WWDC の隠し球で登場したものの、いきなりセキュリティホールの連発と日本語非対応でボロボロだった Safari3。昨日再びアップデートされて、英語版サイトでは 3.0.2 がリリースされており、そこにはセキュリティフィックスとともに「Fixes for text display, non-English systems, and start-up times」と書かれていて、確かに最初から日本語サイトが表示可能になっている。

とはいえ、まだ文字化けするサイトもあるし、致命的なのはフォームに日本語入力ができないということ。まだまだやね。あと、インストール先が強制Cドライブというのは、あまり行儀が良くないな。

Safari for Windows に影響されたというわけじゃないが、MacOS X 上のメインブラウザをここ数日 Safari(こちらはまだ 2.0.4 のまま)にして試している。Firefox より速い、フォントがきれい、そういったメリットがあるのは判っていたが、Firefox と Google Browser Sync でマシン間状況の共有をはかっている私としては、最初からずっと Firefox 派だった。

が、まぁ一度くらいは Safari をじっくり使ってみないと偏見が生まれそうだとは思っていたので、この機に Safari を使っているのだが、正直やっぱり微妙。確かに利点はあるけれど、自分の使う範囲では欠点もそれ以上に多い。普通にウェブを見るだけ、なら Safari の方が良いのかもしれないが、私の場合それだけじゃないしね。

フォントが Safari の方がキレイというのは確かにある。あるけど、私にとっては、乗り換えるほどの大きな差じゃない。それに Windows と MacOS X の差が 100 とすれば、MacOS X 上の Firefox と Safari の差は 20〜30 くらいじゃね?という感じ。明朝系にフォント設定しているとかなり 50 以上の差はあるかもしれないが、ゴシック系フォント基本だから、別に Firefox でもあまり見難くはない。というか、Windows に比べれば、どっちも天地の差がある。

Safari3 でも自慢していたレンダリング速度については微妙。Ajax 系サイトは元からあまり Safari でも速くないというか、体感では変わらない。起動速度についてはかなりの差はあるけど、これは Windows 上の IE と Firefox でもそうだし、IE と Firefox の差よりずっと少ないから我慢できる範疇。Firefox も TMP (Tab Mix Plus) などの Plug-in を入れていると更に遅くなるからね。

ともあれ、そういった部分で多少の利点は認めるが、反面

  • Firefox ではフル対応していても Safari では対応しきれてない Ajax 系サイトの多さ(まぁこれは私自身が作る時もそうなんだけど)

  • とことん自分好みにカスタマイズできる Firefox に比べ、Plug-in も含めカスタマイズできる範囲の少なさ

  • FireBug, WebDevelopper など開発系 Plug-in がない不便さ

  • (プルダウンメニューじゃない)Safari のブックマーク表示のやり方は馴染めそうにない


という自分にとっての不便さが辛い。正直常時使うものだからストレスが溜まる。

この Livedoor Blog でも投稿画面でリンクを貼るためのボタンが Safari では出てこない(それくらいは対応しろよ…と思うのだが)。自分でタグを書くことは簡単だけど、便利さは少し失われる。そういうレベルの不便さも、あっちこっちであるとトータルとして大きくなる。

カスタマイズもそう。タブの挙動については TMP も含めて自分なりに欲する挙動がハッキリしている。_blank で開くリンクをクリックした時は新規タブで開いてフォアグラウンドになって欲しいが、右クリックでリンクをタブを開くとした場合にはバックグラウンドタブになって欲しいとか、新規タブで開いて行く際の順番とか。細かいが、そこが重要だったりする。その辺 TMP は極めて細かく設定できて重宝する。何より新規タブを作った時にデフォルトページが開かれないのがストレス溜まるしね。

ま、そんなこんなで色々耐えながら?数日間使ってきているのだが、そろそろ限界かな。決して悪くはないし、フォームボタンのデザインセンスとか、MacOS X で日本語モードでもスペースキーでスクロールできるとか、マウススクロール時のスクロールが滑らかだとか、細かな部分で良さは感じることも多いんだけど、如何せん Firefox のように“環境”にはなり得ない。ブラウザの範疇で、まだ OS を越えた共通環境にはなれる要素がない。

FireBug や WebDevelopper が必要な時は切り替えるとしても、もうちょっとカスタマイズの範疇が広がらないと厳しいかな…というのが現状。慣れればいいことではあるかもしれないが、Firefox がある以上、敢えて慣れる必要もないわけだしねぇ。と思いながら、これも Safari で書いてるわけだが。

でもまぁ、これからサイト構築で Safari もちゃんとフォローアップする必要が出てくるのならば、敢えて Safari を使っておいた方が良いのかもしれない。Firefox 使ってると Safari の出番は皆無だし。でも開発側からすると、Apple は要らんもん出してきやがって…と思うことは多いだろうな。私も正直そう思うところはあるし。テストの手間を考えろよな…