12月の上旬だったか、ニコンからの DM で「P60 を1万円で直販するから買わない?」と言ってきた。11月には先の記事にも書いた FinePix F100fd も含めてデジカメを2台も買っていたし、当時はまだ、買ったその2台のデジカメの両方とも未開封のまま、という状態だったので、本来なら「これ以上イラネ!」と完全スルーのはずだった。

が、さすがに1万円と聞くと興味を惹かれる。コンパクトデジカメもすっかり安くなったとはいえ、国内有名メーカー製のコンパクトデジカメが1万円、というのは、なかなかない。それも直販とは聞いたことがない。ということで、不要だと思いつつも、つい直販ページへのリンクを踏んでしまった…

Nikon デジタルカメラ COOLPIX P60 ブラック COOLPIXSP60


P60 と言われても、予備知識は皆無。写真を見れば判るように、売れ筋のスリム&広角 28mm スタートのコンパクトデジカメではなく

  • 筐体は厚みのある、デザインも野暮ったい、いかにも廉価機種

  • 36mm スタートと広角に弱い

  • ズーム操作が手前側のスイッチ式(個人的に嫌い。ニコンはほとんどそうだけど)

  • 画質的には何の特徴もなさそう


という感じであり、もちろん F100fd を買う時には全く検討外だったから、何が特徴かも判らない。しかし、直販ページを開いてからスペックを軽く見てみると、

  • 36mm スタートの反面、ズーム倍率5倍で望遠側は 180mm と望遠に強い

  • 厚みがある反面、ちゃんとグリップがあるから持ちやすくブレにくい感じ(望遠を使うなら心強い)

  • それに最廉価機種でも、ちゃんと VR(手ぶれ補正)も搭載している(今時当たり前か)

  • 一応顔認識 AF もある(私は別に要らないけど…)

  • おまけにファインダーもある(結局落とし穴だったけど…)


ということで、これ意外と良いじゃん!と、予想外に買いたい衝動が起きてしまった。

「28mm 単焦点の DP1 の良い相棒になれる」
「F100fd と併用でも望遠の足りなさを補えるかも…」

などという、魔の声が心の中に聞こえた上、追い討ちをかけるように、価格.com での最安値が1万円台半ば、amazon では FinePix F100fd と変わらない値段で売っている、なんてことを知ってしまうと、

もしかしてメーカー直販なのに、メチャクチャお買い得なのでは!?

となれば、すぐ売り切れるだろう

迷ってるうちに売り切れて後悔するより1万円なら買ってしまえ!


の三段論法が一瞬の間に成立して、まんまとニコンの罠に嵌って即購入してしまった。

富士山遠景@韮崎 by COOLPIX P60
テレ端 180mm、ISO 80
(リンク先はオリジナルファイルを縦横 50%縮小したのみの画像)


そんなわけで、ニコンの思う壷で即買いし、2日後の朝には手元に届いた COOLPIX P60。細かいスペックも知らずに衝動買いしたものだから、到着後に開梱して

  • バッテリーが入ってない!と思ったら単3電池仕様だった(これは嬉しい)

  • ファインダーはショボくても当然光学ファインダーと思ったら EVF だった(それも糞画質)


などと予想外はあったものの、ちょっと使ってみると、意外と気に入ってしまった。というのも、

オートだけでなくプログラム AE とマニュアル露出があるし、
AF ポイントの移動もコンパクトデジカメの中では比較的やりやすい方


なので、私みたいに「自分でコントロールしたい」と思う人間にはピッタリだ。P60 が来る前に、先に買った F100fd を開梱して少し使い始めていて、「やっぱりオートだけじゃストレス溜まるなぁ…」とも感じていたので、余計に P60 の意外な高機能ぶりに惹かれていった。とにかく

これが1万円なんて、なんと良い時代になったものだ…


としか言いようがないし、

マジで1万円でいいの!?ニコンさん!


