Tedious diary more x4

写真日記ブログを合流させて完全に雑記ブログ化しました(>_<)

【2010/4/29 追記】ある方に教えていただきましたが、Pocket WiFi のソフトバンク版である C01HW でも同じであり、当記事が有効のようです。

【2011/4/25 追記】フォロワーさんに教えていただきましたが、新型 Pocket WiFi GP01 でもセキュリティの初期設定が同じで、当記事が有効であるそうです。

【2011/12/26 追記】EMOBILE G4 対応 GP02 を一から設定してみましたが、そのままではないものの当記事を参考にセキュリティ設定を行うべき部分はありました。

前回の記事でも書いたように、Pocket WiFi (D25HW) は購入・契約すると、すぐに使える状態になっている。1枚紙の「かんたんセットアップマニュアル」(基本編・ゲーム編の2種類)の通り、

パソコンやゲーム機に無線 LAN の設定をするだけで
あとは Pocket WiFi の電源を入れるだけで使える簡便さ


になっている。この「買ってすぐに誰でも使える」コンセプト自体は素晴らしい。

ところが、Pocket WiFi の初期設定のままでは、いささかセキュリティ的に問題を抱えているのも事実。それは

  • ESSID (SSID) から Pocket WiFi が飛ばしている無線 LAN であることが丸わかり。

  • 無線 LAN 経由でブラウザで Pocket WiFi の設定画面にログインする仕様に関わらず、初期のログインパスワードが5桁の数字である。

  • Nintendo DS で使用することを念頭に置いているため止むを得ないとはいえ、初期の無線 LAN 暗号化設定が簡単に破ることが可能な WEP になっている。


という3点にあります。最悪の設定とまでは言えないものの、この初期状態のままでは

  1. パッと電波を見て、Pocket WiFi が飛ばしてる電波が見つかる。同時に WEP で使ってることも判る。

  2. ちょいちょいとやれば、ものの1分もかからずに WEP の暗号キーを見つけることができる。

  3. 見つけた WEP Key を使って Pocket WiFi の無線 LAN に繋ぎ、ネットに繋ぎ放題(だけなら良いけど、悪いことされて足がつくのは Pocket WiFi のユーザーに対してになる)。

  4. 加えて Pocket WiFi ということが判ってるから、ルーター設定画面のログインパスワードが(初期状態のままでは)5桁の数字の組み合わせであることも判る。手入力だとしんどいが、スクリプトを使えば5桁の数字なんか簡単に落とせるパスワードである。

  5. 万が一、Pocket WiFi の設定画面にログインされたら、設定変えられ放題になる。


という事態は十分考えられるわけで、やはり設定変更は強く推奨されるべきものです。イーモバイルは全く無頓着ですけど。

(言うまでもないですが WEP 暗号化キーを解読して、そのネットワークに侵入することは違法です。が、現実的にアタックされることは珍しくないのも事実です)

実際、発売3日目の昨日、梅田某所で Pocket WiFi の初期設定そのままで使ってると思われる電波が飛んでいて、「モバイルとはいえ、WEP Key なんて一瞬で Crack できるしヤバいよなぁ…」と感じたので、僭越ながら「Pocket WiFi (D25HW) を契約したら必ずやっておくべき設定」を書いておきます。間違いその他あれば、ご指摘いただければ幸いです。

なお、どうしてもそのまま使いたい、暗号化設定を WEP で使いたいという人は

Pocket WiFi では右下に WiFi 接続台数が出るので
自分が繋いでいる台数であることを時々確認すべし!


である。省電力設定で LCD 画面の情報は10秒ほどで消えてしまうが、電源ボタンを軽く押せば再び表示されるので、WEP で使う場合には、ただ乗りされていないか?を時々確認した方が良いでしょう。

PocketWiFi LCD Screen 1
上の写真例では右下に0(ゼロ)とあるところに
0〜5の WiFi 接続台数が表示される


なお、「MAC アドレスフィルタリング」「ステルス SSID」などの設定については、最後で少し触れます。

まずは、WEP で使う・WEP から変更するに関わらず、必ず変更すべき2つの設定から。

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2009年もそろそろ終わりが見えてきたが、振り返ってみると今年はお買い物の当たり年だったような気がする。1月に VAIO type P が発表され、使い物になるのか?自分を満足させられる物なのか?不安に思いつつも、発表日即ソニースタイルに予約して入手したら見事にお気に入りのものとなり、素直に凄いと思える物だった。

その後も、予想通り生活を変えるくらいになった iPhone 3GS を始め、今年のお買い物では当たりが多かったと思う。お金を出した分以上の満足感を得られる物が多かった。勿論全てのお買い物に満足してはいないけれど、最近買った EOS 7D も MacBook Air も PowerShot S90 も気に入ってる。

そんな中、一昨日発売になった emobile の「Pocket WiFi」を早速購入・契約した。この「Pocket WiFi」、旧来のデーター通信端末と同じようにパソコンと USB 接続してデーター通信することもできる他、単体で通信して無線 LAN ルーターにもなってくれるというもの。

つまり、ポケットサイズの emobile 専用の無線 LAN ルーターであり、その最大の特長はサイズのコンパクトさ。まさに手のひらサイズ。そして“ポケット”サイズ。

PocketWiFi with iPhone
厚みのある iWood ケースを装着した iPhone との比較


そして小さく軽いだけでなく、何よりも使いやすい。


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本日発売になった Pocket Wifi を早速購入したのですが、Pocket Wifi については少し使って明日か明後日あたりに記事にすることにして、まずは随分前に書いてあった EOS 7D のその後について。

発売後、ネット上で少々話題になった高速連写時の“残像問題”が11月初めのファームウェア・アップデートで解消され、その後は特に何事もなく、ごく普通に使う日々。で、久しぶりに 7D の記事でも書こうかと思いつつ、ふと Amazon を覗いたら



していて、「すっかり安くなったな〜」と思うと同時に(Amazon が安すぎるような…)、これだけのカメラがこの値段で買えるのは凄い世の中になったなー、と素直に思う。一般的な使用では2年半前のハイエンド・プロ機である 1D Mark III(発売当初購入金額 50万)を上回ってる部分が多いカメラが 13万円台ですからねぇ。

無論、発売日に購入してから今まで散々シャッターを切っているので、EOS 7D が3万やそこら値下がりしたところで何とも思わないし、だいたい安くなるのを待てる性分なら苦労してないわけで、そのあたりは自分の性格、欲望代金込みで減価償却済みなので、値下がり自体は無問題。

ただ、EOS 7D を使ってきて 1D Mark III を上回る部分も多いことを実感しているので、そんな素晴らしい性能のカメラがこの値段になったかと思うと、技術の進歩に感心するとともに、そこそこの値段を出して買った Mark III を使ってきた身としては少々複雑な気分なのは正直なところだ(笑)

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(EOS 7D + EF 24-105mm F4L IS USM @八甲田山ロープウェイ車中から)


