3月末から4月にかけて始まった、この2つを何度か使ったので、そろそろ書いとくか。

[ JAL ビジネスきっぷ ] まず、JAL カード会員限定の JAL ビジネスきっぷ。回数券廃止とともに、その代替として出してきたものだが、現時点(2008年5月)では慌てて作った“やっつけ仕事”なチケット種別以外の何ものでもない。

回数券廃止は、ほとんどの券種におけるタッチ&ゴー導入と合わせたに空港のチケットカウンター業務縮小のためだろうから判らなくはない。納得はしないし、そのことは JAL からのアンケート時に散々書いたこともあった。しかし、同時に新幹線が IC カードによるタッチ&ゴーを導入して値引き措置もしたので、その対抗措置(ANA 対抗もあるだろう)として急遽この「ビジネスきっぷ」を作ったように思える。そのせいか、


アレもコレも6月からできます、今はできません


という感じで、4〜5月はかなり使い物にならなかった。何と言っても、「携帯からは JAL ビジネスきっぷに対応していない(6月から対応予定)」という時点で終わってた。帰路について電車の中から携帯経由で予約しようと思ってできずに焦りまくった。

携帯から予約その他ができないなんて
なんのための“ビジネスきっぷ”なんだよ!


と思わざるを得ない。さらに、ビジネスきっぷは同区間2枚組のチケットなのだが、往復割引やシャトル往復とは違って、同方向2回(羽田〜伊丹往復ではなく、羽田→伊丹×2枚)という使い方でも構わない。その点は方向に関係ない回数券と一緒である。

が、4〜5月の間は、最初に羽田→伊丹×2で購入すると、あとから逆方向に変えられなかった。チケットの説明として逆方向へ変更できるということなのだが、それも“6月からできる予定です”という話。なんだかねぇ。

ホントまぁ、やっつけ仕事すぎて笑うしかない。6月からはまともに使えるようになるようだが、正直4〜5月は使ってられねぇ〜、という感じだった。単純に往復するなら(東阪間は)シャトル往復で良いわけだしねぇ。

このあたり、場当たり的な施策が多い JAL は変わってないなぁ…という気がする。6月からが本当のビジネスきっぷなのだろうが、現時点では何だかなー、回数券廃止して改悪だなーという感じではある。

Sunlight from clouds
(DP1@湯河原付近のぞみ車中から)


[ EX-IC ] 3月から JR 東日本のモバイル Suica 特急券に続いて、東海道新幹線も IC カードのタッチ&ゴーで乗れるようになった。モバイル Suica でもオッケーなので、飛行機に続いて新幹線も携帯一つで予約してそのまま乗れるようになった。全く良い時代になったもんだ。

こちらは、きちんとしているので何も問題はない。新幹線改札口でタッチ&ゴーで入場すると、飛行機と同じく乗車する便と座席が書かれた利用票が出てくる。飛行機と違って電車の時には利用票を取る習慣がなかったので、最初は取り忘れそうになった(利用票は車内検札に使用する)。

細かな点で言えば、まだこなれていない面もある。利用票には乗車する電車や座席は書いてあるけど、電車が何番線に入線するかは書かれていない。上下線一つずつしかホームがない駅ならそれでも良いが、東京や新大阪ではホーム番号も書かれていた方が良いだろうと思った(飛行機でタッチ&ゴーした場合の利用票にはスポット番号が書かれている)。

反面、新幹線の利用票には支払った運賃が書かれているのは、領収書代わりにもなるので後々便利ではある。まぁ、人によっては困るかもしれないけど(笑)

また、エクスプレス予約については慣れれば問題ないけど、使いやすさから言えば JAL や ANA の方がまだ一日の長があるかな?という感じ。一画面に表示する量を最低限にしているせいか、予約したい便を選ぶのに何度も画面遷移する必要があるし、ボタン名称で無闇に「確定」という名前を使いすぎて誤解を招きそうな部分もある。

それらは慣れと我慢で解決できることも多いので、嫌になるというほどのことはなく、通常のエクスプレス予約のように携帯から予約してもチケットをいちいち発券するようなことはないので、ようやく使う気にさせてくれるし、何よりも料金が割引になる(EX-IC を使わずチケット発券した方が安いこともあるが)から、その点でも使う気になる。

