iPad が発売されて、4ヶ月。8月末頃から量販店で全モデルが普通に入手できるようになって、今じゃヨドバシにいつ行っても全モデル在庫ありな状況です。ようやく普通な状況になったと言えるでしょう。

さて、私も手元に来て4ヶ月が経って、iPad 発売前後に書いた状況とは iPad の使い方が少し変わっています。特に

iPhone4 購入後、iPad の使い方が少し変わった


というのを最近実感する。元々 iPad は

・iPhone (3G/3GS) では足りない部分を補う
・ノートPC では大げさなシーンをカバーする

といった役割があったけれど、

「iPhone 3GS と iPad だと iPad が優位で、iPad での利用に移行していたことの一部が、iPhone 4 購入後に iPad から iPhone に戻った」

というわけです。

端的に言えば、

iPhone 4 は 3GS に比べて断然文字が見やすくなって
iPhoneでウェブを見るのが辛いから iPad を使おうと思うことが減った


ということです。その一番、顕著な例が寝モバ。

利尻島脇の海に沈むところを。
(by iPhone 4)


iPhone 3GS と iPad だと、テキストの読みやすさは圧倒的に iPad。今から思えば 3GS でネットサーフは少々難があった。細かい文字は読みにくいので、ちょくちょく拡大しなきゃならなかったし、それでもクッキリハッキリじゃなかったから、iPad の広くて文字が読みやすい画面が魅力的だった。

しかし iPhone 4 と iPad だと、文字の大きさ的には断然 iPad だけれども、iPhone 4 はウェブも含めた文字が、かなり読みやすくなった。細かい文字もクッキリとしているから拡大せずに読めて処理テンポも良くなったし、拡大時でも 3GS より遥かに読み易いから、3GS → 4 では確実に目の負担は減った。

それに、寝モバする時に 10インチ近い iPad は大きすぎるところがある。今の 10インチのサイズは決して悪くはないが、座ってみるサイズであり、目と画面の距離がどうしても近くなりがちな寝モバサイズではない。

だから、寝モバで何となくネットする時には iPad から再び iPhone を使うことが多くなった。

稚内港北防波堤ドーム


出かける時に iPad を持って行く頻度も、少し減ったかもしれない。元々 VAIO P、MacBook Air というモバイル PC があるから、iPad を持って出る、持って出ようと思う場面はそう多いわけではない。

出先で仕事するなら最低でも MacBook Air だし、必要に応じて MacBook Pro に変わる。プライベートでも、出先でブログを書いたりタイピングをしたい場合なら、やっぱり Air か、それとも iPad と同程度の重さながら小型でタイピングしやすい VAIO P になる。

そういった状況だったのに加え、iPhone が4になって文字が見やすくなったがゆえに、iPad を持ち出したくなる場面が減った、そんな気がする。iPhone 4 になって、

iPad が補っていた iPhone の足りない部分が少なくなった


ゆえに、iPhone 4 とは別にデバイスを持ち出すなら、より補完できるものとしてキーボード付きのノートパソコンを持ち出すことが逆に増えたように思う。

宗谷丘陵


ただ、iPad が決して色褪せたわけではなく、やはり iPad、という場面も4ヶ月使ってきて、当然多くある。

仕事で出かけるなら、仕事柄やっぱりノートパソコンではあるが、

プライベートの旅に持って行くなら iPad が一番相応しい


と、使ってきて、つくづく思う。



カメラ(iPhone 4 含む)のデーターバックアップ用ストレージ兼ビューワーとして使えるし、ノートパソコンより使ってて気分が楽だし、プライベートな旅には合う。バッテリーの保ちが良いのも心強い。

私の場合、プライベートの旅でも保険として VAIO P を忍ばせておくことが多いけれど、結局 VAIO P は忍ばせたままということも少なくない。せっかくの旅先でノートPC は出したくないけど、iPad なら出しても良い、そんな微妙な境界線があるように思う。

