サッカー速報アプリである Futbol24 アプリのバージョンアップが微妙な件(※)で、twitter に「旧バージョンに戻した」とつぶやいたら、その方法を教えてとか、方法を書いたら初めて知ったというレスポンスがあったので、画面写真付きでブログにまとめておきます。

(※)機能追加のバージョンアップとともに 700円の有料アプリが無料化+一部機能はアドオンで有料というパターンになった(旧版ユーザーはアドオン無料)のは別に良いのだけど、無料化による広告表示が有料で買ったユーザーにも表示されて鬱陶しすぎるので、旧版に戻したという話。この件は、問い合わせてる件の状況が落ち着いたら、過去の Futbol24 の記事か別記事で補足予定。

まず最初に、「バージョンアップした iPhone アプリを旧バージョンに戻す」ためには大前提の条件が有ります。それは

ゴミ箱に旧バージョンのファイルが残っている必要がある


ということ。

iTunes で iPhone アプリケーションのバージョンアップを行うと、古いバージョンのファイルはゴミ箱に移動されます。

例えば、「Futbol24」というアプリがバージョン 1.0 から 2.0 へバージョンアップしたとすると、「Futbol24 1.0.ipa」というファイルがゴミ箱に移動されます。これが残ってないと、お手上げです。

ちなみに、他人の旧バージョンのファイルをもらってきても使えませんので、ゴミ箱を空にした後では旧バージョンに戻すのは無理です(削除ファイル復活ツールを試す手もありますが)。

なお、ファイル名は「アプリ名 バージョン.ipa」という形式ですが、ファイルに書かれているアプリ名は、iTunes 上の表記と若干異なる場合もありますので、ipa の拡張子を持つファイルを確認しましょう(Windows の場合は設定で拡張子を表示させる設定にした方が探すのには良いかもしれません)。

要は「バージョンアップした iPhone アプリを旧バージョンに戻す」手順というのは、このゴミ箱に入れられた旧バージョンのファイル(上記の例では Futbol24 1.0.ipa)を iTunes 管理フォルダ内にある新バージョンのファイル(Futbol24 2.0.ipa)と入れ替えるだけです。

が、一工夫が必要になるので、以下に手順を追って説明します。



ここでは MacOS X 上の iTunes で Futbol24 アプリがバージョン 1.0 から 2.0 へアップデートされたのを戻す場合を例にとって説明します。Windows の iTunes では一部異なる部分がありますが、ほぼ同じ手順ですので、参考になるかと思います。

他のアプリでも全く同様の手順になりますが、全てのアプリが旧バージョンに戻せるとは限りません。旧バージョンに戻すと(そのアプリの利用に)不具合が出る場合もあります。その場合は新バージョンにアップデートし直して諦めて下さい。

また、一旦アプリを削除するため、アプリ内の設定はクリアされます(当該アプリ以外の設定その他に影響はありません)。

これらの点を十分考慮して、バージョンダウンをした方が良いかどうか考えてから実行して下さい。

iPhoneApp2Previous01


Step 0)バージョンアップした状態の確認

上記画面のように iTunes でアプリをアップデートしたり、iPhone 上でアプリをアップデートした後に一度パソコンと同期を取ると、iTunes の管理下の当該アプリが新バージョンのアプリファイルになっています。

確認の方法は、まず iTunes のアプリケーションタブでバージョンアップした(バージョンダウンしたい)アプリを探します。

iPhoneApp2Previous02
(クリックで拡大)


上記画面例はアプリケーションタブ内の一覧を Color Flow 形式で表示させていますが、リスト形式でも同じで一覧の中に対象となるアプリ(この場合は Futbol24)があるはずです。

グリッド形式の場合はジャンル別のフォルダ形式になっているので、該当アプリのジャンルを選択して、その中から探してみて下さい(Futbol24 なら Sports またはスポーツのジャンル)。

