Gmail も IMAP に順次対応していくということだが、非常に癖の強い Gmail の POP 仕様について俺的まとめ。ただし、Gmail の仕様は微妙に変わることがあったり、過渡期でアカウント毎に挙動が違う場合もあるので、必ずしも全ての場合において以下の内容と一致するわけでないので、念のため。

まず、通常の Gmail アカウントを POP 利用でローカルメーラーで送受信する場合の基本。

  1. 通常の POP 受信ができるのは1回のみ。一度 POP 受信されたメッセージは、recent モード(後述)を使わない限り POP 受信できない。複数のローカルメーラーから通常の POP 受信を行うことはできない(一度 POP 受信設定を解除して一から全部 POP 受信し直すことは可能)。

  2. POP 受信設定のメールアカウント欄の先頭に「recent:」を付けることで(通常 xxx.yyy@gmail.com のところを recent:xxx.yyy@gmail.com とする)、recent モードでの POP 受信となり、他の POP 受信状況に関わらず最近 30日分の受信メッセージにアクセスできる。
    複数のローカルメーラーから POP 受信したい場合は、主たる受信先は通常の POP 設定にしておき、残りはこの recent モードを使用するしかない(ローカルメーラー側で一度取得したメッセージも再取得する設定になってると重複受信されるので気をつける必要がある)。

  3. 新着メールを先に recent モード側で受信しても、通常の POP 受信で新着メールはきちんと受信される(当然)。

  4. POP 受信する前に Gmail のウェブメール上で既読にしても、POP 受信では新着メールとして受信される(当然)。

  5. POP 受信する前に Gmail のウェブメール上でアーカイブ行きにしても、POP 受信では新着メールとして受信される(当然)。

  6. POP 受信する前に Gmail のウェブメール上で削除(ゴミ箱行き)したメッセージは POP 受信されない。

  7. POP 受信する前に Gmail のウェブメール上で削除したメッセージは、ゴミ箱から戻すと新着メールとして POP 受信できる(一度 POP 受信したメッセージについては改めて POP 受信されない)。

  8. ローカルメーラーから SMTP で送信したメールは、Gmail 上では自動的に送信済みメール扱いになって受信トレイには表示されない。


Gmail の POP の挙動として非常に独特なのが最初の2つ。通常の POP 設定では新着メッセージを受信できるのは一度のみ、という仕様。ローカルで POP 受信するのは1つのみ、という場合には何ら問題はないのですが、複数のマシンから POP で受信したいという場合には非常に困った仕様です。

この POP 仕様の暫定的な回避方法として用意されているのが、recent モード。最新 30日分のメッセージしか受信できませんが、モバイル用途などでは使える仕様でしょう。ただ、複数のマシンでメッセージを完全に同一のものとしたい場合には、

  1. メインで Gmail から POP 受信しているメーラーのデーターを新たに POP 受信するメーラーへ移行(コピー)する。

  2. 新たに POP 受信するメーラーで recent モードに設定して POP 受信するようにする。

  3. 最初の POP 受信では最新 30日分のメッセージがまとめて受信されてしまうので、重複するメッセージをメーラー側で削除する。

  4. 2回目からは 30日以内に POP 受信を行うようにする。


といった手順で、複数のローカルメーラーで POP できるようになります。メールデーターの移行と、1回目の recent モードでの POP 受信した後に重複メッセージを削除するのが面倒ですが、これで何とかなります。

新たにサポートされ始めた IMAP を使えば、こんな面倒なことはなくなるわけですが。

3.〜5. は当たり前の仕様として、6.〜8. もウェブメールとしての Gmail をリモートコントロールしていると考えれば納得できる仕様です。

しかし、独特の仕様はこれだけではありません。ここからは Gmail をローカルメーラーで使う場合に注意すべき点を述べていきます。まず、重要な点として、

  • 通常の POP 受信の場合は、ローカルメーラー側の「サーバーにメールを残す・削除する」設定は無視され、Gmail 側の設定で「コピーを受信トレイに保存」する設定になっていれば、POP で受信したメールも Gmail 側に残る。

  • recent モードでの POP 受信の場合には、ローカルメーラー側の「サーバーにメールを残す・削除する」設定は有効で、Gmail 側の「コピーを受信トレイに保存」する設定に関わらず、ローカルメーラー側で「サーバーからメールを削除する」設定になっていると、POP 受信したメッセージは Gmail 上から削除される。

  • 前項で Gmail 上から削除されたメッセージは完全に削除されるのではなく、ゴミ箱行きとなる(30日以上経過で完全削除)。


という挙動があげられます。これは私も使い始めの時に迂闊にも設定をミスって、大量のメッセージをゴミ箱行きにしてしまって、泣きながら受信トレイに戻しました。通常の POP 受信と recent モードでの POP 受信で、こんなところの挙動を変えるのは解せないのですが、とりあえず Gmail の仕様のようです。

また、Gmail はローカルメーラーから SMTP 送信する場合にも独特の仕様があるため、一般的な POP アカウントで運用している場合とは運用に注意すべき点があり、

  • ローカルメーラーから Cc, Bcc で自分宛に再送信するようにしても一切無視される(ローカルメーラーで送信メールを自分宛に再受信するようにはできない)。

  • ただし、自分が送信したメッセージは(前述の通り)Gmail のウェブメール上では「送信済みメール」に入る他、他の POP 受信メーラー側でも新着メールとしてきちんと受信できる。

  • Gmail ウェブメール上で本来のメールアドレスだけでなく別のメールアドレスで送受信できるように設定していても、ローカルメーラーから送信する場合には本来のメールアドレスで送信されてしまう。


というものがあります。

自分宛の Cc, Bcc が効かないのは、ローカルメーラーで自分が送信したメッセージも受信箱に入れる形で運用している人には辛い仕様です(私もそうですが)。特に受信メールと送信メールを一括で管理できず、別のフォルダに入れるしかないメーラーの場合は受信箱のスレッドがうまく機能しないので、フィルタなり手動でメールコピーさせるしかありません。

また、複数のメールアカウントから POP や転送で Gmail へメールを集約しているような場合など、Gmail 上で複数のメールアドレスを使い分けている際、送信元メールアドレスをきちんと使い分けたい場合は Gmail のウェブメールを使わないと反映されないようです。ローカルメーラーから送った場合は、メーラー側で送信元メールアドレスを変えて送信しても、Gmail 側で本来の Gmail メールアドレスに書き換えられてしまうようです。

というわけで、Gmail をローカルメーラーで使う場合には色々と癖があるため、色々と気をつける点があります。Gmail が基本的にウェブメールであるということ(ウェブメール上の広告で儲けている)を考えれば止むを得ないでしょう。

これらの挙動を考えれば、Gmail のローカルメーラーの利用は補助的に利用にとどめ、基本はウェブメールとして使うのが一番楽、判りやすいと言えます(当然ですな)。

ただ、IMAP が利用可能になりつつあるので、今後は IMAP を使うのがベストなのは言うまでもないでしょう(IMAP をサポートして Google が Gmail からどうやって儲けを出すのか本当に疑問ですけど)。POP は Google サーバー上のメールデーターのバックアップとしての利用に留まるのが良いかもしれません。

ま、そう言いつつ、私は色々とややこしく使おうとして格闘した(今も多少している)わけですが…

これらの話の続きとして、「Gmail のアカウントで POP 受信しつつ他のメールアドレスへ転送もかけている」という特殊?な状況での挙動については、また後日気力が出たら書きたいと思います。