仕事柄、出先で緊急のオンライン作業をしなきゃならないこともあるけれど、それも iPad で随分可能になってきた。高性能 VNC クライアントアプリの「iTeleport」や、高機能コンソールアプリ「iSSH」といったアプリを VPN と組み合わせて使えば、意外と心強い。

それらのアプリも iPhone では本当に緊急でしかないけれど、iPad ならかなり実用的だ。はっきり言って、動きがもっさり&画面の小さな

VAIO P より iPad の方がリモートメンテは楽


と感じることすらある。外部キーボードと併用すれば、尚更である。

そういった実作業を iPad で使う上での問題は、iPad がまだマルチタスクではないことだが、それは近々リリースされる 4.2 で解決する。というか、既にβを使ってる身からすれば、もはやその問題はなくなっている。

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月末発売の定番リュウドの新型Bluetooth キーボード RBK-2200BTi

Mac 用 US 配列なので iPhone/iPad とはベストマッチ。
BTキーボードを以前から持ってる私も購入予定。


ただ、旅のお供アイテムとして見た場合、iPhone 4 で撮影した動画を iPad 上で iMovie アプリを使って編集ができないのは、今となっては画竜点睛を欠く。早く iPhone 4 で撮った HD 動画を iPad 上の iMovie アプリで編集できるようになって欲しい、と思う。iPhone 4 上の iMovie で編集するのも簡単だけど、動画や写真はやっぱり大きな画面で編集したい。

そういう意味では次期 iPad には期待している。

高山本線猪谷駅近く車窓


次期 iPad といえば、FaceTime 用のカメラが付くのは間違いないだろうし、メモリも iPhone 4 同様の 512MB に増量してくるだろうが(そして iMovie アプリが使えるようになるだろう)、根強い噂があるのは7インチモデル。

個人的に iPad は今の 9.7インチを支持しているのだけど、

寝モバや旅に持って出るのを考えると、7インチも欲しいなぁ


と思う。ただ、バッテリー駆動時間が大きく減少すると旅に持って出るメリットが減るので、7インチモデルが出るとしても、そこは頑張って欲しいと思う。

しかし、同時に「iPad の良さの一つって、大きな画面じゃん!」と思うわけで、7インチが全て良いとは思えない。

例えば自宅で使うとしても

寝モバには7インチが良くても
ソファに座って使うなら7インチより10インチかなぁ


と思うわけだ。

目と画面との距離によって最適な画面サイズは変わるから、1台で全てに最適なものは不可能だろう。

もっとも、現行サイズ以外に7インチの iPad が出たとして、それぞれのサイズの新iPad を2台を自分用に買うか?と言われると、さすがにそれは…という気はする。

というか、旅先の写真ストレージ用なら7インチの Android タブレットの方が良いかもと思っていたりします。Android タブレットの方が USB 端子とかあるので、内蔵 SSD 以外に、外部 SSD / HDD にも保存可能な融通さがありますしね。

ただ、Android タブレットは日本ではまだほとんどないばかりか、

現状の Android タブレットは 1024x600pixels ばっかり


ってのが嫌。

縦ピクセル数 768 と 600 の違いは初期ネットブックで結構実感してるので、縦 600pixels デバイスはどうも買う気にならんのです。1024x600pixels の液晶を使ってるというのを見るだけで「あぁ、安物液晶使ってコスト重視製品か…」という感じで、買いたい衝動が起きないんですね…

世界初 アンドロイド搭載 7インチ インターネットタブレット (パールホワイト) - 新バージョン
アンドロイド搭載 7インチ インターネットタブレット

安くても、こういうのを買うわけにもいかないしね…


とまぁ、iPhone 4 を購入してから iPad の出番が少し減った、7インチが欲しいかも…ということを書いてきましたが、

iPad はあって良かったと思うことは多い


のも事実。無理して思ってるとかではなく、素直にそう思えることは多い。

iPhone 4 でいくら文字が見やすくなってウェブサイトを見るのも少し楽になったとはいえ、PC を含めて一番ウェブサイトを見るのが楽なのは iPad かなぁと思う。iPad を使う機会が少し減ったから、逆に iPad を使うと余計にそう感じる(ちょっと矛盾してるけど)。

iPhone やパソコン上で RSS をチェックしながら、あとでちゃんと読みたい記事を Read It Later に送り込んでおいて、マッタリしながら iPad の Read It Later アプリでつらつらウェブ記事を読むのは、本当に便利と感じる。

