PC-NJ70A のモニター機が送られてきて2ヶ月半、モニターレポートも今回が最終回である。最終回のレポートテーマは「おすすめポイント」。「予想していなかったけど、使ってみたらこんなところがよかった」というところを書いて欲しいということだ。

しかし、PC-NJ70A に“おすすめポイント”も“こんなところがよかった”点もなかったというのが、正直な思いである。もっとハッキリ言えば、この PC-NJ70A を自分で買うか?と言われれば論外であるし、人に勧められるかといったら絶対に勧めはしない。むしろ反対する。

非常に残念なことではあるが、これが2ヶ月半 PC-NJ70A を使ってきた私の結論である。

前回のレポートに続いて辛口な内容になってしまうが、最終回のレポートテーマは「おすすめポイント」であると同時に「ちょっとがっかり…と感じている方は、こんな風に進化したら買い!と思うポイントについてレポートください」ということだったので、以下に忌憚なく書かせていただく。

もっとも、“ちょっとがっかり…”どころか、シャープに対して大いに落胆を禁じ得ないパソコンであるから、非常にシビアなことを書くけれども、その点はどうかご容赦願いたいと思う。

少なくとも一モニターとして、無料でいただいた製品に対して評価するのではなく、実売8万円弱で売っているという製品に対して評価し続けてきたし、それを今回のレポートで総括したい。


改めて PC-NJ70A の特徴を列挙してみると、

  • 基本的なスペックは Atom N270 CPU + 945GSE & ICH7-M チップセット + 160GB HDD という極めてオーソドックスな、2008-2009年の標準的なネットブックである。

  • 大きな違いはタッチパッドに「光センサー液晶パッド」というシャープ独自のデバイスが採用されていることにある。

  • また「着せ替えジャケット」といったオプション品が用意されている。

  • Atom N230 CPU + 945GSE チップセットという構成のネットブック・パソコンの場合、他社製品では WindowsXP が採用されていることが多いが、Windows Vista が採用されている。

  • Windows Vista 採用にも関わらず、標準搭載のメモリは最低限ともいえる 1GB となっている。

  • 他社同スペック程度のネットブック製品に比べ、実売価格で2〜4万円ほど高く設定されている。

  • 他社同スペック程度のネットブック製品と比して、サイズ・重量とも大きめである。バッテリ駆動時間も長くはない。


以上のようになる。

こういった特徴をもつ PC-NJ70A であるから、やはり評価のポイントになるのは

  • 他社より遙かに高い価格設定に見合った内容を持つのか?最大の差別化ポイントである「光センサー液晶パッド」が、それだけの付加価値を持つのか?

  • 「光センサー液晶パッド」は果たして使いやすいのか?また「光センサー液晶パッド」を採用した意味はあるのか?

  • 「着せ替えジャケット」がオプション品として魅力あるものなのか?オプション品として提供されていても PC-NJ70A の魅力を引き上げるものになっているのか?

  • 純粋にネットブック製品として魅力あるものなのか?


こういったところだろうと思う。

結論から言えば、私はこれら全てに NO と言いたい。その理由を順次述べていくことにする。



PC-NJ70A における最大の特徴である「光センサー液晶パッド」に対する私の評価は、過去のレポートで書いてきたように低いものである。2ヶ月以上使ってきて「光センサー液晶パッド」に対して感じるのは、ポジティブな部分よりネガティブな部分の方が遙かに大きい。

「光センサー液晶パッド」に対して私の率直な感想をはっきり言ってしまえば、

光センサーだかなんだか知らないが
ノートパソコンを使うにあたってユーザーインターフェースとして最も大切な
タッチパッドとしての使い勝手が普通のタッチパッドに比べて劣る、
その時点で長所ではなく、むしろ短所である


というものだ。

技術的にどうのこうのというのは単なる作り手側の論理であり、どんな特徴があっても、まずタッチパッドである限り、普通のタッチパッドと同等以上のものを提供して、その上で付加価値がついていてこそ評価できるものである。

ノートパソコンで一番重要なインターフェースであるタッチパッドとしての使い勝手が、通常のものより劣るようであれば、そこにいくら多くの付加価値があったとしても意味をなさないと考える。基本がきっちりしていてこその付加機能であろう。

百歩譲って、タッチパッドとしての使い勝手の悪さを遙かに超える別のメリットがあればまだしも、シャープから提供されているタッチパッドを使用するアプリケーション(以下タッチアプリ)は、そのようなメリットを提示できていないと感じる。

