D3S が発売され、1D Mark IV の発売も間近になってきた昨今だが、発売・購入からちょうど2ヶ月が経った EOS 7D について再び書いてみる。と言っても特に何事もなく使っているわけだが、発売・購入直後の記事から少し経って気がついた点などを述べてみたい。
総論的には、2ヶ月経っても購入当初の記事で何度か書いたように、2年以上メインで使ってきた EOS-1D Mark III と比べると物足りない面もあるが、AF-C での被写体追従性能を含めた性能で Mark III を上回る点も多いし、機能面でも(もはや手放せなくなった)縦横位置別の測距エリア選択・位置記憶など2年以上の歳月を感じさせる改良がなされていて、2ヶ月経っても買って良かったと思っている。
APS-C としてはなかなかの高感度特性と、値段を考えれば文句は言えない連写性能(スポ撮りでは 10コマ/秒との差は感じるが)など、ショールームで初めて手に取った瞬間に「キヤノンもようやくマトモな中級機を出したなぁ」と感じた思いは、購入直後も変わらなかったし、2ヶ月使ってきた今も変わらない。
もちろん、1D との明らかな差を感じる部分は多い。レリーズタイムラグを調整してくれないことは個人的に一番の不満だし、レリーズ周りに不満も多い。レリーズ音自体は比較的静かだが「こだわりました」という割には萎える音だし、ショックは少なめでも 1D シリーズからするとレリーズタイムラグはもう少し頑張って欲しかった。
グリップは明らかに Mark III の方が馴染むし(正直グリップ感は未だに 7D に馴染めない)、7D の縦グリップは糞すぎて萎える。Mark III の縦グリップも通常時と使い勝手が異なる分今イチなところもあったが、7D の場合は「バッテリーサイズありきで縦グリップを作ってんじゃねぇよ!」と言いたくなる。
とまぁ、ここらへんまでの善し悪しは購入から2週間くらいの記事で書いてきたので、以下はその後使ってきて感じたことを列挙してみたい。
といったところだろうか。
APS-C だからフル用Lレンズばかりだと使い勝手が悪いなぁ…と思っていた点は、半月ほど前の記事で書いたように EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM の中古良品を格安で買って(画質はそこそこだけど利便性重視で)納得している。ま、私の場合、わざわざ 7D や Mark III を持ち出す時は9割5分、望遠〜超望遠域相手なので、このレンズはレンズキャップ代わりだ :-)
ともあれ、EOS-1D Mark III ユーザーだった私が EOS 7D を2ヶ月使ってきて感じるのは
という利点と
という欠点が相まっているカメラだということ。
EOS 7D を購入してみると、その出来が思いの外、良かったのは事実。でも AE / AWB という写真撮影の根幹を成す部分が初物ゆえに熟成がまだ足りない。同じ初物でも AF に関しては(AI Servo II に関してだが)、かなり良いものに鳴っているのに、AE / AWB はちょっと…という気持ちが拭えない。
そういう意味では
である。
来年の冬季五輪、W杯向けのプロ機で使ってもらえるほどの熟成は足りてなかったということだろうし、7D を使っていればそれは理解できる。元々キヤノンは中級機に新機構を突っ込んで試し、それを上下展開するメーカーだから、いつも通りといえばいつも通りなのだろう。
とはいえ、ユーザーとしては正直もうちょっと安定してもらわないと困ることも多い。AE や AWB の挙動に比べれば、ゴーストとか視野率なんてどうでも良い。残像の一つや二つ直すより先に、まともな AE と AWB に調整してくれ、と思う。まぁ AE / AWB の熟成は時間がかかるだろうけどね…
そんなわけで EOS 7D を2ヶ月使ってきての感想は、購入当初は想像以上に満足 → 今はまずまず満足、でも早急に改善して欲しい点もある、という感じですかね。買って良かったと思うことには変わりにないし、満足度も高いままです。不満を言い出したら切りはないですけど、安いカメラですしね…
それに、EOS 7D である程度満足してしまったこともあって、EOS-1D Mark IV については当面お預けの予定ですし、Mark III も少し前に(値段が下がりきる前に)売却しました。
Mark III を処分した理由は、一度 7D の機能面に手が馴染むと Mark III では色々と物足りなくなることが多かったことが大きいです。なんだかんだ言って 7D の撮影に対するフォローアップ機能は素晴らしいものが多いと思いますし、慣れると戻れません。
ただ、7D にある程度満足していても 1D 系ボディがないことには不安があるのですが、この冬から来春あたりにかけてはガッツリ写真を撮ることができそうにないですし、真冬のニセコの山の中で写真を撮ることもなさそうなので、当面は 1D 系がなくてもいいかな、と。