というわけで、値下がり云々はともかく、私自身の主力カメラもすっかり EOS 7D になっています。EOS 7D 購入後、しばらく EOS 7D を使ってから Mark III に戻ったところ、7D で導入された便利機能(縦横位置別フォーカス設定記憶その他)に慣れきってしまっていて Mark III に戻りきれず、7D がメインになってしまいました。

ただ、以前 twitter でも少しつぶやいたりもしましたが、言葉で表し難い部分で 7D では物足りない、Mark III に戻りたくなる部分があるのも事実。性能や機能という部分では不満はないし、出てくる絵にもほとんど不満はなく、コストパフォーマンスの高さには関心すらするのですが…何かが足りない。

このあたりはもう少し自分の中で整理してから記事にしたいと思いますが、一時期「7D があれば Mark IV は要らないかなぁ。Mark III の時と違って馬鹿高い金を出す意味はないよなぁ」と思っていたのが、また少し変わってきました。1D系を使っていなければ、こんな不満も皆無だったのでしょうけどね。

もっとも、現状は Mark IV を買う買わないより先に、自身が来年ちゃんと写真を撮ることができる状態にならなければならないという事情があるので、それをクリアーしてから Mark IV は考えることになるでしょう。

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(EOS 7D + EF 70-200mm F2.8L IS USM @奥入瀬渓流)


というわけで、現状は概ね大満足の EOS 7D。でも、主力カメラとして使い始めて困ったことが一つ。

APS-C だと、あらゆるレンズの画角が変わりすぎる


ということ。超望遠域用の EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM はともかく(これについては長くなって嬉しい)、EF 70-200mm F2.8L IS USM も EF 24-105mm F4L IS USM も EF 17-40mm F4L USM も全部長くなりすぎて使いづらい。

単焦点レンズの方は画角が変わっても別のレンズという感覚で割り切れるのだけど、メインでずっと使い続けてきたLズームレンズ群については、画角の変わりように自身の感覚がついていけてない。

特に 70-200 が使いづらすぎて困っている。そして 70-200 というのは、先人による長年の積み重ねで定番になった焦点域なんだなぁ…というのを実感してもいる。70mm というワイド端から 200mm のテレ端ってのは非常に使い勝手が良かった。そして x1.6 にされると、その良さは雲散霧消された感じ。

もちろん、APS-H でも画角は x1.3 になるわけで多少長くなっていることは実感していたし、例えば 70-200 を使った時のワイド側がもう一声という感じになることはあった。それでも APS-H だと 17-40, 24-105, 70-200 というレンズ構成に不満を感じることはなかった。ところが APS-C だと、ちょっと感覚が違う。

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(EOS 7D + EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM @スカイランド HARADA)
フルサイズはもちろん、APS-H より更に寄れるのは APS-C の利点だから
ふだん使うことの多い超望遠域では何の不満もないのだけど…


APS-C による画角変化に慣れないことは私自身の感覚の問題であって、一般的な話ではない。ただ、EOS 7D を使ってみると 1D系と違ってコンパクトな 7D だから(7D をコンパクトという時点でおかしいのは自覚済み)、ちょっとした旅に持って行くこともできる。

もちろん何度も記事にしてきたように、旅カメラにはマイクロフォーサーズがある。E-P1 は売ってしまったが DMC-G1 は(E-P1 よりも)広い範囲で一眼レフライクに対応できるスモールカメラだ。写真を撮ることが一定以上の目的にならない旅や出張時には、DMC-G1 がお供なのは変わらない。

とはいえ、動体撮影や高感度画質を考えるとシーン対応の幅は比べ物にならないから、1D Mark III だと持って行く気になれない時でも EOS 7D なら…ということはある。DMC-G1 は大好きなカメラだが、持って行く気力、荷物の余裕があれば 、やはり 7D を持って行こうと思うことも出てきつつある。。

「7D では風景とかスナップとかは撮らない。基本的に動きもの相手の望遠用途のみだから」なんて言いながら買ったのだけど、前言撤回しそうだ。いやホント、1D 系に慣れきってると 7D はやたら小さく軽く感じるので(小さすぎて縦グリップがないと不安なくらいに)、ついつい気軽な感覚になってしまう。

となると、標準ズームの1本くらいは欲しい。手持ちのレンズの中では EF 17-40mm F4L USM が APS-C 画角的に標準ズーム相当になるし、APS-C で悪くないのだが、手ぶれ補正が入ってないし、フルサイズ用レンズだから無駄に大きい。

そう思い始めて、最初に考えるのは EOS 7D のキットレンズでもある



画質評価も EF-S 17-85 IS の時と違ってまずまずのようだし、画角も24〜136mm 相当ということで利便性も高い。でも、発売当初から安くなってきたとはいえ、現在の Amazon 価格で8万弱(2009/11/18現在)。う〜ん…

APS-C 用レンズなんかに、金かけたくないんだよなー


という思いがどうしても拭えなくて、やっぱり候補外。

同時に発売されて、5万円弱で売ってる(Amazon 価格) EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS も一時期気になったが、海外のレビューサイトで画質面でボロクソ書かれたし(18-200 と一緒ですな…)、値段も画質も中途半端過ぎで却下。EF-S 17-55mm F2.8 IS USMなら画質面では良いかもしれないが、15-85 以上に高い。

結局 APS-C 用レンズなんかに無駄な金をかけたくない、という思いが強いので

画質そこそこの安ズームを中古で買うかぁ〜


ということになって、買ったのが



の中古。美品で1万円強でした。

このレンズは新品でも2万強という低価格でありつつ、安ズームの割には画質の評価も悪くない(あくまで安ズーム、キットレンズとしての評価)。さらに 40D などのキットレンズとして売られていたせいか、結構多くの中古が出回っていて安く売られている。相場は1万円〜1万円台半ばあたり。

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(EOS 7D + EF-S 18-55mm IS @中古レンズ購入直後に梅田で試し撮り)


画角的には換算 29〜88mm ということで広角側もあまり広くなく、望遠側はちょっと足りない感じですが、IS の効きは悪くないですし、USM(超音波モーター)ではないもののフォーカス時の動作音は静かで、フォーカス速度も思ったより速い。

1万円そこそこで手に入れた割には、予想以上に使えるんじゃね?


という印象。もちろん、フォーカスリングはないに等しい AF 専用レンズですし(今時のキットレンズだから、それで問題ないでしょう)、EOS 7D の極小画素ピッチに耐えられるほどのレンズ性能ではない感じですが、反面

安レンズならではの軽さ、コンパクトさ


も魅力だったりします。

EOS 7D がメイン、今後も APS-C がメインのユーザーに、こんなレンズを薦めることはないでしょうが、私のように

フルサイズ向けのレンズは揃ってるけれど
APS-C 用に安い標準ズームが1本あった方が便利かな〜
という人には悪くない選択肢かも?