EX-IC については、ほぼ予想通り満足できるものであったので、東阪往復の 95% は飛行機を使ってきた私も、emobile を常用できる体制にしたことも含め、これで新幹線に軸足を移す体制を確認できたという感じだ。

Lake Hamanako view from superexpress
(DP1@浜名湖のぞみ車中から)


[ 飛行機と新幹線 ] といっても、本音を言えば、やっぱり飛行機の方が良い。飛行機そのものが好き、離陸する時のあの感覚が大好き、新幹線の駅くらいでは旅の雰囲気は出ないけど空港は多少感じることができるので好き、なんていう個人的嗜好もあるが、ちゃんとした理由もある。



  • 新幹線は飛行機より揺れる。飛行機は気象条件が悪くなければ、離着陸時以外さほど揺れない。飛行機の場合は気圧変化による見えない疲れはあるが、2時間半ずっと揺られてるのは乗り物酔いをしない私でも結構疲れる(はっきり言ってノート PC 広げての仕事は飛行機の方がしやすい)。

  • 品川から羽田空港までの時間、空港での余裕時間を考えても、飛行機の方がまだ早い。

  • 自宅から伊丹空港へも新大阪駅へも乗り換えなしで30分あれば行ける場所にあるが、駅への近さ、ラッシュ時にもモノレールは混まない等の点から、伊丹へ行き来する方がずっと楽。

  • 普通席同士だと幅は似たようなもので足下は新幹線の方がずっと広いが、乗ってる時間を考えれば、隣と至近距離の狭い空間にいる時間の少ない飛行機の方が気は楽。

  • 僅か+千円で広い空間を確保できるクラスJは魅力。新幹線には無い。

  • JGC なので空いている便なら、普通席の場合に隣をブロックしてくれる確率は高い。

  • 新幹線の荷棚は狭い。いわゆる IATA 機内持ち込みサイズのスーツケースを置くと、700系でもはみ出るので不安(500系は無理)。それくらいは乗せられるようにしてもらいたいものだ。

  • セキュリティ的なことは空港および飛行機の方がずっと安心。

  • 新幹線構内のトイレと空港のトイレを比べれば、数、設備とも空港の圧勝。JRは紙が有料なんて時点で終わってる。

  • 食事する場所も休憩する場所も喫煙コーナーも空港の方が圧倒的に充実している。

  • 無線 LAN が使えるエリアが広く、一般エリアでも座れる椅子が多いので、どこでもモバイルでネットできる。

  • JGC / SFC またはゴールドカードがあればラウンジが使える。

  • サービス、接客という面では、空港および飛行機の圧勝。


…と挙げていけば切りがない。もちろん、新幹線の場合は

  • 駅に数分前に着いても乗れる。

  • 便数が圧倒的に多いので、いつでも乗れる感覚はある。席数も多いので、気楽に便変更が可能。

  • 満席でも自由席で乗れる、最悪立ってでも移動可能な安心感はある(東海道・山陽新幹線の場合)。

  • たとえ乗り遅れても、後続の自由席ならそのまま乗っていける。

  • 喫煙座席がある(N700系を除く東海道・山陽新幹線の場合)。


とあるわけで、実用度としての新幹線の優位性は高いのだが、快適さ、ラクチンさ、という面を見ると、やっぱり飛行機になる。

ただ、このところの原油高に伴う値上げ続きと新幹線の割引制度によって価格差が広がってきた。2〜3年前まではイメージと違って、東阪間で言えば価格差はほとんどなかったり、時間帯に依っては飛行機の方が安かったりもした(飛行機は特便割引や回数券使用の場合)。

でも、もう違う。飛行機の方が好きな私も、さすがに無視できない、我慢できかねる値段差になってきた。周辺交通費込みで1回3千円弱の差だから年に数回レベルなら度外視できるが、月1〜3往復、そして何と言っても自腹である(経費ではあるけど)。申告時、決算時に集計すると、やっぱりね…

ぶっちゃけ、新幹線は隣に巨漢デブやら酒臭いオッサンやら乗ってくるとホント嫌になるなど“運次第”なこともあるので(先にも書いたように飛行機より仕事しにくいし)、できるだけ避けたいし、楽したいんだけど、今後も飛行機は値上げしていくばっかりだろうし仕方ないかな…

the vicinity of Oogaki
(DP1@大垣付近のぞみ車中から)