来春以降、またサッカーのナイターゲームを撮る季節になれば、高感度耐性の問題で Mark IV が欲しく、必要になるかもしれませんが、そのあたりは Mark IV がリリースされての実写を見てからでも遅くないかな、と。D3S と同様に、ISO 6400 が完全実用レベルなら購入を検討することになるでしょう。
ただ、DIGIC IV のまま、AE / AWB も旧来の延長線上ということで、Mark IV は冬季五輪とW杯用にとりあえず間に合わせた、という感じがしてならないので、できればスルーしたいと思っていたり…無駄に値上げされてますしね。
ので、やっぱり 1D となったら Mark IV を買ってしまうかもしれませんが、それなら D3S に行くかもだったり(笑)。ボディ性能もそうですけど、レンズの方がニコンから遅れすぎな気が…キヤノンさんも頑張ってくれないとねぇ。
総論的には、2ヶ月経っても購入当初の記事で何度か書いたように、2年以上メインで使ってきた EOS-1D Mark III と比べると物足りない面もあるが、AF-C での被写体追従性能を含めた性能で Mark III を上回る点も多いし、機能面でも(もはや手放せなくなった)縦横位置別の測距エリア選択・位置記憶など2年以上の歳月を感じさせる改良がなされていて、2ヶ月経っても買って良かったと思っている。
APS-C としてはなかなかの高感度特性と、値段を考えれば文句は言えない連写性能(スポ撮りでは 10コマ/秒との差は感じるが)など、ショールームで初めて手に取った瞬間に「キヤノンもようやくマトモな中級機を出したなぁ」と感じた思いは、購入直後も変わらなかったし、2ヶ月使ってきた今も変わらない。
もちろん、1D との明らかな差を感じる部分は多い。レリーズタイムラグを調整してくれないことは個人的に一番の不満だし、レリーズ周りに不満も多い。レリーズ音自体は比較的静かだが「こだわりました」という割には萎える音だし、ショックは少なめでも 1D シリーズからするとレリーズタイムラグはもう少し頑張って欲しかった。
グリップは明らかに Mark III の方が馴染むし(正直グリップ感は未だに 7D に馴染めない)、7D の縦グリップは糞すぎて萎える。Mark III の縦グリップも通常時と使い勝手が異なる分今イチなところもあったが、7D の場合は「バッテリーサイズありきで縦グリップを作ってんじゃねぇよ!」と言いたくなる。
とまぁ、ここらへんまでの善し悪しは購入から2週間くらいの記事で書いてきたので、以下はその後使ってきて感じたことを列挙してみたい。
- Mark III 以前とは劇的にゴミの付き方が違っていて、購入から2ヶ月の間にローパス清掃へ通う回数が激減した。というか、一度しかない。Mark III 登場時にゴミ対策が色々されたが、新品購入から数カ月は何度もキヤノンにローパス清掃を頼んでいたが、全然違う。色々なシーンでレンズ交換しているが、2年の間にだいぶ改善されたようだ。
- 「ちょっと AE おかしいだろ!?」と言いたくなることが多々ある。スポーツ撮りは概ねマニュアル露出だから気にならないけど、飛行機その他を AE で撮っていると、なんだこの露出?と思うことが少なくない。明るめに大きくブレることがあり、特に夕暮れ〜黄昏時には過去の EOS Digital の露出補正値とかなり異なる。アルゴリズムが一新された AE の初物だから仕方ないかもしれないが、もう少し安定するように対策して欲しい。
- 過去の EOS Digital と違って色温度を補正する傾向になった AWB も時々妙な方向に色が転ぶことがあって、以前のように信頼しきれない。AWB だけはキヤノンがダントツに信頼できたのに…AE システム同様もう少し熟成してアップデートを行って欲しい。
- 公称 100% の視野率はド素人の私が普通に使っていても差を感じるくらい違いはあるので、無理に「視野率 100%」を公称しなくても良かったのに…と思う。安いカメラなのだから、本気で 100% 近い視野率なんて無理なのは判りきった話なんだしね。このあたりはキヤノンの数字にこだわる悪い癖が残ってると感じる。
- もっとも視野率にこだわる必要があるなら、優秀かつ使い勝手の良いライブビューを使えば良いだけの話で、視野率が公称値と大きく差があるからといって 7D の欠点にあげつらうことはない。Mark III からなので、ライブビューの進化は本当に感激する。
- ファインダーに関しては視野率より低照度時の見え方が、やはり気になる。
- デジタル水準器はレリーズ半押し時にも表示されるようにして欲しかった、と改めて思う。
- 防塵防滴は見るからに 1D と差を感じるけど、価格が価格だから仕方ないと思える(思わざるを得ない)。