ただ、個人的な事情からどうしてもパソコンの画面の前にいる時間が長いため、そういうシーンが少なくなってしまう。それが残念でもあり、iPad の良さを感じてるのに、iPad の良さを生かせる時間が少ないなぁ、と。

中部空港上空から機窓


また、電子書籍関係も当然 iPad に分がある。ただ、これも iPhone 4 の登場で、3GS の時のように「iPhone で電子書籍?そんなの有り得んわ〜」というほどのことはなくなった。

文字が格段に見やすくなった iPhone 4 では ePub フォーマットなど文字サイズがある程度変えられるものなら、電子書籍を読むのもありかな…、と思うし、実際読むようになった。

しかし、いくら iPhone 4 の液晶が精細になったとはいえ、

自炊などの PDF ベース電子書籍は iPhone で読む気になれない


拡大縮小すると1ページの中を読むのにスクロールが必要な状況では、それはもう「本を読む」という動作ではなくなる。これは自炊した PDF だけでなく、ヤッパがベースの電子書籍アプリがダメなことが多いのも同様。拡大縮小・スクロールが多発する電子書籍は書籍じゃない。

やはり、電子書籍はページめくり動作だけで読めなければならない。まず、そこが大前提だ。小説でも漫画でも雑誌でも、内容に没頭できない動作を必要とするのは、電子書籍と言えない。だから、iPhone 4 で快適に読める電子書籍は限られている。そして「電子書籍は iPad だよなー」という当たり前の結論になる。

もっとも、ここでも「じゃあ、7インチで電子書籍だと、どう感じるのだろう?」というのは興味深いのだけど。まぁ、その前に Kindle 3 を買おうか正直迷ってるんだけど…



さて、もう一つ、最近の自分の iPad 利用形態で変わってきたというか、追加されたことがある。それは

パソコンのサブ画面的に使うことが多くなった


ということ。

といっても、以前紹介した iPad をパソコンのサブディスプレイ化する「Air Display」を使うことは少なく(出張時に必要となった時くらい)、独立して別の画面を表示させていることが多くなった。

たとえば、

・いま作業していることのオンラインマニュアル
・参考資料の PDF
・時には Reeder(RSS リーダー)や Twitter クライアント

そういったものをメインディスプレイに向かって右手前にある iPad に表示させておき、必要なときに閲覧しながら…ということが増えた。

メインディスプレイに表示させておいても良いのだが、27インチにしたとか MacOS X には Spaces(仮想スクリーン)があるとはいえ、たまにしか閲覧しないものはサブディスプレイに置いとくのが良いことも多い。メインディスプレイを27インチにして、サブディスプレイを1つ外したので、その役割の一部が iPad になっている。

というか、傍らに iPad で表示させておいて、指先で操作するのは意外と悪くないものだ、と感じている :-)

房総半島・野島崎上空で左旋回中。綺麗に房総半島の先端、州の崎を主翼の先に捉える。


というわけで、先月くらいから iPad の使い方の変化について感じていたことを、つらつらと書いてみた。完全にチラシの裏であるが、自分なりの iPhone / iPad 利用形態の変遷メモでもある。

今後、新しい iPad が出て、もしかすると7インチ iPad が出て、また7インチの Android を買ったりして、自分の利用スタイルがどう変わっていくかは楽しみでもある。

それにしても手元の 16GB の iPad は試しに買っただけで、気に入ったら 64GB を買おうと思っていたのだが、予約して待ってまで買うことはないわ〜と思っていたら、ここまで引っ張ってしまった。今からだと新型を待つかどうか悩むね…

AR.Drone Blue PF720002
買うかどうか悩むといえば、AR.Drone

発表時から欲しかったのだけど、この値段は迷って躊躇ってまま…