この点については繰り返しても仕方ないので、詳しくは前回のモニターレポートを参照されたい。

Tedious Days More, More and More:<<< PC-NJ70A モニターレポート第3回 >>>

結局のところ、「光センサー液晶パッド」はシャープ独自のデバイスとして様々な可能性はあるかもしれないが、現時点では単なる使い勝手の悪いユーザーインターフェース・デバイスでしかないし、それを利用したタッチアプリにも他社同等製品から何万円も上回る価格設定を納得させるものはないとしか言えない。

こういった“新しいけれど未成熟な”デバイスについては「デバイスとしての可能性は十分に感じられるが」という免罪符的な枕詞で、欠点に対する指摘について緩衝剤とすることも可能だが、使うユーザーとしては現時点での使い勝手を体験するしかないわけで、可能性云々関係なく、現時点では基本がなってないタッチパッドとしか言いようがない。

ましてや、「光センサー液晶パッド」の採用が他社ネットブックに比べて遥かに高価格になっている原因だとすれば、それこそ本末転倒である。

ノートパソコンのための「光センサー液晶パッド」なのか?
「光センサー液晶パッド」のためのノートパソコンなのか?


今回のモニターレポートのテーマにしろ、アンケートの内容にしろ、最初から最後まで「光センサー液晶パッド」とタッチアプリについてばかりだったことからしても、シャープとしては「光センサー液晶パッド」にこだわっているのだが、PC-NJ70A はノートパソコン、ネットブック製品である、という肝心なことが抜け落ちているのではないか?と感じられてしまう。

そのことも含め、PC-NJ70A を使い続けてずっと感じてきたのは、

「もしかして PC-NJ70A は、光センサー液晶パッドありきで企画開発されたパソコンだったのではないか?」

という疑問である。

無論、PC-NJ70A がどういう経緯で企画されたのか、単なる一ユーザーの私には知るよしもない。しかし、製品発表時にそのスペックと価格を知り、さらにモニター機が到着して使い始め、そして2ヶ月以上使い続けてきて、その疑念は最初から最後までつきまとって離れない。

PC-NJ70A は誰に向けて、どのような層に向けて企画されたのだろう?


1年前の Asustek EeePC 901-X、MSI Wind Notebook、HP mini 2133 以来、数多くのネットブック機がリリースされてきた。もはや数えるのが難しいくらい多くのメーカーから多くのネットブックが発売されている。ネットブックらしく価格で勝負するものもあれば、別の特徴をアピールするものもある。

ただ、価格勝負に関しては台湾メーカーおよび北米メーカーの競争で、もはや行き着くところまで行ってしまっている。その中へ国内メーカーが価格勝負で挑むのは難しいことくらい、誰でも自明なことだ。

だからこそネットブック製品を後発で発売するからには他社にないアピールが必要で、国内メーカー製のネットブックで成功した製品には、明確なユーザーターゲットなり、明確な商品企画意図があり、それがユーザーに伝わり、ユーザーニーズにマッチしていた。

少なくとも、この半年私の愛機である VAIO type P は作り手の意図が明確であり、それを望むユーザーは私を含め多くいた。だからこそ、価格は関係なく売れて、手に入れた人間も満足するという構図ができあがったように思う。

そして、シャープの場合は差別化として、自社開発のデバイスである「光センサー液晶パッド」を持ってきた。それを採用したことは理解できるけれど、しかし単にデバイスを搭載しただけでは意図は伝わってこない。意図があったとしても、それはユーザーの方に向いているとは思えない。

実際、「光センサー液晶パッド」を使うメリットとして提示されたタッチアプリでできることを見れば判る。これを欲するユーザーが、これを普通のネットブックより何万円も高い金額を払って欲するユーザーがどれだけいるであろうか?

少なくとも「光センサー液晶パッド」を搭載してなお、他社ネットブック製品と同等以下の価格ならばともかく、他社国内メーカー製ネットブックと比べて2万円、同程度の海外メーカー製ネットブックと比べると3〜4万円高い(下手すると倍の値段である)という価格設定では、誰にも振り向いてもらえないことは当然である。

私自身もネットニュースサイトの PC-NJ70A 製品発表の記事を見て、その価格設定には驚きというか呆れを禁じ得なかった。どんな付加価値があろうとも、ネットブックはネットブック。適正な価格というものが存在することを何故判らなかったのだろうかと。