- 背面液晶は本当に見やすい。直射日光下でもかなり見える。色の見え味の調整は、まだ試行錯誤中…
- 久しぶりの APS-C で恩恵(望遠域で寄れる、レンズの周辺域の画質低下を無視できる)も十分感じているし、高画素によるトリミング耐性の利点も感じているが、反面微小な手ぶれが目立ったり、レンズ解像度的にも厳しいと感じるデメリットも実感中。特に、ちょっと絞り込むと回折による甘さが目立つのは気になる。
- 個人的な問題だが、Mark III に慣れきっていたので、7D のボディは軽く小さすぎて縦グリップがないと未だに安定しないことが…
といったところだろうか。
APS-C だからフル用Lレンズばかりだと使い勝手が悪いなぁ…と思っていた点は、半月ほど前の記事で書いたように EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM の中古良品を格安で買って(画質はそこそこだけど利便性重視で)納得している。ま、私の場合、わざわざ 7D や Mark III を持ち出す時は9割5分、望遠〜超望遠域相手なので、このレンズはレンズキャップ代わりだ :-)
ともあれ、EOS-1D Mark III ユーザーだった私が EOS 7D を2ヶ月使ってきて感じるのは
ボディに対する信頼性の違いは価格差で納得できるし
機能的には一度 7D に慣れると戻れなくなるほど魅力がある
機能的には一度 7D に慣れると戻れなくなるほど魅力がある
という利点と
AE, AWB という基本機能が初物ずくしの不安定さ
という欠点が相まっているカメラだということ。
EOS 7D を購入してみると、その出来が思いの外、良かったのは事実。でも AE / AWB という写真撮影の根幹を成す部分が初物ゆえに熟成がまだ足りない。同じ初物でも AF に関しては(AI Servo II に関してだが)、かなり良いものに鳴っているのに、AE / AWB はちょっと…という気持ちが拭えない。
そういう意味では
Mark IV で AE / AWB 周りが旧来の改良版というのも納得
である。
来年の冬季五輪、W杯向けのプロ機で使ってもらえるほどの熟成は足りてなかったということだろうし、7D を使っていればそれは理解できる。元々キヤノンは中級機に新機構を突っ込んで試し、それを上下展開するメーカーだから、いつも通りといえばいつも通りなのだろう。
とはいえ、ユーザーとしては正直もうちょっと安定してもらわないと困ることも多い。AE や AWB の挙動に比べれば、ゴーストとか視野率なんてどうでも良い。残像の一つや二つ直すより先に、まともな AE と AWB に調整してくれ、と思う。まぁ AE / AWB の熟成は時間がかかるだろうけどね…
そんなわけで EOS 7D を2ヶ月使ってきての感想は、購入当初は想像以上に満足 → 今はまずまず満足、でも早急に改善して欲しい点もある、という感じですかね。買って良かったと思うことには変わりにないし、満足度も高いままです。不満を言い出したら切りはないですけど、安いカメラですしね…
それに、EOS 7D である程度満足してしまったこともあって、EOS-1D Mark IV については当面お預けの予定ですし、Mark III も少し前に(値段が下がりきる前に)売却しました。
Mark III を処分した理由は、一度 7D の機能面に手が馴染むと Mark III では色々と物足りなくなることが多かったことが大きいです。なんだかんだ言って 7D の撮影に対するフォローアップ機能は素晴らしいものが多いと思いますし、慣れると戻れません。
ただ、7D にある程度満足していても 1D 系ボディがないことには不安があるのですが、この冬から来春あたりにかけてはガッツリ写真を撮ることができそうにないですし、真冬のニセコの山の中で写真を撮ることもなさそうなので、当面は 1D 系がなくてもいいかな、と。
来春以降、またサッカーのナイターゲームを撮る季節になれば、高感度耐性の問題で Mark IV が欲しく、必要になるかもしれませんが、そのあたりは Mark IV がリリースされての実写を見てからでも遅くないかな、と。D3S と同様に、ISO 6400 が完全実用レベルなら購入を検討することになるでしょう。
ただ、DIGIC IV のまま、AE / AWB も旧来の延長線上ということで、Mark IV は冬季五輪とW杯用にとりあえず間に合わせた、という感じがしてならないので、できればスルーしたいと思っていたり…無駄に値上げされてますしね。
ので、やっぱり 1D となったら Mark IV を買ってしまうかもしれませんが、それなら D3S に行くかもだったり(笑)。ボディ性能もそうですけど、レンズの方がニコンから遅れすぎな気が…キヤノンさんも頑張ってくれないとねぇ。