と。いや、ホントに。1万円強〜半ばで買えるなら、割り切りもできるでしょうしね。とりあえず EF 50mm F1.8 のように、ボディキャップ代わりに付けっぱなしにしていても悪くないです。

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(EOS 7D + EF-S 18-55mm IS @中古レンズ購入直後に梅田で試し撮り)


ちなみに、この EF 18-55mm F3.5-5.6 IS と迷ったのが、



コレ。シグマの銘レンズの一つ。マクロレンズじゃないけどマクロ並に接写に強く、画質評価も高い。友達に勧めて買わせたことはあるし、その友達のレンズを何回か使ったことはあるものの、一度自分でも使ってみたいと思っているレンズ。

ただ、今回は良い中古がなかったので EF 18-55 IS にした。でも、せっかく APS-C を久しぶりに使っているので、いずれこのシグマ 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO/HSM は使ってみたいと思っている。

ただ、APS-C を使うことは二度とないと思っていただけに、これからどれだけ APS-C を使っていくのか…正直自分でも決めかけているというか、不透明すぎてレンズ選びも悩みが深くなりそう。EOS 7D を当分主力として使うなら超広角の EF-S 10-22mm も欲しくなるだろうしね…

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(EOS 7D + EF-S 18-55mm IS @青森駅横・旧青函連絡船乗り場にて)


さて、他に EOS 7D 絡みで買ったモノと言えば、



CF ですな。とにかく RAW で撮った時の CF 消費量は半端じゃないですからね。5D Mark II の 2,200万画素もさらに大変でしょうが、あちらは連写とかしないでしょうからね。飛行機を RAW でパシャパシャ撮った日には、大して連写をしなくても(飛行機で高速連写はあまり要らないですしね)8GB なんてあっという間。

32GB が欲しいところですが、そこまでの財力が今はないので 16GB でお茶を濁しています。私の場合、CF のランクを落とすという発想はないですし、EOS 7D の能力を考えれば Extreme Pro 一択ですしね(Pro なし Extreme でも悪くないようですが)。ブランドに関しても、何度か書いてますが Sandisk 一択です。ま、それにしても

CF の消費量も半端じゃないが、取り込んだ HDD の消費量も半端じゃない


わけで、この点だけはどうしようもない高画素機の辛さ。

EOS 7D を使ってみて、もう無闇に「高画素機は要らない」「画素ピッチを小さくして高画素化するより、高感度耐性をアップしてくれ」とは言えなくなったと思ってますが、ファイルサイズだけは辛いですね。RAW 現像などの後処理時のマシン負荷も含めて。

画像セレクトにも使いやすい、キヤノンの純正 RAW 現像ソフト「Digital Photo Professional」は RAW 現像ソフトとしては動作が非常に軽いことで有名ですが(私にとってはキヤノン機を使い続けるポイントの一つ)、その DPP をもってしても重たさを感じさせるのが 1,800万画素 RAW。

5D や 1D Mark III くらいの画素数では RAW 処理をする時にも大した重さを感じなかったのですが、7D になるとちょっと遅い。ということで、RAW + JPEG で撮ってパソコンに取り込んでから RAW / JPEG を別フォルダにし、JPEG のみのフォルダで画像ファイルの取捨選択をし、その後 RAW ファイルを JPEG ファイルの取捨選択結果に合わせています(この部分は自作スクリプトで自動処理)。

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(EOS 7D + EF 24-105mm F4L IS USM @十和田湖畔)


そんな 1,800万画素機の画質に関する感想は、その他 EOS 7D に関する改めての評価が定まってから書こうと思っていますが、やはり画素ピッチの細かさからレンズへの負担は想像以上だなぁ…と思います。

特に風景撮りを試していると、被写体によっては EF 70-200mm F2.8L IS USM で絞っても解像しきれなかったりして、これはキツいなぁ…と思います(絞り過ぎによる回折ボケも APS-C は早く始まりますしね)。そういう意味からも、解像を要求する被写体を撮る人には向かないだろうなぁ、と思ったりします。

といっても、私みたいな風景撮っても記念写真レベルしか撮れない人には関係ない話ですけどね。私レベルの技量・センスで風景とかスナップとか撮るのに立派な一眼レフなんて必要なくて DMC-G1 でも十分すぎるくらい、コンパクトデジカメで良いくらいですからねぇ。

などと思いつつ、実際に撮ってみて写真を見ると、きっついわーって感じで、やっぱり EOS 7D では大人しくスポーツや飛行機を撮っておこう…なんて思ったり。

でもまぁ、EOS 7D は概ね満足してる良いカメラだし、特に値段を考えれば不満なんか言いようがないくらいのカメラ。動き物を撮る人なら断然薦められるカメラ、二桁機で動体撮ってる人は買い替え必須のカメラという評価は変わってません。細かい不満は言い出したら切りはないけど、ホント良いカメラ。

迷ったけど、買ってよかった!


ですわ。

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(EOS 7D + EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM @スカイランド HARADA)
来年度には全機退役予定の MD-81(背景は生駒山)
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先月、新型 iMac / MacBook 発表とともに値下げされた MacBook Air を購入して1ヶ月近くが経つので、適当に雑感でも何か買おうと思うのだが、正直大して書くことが思いつかない。

というか、MacBook Air 自体は今回値下げだけであったから6月発売の前モデルと同じで、今さら私が書くようなことがない。更に言えば、筐体は初代モデルからほとんど変わってなく、使い勝手も変わってない。よって、使う人が感じる良い点、不満点も何ら変わらないから、それもまた今さらである。

が、敢えて1ヶ月使ってきた感想を書いてみると…

(1)普通に使える Mac(当然だけど)

さほど速い CPU を積んでいる訳ではないが、Atom ネットブックはもちろん、今秋から数多くリリースされている軽量安価な CLUV 系ノートPC より高速な CPU であることと、ストレージが SSD ということが合わさって、今のところ使っていてストレスを感じることは皆無。

日常的に 2.4GHz Core2Duo + HDD な MacBook Pro や iMac を使っているが、それらと同時に使っていても「軽量サブノートだからここは我慢だよなぁ」ということが、予想していたより少なかった。

ブラウジング、メール、オフィスソフトといった一般的な作業はもちろん、デジタル一眼レフの写真セレクト作業や 1,000〜1,200万画素クラスの RAW 現像でも大量に処理させることがなければ、さほどストレスなく利用可能。ただ、EOS 7D のような 1,800万画素クラスの RAW は少々厳しい(これは C2D 2.4GHz の iMac でも同じ)。

おそらくメモリ 2GB という点に注意して、そこに収まる範疇の作業を意識していれば快適に使える印象。逆に言えば、メモリ 2GB 固定という、そろそろギリギリのスペック故、VMware Fusion や Parallels を常用するのには向かない。

(2)軽さはそこそこ、薄さは満足。でもその弊害も…

軽さに関して、持った印象は(底面積に比べて)非常に軽く感じるけれど、他の荷物と一緒に入れて持って出ると“大して軽くないサブノート”という本当のところが明らかになる。

VAIO type P のように、他の荷物と一緒に持って出た時に“この PC の重さは無視できるんではないか?”というくらいの、劇的な軽さはない。それに薄さも、すぐに慣れてしまう。

とはいえ、性能やキーボードに制約のないノートパソコンの軽さとしては満足できるものであるし、底面積はある程度あっても(A4 書類レベルであるなら)薄い方が断然持って出やすいので、十分納得できるレベル。

