「EOS 1D MarkIII 購入一周年」というタイトルで下書きしていたのが、ちょうど1ヶ月前。更新しようと思ってる間に 1D3 を再びレリーズ調整に出したので、内容を少し変えて…と思いつつ放置していたら、「修理センターが混んでいるので、いつもの10日間では無理、2週間かかる」と言われていた2週間が経って戻ってきて、そして更に1週間が経ったら、もう明日は7月。

このままだと、また下書きしたのに放置プレイのままボツになるので、一応載せておこうかと。もっとも、移動中に適当に乱書しただけのテキストなのでボツにした方が良いのかも…

と思ったけど、とりあえず 1D3 が返ってきたのは良いんだが、調整したシャッターストロークが縦位置と横位置で若干違うんだよねぇ(半押しまで、全押しまでとも縦横で同じストロークで指定していた)。メチャクチャ違うわけじゃないけど、センターで確認してすぐに判るほどではあった。

その場で突っ返して再調整してもらいたかったが、先週からJリーグも再開だったし、5D を手放したから今は一眼レフが 1D3 しかないから、また10日や半月も手元にないのは困るので引き取ってきたけど、なんだかなぁ。

まぁ先週のサッカー撮りで、半押しまでのストロークは良い感じになったけど、全押しまでのストロークはもうちょっと短くても良い気がしたので(現状どちらも元のストローク長の60% になっているはず)、折りを見て再々調整に出すことにしようとは思うが…

A man looking at airplane
(1D MarkIII + EF70-200mm F2.8L IS USM)


ともあれ、先月末で 1D Mark3 も購入してから一年が経った。発売前から発売直後まではあれだけ絶賛された 1D3 も、数ヶ月後に Nikon D3 が発表され、そして発売されると、一気に色褪せてしまった感がある。不幸な機種だが、キヤノンの油断、戦略ミスが如実に出た1年だったとも言える。

先日も書いたけど、Jリーグの試合現場でのカメラマンを見ていても、去年はほとんど白レンズだけだったのが今シーズンは時間が経つに連れ黒レンズが凄い勢いで増えているし、雑誌ではいつも各種スポーツ写真に目がいくのだけど、そこに撮影機材が書かれていれば今まではキヤノン機が大半だったのも、今はかなり D3 が多い。

1D3 発売時には最強と言われた高感度画質も、D3 の高感度画質を見ると比較する気もなくなるくらいの差がある。アマチュア写真家でも夜の飛行機撮りで ISO6400 を使ってシャッター速度を稼いで撮影された写真を見るたびに羨ましくなるのも事実だし、広角では AF-S 14-24mm F2.8G の素晴らしい描写を見るたびに心動いたりする。

それでも1年間、ヘタクソなりに撮ってきて、1D3 にはそれなりに満足しているし、購入したのが失敗だったとは思ったことはない。買う前に「自分がこんなフラッグシップ機を買っても…」と思っていたのが、今じゃフラッグシップ機の良さ、恩恵を十分に受けている。

発売後に色々言われた AI Servo の AF 問題も、ファームウェアのアップデートや無償修理を経て、自分が使っている限りは問題ないと思えるレベルまでになったと思う。昨夏は明らかに不満もあったが、今シーズンのサッカーを撮っていて改善されたと感じる。

ANA's A320-200 at Osaka Airport
(1D MarkIII + EF70-200mm F2.8L IS USM)


勿論、そうは言っても不満はある。照度がある程度低くなると(具体的には日没までは良くても日没直後から)、AI Servo での AF 精度は一気に下がってしまう。F2.8 レンズを中央 AF ポイントで使用していても、ジャスピンになる確率が一気に下がる。キヤノン独特の“まぁこんな程度で我慢してね”的な AF 精度になりがち。速い動きに対しては中央点以外の AI Servo の精度は低いし、低照度だと尚更だ。

そして AF の食いつきは良くても、AI Servo は食いついた最初のタイミングでジャスピンじゃないと、追いかけている間ジャスピンが来ないまま(適当精度になったまま)になるのは改善して欲しいと思う。そして相変わらず、背景にピントが引っ張られ気味になる癖は何とかして欲しい。そういう点でも動体の動きに強い D3 の新型 AF は羨ましいと思う。