それほどまでに自社開発デバイスである「光センサー液晶パッド」に自信を持っていたのだろうか?だとすると、

PC-NJ70A 最大の欠点は「光センサー液晶パッド」に
こだわりすぎているところ


としか言えない。それは PC-NJ70A に対する全否定になるかもしれないが、しかしそれが最大の欠点だと感じる。私は声を大にして言いたい。

「光センサー液晶パッド」は開発・企画した人たちが思っているほど
(現時点では)素晴らしいデバイスではない


将来的な可能性はあるかもしれない。デバイス自体が大きく改良され、特徴を十分生かしたタッチアプリがあれば、化ける可能性はあるだろう。しかし、現時点では単なる使いづらいデバイスに、お遊び程度のアプリが載っているだけである。そんなものに付加価値は存在しない。

翻って、この「光センサー液晶パッド」が単なる特徴ではなく、特長として語ることができるものにするには、どういった改良が必要か?個人的に考える改善点を2つ述べてみると…

(1) タッチパッドとしての使い勝手が通常のタッチパッド以上になること

何度も書いているが、現在の「光センサー液晶パッド」はタッチパッドというノートパソコンで一番重要なユーザーインターフェースとして見た場合、通常のタッチパッドより遙かに使い勝手が劣る。

タッチして操作する時に反応が鈍く、2本指操作に関しては実用にならないほどで、とにかくレスポンスが悪すぎる。普通のタッチパッドの方が遙かに快適に操作できる現状を、同等以上のレスポンス、操作感にすべきである。

既に世の中には iPhone を始め、多くのタッチパネル採用デバイスが存在するが、その中でも最低レベルの操作感では話にならない。また、スリープから起きて、しばらくの間タッチパッドが使えないという点も要改善点である。

他にどんな特徴があろうとも、まずタッチパッドという基本的なことが快適にできるように改善すべきであり、話はそこからである。基本を忘れたデバイスに意味はない。

(2) 「光センサー液晶パッド」を汎用的に使えるようにするドライバの開発

アプリケーションが「光センサー液晶パッド」に独自対応しなければ使えないという状況では、「光センサー液晶パッド」を有効に使ってもらえるアプリケーションは決して増えないのは明らかである。

現状ほとんど売れているとは思えない PC-NJ70A のユーザー数では、タッチアプリをわざわざ開発しようという人は稀であろうし、それでは質の向上もない。それではいつまで経っても「光センサー液晶パッド」が日の目を見ることはないだろう。

ならば、「光センサー液晶パッド」をもっと広範に使ってもらえるようなデバイスドライバやプラグインの開発が必要になるのではないだろうか。

前回のレポートで書いたように USB サブディスプレイとして使えるようにしたり、できれば液晶タブレットとして使えるようなドライバの開発、Photoshop のブラグインの開発である。

汎用的なデバイスとして使えるようにすれば、その後はユーザーが様々に工夫して使うことができる。また、Photoshop 用ブラグインが提供されれば、Photoshop ブラグインが使える他の様々なソフトウェアからも利用になる。

子供だましのようなタッチアプリをいくら揃えたところで付加価値にはなり得ないことは、開発・企画者の方々も、使う側に立ってみれば簡単に判ることではないだろうか。

汎用的なデバイスとして利用可能にするためにはデバイス側の改修も必要かも知れないが、たとえそれが必要だったとしても、そういった汎用的に利用可能な方向を求めなければ、いつまで経っても「光センサー液晶パッド」が価値あるデバイスになり得ない。

馬鹿売れしたハードんらばソフトウェアもついてくるでしょうが、そうではないのだから、こちらから使ってもらえるようにすり寄っていかなければ、いつまで経ってもこの問題は解決しないでしょう。

少なくともパソコンに「光センサー液晶パッド」を載せることは、電子辞書に載せることとは全く意味が異なる、そのことをきちんと踏まえて企画開発してもらいたいと思います。



次に、シャープ暮らし研究所ブログで「光センサー液晶パッド」と並んでプッシュされている「着せ替えジャケット」ですが、「着せ替えジャケット」そのものは悪くないアピールポイントだと感じました。特に女性に対しては差別化ポイントの一つになり得る可能性はあります。

しかし、これはオプション品となっています。モニターに対しては本体と一緒に送付されてきているため、モニターレポートを見ていると、あたかも同梱品のような評価をされている人も多いようですが、それだからこそ

公式サイトやシャープ暮らし研究所ブログで
「着せ替えジャケット」をこれほど推すのであれば、同梱品にすべきではないのか?


という疑問は最初から最後までありました。

これほどアピールポイントとして推すものが何故オプションなのか?
オプション品を最初からアピールポイントにしている不思議さはないのか?