MacBook Air Side View


薄さについて言えば、前面側も背面側も薄さがあまり変わらないということ。前面部は非常に薄くても背面側はガッツリ厚い、そんなスペックとしての薄さを謳うためのパソコンは、収納時にその見かけ倒し加減が明らかになるが、Air はそのようなことがなくて(多少背面部は厚くなるが)使い勝手が収まりがいい。

剛性感はそれなりにあるものの、薄い分だけ液晶部がぐらつき易いのは否めない。きちんと机に置いて使っていれば良いが、電車の中で膝の上、なんて時は、重量も剛性も厚みもずっとあった MacBook Pro のような安定感はない。

でも、これは薄さ・軽さと引き換えの話であるし、また MacBook Air だけの問題ではないのでやむを得ない。割り切るしかない。

(3)USB ポートの使いづらさは想像以上

USB ポートが1つという(MacBook Air 最大の欠点)のは判っていたし、周りに Air ユーザーは多いからその不満も十分聞いていた。しかし、

USB ポートの奥さ加減は使い勝手悪すぎ…


というのは使い始めて実感した。ポートが1つでも良いが、もうちょっと手前に、USB ポートへケーブルなどを抜き差しし易い位置にあって欲しかった。

でもこのポート部の奥ばった加減は、ポートに蓋をするのも含めて「あらゆる見た目のスマートさ優先、デザイン優先」なわけで、Apple だから仕方ないかなと諦めるしかないし、ここまで徹底してくれれば怒り心頭というところまでいかない。

Apple だから許すとか Mac だから甘いとかではなく、中途半端にされると不満が爆発するだけになるけど、MacBook Air のように徹底されると、許せなくても諦めざるをえない。

そのあたり良きにしろ、悪きにしろ、Apple ってのは Mac にしても iPhone にしても徹底して自らのポリシーを貫いて統一感があるので、「不満はあるけど、そこは自分が合わすしかないよな…」って思わせるところがある。

もちろん、それが許容できない人は Apple 製品が全く肌に合わないだろうし、たとえ使ってもストレスが溜まってしまうだけになるから、買うのも使うのも不幸だ。

(4)Apple USB Ethernet アダプタが付属していた

別売りだったのに、いつから付属されるようになっていたのだろう?パッケージの中に入っていて驚いた。有り難いことはあり難いのだが、うち MacBook Air で使える USB Gigabit Ethernet アダプタも含めて、USB LAN アダプタが5個もあるんだよね…orz

(5)唯一 Snow Leopard にアップグレードした&したくなった

Snow Leopard 発売後の製品であるが、プリインストール OS は相変わらず MacOS X 10.5 Leopard のまま。もちろん、Snow Leopard の DVD は付属してきました。

ただ、他の Mac が全て Leopard のままで年内は Snow Leopard に移行する予定もない(仕事絡みでも同じ。理由がない)ので、Leopard プリインストールは有り難かった。酸いも甘いも知った Leopard で使えるのは助かる。

と思っていたはずが、1週間もしないうちに Snow Leopard にアップグレードしてしまった。理由は、OS をアップグレードすることで

貴重なディスクスペースは 10GB 近く空くし
(少しだけど)体感で判るほど動作速度が向上する


のならば、これはもうアップグレードしたくなる衝動を抑える方が無理と言うもの。

128GB という決して広くないストレージエリアで 10GB 近くも空き容量が増えるのは嬉しすぎるし、さほど速くない CPU だけに僅かだが体験でキビキビ感がアップする動作速度の向上も有り難い。

もっとも Leopard から Snow Leopard に変えることで開発環境絡みは大きく変化し、自作ソフトその他自分で make しなければならないものに関しては手間がかかったけれど、仕事面での Snow Leopard 移行時の調査もできたから良しとした。

ちなみに Apple のことだから、OS インストールやアップグレードでは純正の外付けスーパードライブを要求するかと思ったが(その場合は友達に貸してもらおうと思った)、手持ちの以前ネットブック用に買った安物ドライブでも問題なかった。

私が Snow Leopard アップグレードで使用したのは



という製品。ただ、これはもうディスコンになっていて、後継機は



という製品になってる。見た目も含めてほとんど変わってない感じだし、値段も同じ5千円台。ただ、私の使ったドライブと同じように使えるかは不明。

MacBook Air at the cafe in Itami Airport 4F


いずれにせよ、この MacBook Air を1ヶ月近く使ってきて思うのは、

普通の Mac として使えるし、見た目のスマートは随一だけど
普通のノートパソコンの利便性はない


ということだ。後者については言うまでもなく、「USB ポートが1つ、それも扱いにくい位置にポートがある」という点である。そして、それがまたデザインの良さを醸し出しているのだけど(デザインがいくら良くても、拡張ポートがずらずら並んでいたら台無しなのも事実)、これを許容できるハードルは低くない。

じゃあ、お前はどうなんだ?と言われると

MacOS X 環境が使える軽量サブノートが必要だから買った


わけで、だから

細かい不満はあっても、買った理由に十分適うパソコン


という結論になる。まぁ少しM体質を要求するパソコンではあるが…(笑)

制限のあるサブノートで何でもかんでもやらせようという愚かな思考ルーチンは持ち合わせてないし、幸い今まで使ってきた MacBook Pro や iMac など使い分けができる環境にいるので、「気軽に持ち出せる MacOS X 環境」というピンポイントな要求にさえ応えてくれれば何も問題はない。

少なくともネットブックとは違い、仕事をこなすマシンであるから、これ以上小さい必要もない。基本プライベート利用の VAIO type P などとは違う。サブ環境でもストレスなく仕事をこなすには、他の仕事環境と違いすぎないことも大切だ。

ともあれ1ヶ月近く使ってきて、MacBook Pro のように余裕や安心感はないけれど、一通りはこなせる・任せられる程度のものはあると感じた。そしてこれからは、出張その他お出かけの際に MacBook Pro の代わりにこの Air を安心して持ち出せる。

サブノートだけでなく、2〜2.5kg クラスの高性能ノート PC を持ち歩くことは昔から少なくなかったので、MacBook Pro を持ち出すことに躊躇いはなかったけれど、さすがに寄る年波には勝てず、最近は 2.5kg が重すぎると感じてきた。特に重さを全く感じさせない VAIO type P を使い始めてから、そうだった。それゆえ

VAIO type P 購入&愛用が MacBook Air 購入の引き金になった


と言える。ま、周囲の Mac ユーザーは半分くらい Air ユーザーになってるくらいだから、私はむしろ今までよく我慢したというべきかもしれない。

あとまぁ、MacBook Air に限らず Mac のノート PC 系全部に言えることだけど

MagSafe コネクタじゃないノートPC は、ちょっと不安


なんだよね。私みたいな粗忽者にとって MagSafe の安心感は結構大きい。

MagSafe のおかげでサードパーティーから安い AC アダプタは出てこないし、純正 AC アダプタは Air 用でも Pro 用でも1万円するけれど、AC ケーブルを引っ掛けた経験がある人間としては、MagSafe はキラースペックの一つだ。それに純正 AC アダプタは、サードパーティー製がなくても納得できるサイズ&使い勝手だしね。

