販売も長く続けるつもりなんでしょ?
5年後10年後に「ガラパゴス」って恥ずかしくね?
5年後10年後に「ガラパゴス」って恥ずかしくね?
と思う。今年来年だけならともかく、なんかそういうところが昨今のシャープらしいというか、今イチ信用できないところに繋がる。
特に「2011年のできるだけ早い段階に100万台を販売したい」といった威勢の良い発言を聞くと、またか…と思う。
シャープはモバイル端末で
大言壮語を何度繰り返してきたの?
大言壮語を何度繰り返してきたの?
と言いたくなる。
去年今年を見ても、最後の Mebius、最後のシャープ製ノートPC になってしまった「PC-NJ70A」だの、ネットウォーカーだの、発表時に誰もが微妙に感じつつもデカいことを言いつつ、全くそれについてきてないことが続いている。
PC-NJ70A の時は、ネットブック最後発なのに「デカい、重い、バッテリーもたない、性能機能は液晶パッド以外は標準的、なのにバカ高い」という、売れるわけがねえよ…という物だったのに、この時もやっぱり
「 グローバル規模で100万台を目指す」
と言っていた。
その結果は、名機を産み出してきたシャープ Mebius の墓標になったことで明らかだ。私もモニターとして使ってきて(実は今も毎日ダイニングPC として使ってる)、ホントひどい商品だと感じてるわけで、発表会での上記の発言は、どこをどう市場調査したら言えるのか、未だに疑問だ。
というか、市場調査していたらあんな商品を世に出すわけないか…
ネットウォーカーもそうだ。大爆死の PC-NJ70A とは違って細々とは売れていたようだが、ちょうど1年前に
「2009年度内に10万台を目標に掲げており、2010年度には市場全体で50万台の規模を見込んでいる」
と発言していたわけだ。
結果は空気のような存在であることが証明しているし、売れていたら初代と2代目で全くコンセプトの違う製品になるわけがないのが、何よりもの証拠だろう。初代と2代目は名前が一緒なだけ、というくらい違う。
ついでに言うと、
- PC-NJ70A の時は、光センサー液晶パッドを使った独自アプリをどんどん提供していくと言っていた
→1つだけ追加で提供されたが後は音沙汰なし。 - PC-NJ70A の光センサー液晶パッド用の SDK を提供してサードパーティにも対応ソフトを作ってもらう
→SDK の提供すらしなかった - 2代目ネットウォーカー(今春発売)の時も「これで電子書籍をやる」と言ってたが、半年後に全く違うプラットホームと端末ですか…
というような状況なので、
シャープの「将来的には…」を信用できる人なんているの?
と思うわけだ。
あまり否定的なことは言いたくないが、リナザウあたりからシャープのモバイル端末は迷走の一途を続けてきたし、ここ数年は本当に酷いから、今回の「ガラパゴス」で再生できるのが疑問を感じざるを得ない。
とにかく
シャープの発表会で大言壮語は爆死の予感
というのが、私の中で拭いきれ無いので、今回もまた…とならなければいいのだが。
SHARP Net Walker PC-Z1-B
(リナザウの生まれ変わりだし、実機を触って良かったら…と思ったのだが)
もっとも現状、電子書籍端末は色々と言われつつも、国内は iPad が少しあるだけだ。Kindle は国内で正式売られて、コンテンツも売られているわけではない。
唯一の iPad も Apple 純正電子書籍ストアの iBooks は国内向けはスルーされているし、サードパーティの電子書籍プラットホームは乱立して、どれほどの人が利用しているやら…という状況だ。
乱立する電子書籍プラットホームの中には、本を読む時には常時接続が必要という、電子「書籍」とは言えない腐ったプラットホームもある状態では、とてもじゃないが一般の人達が電子書籍への印象を改めるものにはなっていない。
それゆえに、シャープは日本では初めてハード&サービス一体となった、本格的な電子書籍プラットホームを立ち上げようとしている、という心意気は評価したいと思う。
ただまぁ、個人的には、既に iPad という存在がある中で、特に日本において
電子書籍だけの端末が売れるとは思えない
と考えてる。
「ガラパゴス」も電子書籍でない展開を考えているようだが、そんな展開を考えているうちに、端末売れない→サービスも充実しない→端末売れない…、の悪循環に陥るような気がしてならない。
これで端末やサービスの価格が安ければ、たとえば端末なら Kindle と比較できるような安さならまだしも、きっと iPad が基準だろう。だとすれば、端末で利用出来る内容も同程度以上でなければ、売れはしないだろう。
サービスの内容や価格もそうだ。結局、紙の書籍と同価格なら電子書籍が急速に伸びることはない。アメリカだって、電子書液は紙の書籍より安いから Kindle が売れたわけだ(アメリカは紙の書籍が高いしね)。
日本だって、同じ。iPad では紙の書籍と同価格どころか、電子書籍は紙の書籍より高く設定している本もある。出版する側がそんな現状では、とても電子書籍の普及は見込めない。
売れるも売れないも、結局値段次第
ということが、シャープに判っているかというと、どうかなぁ?と今は思えてならない。
ま、端末も電子書籍ストアも良い方に裏切られるように、生温かく見守って 12月を待ちたいと想う。今のところは「ネットウォーカー」的な臭いが強いので、きっと様子見だけどね。
■ シャープ、電子書籍端末「GALAPAGOS」発表
■ 進化する「GALAPAGOS」で世界へ シャープの電子書籍端末、早期に100万台目指す