初日の飛行機はロクに撮れてないけれど、この3日間で、とりあえずのシェークダウンは終わった。EOS 7D を予約ないし速攻購入した人の多くも、貴重な晴れ間の今日を含めた、この週末で撮り始めをしたことだろうと思う。

皆どんな感じなのだろう?と思ってるのだが、7D ユーザーをブログで探してみても結構少数だったりするし(デジカメ系の掲示板はどうもねぇ…)、おまけにググったらココが上位の方に出ていたりして、ホント申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

ともあれ、最初は「APS-C で 1,800万画素とかイラネ」と先入観でありきたりなことを思い(正直 APS-C 機を再び買うとは思わなかった)、実際触ってみて良いカメラだとは判っても「本命は Mark IV だし」とスルーするつもりでいたのに、ふと急に「客席からのサッカー撮りには良いかも…」と思って予約し、期待と不安が混じる中、手にした EOS 7D。

既に何度も触れてるが、私の主たる被写体はサッカーを中心にしたスポーツと飛行機など。ま、要するに動くもの相手であって、風景とかポートレートとかマクロ物とかではない。風景撮りはずっとしていたが、センスがないのが判ったので高い機材で撮る気はせず、今はマイクロフォーサーズで気軽に記念写真撮ってれば良いと思ってる。

そんな人間だから評価のポイントも偏ってはいるが、逆に言えば 高感度耐性や AF-C (AI Servo) 性能やレリーズ、シャッター消失時間は気になる。現在のメイン機材が中級機ではなく 1D Mark III だから、正直期待より不安の方が大きかった。

そんな状況で手にして3日間使ってみての結論は

使える、使っていけるカメラ


だった。不満点がないわけじゃないが、それが致命的ということは全くなく、きちんとコイツを使っていこう、使っていけるだろう、と思わせるポテンシャルを感じさせてくれた。

一回り素子サイズが大きいけれど発売されてから2年半近くが経っている 1D MarkIII と比べると、ハッキリ言って追い抜いている部分が少なくない。デジタルの世界で2年という月日は、あまりにも大きいことを実感させられた。

勿論、1D MarkIII に追いついてない部分も多々あるが、それはコストに起因する問題であることは明らか。例えば防塵防滴のためのシーリングも 1D に比べれば細部に渡ってなかったり、ボディ剛性もやはり 1D の信頼感には達していない(でもそれは D3 と D700 でも同じだし、どこのメーカーでも当然のことだ)。

メモリは格段に安くなっていても連続撮影枚数は少ないという目に見える部分だけでなく、新型ファインダーも凄く広くていいけれど、透過液晶を採用してアレコレと機能を入れた点については、結局スクリーン交換式にしなくて済むようにコストダウンしただけかなぁ、と思ってる(格子線もスクリーン交換に比べれば、使い勝手が×)。

でも 1D MarkIII の売り出し価格は50万弱。7D は17〜19万弱。

この値段でここまでできれば、ひとまず十分でしょ


と、かなり満足できるカメラになってる。

少なくとも私は、買って良かったと思ってる


し、一昨日も書いたけれど

二桁機で動きものを撮ってるなら、絶対買いでしょう


と言えるだけのものはあると思う。別にここでキヤノンの宣伝したって、何の得にもならんけどね。



いずれにせよ、動きものを撮ってるキヤノンユーザーには良いカメラだと思う。1D MarkIII ユーザーだと無闇には薦められないけど、APS-C が欲しかったけどロクなのがなかったから…という人には絶好のペアになると思う。って、そんな人は私が言わなくても速攻買ってますわな。

反面、動かないものを撮ってる人に対して薦められるカメラなのかどうかは、判らない。自分で撮ってないのだから当然のこと。

掲示板系で 7D の情報をチラ見した時に相変わらずノイズだの、○○が溶けてるだの、ラチチュードが狭いだの、無駄に画素数多すぎだのということも見かけたので、止まってるもの相手にひたすら高画質を求めていた人には不満も多いのかもしれない。

自分に合うカメラかどうか判らずに買ってしまった人や、7D が自分が望んでいるスペックじゃなかったから文句言いたい人がどうだろうと、私には全く関係ないからどうでもいいんだけど、ただ