MacBookAir at Cafe 2


さて、MacBook Air を購入してから「わざわざ Air 用に買ったアイテム」というのはほとんどないのだが、いくつかは Air 用に購入したものがある

○ USB 延長ケーブル

前述の通り MacBook Air の USB ポートは1つだけ&蓋に隠されているだけでなく、非常に奥まった位置にある。そのため、コネクタ直結型の USB 製品の多くが、直結のままでは使えない or 使いづらい。ので、短い延長ケーブルが必要になる。



この 5cm という超短い延長ケーブルと



こういった巻き取り式の延長ケーブルを使い分けてます。普段持ち歩きの小さな周辺機器入りポーチ(12cm×10cm の百均ポーチ)には emobile, Willcom の通信端末や接続ケーブル、iPhone用モバイルバッテリー、SDHC 小型カードリーダー、超小型 USB メモリなどともに前者の短いケーブルが入ってます。後者は出張・旅行用ポーチに入れてます。

この2つがあれば十分満足なのですが、こういう小物はついつい物欲が出るもので、



こんな形状の 10cm ケーブルなんかも便利かなぁ…と思いながら(無駄遣いと判っていながら)amazon のカートに入っていたりします。500円以下だとダメ元で買っちゃうんですよねぇ(笑)


○ 小型 USB HUB

USB ハブは色々買ってきたから、使わなくなった USB ハブは押し入れに何個も余っているのだけど、それらは全てデスクトップ用と言えるサイズ(給電タイプじゃない USB ハブなんて買ったこともないし)。

ノートパソコンと一緒に持ち出すための小型 USB ハブなんてのは買ったことがなかったし、必要もなかった。USB ポートは3ポートあれば理想だが2ポートでも困ることはないので、過去のノートパソコンでモバイル用 USB HUB が必要になったことなんてなかった(USB 1ポートでも CF スロットがあったりしたしね)。

というわけで、なんだかなぁ〜と思いながら



を購入。サイズ&収納性重視。まだ使ったことはないけど。使うことあるのかなぁ?(笑)


Speck SeeThru Hard Shell for MacBook Air

MacBook Pro ではずっと装着していた Speck の SeeThru Hard Shell。MacBook Pro 用に購入した当時は国内で取り扱ってるところもなく、Speck のサイトから直接購入したのだが、今は国内あちこちのショップで取り扱ってる。

speck MacBook 13
上記写真は MacBook 13" 用。Air 用も基本的には同じ。


とはいえ、せっかく薄さが大きな価値である MacBook Air に Hard Shell を取り付けて厚くしては本末転倒。ということで購入する気はなかったが、近いうちに MacBook Air を持ち出す可能性があるところでは取り扱いをいつも丁寧にしていられない可能性があるので、そこで使う時には装着しようと思って購入した。

普段は装着していないのだけれど、試しに装着しているとやっぱり安心感はある。MacBook Pro で長らく使っていたこともあるが、これを付けてると(閉じている)MacBook Air/Pro の上にちょいと物を置くのも気を使わなくても済むし、実際 MacBook Pro にはコレをずっと付けてきたおかげで、3年経っても新品同様?だ。

MacBook Air Side with SeeThru Hard Shell


MacBook Pro では長らく赤を装着してきたので Air では Smoke を購入。したけれど、やっぱり Cranberry が欲しいなぁ…なんて思っていたり。Air 用にはあまり良い色がないんだよね。

売れてないせいか本家では $49.95 → $14.95 の discount をしているが、日本だと Fedex の送料が $20 くらいかかるのが難点。

ちなみに購入後、普段は液晶側だけ付けているパターンが多いですね。両方付けると厚みが増してしまって何だかなーな感じになるのと、あまり Mac っていうのを主張したくないので目立つ液晶側だけでもカバーがあるとちょっと違うかな、と。

いずれにせよ、ある状況においてカバーがあった方が良いと思ったので購入したので、普段は外していることが多くても、私的には何の問題もないわけですが、とりあえず粗相の多い人にはお勧めではあります。

Speck | SeeThru Hard Shell for MacBook Air



というわけで、購入後1ヶ月近く使ってきた MacBook Air。今から買っても感動も糞もないし、

私にとっては、ただの実用品


だけど、

実用品として十分使えそう


というのが、今の率直な結論である。

でもまぁ、メモリ 4GB 搭載になるのを待ちきれなかったからメモリ 4GB モデルが出たら買い替える可能性はあるな…ついでに USB ポートが2つになってたり、液晶解像度が一回り増えたりしていたら特に買い替え衝動が抑えられないだろう(反面、このまま fade out の危険性も…)。
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PowerShot S90 発表後、検索エンジン経由でこの糞ブログに来られる人で「PowerShot S90」で検索して来る人が少なくなくて、非常に心苦しい思いをしていた。

多分、発表時の「S90 欲しいなぁ」としか書いてない記事が引っかかったせいで来てしまって、「なんだよ、この糞ブログ。無駄な時間と手間を食ってしまったぜ」と思いつつ、ブラウザの戻るボタンを押した人が多数いただろう。心からお詫びを申し上げたい。

そして、自己完結的紆余曲折を経て、ようやく購入してこの記事を書いているのだが、大したことも書けません。発売から1ヶ月近く経ってからの購入ゆえ、詳細なレビュー、他のコンパクトデジカメとの比較などは既にあちこちでされているし、今さら適当主義の私が出る幕でもないでしょう。

最初に結論から言ってしまうと、この PowerShot S90、

不満はなくはないけど、かなり高いレベルで満足。
現状では自分の理想に一番近いコンパクトデジカメかな…


という感じです。発表時に感じていたイメージと近い。もちろん、スペックでは見えてこない不満点はあるけれど、それはいつものこと。

コンパクトデジカメではスペックの見かけ倒しばかりで、実際に使ってみると落胆して大きく妥協せざるをえないことがほとんどだけど、PowerShot S90 はまだその落差が小さかったように思う。



前述のように PowerShot S90 発表から真剣に購入を検討していたのだが、買っても使うのか?という疑問に決定的な答えが出てこずに、発売日は通り過ぎてしまった。なにせ、最近は

  • 日常のスナップ& Twitter 投稿用には、写真を撮ってそのまま加工・アップロードでき、 GPS データーも記録できる iPhone 3GS

  • まともな画質や撮影自由度が欲しい時はマイクロフォーサーズ(先月までは DMC-G1 だけでなく E-P1 も持っていたしね)


というスタイルに落ち着き、その両者に挟まれて、今まで使っていたコンパクトデジカメ F100fd もほとんど使っていない状況でだった。だから新たにコンパクトデジカメを買っても結局使わないだけでは?という疑問、いや確信が覆せなかった。

それゆえ、「そのうち価格がこなれたら買おうかな…」と思いつつも結局買うことはないかもなぁ…と思っていたが、近々マイクロフォーサーズを含め一眼レフなボディを使えない期間がありそうなので、