と思った。お買い得過ぎる。

キャンペーン開始当時、かなりの個数があったようで即日完売とまではいかなかったものの、さすがに数日で完売して終了していた(当然)。しかし、一昨日の晩(12月22日)にキャンペーンページを見ると受付を復活していた(発送は年明け条件)。

でも、またすぐに在庫切れになって現在(12月23日夜)は注文できなくなっている。今後復活があるのかどうか判らないが、興味ある人は、コマメに下記のページ(の先にある注文ページ)をチェックしておくといいだろう。ちなみに、ニコン会員以外は送料¥500 が別途かかる。再入荷予定なしになって完全終了になりました。

P60 一万円キャンペーン | ニコンダイレクト | Nikon Imaging


とにかく、これで1万円というのは破格。ただ、これ1台で満足できるかどうかは、使う人の目的にも依るし、良い面もあれば難点もある。そのあたりを、続きで詳しく列挙していきたい。

京都駅からの夕暮れ by COOLPIX P60
111mm 相当、ISO 80
(リンク先はオリジナルファイルを縦横 50%縮小したのみの画像)

何度も書いているように、メーカー直販1万円だけど、普通に使えるコンパクトデジカメとして十分な性能を持っていて(個人的には予想以上の性能だった)、マニュアル露出があるなど通?向けの機能もある。それゆえ、いくつかの制約を我慢できる or 気にならないならば、コレ1台でも使えると思う。

京都タワー by COOLPIX P60
ワイド端 36mm、ISO 80

京都タワービル壁面 by COOLPIX P60
テレ端 180mm、ISO 200

京都駅クリスマスツリー by COOLPIX P60 (1)
ワイド端 36mm、ISO 400

京都駅クリスマスツリー by COOLPIX P60 (2)
テレ端 180mm、ISO 400
(いずれもリンク先はオリジナルファイルを縦横 50%縮小したのみの画像)


ただ、やっぱり廉価機種だけあって、

  • グリップも含めて厚みはいささかあるので、ポケットに入れて…というのは若干厳しめ(ジャケットやコートのポケットなら若干嵩張るが入る。バックに入れるなら問題なし)。

  • デザインは見た目通り今イチすぎるし、質感も安物感満載。

  • 広角重視の今時の流れからすると 36mm 〜 180mm というのは望遠寄りなので、集合写真や風景撮りでは不満が出ることもある(なので、私にとってもあくまでサブ機)。

  • 背面液晶のサイズが 2.5インチなのは良いが、15万画素という今時有り得ないくらいの低画素数&画質も悪すぎ…(ピントチェックとか不可能。色味もおかしすぎ)

  • 実は、糞過ぎる背面液晶より画素数の多い EVF ファインダーも見難いのは変わりない(ないよりはマシだけど)。

  • AF は遅め。顔認識 AF もあるけど、それも今時にしては遅い(個人的に顔認識とかどうでもいいけど)

  • 今年のトレンドである「おまかせ」的な、インテリジェント・シーン判断機能は搭載してない(最廉価機種だしね)。


といった、コストダウンしてるところはしてるなぁ〜と感じる部分はある(メーカー自ら1万円で売るくらいなのだから当然)。

さらに、実際に使ってみると、

  • コンパクトデジカメにしては、マクロモードでもあまり寄れない(個人的には十分だけど、最接近したい人には不十分だろう)。

  • 高感度は今イチ(縮小して使うなら使い物になる程度)

  • 輝度差のある境界などに出る紫色の縁取り、いわゆるパープルフリンジは盛大に出る(レンズ性能は価格相応)

  • 底面のSDカード&電池収納部に電池のロック機構がないので、SDカードを取り出す時に油断すると、単3電池が2本バラバラと落ちてしまうことがある(結構大きな不満点)。

  • 操作音、シャッター音は ON/OFF しかできず、音量を変更できない(合焦音は操作音と一緒)。ON にしていると結構やかましくて閉口するので、結局 OFF にせざるをえない(実は一番の不満点)

  • カメラ全体の設定はモードダイヤルを SETUP にしないといけない。ニコンのコンパクトデジカメはこれが不満…

  • シーンモードの種類は、多種多彩に増やしていることの多い今時に置いては少なめかも(とはいえ、リコーみたいに取ってつけただけではないし、個人的にシーンモードはどうでも良かった)

  • 背面液晶と EVF は自動切替ではないし、切替スイッチが押し難かったり、設定によっては二度押しが必要だったりと、使い勝手はあまり良くない。

  • 画質はあくまで、普通のコンパクトデジカメ画質。白飛び、黒潰れ、色は派手、条件によっては AWB がおかしい(個人的にコンパクトデジカメに画質を期待しても無意味と思ってたり)。