どうにも私には解せません。同梱品であれば「着せ替えジャケット」を PC-NJ70A の良さとして挙げることが文句なくできたでしょうが、私には何故同梱しなかったのか?という疑問点の方が大きい。

特に女性向けのものならば、女性が付加価値としてお金を払うのか?その点をきちんとマーケッティングした上でオプション品扱いとしたのでしょうか?その点については非常に疑問です。

これが「価格をギリギリまで安くしている」と見える製品なら、「着せ替えジャケット」がオプション品であったとしても納得できるかもしれません。しかし PC-NJ70A は安いどころか他社同種の製品としては随分高い値段設定です。安いのが特長であるべきネットブックなのに、やたら高い。その上、アピールポイントの「着せ替えジャケット」すらオプション品とは、売り方として腑に落ちません。

また、「着せ替えジャケット」に同梱しているジャケットのデザインもセンスが良いものとは思えない。後からダウンロードして自作できるようになっているジャケットデザインにはそのまま使えそうなものもありましたが、だったら最初からそれを同梱すべきだったでしょう。

オプション品として、別途お金を払わせようとするなら尚更です。透明のアクリルカバーと、あまり趣味が良いとは言えないデザインが印刷されたシートで数千円を、本体とは別に払ってもらえると考えてリリースしたのか?疑問でなりません。

PC-NJ70A を買いたい人がいて、その人に数千円出して「着せ替えジャケット」を買った方が良いよ、お勧めだよ、と言えるでしょうか?私には言えません。欲しいという人に対して止めることもないでしょうが、お勧めできるかと言えば、そうではありません。

「着せ替えジャケット」に対して真剣に評価すれば、結局のところ、そういった微妙な評価になってしまう。PC-NJ70A の大きな特徴とするなら同梱品であるべきだったし、オプション品であるならオプション品として十分評価できるもの(例えばブランド絡みの同梱ジャケット)があるべきだったと、私は思います。



PC-NJ70A の大きな特徴である「光センサー液晶パッド」「着せ替えジャケット」についての率直な感想を述べてきましたが、最後に「ネットブック製品」としての PC-NJ70A について鑑みると

「光センサー液晶パッド」「着せ替えジャケット」を除けば
凡庸なネットブック・ノートパソコン


です。仕様的には去年の標準的なネットブック仕様と言ってよく、それ以上でもそれ以下でもありません。さらに言えば、

軽くもなければ薄くもない(むしろ厚くて重い)
バッテリーのもちが良いわけでもない
キーボードが打ち易いわけでもない
外装デザインが秀でているわけでもない

ハードウェア面では「光センサー液晶パッド」「着せ替えジャケット」を除けば全く特徴がありませんし、他社同種の製品と比べて重く、分厚いことを考えればマイナス評価と言っていいくらいです。

唯一特徴があるのは OS にWindows Vista を搭載したこと。同スペックのネットブック製品では Windows XP を採用する中、Vista を採用したのは珍しいことです。ただ、問題は Windows Vista を採用した意味はあるのか?ユーザーにとってメリットがあったのか?という点です。

少なくとも購入直後の初期環境で Windows Vista で良かった!と思わせるものは皆無です。多くのソフトウェア、ハードウェアは Windows XP / Vista 両対応ですから、その点でも Vista のメリットは感じられません。あるとすれば、Windows 7 に移行しやすいということでしょう。

反面、Windows Vista を搭載したことでのデメリットは?といえば、それはやはり動作が重いということです。非力なハードウェア仕様であるネットブック製品においては Windows XP を使った方が快適なのは周知の事実です。

実際、PC-NJ70A でも Windows XP で使った方が快適なのは、私自身が PC-NJ70A に Windows XP をインストールして使って確認しています。もちろん、このことは PC-NJ70A に限らず、さらに非力なスペック構成の製品である VAIO type P でも同様です。

ただ、VAIO type P の上位モデルにおいては Windows XP のライセンスを受けられないであろうハードウェアスペックゆえに、Windows Vista が採用されていることは理解できます。しかし、PC-NJ70A はごく普通のネットブック製品の仕様です。それなのに敢えて動作の重い Windows Vista を採用したのは何故か?

デバイスドライバなど開発上の理由があったのかもしれません。けれど、ユーザーに対してはメリットよりデメリットの方が多かったのではないでしょうか?