コンパクトデジカメしか使えない状況が出てくるなら
撮影自由度の高い、露出意図が行えるコンパクトデジカメが欲しいよね


ということになり、Powershot S90 を買う理由ができてしまったのだ。間違っても「物欲を消化するために無理して理由を作った」というパターンじゃないので念のため(笑)。いやホント、今回ばかりは理由ができない方が良かったり(^_^;)

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(PowerShot S90, 35mm, P, F2.8, 1/40s, ISO80, -0.67EV)


自由に使うカメラが選べる状況なら今まで通り、撮影自由度が欲しかったら E-P1 なり DMC-G1 を使えば良いや、と思っていたし、それで不自由はなかった(もちろん、その更に上には EOS 7D, 1D MarkIII があるわけだが)。

単にコンパクトデジカメで撮るだけなら、今まで使ってきた富士フィルム FinePix F100fd でも別によかった。発売当時はともかく今となっては画質的にさほど優れているとも言えないが(並み以上ではあるけど)、所詮コンパクトデジカメだから、と割り切れば今でも十分我慢できる画質。ま、露出補正すら死ぬほどやりにくい操作性は我慢も限界だけど…

でも、せいぜいコンパクトデジカメくらいしか持って行けない、使えない、という状況になれば話は別。そうなると、コンパクトデジカメにも自分が求める(ものに近い)カメラが欲しくなる。

そして私がコンパクトデジカメに対して求めるモノというのは、

  1. 凄く良い画質とは言わないまでも、それなりに良い画質。等倍画質は気にしないが、50% 縮小で見られる写真になる程度の画質は欲しい。

  2. ISO 400〜800 領域が実用になる高感度画質。現段階でコンパクトデジカメで ISO 3200 以上が実用になることまで望まないが、ISO 800 までは納得できる画質であってほしい(できれば ISO 1600 も)。

  3. P/S/A/M の各露出モードがあること。それらがあればシーンモードなどは、どうでもいい。

  4. 露出モードに応じた設定変更や露出補正が素早くできること(F100fd みたいなのは論外)。

  5. ISO オートがあって、最高感度設定ができること。

  6. RAW 撮影は必須じゃないが、あれば嬉しい。逆に RAW 撮影があるなら RAW + JPEG 撮影モードは必要。

  7. 単焦点コンパクトデジカメは飽きたし、全てを賄うためには結局もう1台を持つことになるので、ズームレンズ機一択。28mm スタートでテレ端は 100mm 前後は欲しい。ただし、コンパクトデジカメの 200mm 域以上は無理あり過ぎなので不要。

  8. まともに効く手ぶれ補正内蔵(某社とか某社みたいな、なんちゃって手ぶれ補正はもう嫌)。

  9. レンズバリアがあること(コンパクトデジカメでレンズキャップ式はもう勘弁)。

  10. 背面液晶はサイズより見え味重要。

  11. レンズに起因する画質については、ボディサイズに縛られるので無理は言わない。サイズ優先で妥協。

  12. 電源 ON 時に、前に使っていた最後の画角に自動的に戻してくれる機能があれば嬉しい。

  13. ステップズームがあると、理想的。

  14. デジタル水準器は、できるだけあった方が良い。

  15. 顔認識 AF/AE とかマクロは適当でいい。

  16. 動画機能もどうでも良いが、あれば AVCHD Lite で長時間撮影可能な方が良い。

  17. 再生時に拡大していて一発で標準倍率に戻れないとか、ボタンやホイール操作から反応にタイムラグがないとか、そういう細かい操作性は意外と重要。

  18. どんな機能があっても、コンパクトデジカメと呼べるサイズでなかったら却下。


というものである。

今までこんな理想に近いカメラは望むべくもなく、GR Digital や DP1 のような単焦点モデルに行ってみたり、高感度特性に優れたハニカム素子の F100fd に行ってみたり…でも結局は妥協中の妥協しかなく、最後には「iPhone 3GS とマイクロフォーサーズがあればコンパクトデジカメは要らんわ〜」となってしまった。

今回はひょんなキッカケからコンパクトデジカメを買うことになったのだけど、注目していた PowerShot S90 は上記の条件のうち、かなりを満たす。特に

PowerShot S90 は P/S/A/M 各露出モードが使えて
レンズ脇にリングコントローラーがあって
ステップズームが使えて(制限付ながら前回撮影画角の記憶あり)
ISO800 を使う気にさせる高感度画質で(F100fd よりずっと好み)
コンパクトでは AF は速い方だし AWB は信頼できるし
それでいてコンパクトデジカメというサイズに収まってる


という主たる評価ポイントは、私の理想にかなり近い。

そして購入して実際に使ってみても、

自分が求めていたものに近いコンパクトデジカメだなぁ…


と思うのだ。過去にも色々と良いコンパクトデジカメは使ってきた。GR Digital にしろ DP1 にしろ、良いカメラはあった。でも、それらは一芸に秀でるタイプ。この PowerShot S90 を使ってみての第一印象は

撮る時に我慢する部分が少ないねぇ


というものだ。操作性に文句を付けたい部分はあれど、F100fd や DP1 のような「設計したヤツは、ちょっと顔貸せよ」と思えるようなことはない。

また、単焦点はそれはそれで良いし画質的にも有利だけど、でもズームが欲しい時というか、画角を変えたい時は多い。その点、S90 にはステップズームという武器がある。

元々コンパクトデジカメに無段階のズームなんてほとんど存在しないし、28, 35, 50, 85, 105mm のステップズームは単焦点の切り替え感覚で使えるから理想的だ(画質は無視せざるを得ないが)。それにコンパクトデジカメのズームレバーはホント萎えるけれど、S90 はリングコントローラーがある(万能じゃないけど)。

また、手ブレ補正が十分に効く上に高感度画質が高いということは、夕暮れ以降でも気軽に使えるし、後から暗いシーンで撮った画像を見て萎えなくて済む。撮った写真を後から見て萎えることが続くと、どうしても撮るのを躊躇ってしまうからねぇ。

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(PowerShot S90, 28mm, F2, 1/30s, ISO400, -0.67EV)


ISO 400 で↑の画質なら、全く躊躇することなく使える。今まで使っていた FinePix F100fd も高感度画質の良さで買ったけれど、年月の差も含めて画質的には随分良く、私の好みになっている。

GR Digital III や Powershot G11 でも採用されているソニー製 CCD の素性の良さと、EOS 7D でも見せつけたキヤノンの高感度画質処理が見事にハマってるのかな?と思う。

今まで(F100fd なども含めて)コンパクトデジカメで ISO 400 にして撮ったものを等倍で見る気になることはなかったから、S90 が手元に来て最初にこの写真を撮って、家に帰って見てちょっと驚いたくらいだ。

20091108172120
(PowerShot S90, 28mm, F2, 1/30s, ISO800, -0.67EV)


似たようなシーンで ISO 800 で撮影して、これを等倍で見ると ISO 400 に比べてそれなりに甘くなってしまっているし、ノイズ処理による画質劣化が目立ち始めるが、小さなコンパクトデジカメで撮ったものと考えれば十分納得だ。50% 縮小にすれば素晴らしく良く見えるから、十分以上に実用的。