といった感じで不満点を挙げていくと、不満点は少なくない。ただ、色々不満点はあっても、

1万円だから安っぽいのも我慢できるし、
多少不備があっても十分許せるレベル


である。これが3〜4万円なら値段に見合ったものを求めたくなるが、1〜2万なら全然オッケーである。それに

3万くらいのデジカメに劣らない部分も多い


と素直に思う。そう思う理由、P60 が意外によくやるなぁ〜と思う点を挙げていくと、

  • 画素数が抑えめのせいか、高感度を除いては画質はまずまず平均レベル(3万円くらいで普通に売られているコンパクトデジカメと大差ない、という意味)。

  • コンパクトデジカメの望遠側の画質は全く期待できないことが多いが、手ぶれさえしなければ、コンパクトデジカメとしては十分の写りだと思える(広角側の歪曲とかは値段なりだけど)。

  • グリップ、そこそこ効く VR(手ぶれ補正)のおかげで、手ぶれはしにくい(FinePix F100fd より断然手ぶれしにくい)。ただ、望遠側は焦点距離が長いので、それなりに注意は必要。必要なら画質を犠牲にして Hi-ISO モードを使うべし。

  • バッテリは結構保つ。単3電池使用だし、バッテリについてはシビアに気にする必要はなさそう(私は eneloop 使用)

  • ファインダーは EVF でショボい(ピントを掴むとか言う以前の、構図が何とか判別できる程度)が、屋外昼間の直射日光下などの明るいところでは、背面液晶のみで撮影するよりずっと見えるし、心強い。さらにファインダーで撮影することで、手ぶれ防止にもなる。

  • 先にも書いたが、プログラム AE とマニュアル露出モードがある(絞り優先とシャッター速度優先はない)。カメラが判っている人には、オートモードやシーンモードより使いやすいかも。

  • 露出補正は、十字キーの右で補正モードに入れるので比較的やりやすい方。オートモードやシーンモードも含めて、どのモードでも露出補正は可能で、FinePix F100fd のような無茶苦茶さはない。

  • 設定すれば、AF 位置変更の移動も OKボタン→上下左右キーでできるので、コンパクトデジカメとしては使いやすい。


という感じで、意外と利点は多い。

夕暮れの八ヶ岳@小淵沢 by COOLPIX P60
111mm 相当、ISO 80
(リンク先はオリジナルファイルを縦横 50%縮小したのみの画像)


とにかく

露出や AF のコントロールが値段の割には色々できる


のが良い。だから

全部カメラにお任せ、という人より、一眼などを使っている人向けかも


と感じる。実際、私なんかは正直 FinePix F100fd より使っていてストレスがない。これがもうちょっと薄くて 28mm スタートだったら、FinePix F100fd をポイッ!してるかもしれない。

そういう意味では、一眼のサブというより、GR Digital や DP1 などの 28mm 単焦点デジカメと併用、補完するのにちょうど良いと思う。GR Digital や DP1 を使う人なら、色々と自分でコントロールできる、したい人だろうから、カメラ任せのデジカメより、少し野暮ったくても、こういうカメラの方が使い良いと思うし、それが1万円とはホント破格だと思う。

そんなわけで、値段のこともあって、ぶっちゃけ「FinePix F100fd より良い買い物をした」「F100fd 要らなかったかな?」なんて思うくらいだ。そして

ちょっとお気に入り


になっていたりする。ただ、実際に2つもコンパクトデジカメがあると(DP1 を入れれば3台だったが)、そうそう出番はなくて、36mm スタート&ちょっと厚めのサイズ故に、あくまでサブになってしまうのが残念ではあるが、まぁ1万円で買ったならサブで稼働率が低くても全然気にならないのも事実だったり。

とにかく良い買い物をした。そしてニコンは太っ腹!そう感じるしかない、1万円の COOLPIX P60 である。

夕暮れの観覧車@刈谷ハイウェイオアシス by COOLPIX P60
81mm 相当、ISO 80
(リンク先はオリジナルファイルを縦横 50%縮小したのみの画像)