対象となるアプリを左クリックで選択して反転させた状態で、

・ファイルメニューから「情報を見る」
・右クリックで出てくるメニューから「情報を見る」

のどちらかで、アプリファイルの情報を見ると、以下のようなウィンドウが出てきます。

iPhoneApp2Previous03


ここで、バージョンの項目を見ると「2.0」となっていて、バージョンアップされていることが判ります。

この確認は特にやる必要はないのですが、アプリファイルの情報確認は基本的な事柄ですので、やった事がない人は最初に試しておくのも良いかと思います。


Step 1)ゴミ箱から旧バージョンのファイルを取り出す

先ほど書いたように、iTunes でバージョンアップすると or iPhone でバージョンアップした後に iTunes と同期すると、旧バージョンのアプリファイルはゴミ箱へ捨てられます。

「Futbol24」というアプリがバージョン 1.0 から 2.0 へバージョンアップ下とすると、「Futbol24 1.0.ipa」というファイルがゴミ箱に移動されていますので、これをどこかへ取り出しておきます。

なお、今後 iTunes でバージョンアップする際にうっかりアップデートしてしまうこともあるでしょうから、このファイルは完全に要らなくなるまで、どこかに保存しておく方が良いかもしれません。


Step 2)iPhone から当該アプリをいったん削除する

iPhone / iPod touch からバージョンダウンしたいアプリをいったん削除します。iPhone 上で削除しても良いですし、同期時にアプリを外す設定にしても良いですが、前者(iPhone 上で削除した場合)は一度同期し直した方が確実です。


Step 3)iTunes 管理下のアプリファイルを入れ替える

iTunes が起動していたら終了します。そして、Finder (Mac) またはエクスプローラー (Windows) で、iPhone アプリのファイルが置かれているフォルダを開きます。

iPhone アプリのファイルが置かれているフォルダは

MacOS X の場合:(自分のホームフォルダ)→ミュージック→iTunes→Mobile Applications
Windows の場合:(自分のホームフォルダ)→マイ ミュージック→iTunes→Mobile Applications

となります。

Windows は「マイ ミュージック」フォルダの名前が OS 毎にちょっと違うかもしれないけど、要は iTunes フォルダの中の Mobile Applications フォルダを開きます。

その Mobile Applications フォルダの中に、バージョンアップした対象アプリのファイルがあるはずです。Futbol 24 アプリのバージョン 2.0 なら「Futbol24 2.0.ipa」というようになってます。

iPhoneApp2Previous04


そして、このバージョンアップしたファイルをゴミ箱へ捨てて、ゴミ箱から取り出しておいた旧バージョンのアプリファイルを代わりにこのフォルダへ入れます。

今回の例なら Mobile Applications フォルダの中にある「Futbol24 2.0.ipa」というファイルをゴミ箱へ捨てて、ゴミ箱から取り出しておいた「Futbol24 1.0.ipa」を入れます。

なお、先にも触れましたが、アプリのファイル名は「アプリ名 バージョン.ipa」という形式なものの、ファイルに書かれているアプリ名は、iTunes 上の表記と若干異なる場合もあります。ゴミ箱から取り出した旧バージョンのファイル名を頼りに探します。


Step 4)ゴミ箱を空にする

Windows では特に必要はないのですが、MacOS X では必須になります。

MacOS X ではファイルを単にゴミ箱へ入れただけでは、まだそのファイルは“生きて”いる状態で、iTunes からゴミ箱内のファイルを参照する形になりますので、必ずゴミ箱を空にします。


Step 5)iTunes を起動してアプリケーションの情報を修正する

再び iTunes を起動してアプリケーションタブを開き、先ほどバージョンダウンで入れ替えた iPhone アプリを見てみます。

iPhoneApp2Previous05
(クリックで拡大)