ISO 1600 になるとさすがに厳しく、私の中では非常用でしかないが、ISO 800 が十分使え、ISO 400 なら積極的に使える画質なのは本当に素晴らしい。リコーや富士フィルムとは比べ物にならない手ぶれ補正の効きと露出コントロールがあるし、暗くなってからでも十分に使えるコンパクトデジカメと言える。

とはいえ、100% 満足というものは存在しえないし、画質においてもそうだ。低感度での画質は決して悪いものではないが、発売直後から言われているように

ほとんど仕様というレベルで、右端が方ボケする


のは頂けない。操作性の点で多少の問題はあるにしても、PowerShot S90 を評価する上で一番のポイントになるのは、この画面右端が方ボケする状況を我慢できるかどうか(納得とは言えない)だろう。

この PowerShot S90 における方ボケ問題は「デジタル一眼を比較してみるブログ」で詳しくレポートされています。

Canon PowerShot S90購入とコンパクトデジタルカメラ比較
コンパクトデジタルカメラ換算50mm比較
S90の片ボケに関して
S90光学ユニット交換と像面湾曲

これらの記事で報告されているように、個体を交換しても症状は同じであったり、キヤノンに調整修理を依頼しても同じであるばかりか、方ボケが両ボケになって戻ってくるという有様で、ネットにおいての他の報告例を見ても、方ボケはほとんど仕様と言って良い状況のようです。

私の個体も例に漏れず、

Powershot S90 方ボケ・ワイド端左下隅
(28mm ワイド端で撮影写真の左下隅)


に比べ、

Powershot S90 方ボケ・ワイド端右下隅
(28mm ワイド端で撮影写真の右下隅)


であったり、

Powershot S90 方ボケ・50mm左隅
(50mm で撮影写真の中央左隅)

Powershot S90 方ボケ・50mm右隅
(50mm で撮影写真の中央右隅)


だったりしていて、左右端で酷い違いが見られています(いずれも開放 F値で撮影)。

両方が同じくらい流れていると「所詮コンパクトデジカメだし、このボディサイズに F2.0 なんて無理したレンズを積んだから仕方ないのかもね」と思えても、こうやって左側が隅でもきちんと解像しているのを見てしまうと、正直なんだかな〜、なのも事実。

ちなみに 50mm あたりまでは酷いことになっているけれど、テレ端では

Powershot S90 方ボケ・テレ端左下隅
(105mm テレ端で撮影写真の左下隅)

Powershot S90 方ボケ・テレ端右下隅
(105mm テレ端で撮影写真の左下隅)


と、差があまりなくなっている。

こういった症状をどう捉えるかは人それぞれだろう。「こんな糞レンズを使ったカメラなんぞ、絶対に認めん!」という人もいるだろうし、そう言われても仕方ないかも…と思う。

ただ、私は

所詮コンパクトデジカメだし、うるさく言っても仕方ないんじゃね?


と感じてる。そりゃこれがLレンズだったらボロクソ書いて返品だけど、所詮3万円台のコンパクトデジカメだしね…

それに PowerShot S90 のフォーカスエリアは任意点指定では中央しかないんだし、隅の方をとやかく言ってもねぇ…という感じだ。もちろん、こんなことはない方が良いのだけど、

レンズ性能はボディサイズに依るところも大きいし
開放F値やボディサイズを考えれば、これくらい妥協できるわ


というのが私の感じ方。諦めと言えば諦めですけどね。もっとも、色々な事例をネットで見る限り、私の個体はちょっとボケ具合が酷すぎるようにも思うので、折りをみてキヤノンに持ち込む可能性はあります。

いずれにしても、この方ボケ問題は PowerShot S90 の大きな欠点の一つですし、人に依っては致命的かもしれないが、私にとってはギリギリ妥協できる範囲というのが現在の結論です。

それに「レンズをとやかく言うなら PowerShot G11 もしくは Panasonic LX3 を買えば?」と思ってます。でもマイクロフォーサーズを持ってる私にとって、コンパクトデジカメに G11 のサイズは有り得ないですし、テレ端が狭くレンズバリアのない LX3 も、またない。結局

コンパクトデジカメなんて妥協の産物じゃね?


と思う中で(一眼レフでもそういう側面は大いにありますが)、どこを優先して妥協するのか?を見極めることがコンパクトデジカメ選びのポイントだと思うわけで、私の場合は

「露出モードの自由さ」
「ステップズーム」
「高感度画質」
「利便性」
「AF/AE/AWB 性能」
「ボディサイズ」

を優先しての S90 であり、それをもって購入したために、使い始めてから目をつぶる部分は意外なほど少なかった、と思っています。

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(PowerShot S90, 28mm, F2.8, 1/30s, ISO80, -0.67EV)


この方ボケ問題を除いて、PowerShot S90 に不満があるとすれば操作性と言うか、ボタン配置というか、そういったところでしょう。特に、誰しも PowerShot S90 を触って疑問に思うのは電源ボタンの位置。

「え?このボタンは電源ボタンじゃないの?」


と思うのが、RING FUNC ボタン。前面のレンズ周囲のダイアル状コントローラーの役割を割り当てるボタン。それが、多くのコンパクトデジカメで電源ボタンがあるような位置に鎮座していて、電源ボタンはさらに左にある。よって

右手一つでカメラを持った状態で、電源を入れるのが難しい


わけで、コンパクトデジカメという商品を考えた場合それ自体が疑問であるけれど、百歩譲ってそれを許容したとしても、

リングコントローラーの機能設定ごときが何故
貴重な独立ボタンになっていて、しかも良い位置に鎮座してるんだ?


という疑問は、どうやっても回答が出てこない。リングコントローラーに割り当てる機能を頻繁に変えることを想定しているのだろうか?たとえ、リングコントローラーの機能を変えて使う人がいるとしても、マイメニュー or ショートカットボタンで設定できれば十分だと思うのだ。

ボタンを増やすことには反対ではないどころか、むしろ賛成なのだが、親切のボタンは電源ボタンとは位置を逆にすべきだったと思うし、またショートカットボタンのように汎用に割り当てられるボタンにすべきだったと思う。なんというか

せっかくのスペース、ボタンが
あまり使われない機能に固定されてるのは勿体ない!