キヤノンは 7D のターゲットをもっと絞れば良かったんじゃないかなぁ


とは思う。勿論、そんな売上が落ちるような真似をする会社じゃないけれど。

以前の記事でも書いたけれど、オールマイティな全用途向けになろうとして、また上級機のサブから Kiss ユーザーのステップアップ向けにもなろうとして、ちょこちょこと消化しきれない部分がある。

率直に言えば、ミニ 1D であると同時に Kiss 的でもある。別に悪くはないんだけど、一桁機なんだから…とは、やっぱり思う。

モードダイアルを廃止すれば、Kiss や二桁機からのステップアップだとしても、そのハードルに対して、ちゃんと判るヤツが買う比率は高くなっただろうし、そうなれば売上以外では良い面もあったように思える。

ぶっちゃけ本音を言えば、この EOS 7D、

動体撮りカメラであって、風景撮りカメラじゃないだろ


と思う。俺は真面目に風景撮るのに APS-C で撮る時代でもないと思ってるから、そう思うのかもしれないが、全ての性能、傾向が動体撮り向け中級機になってるように思える。

そこを強調してしまうと一気にユーザー層が限定されてしまって商売にならないのだろうが、もうちょっと匂わせた方が良かったんじゃないかなぁ〜と思ったりする。1D 系では「APS-H で動体撮り専門の 1D」「フルサイズで画質重視の 1Ds」と分けているのだから、中級機もそうやって分ければ良かったのに…とね。

中級上位機として「フルサイズで画質重視の 5D MarkII」に対する 7D は価格ランクこそ違え、「APS-C で動体撮りに強い 7D」なのだろうから、そこを強調すれば(そして操作性その他もそれをもっと追求すれば)良かったのに…と思えてならない。買う前も思っていたが、買ってからはなお思う。

昨日、まつもとゆきひろ氏(プログラミング言語 Ruby の作者)が「あらゆることに使える完璧な言語(the one true language)が存在しないことは明らかである」と述べていたが、デジカメも同じことだろう。

いずれにしても、入門者・初級者レベル以外では、1台でオールマイティにこなせるカメラなんてないわけで、ユーザーもそこを考えないといけないし、メーカーも価格だけでなくニーズでラインナップを整備する時代じゃないかな、と思ったりもする。難しい面はあるだろうけどね(だから APS-H の 1D系を私は評価する)。

EOS7D with EF50mm F1.8II


とまぁ、すっかり 7D の話から逸れてしまったが、何が言いたいかというと

とりあえず私は買って良かったし
動体撮りのキヤノンユーザーは買い増し、買い替え検討の価値有り


そして

7D は久しぶりにキヤノンが良いカメラを出したと思える機種
だけど、決して全方位に優れたカメラじゃない


ということ。まぁ画質至上主義な人は 5D MarkII なり D700 なり K-7 なりに行けば良いだけかと。

とまぁ、また妙な方向にグダグダと書いてしまって、サッカー撮りで感じた AF 面の話を書くほどの気力もなくなってきたので、その辺はまた後日。写真も面倒だから無し。サンプルはあちこちに上がってるし、Jリーグの写真はアップできないし。

(いつもなら反対側のAホーム側サポーターの応援写真でも貼るのだが、APS-H 1,000万画素では個人特定できても何となく程度の解像だったのに、APS-C で 1,800万画素だと一人一人が思い切りモロバレ状態だから、これはネットにアップできんわ…)

今日はガンバが後半怒濤の4得点で逆転勝ちして、絶望的に見えた優勝が手に届くところまできたのだから(勝ち点19差もあったのに、今や1差!)、それだけで十分! :-D

あ、そうそう、さすがにサッカー撮りで縦グリなしでは死んだので、



を買いました。正直グリップ部の出っ張りが角張りすぎて持ちにくく、なんじゃこの糞縦グリは〜と思って買わないつもりでしたが、ないよりはマシ、と思いました。

それに、この3日間で、7D ともそれなりの期間は付き合っていきそう、ということを確信しましたしね!(少なくとも 1D Mark IV が出るまでは)

しかし願わくば、1D Mark IV のグリップが 7D のようなグリップにならないことを祈るばかり…1D MarkIII のグリップがちょうどいいわ。

【追記】ふと見返してみたら、なんかちょっと、キヤノンマンセー風になってしまったかもしれず。久しぶりに良いカメラが出たせいで、褒めすぎたかもしれない。ってか、私の場合すぐに文句が多くなるから…ポジティブに書くとこうなってしまう(爆)