先ほど入れ替えたアプリ(ここでは Futbol24)を探すと、左側にエクスクラメーションマーク!が付いています。

iPhoneApp2Previous06


これはアプリケーションのファイルを差し替えて、ファイルが見つからないための不整合が起きている時の表示です。

これを修正するために、Step 0 でやったように、差し替えたアプリの行を左クリックで選んだ後、ファイルメニューから「情報を見る」もしくは、右クリックで出てきたファイルから「情報を見る」を選択します。

すると

iPhoneApp2Previous07


という「ファイルが見つからねえ!探すか?」という警告画面が出てきますので、「場所を確認」ボタンをクリックします。

iPhoneApp2Previous08
(クリックで拡大)


Mac なら Mac でおなじみの、Windows なら Windows でおなじみのファイル選択ダイアログが出てくるので、Step 3 で説明した iTunes → Mobile Applications フォルダ内にある、先ほど入れた旧バージョンのアプリファイルを指定します。くれぐれも、ファイルを間違えないように。

そして、きちんと旧バージョンのアプリファイルを指定してやると、Step 0 で見たファイルの情報画面になるのですが、

iPhoneApp2Previous09
(クリックで拡大)


このようにバージョン欄が、古いバージョンになっています。

そして、このダイアログを OK ボタンで閉じてみると…

iPhoneApp2Previous10
(クリックで拡大)


アプリケーション一覧でも、左端にあったエクスクラメーションマーク!が消えています。これで、iPhone アプリのバージョンダウンは完了です。


Step 6)iPhone にアプリを再インストールする

以上の手順が完了したら、いつもの同期手順で iPhone / iPod touch に改めてバージョンダウンしたアプリをインストールし直します(同期のアプリケーションタブで、該当アプリに再チェックして下さい)。

これでおおよその場合は、バージョンダウンができます。ただし、

  • アプリメーカーのサーバーと連動していて、サーバー側の仕様で一度バージョンアップすると旧バージョンが使えなくなる場合(こんな糞な仕組みはないと思いますが)

  • 同じくアプリがメーカー提供のサーバーと連動していて、旧バージョンのサポートを打ち切った場合


などに関しては、バージョンダウンしても使えないことがあります。

また、iPhone アプリをバージョンダウンして使うと一つ副作用というか、面倒くさいことが発生します。それは

iTunes の一括アップデートができない


ということ。一括アップデートすると、せっかくバージョンダウンしたものも、またバージョンアップすることになります。

ので、バージョンアップ・アプリが幾つもある場合でも、一括アップデートが使えず、ちまちま一つずつアップデートしなきゃならないことになります。これはパワーユーザーには結構厳しい話になります。

使ってるアプリ、所有しているアプリが少なければ、毎日のアップデート数も少ないでしょうから問題ないですが、所有アプリが数百レベルになると、週末を除く毎日そこそこの数のアプリがアップデートします。

ましてや、旅行その他でしばらくアップデートしてなかった日には、20、30とアップデート数が出てくることも珍しくないので、一括アップデートが使えないのは厳しい話です。

そういう副作用もあるので、iPhone アプリをバージョンダウンして使うのは、基本的にあまりオススメはできません。

が、それでもバージョンダウンしたい時はあるのも事実なので、その時はこういった方法を採らざるを得ないでしょう。

ただ、

本筋はメーカーに文句言って改善してもらう


ことです。iTunes のコメント欄に書くも良し(ただし、外国のメーカーなら要望クレームについては最低英語じゃないと伝わりません)、iPhone アプリを作ってるメーカーなら blog や twitter を持っていることも多いので、そこへ書くも良しです(大手以外は twitter で reply するのが基本になりつつあるかな?)。

自分のブログや twitter で何となく書き散らしたり文句言ってるだけでは何の解決にもなりません。2ちゃんでブー垂れてるのと同じです。

バージョンダウンしなきゃならないほどの問題なら、翻訳サイト使ってでもとにかく開発者に伝えるべきで、それが一人でも多ければ、より改善の確率が高まるはずですしね。