DP1 を購入してから半月が経った。買ってはみたものの、その使い勝手の悪さにすぐに投げ出して売却、ということも有り得たが、今のところはそういうこともなく、この“じゃじゃ馬”としばらくは付き合っていこうと思えている。

使っているうちに少しは慣れるかと思った操作性の極悪さ、レスポンスの悪さについては、未だに慣れない。というか、慣れる気がしないし、慣れられる人がいたら尊敬する。無理だ。絶対無理。半年使っても1年使っても、間違いなく無理だろう。

けれど、すっかり慣れてしまったものもある。それは画質。DP1 が吐き出す画質は、そのサイズを超えてデジタル一眼と同等以上という評判ではあるが、それには慣れてしまった。画質の良さに慣れてしまったが故に、撮った写真を見て「あれ?(DP1 の画質って)こんなもんだったっけ?」と思うことも。

自分の撮り方が悪かったのかと思ったりして、他人様の画像を引っ張ってきたり、5D や 1D3 で撮った写真や逆に普通のコンパクトデジカメ(Xacti や家族が使ってる Cybershot や FinePix)と比べて、「あぁ別に撮り方が悪かったり、壊れているわけじゃないな」と妙な納得をすることもあったりする。

自分の基準が普通の APS-C デジタル一眼ではなく、フルサイズの 5D や APS-H フラッグシップ機の 1D3 だから比較基準が元々おかしいと言えるが、最初の興奮を忘れて慣れてしまうと、どうしても「もっと、もっと」と欲が出てしまう。

clustering of Spiraea thunbergii


しばらく使ってきて、実際のバッテリの保ちを測ってみると、RAW 撮影、フラッシュなし、画像の再生は撮影後の確認くらいで、他に液晶を使うのは構図確認と設定変更程度、という使い方で概ね 200枚程度。公称値は 250枚だが、こちらは JPEG 撮影なので、メモリーカードへの書き込み時間の違いを考えれば、概ね公称程度な感じ。

RAW 撮影していると、バッテリ1個で 2GB のメモリーカードを撮りきって少し余る感覚。なので、今のところ DP1 用には 4GB + 2GB の2枚の SD/SDHC カードを割り当てているから、バッテリーは3個体制まで増やした。これで 500枚程度撮れるので、1日分としては十分かな?と。

ちょっと気をつけるべきは、このバッテリは自己放電が多めに感じるところ。数日放置しているだけでも減りが他のバッテリー類より早いように思う。バッテリー容量(バッテリー1個あたりの撮影枚数)に比べて充電時間が長いので、旅行に持って行く時は更に多めにしておかないと充電が追いつかなくなりそうな気も…

【追記】と書いていたが、数回充放電を繰り返してバッテリー性能が最大限使えるようになった状態だと、250〜300枚程度撮影してもまだ残量があることが多くなってきた。液晶をほとんど見ず&オートブラケット多用な状況だと 300枚を越えてもまだバッテリー目盛りが2つある、ということもあった。意外と保つかも?

Sakura in evening light


今のところ撮影した画像は概ね、純正現像ソフト SPP で微調整して JPEG 現像のみという形で処理している。先の記事でも書いたように ACR が対応したら Photoshop に移行する可能性は高いが、“X3 Fill Light”パラメーターが非常に便利なので完全に移行することはないかも?という感じ。SPP のバグが早くなくなって安定して、速度アップしてくれれば SPP だけでも良いと思うのだが…

今さら繰り返す間でもなく、DP1 の解像は素晴らしいものがあるが、それが裏目に出るシーンもあるかな〜と、桜を撮っていて思ったり。遠目から桜を撮ると、木の枝々はバシッと気持ち良く写っているのだが(これこそが DP1 の真骨頂みたいな)、満開の桜の花が密集しているところは解像が細かに入り組んだようになって、ちょっと不自然に見える場合もある(もしかすると偽解像している部分もあるような)。

ベイヤー素子を使った他のデジカメだと、解像するかしないかの部分は補完処理の関係でボヤけ気味になり、それがゴチャついた部分の不自然さを中和しているような時があるのだけど、Foveon 素子にはそれがないからストレートに出てしまって違和感を感じてしまうのかもしれない。

The festival lanterns in Sakura cherry trees


似たようなことで、あまりにビシッと解像するのは良いのだけど、その分あとから斜め補正をするなど画像の回転処理(90度や 180度は除く)には弱いように見受けられる。元々の等倍での解像が高すぎるために、回転処理をすると劣化が目立ったり、エッジの輪郭が目立ったりすることがあるように感じている。

ま、それらも今までベイヤー素子の画像に慣らされすぎていて、Foveon 素子の画像に慣れていないだけなのかもしれない。いささかの特徴はあるにせよ、DP1 からの画像は基本的にレタッチ耐性は高い。DP1 の画像の問題点と言えば色だが、これはもう必要に応じて手を入れるしかないし、レタッチ耐性が高い分、手を入れても破綻しにくいので、手は入れやすいように思う。

何にせよ、これからしばらくは付き合っていくことになりそうだから、早く自分なりの処理方法も見つけていかなくてはならないし、撮影スタイルももうちょっと変えていくしかないかな…

【追記】金曜日に DP1 のファームウェア・バージョンアップ、SPP のバージョンアップが公開されるというプレスリリース、お知らせメールがきた。DP1 についてはバグフィックス以外はグリッドモードが付く(AF時のみ)というので、これは嬉しい。SPP の方はホワイトバランスによっては緑かぶりする問題が解消されているらしいが、以前書いた糞すぎるバグも直っていて欲しいなぁ。

どちらにせよ、ブログに色々書きつつシグマへのメールをまとめていたのだが、それは金曜のアップデート後に再度評価し直してからにしよう。

the sunset with a Ferris wheel