と思うのである。一眼レフですらそう思うのだから、コンパクトデジカメではより強く思う。でも、

貴重なボタンを無駄な機能に割り当てるのは、キヤノンの悪い癖


でもある。最近なら EOS 7D。7D のピクチャースタイル切り換えボタン。7D の記事でも書いたが、7D を使うユーザーにとってはピクチャースタイル切り替えより、もっと重要な個別機能ボタンを作るべきだろ…と。発売前イベントで社員にそれを突っ込んだら、「確かにその通りですね」と言われたけど。

そんな操作性の点で、もう一つ大きな問題と言えば

コントローラーホイール(メインダイアル)が異常に軽いこと


でも、これもキヤノンの伝統なんですよね。ちょっと触れただけでパラメーターが意図せず変わってしまうので、結構苦情行ってると思うんですけどねー。なんでなんでしょうねぇ。

モードダイアルは(EOS 7D と違って)結構固めで、個人的には凄く良いと思ってるので、コントローラーホイールがあんなに軽いのは本当に不思議です。モードダイアルほど硬くすると使い辛いでしょうが、今はホイールを回してる時もスカスカですし、ちょっと触れただけで設定が変わってしまいますからねぇ。硬いと硬いで文句は言われそうですが。

その他、細かい点では

  • 背面右ボタン・コントローラー群の下にスペースが少し空いているのだから、できればボタン・コントローラー群を下に寄せて、親指グリップ部を大きくして欲しかった(内部の問題があるのだろうけど)。

  • ズームレバーがショボクて操作しづらい。

  • ISO オートの最高感度が設定できない。

  • マイメニューに登録できる項目がメニュー項目だけで、撮影機能の大半を占めるファンクションメニュー内の項目を登録できない。

  • RAW 撮影機なんだからピクチャースタイルがあっても良かったような…

  • ポップアップストロボの飛び出し・収納がちょっと怖い(笑)

  • デジタル水準器は欲しかった(けれど、このサイズでこれ以上機能満載にするのは無理だったとしても仕方ないと思う)


という点はあるものの、基本的にはキヤノンのコンパクトデジカメの操作性は良くできてると実感させられる。

ただ、もう一つ個人的に大きな問題点として、リングコントローラーにステップズームを割り当てていると、前回撮影時の画角を覚えていて電源 ON 時にその画角に戻してくれる機能があるのだが(リコー機にあって欲しかった機能だ)、

電源を切る時に再生モードだと、電源投入時の画角復帰機能が働かない


という問題がある。

つまり、50mm で撮影していて、そのまま電源を切って次に電源を入れると自動的にレンズは 50mm に戻してくれるが、50mm で撮った後、画像再生モードにしてそのまま電源を切ると、次に電源を入れても 50mm には戻してくれず、28mm のままである。

これがバグなのか仕様なのかは判らないが、片手落ちすぎるだろうと思う。これくらいはファームウェア・アップデートで直して欲しいけど、なにせリコー以外はコンパクトデジカメにファームウェア・アップデートをあまり期待できないからなぁ…と思いつつ、レポートは入れないとね。でないと、何も変わらないから。

20091113162105
(PowerShot S90, 105mm, F4.9, 1/125s, ISO800, -0.67EV)
実際より明るく露出してみたらISO 800になってノイズが目立つ感じに。
このあたりのノイズ感と解像感のバランスはEOS 7Dに似てる。
この秋の DIGIC IV のお味はこういう傾向ということだろうか…


とまぁ、不満点を色々挙げてみたけれど、最初に書いたように基本的に満足しているわけで、良い点で今まで書いてこなかった細かいところをザッと挙げてみると

  • リングコントローラーだけでなく、ショートカットボタンに好きな機能を割り当てられる。

  • (前述の問題があるので)使える度は今イチ低いけど、マイメニューがあるのは良い(個人的にはあって当然レベル)。

  • その他基本的な操作方法で、不可思議な点はなく素直に使える。

  • 高感度はすこぶる優れた画質だし、低感度でもまずまず納得できる画質。

  • RAW 撮影ができるだけでなく、RAW + JPEG 撮影モードも可能。

  • カスタム設定撮影モードは1つしかないが、コンパクトデジカメこそあると便利な機能。

  • マニュアル露出だけでなく、マニュアルフォーカス、マニュアルホワイトバランスも可能だし、ホワイトバランスは微調整も可能。

  • ピクチャースタイル代わりのマイカラー設定では自分独自のカスタムカラー設定も作れる。

  • ブラケット撮影が可能で、露出ブラケットだけでなく、フォーカスブラケットも可能。

  • 測光方式も評価測光、中央部重点平均、スポット測光が選べて自由度が高い。

  • 背面液晶は大きく、そして見やすい。

  • メニューで設定できる項目はそこそこ多く、概ね痒いところに手が届く内容。

  • AI Servo (AF-C) がコンパクトデジカメの割には良い感じで作動する。


といったところ。とにかく、

一眼の感覚で使える機能が多いので、撮影自由度にストレスがない


のが本当に心地よい。それがこのサイズのコンパクトデジカメで可能になっているという点が素晴らしい。

コンパクトデジカメの AF-C (AI Servo) に関しては“とりあえず機能としてある”というレベルにしか期待していないし、PowerShot S90 も真剣に動体撮りを考えるレベルにはないけれど、ちょっとしたスナップでの動体撮りくらいはこなしそうだ。

動きものに関しては購入後今まで適当なサンプルを撮る機会がなかったので、頭上のモノレールをサクッと撮っただけだが、

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(Tv, 105mm, F4.9, 1/500s, ISO80, AF-C)

20091112111811
(Tv, 105mm, F4.9, 1/500s, ISO80, AF-C)


という感じ。2枚目は AI Servo 追従の連写3枚目。等倍で見ると甘いけれど、これくらいならいつでも余裕でこなすという感じだ。この程度なら慌ててカメラを取り出して、急いで AI Servo をオンにして(私はショートカットボタンに AI Servo ON/OFF を割り当てている)、被写体にカメラ向けてシャッターを切っても撮れる感じ。

もうちょっと、きちんと追い込んで撮ればマシになるかもしれないが、コンパクトデジカメで動きもの、スポーツや飛行機を撮ろうとは思ってないので、適当にカメラ向けてこの程度撮れれば悪くないかな、と思ってる。

以上、なんか適当に書き連ねているうちに、またいつものようにダラダラと長くなったけれど、PowerShot S90 を手に入れての初期インプレッションである。何度も書いているように、今は不満はあまりなく、満足度は大きい。

きっと、この先使って行くうちに、また色々と不満が出てくるかもしれないが、ひとまず「買ってよかった」のは間違いない。そして、こう言える。

一眼レフと同じように露出コントロールしたい
でも尖りすぎないで普通に使えるコンパクトデジカメが欲しいなら
是非検討すべき一品


であると。

  • 露出コントロールを含めて撮影自由度は高いけれど、

  • GR Digital や DP1 / DP2 のような尖った感じはなく普通のズーム・コンパクトデジカメとして使えて、

  • LX3 のように広角に広くなく一般的な 28mm だけど、LX3 に比べて望遠側に長く一般的なズームレンジであり、またレンズバリアがあって気軽に普通のコンパクトデジカメ感覚で使えて

  • G11 ほどレンズの良さや多彩さ、操作性の良さはないけれど、普通のコンパクトデジカメサイズ


そんな PowerShot S90。

見た目も中身も普通のコンパクトデジカメだけど
撮影自由度は一眼レフライク


久々に良いコンパクトデジカメだと、買う前も買ってからも思っている。



【追記】RING FUNC ボタンの位置問題は、この記事を書いた翌日の 田中希美男氏のブログでも取り上げられています。ホント、皆が思うことがなぜ?設計したヤツは馬鹿なの?確信犯なの?って感じですが、キヤノンの場合は誰が突っ込もうと暖簾に腕押しですからねぇ。
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