また、積極的な理由で Windows Vista を採用するならば、標準搭載メモリが 1GB という Windows Vista がギリギリ動作する仕様にするとは考えられません。

何度も書きますが、この PC-NJ70A が値段勝負のネットブックで、ギリギリまで安くした製品なら標準搭載 1GB メモリで Windows Vista 搭載でも納得できたでしょう。実際 DELL などの製品にはそういった製品がありますが、価格が随分安いのですから、それはそれで納得できます。

しかし PC-NJ70A は違います。他社同種のネットブック製品より遥かに高い値段設定になっている。それにも関わらず、Windows Vista を搭載して標準搭載メモリが 1GB。解せません。OS が Windows XP なら問題ありませんが、Windows Vista 利用でメモリ 1GB と 2GB の差は小さくありません。

そういったことは、企画開発されている方々も判っているはずだと思うのですが…。どうやったら、どう考えたら、こういった仕様に決まったのが不思議です。想像できることはありますが、あまり想像したくないことではあります。

いずれにしても

まず価格設定が間違っていて
さらに価格に見合わない内容


であることは明らかです。実際使ってきて誰に勧められるものでもないし、価格が価格だけに論外でしかありません。PC-NJ70A の半額で売られている台湾製ネットブック製品と、できることはほぼ変わりないし、下手するとそちらの方が(OS その他の差異で)快適ではないかと言えるくらいです。

それに質感その他は国内製の方が良いという、国産メーカーに有りがちな謳い文句も既に幻想であることは明らかですし(差はあっても何万円もの差を許容できるもの差はない)、サポートのことを持ち出すなら他のもっと安い国産メーカー製で十分ということになります。

やはりネットブックはネットブック。価格が重要です。いや、ネットブックでなくとも、魅力ある付加価値があると認識できなければ、適正な価格は必要です。PC-NJ70A は、まずその最初の一歩からして間違っていると言わざるを得ません。



以上、相当に辛口のことを書き連ねてきましたが、PC-NJ70A については

利用者のことを考えて企画開発したとは思えないパソコン


というのが私の印象です。疑問ばかりが残り、納得できるところがありません。ハッキリ言ってしまえば、シャープがこのような製品を出してきたことは非常に残念です。

シャープはマイコン黎明期の名機 MZ-80K から始まり、数多くの名機を世に送り出してきたパソコンメーカーであり、今でこそごく当たり前のテレビパソコンを、初めて国内でリリースしたのもシャープでした。ノートパソコンの分野でも MURAMASA シリーズという素晴らしい製品を生み出してきました。

そのシャープが、久しぶりのノートパソコン新製品ということで、ディザー広告までして、こうやって無償モニター募集までして、大いに期待を抱かせつつリリースされた製品がこういったものだったとは落胆を禁じ得ません。

黎明期からのシャープパソコンを、特に一時期 MURAMASA シリーズを愛用していた人間にとっては PC-NJ70A は極めて期待外れの製品でした。尖りすぎるほど尖っていた MURAMASA 全盛期ほどでなくても、もっとシャープのノートパソコンらしい特徴のあるものであって欲しかった。

これは私だけでなく、MURAMASA シリーズに愛着を持っていた人なら同じ気持ちではないかと思います。少なくとも私の中では過去のシャープのパソコン、ノートパソコンに抱いていた好印象は PC-NJ70A で全て消え去りました。

もうノートパソコンはリリースしないのか?と思っていたシャープから、ディザ−広告とともに大々的に製品予告があった時には、それだけ大がかりに製品発表告知をするのだから、きっと素晴らしい、過去のユーザーも納得できるような、もしくは未成熟な部分があっても将来を期待させるような、そんな製品が出てくると思ってしまった。そのように期待したことは罪ではないと思います。

いずれにせよ、製品発表されたのは PC-NJ70A でした。その製品発表を見て悪い方向に驚いたと同時に、モニターに当選したことは単純に嬉しいことではなく、複雑な気持ちでした。きっと、こういった辛口なことを書かなければならないような気がしていたからですが、その思いは予想通りになってしまいました。

このご時世、採算の取れない分野は撤退せざるを得ない状況でもあり、手探りで製品化するものに対してはなかなかお金をかけられないのも事実でしょう。けれど、そんなことが透けて見えてしまう製品が成功するはずがありません。そして、ここまでどちらの方向を向いて開発されたのか疑問に思える製品も珍しい。

万が一、再び新しいパソコンを市場にリリースするという気があるのならば、PC-NJ70A の全てを反面教師にして、一から全て考え方を改めて商品企画開発をして欲しいと思います。

「光センサー液晶パッド」みたいなデバイスにこだわることなく、パソコンとして使いやすいものを。

過去の素晴らしいシャープのパソコンの歴史に恥じない製品を。

心からそう願いつつ、私の PC-NJ70A モニターレポートを終わりたいと思います。


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