気持ち的には「ニコンに戻る」という選択肢が皆無ではないのだけど、いま金銭的にそれを簡単にできる余裕もないし、何よりバック一つに 17-40 F4L、24-105F4L IS、70-200 F2.8L IS、100-400 F4.5-5.6L IS を入れられるキヤノンのレンズ体制は結構気に入っている。同じようなレンズ体制がニコンでは取れない。

特に、キヤノンへの移行理由の一つだった 100-400 は、テレ端付近の描写には大いに不満だが、これほどコンパクトに持ち運びができて、超音波モーター&手ブレ補正付き(弱いけど)で、それなりの描写を得られる 400mm 域ズームはないだけに貴重すぎる。いくら D3 の高感度性能や動体 AF の強さ、14-24 F2.8G の描写を羨ましく思えても、レンズ体制を考えると、再びニコンへは簡単に行けないな…と思う。

ANA's B777-300 taking off in the night
(1D MarkIII + EF70-200mm F2.8L IS USM)


そして、もう一つの理由だった DPP も無料ソフトながら着実に進歩し、RAW ファイルをサクサクと閲覧、セレクト、現像できるソフトとして貴重なだけに手放せない。先日少し触れたが、 DPP 3.4 になってノイズリダクションも良くなったし、傾き補正以外は動作の軽い DPP でほぼ完結できる。Photoshop が必要になるのは、もはや調整というよりは加工に近い処理をする時だけ、になっている。

DPP があるからこそ、Lightroom を買う必要を感じなかったし、ハードだけでなくソフトも一体として考える必要のあるデジタル一眼レフ利用の中では、キヤノンを使い続ける理由の一つに十分成り得ると思っている。少し前にキヤノンから、また恒例のソフトウェアに関するアンケートが来たので色々書いちゃったけど、ホント傾き補正だけは早く付けて欲しいものだ。

JAL's B777-200 taking off
(1D MarkIII + EF70-200mm F2.8L IS USM)


ともあれ、1D3 は自分の期待に 100% 応えてきてくれたとは言い難い部分もあるが、それなりに(投資した金額に比して納得するくらいには)応えてきてくれたし、自分の技量次第で、もっと戦闘力が上がるのは間違いない。

1年半でマイナーチェンジというキヤノンサイクルから言えば、今年末あたりには 1D3 後継機が出てくるはずだが、さてどうなるやら。今回すぐに大改良されるようなことはないだろうが、5D 後継機と併せて、これから1年くらいのキヤノン新型機は様子見になるだろうが、先々の方針を改めて考えることにもなるだろう。

とにかく Kiss F もそうだけど、デジタル一眼レフにおいて

今のキヤノン製品は、本当につまらない。


きっちり売れるかもしれないが、一番つまらない商品しか出してない。

私自身、デジタル一眼レフは撮る道具として買っているし、デジタルカメラについては機材ヲタクではないけれど、趣味のものであり、デジタルアイテム好きとしては、予測通りの順調進化製品ばかり出されることほど退屈なことはない。そして退屈なメーカーの商品を買いたくはなくなる。

Kiss F も最廉価モデルとして X2 からスペックダウンするのは当然としても、液晶を 2.5インチにダウングレードするなら、ボディサイズ、重量が X2 とほとんど変わらないのは大いに不満。E-420 までとは言わなくても一回り小さく軽ければ、小さな一眼レフが欲しい身としては購入を考えたんだけど…

それに価格もボディ単体7万弱というのは、Kiss X2 が(他社対抗価格とはいえ)発売直後にヨドで7万円台半ばで売っていたことや、Kiss X が最後6万円以下で売っていたことを考えると安くない。まぁきっとすぐに安くなると思うけど、なんだかな〜という気がする。

もうすぐニコンのフルサイズ廉価機(D700?)の発表が会ったり、ニコンは秋にかけてレンズ攻勢もあるという。ソニーのフルサイズも待ち受けている。5D 後継機も用意はしているのだろうが、ホントどうなるのだろうか。

金欠だけど欲しくて困ってしまうような、そんなカメラが出るのだろうか?
100-400やその他のレンズはリニューアルされるのか?

今のキヤノンを見ていると今ひとつ期待はできないし、このまま1年2年もつまらない製品ばかり出し続けていくようなら…と思う昨今だったりする。

A short contrail in the evening sky
(1D MarkIII + EF70-200mm F2.8L IS USM)